反体制活動家らが「国民救済大会」の開催を宣言するも、シリア革命調整連合がボイコットを表明(2011年7月15日)

反体制勢力の動き

「影の内閣」発足をめざすハイサム・マーリフ弁護士ら「国内外のシリア愛国主義者たち」を名乗る反体制活動家が声明を出し、「国民救済大会」を7月16日土曜日にダマスカス(カーブーン区)とイスタンブールで同時開催し、国を専制状態から民主制へと脱却させるための行程表を案出し、体制打倒というシリア世論の明確な要求に応える仕組みを検討する」と発表した。

同声明はまた、「国民救済発足委員会が大会で設置され、民主制への移行と、シリア世論が闘っている問題に対処するための行程表を策定する」と明言するとともに、同委員会が「反体制勢力の代表と革命を行う若者たち」から構成されるだろうと述べた。

『ハヤート』(7月16日付)によると、「国民救済大会」には500人以上が出席予定だという。

大会準備委員委員長兼報道担当者のハイサム・マーリフ弁護士は国内の反体制勢力代表としてイスタンブールを訪問することが決まっている。

大会には、さまざまな反体制勢力の代表が出席する予定で、そのなかには共産主義者、シリア・ムスリム同胞団、リベラル勢力、人権活動家、青年活動家などが含まれている。

出席する主な反体制活動家、活動家、作家は以下の通り:ラドワーン・ズィヤーダ、ウバイダ・ナッハース、ナジーブ・ガドバーン、イマード・ラシード、フィダー・マジュズーブ、ムハンマド・アブドゥッラー、イサーム・アッタール(元シリア・ムスリム同胞団最高監督者)。

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シリア革命調整連合はフェイスブックで声明を出し、国民救済大会が「体制に利するものであり、体制によいイメージを与えようとするものである」と非難し、大会をボイコットすると宣言した。

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市民社会再生諸委員会のファーイズ・サーラ氏はダマスカスでの国民救済大会に参加しないと述べ、委員会の他のメンバーも、参加するかしないかを自身で決める権利があると述べた。

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ダマスカス宣言執行部のサミール・ナッシャール委員長は、執行部会合で国民救済大会に参加しないことを決定したと述べた。

ナッシャール委員長は「我々は参加できないと謝罪しつつ、大会の成功を望む旨伝えた。我々は彼らに状況は現実的でなく、影の内閣構想は現実にそぐわないと伝えた。だが我々はダマスカスではなく、イスタンブールの大会にオブザーバーを1名派遣する予定である」と述べた。

国内の暴力

複数の活動家によると、各地で合わせて100万人以上が街頭に出て、政治犯の即時釈放を当局に求めた。

シリア人権監視団によると、デモ参加者数はハマー市およびその近郊で50万人を超え、ダイル・ザウル県では45万から50万人に達したという。

またダマスカス県ではカーブーン区のデモに約2万人が参加したという。

これに対し、治安部隊はデモ参加者を排除するために発砲し、少なくとも27人が死亡、数十人が負傷した。

主な犠牲者はダマスカス県カーブーン区で14人、ルクン・ディーン区で3人、ダマスカス郊外県ドゥーマー市で3人、イドリブ市で3人、ダルアー市で2人など。

レバノンの動き

『ハヤート』(7月16日付)によると、北部県トリポリ市クッバ地区のハムザ・モスク前でアサド政権退陣を求めるデモが行われ、数十人が参加した。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン国務長官はシリアの情勢が「依然として未決のまま」と強調した。

イスタンブールでのリビア情勢連絡グループ会合に出席したクリントン国務長官は、「シリアの体制とシリア国民の最終的な運命は国民次第だ」と述べ、「シリアは後戻りできない」と改めて明言した。

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『ハヤート』(7月16日付)は、イスタンブールの西側外交筋の話として、西側の治安機関は、イラン政府がシリア政府によるデモ弾圧に全面支援している証拠を持っていると伝えた。

これに関連して、フランスの経済紙『Les Echos』は、イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師が58億米ドルの資金援助を支援し、シリア経済を支えようとしているとの報告書をイラン指導部と関係があるイランのシンクタンクがまとめたと報じた。

