国連人権理事会の特別報告者を務めるベラルーシ人のアレナ・ドゥハン氏は、米国に対して、紛争によって破壊されたシリアの市民インフラの再建を阻害する一方的な制裁を解除するよう求めた。
ドゥハン氏は次のように述べた。
「米国の制裁は、10年近く続く紛争で国を破壊されたシリア国民の人権を侵害している。
紛争と暴力は、基本的権利を実現しようとするシリア国民の能力に深刻な影響を与え、家屋、医療施設、学校などに甚大な被害を与えている。
シーザー(・シリア市民保護)法のもとに課せられている制裁はシリアの悲惨な人権状況をさらに悪化させると考えている。とりわけ、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、シリア国民をさらなる人権侵害のリスクにさらしかねない。
2020年6月にシーザー法のもとで最初の制裁が出された時、米国はシリア国民に被害を与える意図はないと言った…。だが、この法律が施行されることで、人道危機は悪化し、シリア国民が基本インフラを再建する機会を奪われている。
AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。
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