トルコ軍がシリア政府の支配下にあるイドリブ県のM5高速道路の沿線を砲撃(2021年12月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府の支配下にあるM5高速道路の沿線に位置するカフルバッティーフ村、ハーン・スブル村の灌木地帯を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方各所を砲撃した。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマンタフ村、マアッルバリート村、マアッルザーフ町を誘導砲弾3OF39クラスノポールで砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がフラーク市近郊のシリア軍第52機械化旅団基地に周辺に設置されている警備拠点複数カ所を襲撃した。

これに対して、第52機械化旅団がフラーク市各所を砲撃し対抗した。

一方、政府当局は2018年のシリア軍による同県制圧時に拘束した反体制武装集団メンバーら約20人を釈放した。

このほか、シャイフ・サアド村近郊で正体不明の武装集団がヨルダン国籍の退役士官1人を殺害した。

殺された退役士官は、シリア人と結婚した娘に会うためにシャジャラ町を訪れていた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 13, 2021、ANHA, December 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 13, 2021、Reuters, December 13, 2021、SANA, December 13, 2021、SOHR, December 13, 2021、December 14, 2021などをもとに作成。

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