シリア民主軍のアブディー司令官:「米国は声明を出すだけで何もしない」「ロシアは中立的」「我々はおおむねシリア軍の防衛システムの一部をなしているが、そこには条件がある」(2022年12月7日)

『シャルク・アウサト』(12月7日付)は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー司令官とのインタビュー記事を掲載した。

インタビューはイブラヒーム・ハミーディー氏が5日にズームを通じて行ったもので、アブディー司令官は、2019年にトルコがシリア北部に対して行った「平和の泉」作戦に際して、ドナルド・トランプ米政権がシリア民主軍を裏切ったと主張した。

アブディー司令官はまた、ジョー・バイデン米政権が再びシリア民主軍を「裏切る」可能性について以下の通り述べた。

我々は常に懸念している。だが、我々は米国の新政権(バイデン政権)が約束を守り、トルコがいかなる作戦を実行することも許さないことを願っている。
(トルコ軍の航空機は)ダイル・ザウル県に入り、国境から80キロも奥地にある(ハサカ県の)フール・キャンプを標的とした。シリアの領空はすべて開かれてしまっている。
米国は声明を出す以外何もしていない。

一方、ロシアやシリア政府については次のように述べた。

今のところ、ロシアは我々とトルコの間で中立な立場におり、2019年のソチ合意を適用し、これに対する違反に対処しようとしている。
我々はおおむねシリア軍の防衛システムの一部をなしている。だが、そこには条件、そして細目がある。我々は10年を経て、10万人以上の兵士を擁するようになっており、彼らは戦闘に参加している。彼らには、憲法、法律に基づいた解決策が必要だ。シリア民主軍は軍のなかでの独自性と独自の役割が必要だ。
我々はダマスカスに使節団を送っている。問題解決の機が熟せば、私もダマスカスに赴きたい。

AFP, December 7, 2022、ANHA, December 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2022、Reuters, December 7, 2022、SANA, December 7, 2022、al-Sharq al-Awsat, December 7, 2022、SOHR, December 7, 2022などをもとに作成。

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