同紙によると、ダマスカスが直面する困難な状況のなかで、イラン指導部は58億ドルの資金援助を検討、このなかには、ただちに利用可能な15億米ドル分の3ヶ月融資なども含まれているという。

AFP, July 15, 2011、Akhbar al-Sharq, July 15, 2011、al-Hayat, July 16, 2011、Kull-na Shuraka’, July 15, 2011、Naharnet, July 15, 2011、Reuters, July 15, 2011、SANA, July 15, 2011などをもとに作成。

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米国務省高官がムアッリム外務在外居住者大臣と電話会談し、米国大使館襲撃の責任をめぐってシリア政府を非難(2011年7月14日)

反体制勢力の動き

シリア革命調整連合は7月15日を「自由の捕虜たちの金曜日」と銘打って、各地で反体制デモを行い、逮捕者数千人の即時釈放を求めるよう呼びかけた。

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『ハヤート』(7月15日付)によると、反体制活動家のハイサム・マーリフ弁護士は、7月16日に予定されている反体制勢力の会合で「影の内閣」発足宣言を準備していると発言した。

この発言に対し、仏ソルボンヌ大学のブルハーン・ガルユーン教授はフェイスブックで「この問題に関して、反体制勢力内では何らの議論も行われていない。それゆえ、影の内閣発足宣言は、シリアの反対勢力がどのように互いに関わり合うかを決するうえでの重大な先例となるだろう」と批判した。

ガルユーン教授は「このような決定が(デモを)調整する活動家、さらには他の反体制各派をおざなりにして決せられてはならない」としたうえで「内閣発足宣言は時期尚早であり、もし発足されれば、民衆運動や現地での活動に悪影響を与えるだろう」と強調した。

シリア政府の動き

ワシントンの国務省高官が『ハヤート』(7月15日付)に述べたところによると、ウィリアム・バーンズ米国務次官がワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と電話会談を行った。

電話会談でバーンズ米国務次官は、以下3点を伝えたという。①米国大使館への襲撃は受け入れられず、繰り返されてはならず、ワシントンはシリア政府の責任を非難する。②シリアの現状は持続するものではなく、政府はシリア国民の民主的要求に耳を傾けるべき。③ロバート・フォード米大使のハマー市訪問をホワイトハウスおよび国務省は完全に支持している。またEUは「シリアでの人道被害は許されざるものとなっている」と述べた。

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SANA(7月14日付)によると、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)、アレッポ大学、ダイル・ザウル市、ハサカ市、タッル市(ダマスカス郊外県)、タルトゥース市、ラタキア市などで、アサド大統領の包括的改革プログラム支持、外国の干渉拒否を訴えるデモ集会が行われ、多数の市民が参加した。

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SANA(7月14日付)は、ハマー市で武装集団が12、13日に治安部隊隊員2人と高校生1人を拉致したと報じた。

SANA, July 14, 2011
SANA, July 14, 2011

またSANAによると、ダマスカス郊外県カタナー市では、改革を求める市民のデモに乗じて、武装集団が破壊行為を行ったと報じ、その写真を掲載した。

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SANA(7月14日付)によると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県の若者150人が集まり、「国民青年対話センター」を立ち上げ、包括的改革プログラムへの支援方法などを協議した。

国内の暴力

ヒムス県では、複数の目撃者によると、治安部隊が早朝からヒムス市バーブ・スィバーア地区で大規模な家宅捜索を開始し、同地区では激しい銃声音が聞こえた。

シリア人権監視団によると、市内で兵士1人が殺害され、市民11人がバーブ・スィバーア地区とファーフーラ交差点地区で治安部隊によって銃殺された。

また「負傷者のほとんどが重態で、死者が出たとの情報もある」という。

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ダイル・ザウル県では、複数の目撃者によると、ダイル・ザウル市で発生したデモに対し、治安部隊が発砲し、参加者2人が死亡、7人が負傷した。

