イスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス一帯の軍事拠点をミサイル攻撃(2022年10月24日)

シリア軍筋は声明を出し、イスラエル軍戦闘機が午後2時頃、占領下イスラエル北部から首都ダマスカス周辺の複数ヵ所を狙ってミサイル多数を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、そのほとんどを撃破、被害は兵士1人の負傷と若干の物的被害に留まったと発表した。
SANA(10月24日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、攻撃は、ダマスカス郊外県キスワ、近郊のヒルバト・シヤーブ地区の防空大隊基地、ディーマース航空基地など、レバノンのヒズブッラーをはじめとする「イランの民兵」の軍事拠点を狙ったもので、シリア軍兵士2人(うち1人は少尉)が死亡、2人が負傷した。

イスラエル・トゥデイ(10月27日付)などは、この攻撃でディーマース航空基地に敷設されている無人航空機(ドローン)の製造工場が破壊されたと伝えている。

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イスラエルが日中にシリア領内にミサイル攻撃を行うのは異例。

サウト・アースィマ(10月24日付)は、複数の匿名筋の話として、攻撃がイラン・イスラーム革命防衛隊とヒズブッラーの司令官会合を狙って行われたと伝えた。

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ロシア当事者和解調整センターのオレグ・エゴロフ副センター長は25日、2 機のイスラエルの F-16 戦術戦闘機が10 月 24 日の午後 1時50分 から 2時2分にかけて、占領下のゴラン高原上空から、首都ダマスカス一帯の目標に対して 8 発の巡航ミサイルで空爆を行ったと発表した。

エゴロフ副センター長によると、これに対して、シリア軍防空部隊は迎撃によってミサイル4発を撃破したが、攻撃によりシリア軍兵士2人が負傷した。

AFP, October 24, 2022、ANHA, October 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2022、Israel Today, October 27, 2022、Reuters, October 24, 2022、RIA Novosti, October 25, 2022、SANA, October 24, 2022、Sawt al-‘Asima, October 24, 2022、SOHR, October 24, 2022などをもとに作成。

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