ロイター通信(7月14日付)によると、「約1,500人が猛暑にもかかわらず昼間のデモに集まった。またこれとは別に数千人が2人の殺害を受けて広場に集まった。約1万人が会場にはいた」と語った。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、シリア軍がザーウィヤ山で作戦を継続し、7人を殺害した。

レバノンの動き

NNA(7月14日付)は、ナバティーヤ県に過去数日間でシリア人25世帯以上が避難してきた、と報じた。

諸外国の動き

フランスのニコラ・サルコジ大統領は、フランス革命記念日を記念とした恒例の軍事パレード後に行ったTV1、TV2とのインタビューで、「シリア大統領の態度は決して受け入れられない。だが…国連は干渉を求めるいかなる決議も採択していない」と述べた。

サルコジ大統領はそのうえで、「国民に対してきわめて野蛮な措置をとる体制に対して、私は制裁が強化されねばならないと考えている」と答えた。

また「我々は今日、新たな世界に生きており、どこの独裁者であれ免罪されることはなく、世界の大国はそのことに関して責任を果たすべきである」との見方を示し、「流血を引き起こすすべての独裁者は」国際刑事裁判所で「制裁を受けねばならない」と強調した。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領は、アラブ世界の抗議運動をベルリンの壁崩壊に例え、「中東・北アフリカで起きている変化は…歴史的性格を持っている。それは、ベルリンの壁崩壊後の中部ヨーロッパで起きたのと同様の変化に道を開くかもしれない」と述べた。

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ジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ欧州委員会委員長は、シリア政府による改革と対話の約束が「弱く、まだ履行されていない」との見解を示し、欧州はシリアでの「早急な変革」を求めて圧力をかけ続けるだろうと強調した。

また人道被害が「受け入れられない状態になる」とも述べた。

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SANA, July 11, 2011
SANA, July 11, 2011

『ガーディアン』(7月14日付)は、11日にSANAが配信したアナス・アブドゥッラッザーク・ナーイム・ハマー県知事の認証式の写真が合成写真だと報じた。

AFP, July 14, 2011、Akhbar al-Sharq, July 14, 2011、The Guardian, July 14, 2011、al-Hayat, July 15, 2011、Kull-na Shuraka’, July 14, 2011、Naharnet, July 14, 2011、Reuters, July 14, 2011、SANA, July 14, 2011などをもとに作成。

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アラブ連盟事務総長がダマスカスでアサド大統領と会談、会見で「指導者の正統性を奪う権利など誰にもない」と明言(2011年7月13日)

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、11日の米仏大使館襲撃事件に関して、「デモ参加者は大使館の境界を越えてはならない。そうする者は過ちを犯したことになる。越えてはならなかった。抗議の意思表示は合法的だが、平和的な方法でなければならない」と批判した。

国内の暴力

シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表は声明(14日)を出し、ダマスカス県マイダーン地区でハサン・モスク前で反体制デモを行った同機構メンバーの弁護士ら約30人が当局に逮捕されたと発表した。

逮捕者のなかには女優のマイ・スカーフさん、女流作家のリーマー・フライハーンさんら芸術家・作家が含まれており、彼女らは暴力停止、数千人の逮捕者釈放、「時代に合った現代的・文明的憲法」起草を求めた。

カルビー代表によると、デモには200人の有識者、芸術家らが参加していた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊のザーウィヤ山での治安維持作戦により、4人が射殺された。

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在外反体制活動家らがトルコのイスタンブールで会合を開き、軍に国民を保護し、反体制抗議行動を行う人々の側につくよう呼びかける声明を発表した。

同声明はまた、軍部隊の都市・農村からの撤退を要求した。

諸外国の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長はシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

会談後、ダマスカスで記者団に対して、「アラブ連盟はアラブ諸国へのいかなる内政干渉をも拒否する。指導者の正統性を奪う権利など誰にもない。なぜならそれを決めるのは国民だからである」と述べた。

また「シリアの安定は他のアラブ諸国の安定にとって必要である」と指摘した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、水曜日夜のヒラリー・クリントン米国務長官とのワシントンでの記者会見で、外交は「ポイントを重ねることを意味しない…。我々の目的は問題解決である。しかし解決策を提示せずに一部の人々を非難することは、我々にいかなる決着をももたらさない」と述べた。

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ロシア外務省は声明を出し「モスクワにおいて、我々はシリアでの国民対話の実質的開始を歓迎する」との意思を示した。

そのうえで「我々は、この対話が最大限広範に行われなければならず、シリアの指導部が宣言した民主的改革実施における重要なステップとならねばならないと考えている」と付け加えた。

AFP, July 13, 2011、Akhbar al-Sharq, July 13, 2011、al-Hayat, July 15, 2011、July 14, 2011、Kull-na Shuraka’, July 13, 2011、July 14,
2011、Naharnet, July 13, 2011、Reuters, July 13, 2011、SANA, July 13, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

閉幕した国民対話委員会のなかで国民対話や外国による干渉への拒否の重要性が改めて強調される、米ホワイトハウス報道官によればアサド大統領は「正統性を失った」(2011年7月12日)

反体制勢力の動き

『ティシュリーン』のウェブサイトが何者かのサイバー攻撃を受け、閲覧不能となった。

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アラブ社会主義連合党の青年党員が「サフワーン・クドスィー打倒を求める党」を結成した。

クッルナー・シュラカー(7月12日付)が報じた。

シリア政府の動き

10日からダマスカス郊外県ディーマース町のサハーラー・ホテルで続けられてきた国民対話委員会協議会が声明を発表し、閉幕した。

閉幕声明は、「対話、安定、寛容、法治国家建設、公正、多元主義、民主主義」の必要を確認するとともに、「すべての政治犯・言論犯、最近の事件(デモ)での全逮捕者の釈放、汚職撲滅の仕組みの迅速な構築」を呼びかけ、「いかなる外国の干渉をも拒否する」ことを強調した。

閉幕声明全文は以下の通り:

バッシャール・アサド大統領の決定のもと設置された国民対話委員会は、7月10、11、12日に協議会を呼びかけ、国内のさまざまな階層・政治潮流に属する政治家、思想家、社会運動家、青年活動家が参加し、検討・協議を行い、国民対話を通じて期待される成果を上げるための青写真、提案を案出した。協議会は国が現在辿っている段階の具体的な性格、政治的・経済的・社会的に求められている対応策を審議し、将来的な見込み、国民の生活に関わる問題への関心を展望した。

協議会は、国民対話大会開催に備えるなかで、国内外のすべての階層、社会成員、政治勢力との連絡の継続を強化しつつ、これらの連絡調整を可能な限り早急に完了させたうえで開催される同大会に向けてともに準備を行う。

協議会出席者は以下の共通項目について確認した。

1. 対話は国が危機を終わらせるための唯一の方法である。

2. 国の安定は、至上の国民的必要条件であり、改革深化を保障する。

3. 寛容は、現状を脱却するうえでもっとも理想的な価値観である。

4. 個人、公共・私有財産への攻撃は、いかなる勢力が行うものであれ拒否する。

5. これまでの恩赦の対象とならず、また法律によって罰せられるべき罪を犯していないすべての政治犯、言論犯を即時釈放する必要がある。また意見を表明する権利が侵害されてはならず、祖国と憲法の枠のなかで護られるべきで、一般的諸自由がすべての国民に保障される権利であることを確認する。

6. 最近の事件でのすべての逮捕者のなかで司法府において有罪が確定していない人々の釈放を提言する

7. 至上の憲法の基準と近代的な人道基準に従って人権の価値を維持・強化し、シリア最高人権会議の発足を提言する必要がある

8. 愛国的な反体制勢力は、シリアの国民的構成における不可分な一部をなす。

9. 国家の威信は国民的信託の一部をなし、祖国と市民の尊厳と安全を維持することをめざすものである。

10. 権利、法律、構成、市民性、多元主義、民主主義に基づく国家建設に向けて会合を行う。この国家は投票箱を政治的権威の基礎とする。

11. シリアは万人の祖国であり、理想的な形態の多元主義国家である。

12. シリアの内政に対するあらゆる外国の干渉を拒否する。これらの干渉の筆頭として、主権に侵害への口実として用いられる人道的干渉の原則と呼ばれているものがある。しかし主権は決して抵触されることが許されない神聖な原則である。

13. 法の支配の原則を採用し、法律によって罰せられるべき罪を犯したすべての者に対してそれを実行し、例外なく制裁を科す。

14. 汚職撲滅の仕組みを早急に構築する。

15. これまで達成された成果を歴史的責任感のもとに確認・依拠する。

16. シリアの若い世代に関心を払い、彼らの声や要求に耳を傾ける。

17. 国民的合意を体現した基本的問題にして国民的目標であるゴランの解放。

18. アラブ・シオニスト闘争に関わる国民的・民族的な諸原則を確認し、占領されたアラブの土地の解放、アラブ・パレスチナ人民の合法的諸権利の保障をめざす。

協議会は、議題として提示された複数の法案、すなわち政党法、選挙法、情報法について審議した。またこれらの法律に関する諸々のコメントを考慮し、国民的コンセンサスに達することをめざした。審議の結果、担当する諸委員会に対して、国民対話委員会がこれまでの発言を踏まえ、早急にこれらの三つの法案を準備し、最終案を提示することで、法制定を促進する点で合意が成立した。

協議会はまた憲法条文についても検討を加えた。審議には健全かつ愛国的な多くの視点が反映され、そのなかでは、憲法第8条に関するものも含まれた。その結果、憲法第8条の改正が、全文を含む憲法の各条項の修正を必然的に伴うことを確認した。ゆえに、協議会は、憲法のすべての条文を再検討し、シリア・アラブ共和国の現代的な新憲法起草を保障する提案を提示するための法務・政治委員会設置を提言した。この新憲法は、政治的多元主義、社会的公正、法の支配、基本的人権を保障し、女性の役割や子供の権利が擁護され、万人の平等の原則のもと国民の権利と義務が設定される。

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外務在外居住者省は声明を出し、アサド大統領が「正統性を失った」とするクリントン米国務長官の11日の発言に関して、「あからさまな干渉の証拠」と非難した。

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クッルナー・シュラカー(7月12日付)は、ラーミー・マフルーフ氏がダマスカス県マッザ86地区で、ブスターン慈善協会を通じて慈善事業を本格始動したと報じた。

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SANA(7月12日付)によると、ダマスカス県バーブ・トゥーマ前、ダマスカス郊外県ドゥーマー市、アレッポ市、ハサカ市などでアサド大統領の包括的改革プログラム支持、外国の干渉拒否を訴える集会が開かれ、多数の市民が参加した。

諸外国の動き

米ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官はダマスカスでの米大使館への「襲撃」(11日)を「受け入れられない」と非難した。

カーニー報道官は「我々はこのことを明確にシリア政府に伝えた」としたうえで、アサド大統領がみはや「欠くことのできない人物」ではなく「正統性を失った」と断じた。

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米議会公聴会で、マイケル・ポスナー国務次官補(民主主義・人権・労働担当)は、アサド大統領が「正統性を失った」と繰り返し述べた。

またポスト・アサド段階への米政府の見解を明確に表現するかたちで、ポスナー国務次官補は「多元的、民主的な統一されたシリアは、地域において積極的且つ指導的役割を演じることができるが、アサド体制のもとでは、さらなる不安定要因でしかない」と述べた。

さらに「米政権はデモ開始当初から、シリアが新たな政治体制に向かっており、それはシリア国民が決することだを明言してきた」と付言した。

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フランスのフランソワ・フィヨン首相は、ダマスカスの仏大使館「襲撃」(11日)に関して、フランスは「脅しに屈することはない」と述べ、「シリア当局は自らの行為に責任を負っている」と非難した。

そのうえで「フランスは従来の路線を逸れることはなく、断固として弾圧を非難し続けるだろう」と述べ、「ダマスカスにおける深淵な政治改革の実施」を求めた。

しかし、アラン・ジュペ仏外務大臣とジェラール・ロンゲ国防大臣はいずれも「シリアとリビアの情勢は異なっている」との理由で、シリアへの軍事介入の可能性を否定した。

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国連安保理では、ダマスカス県での米仏大使館「襲撃」事件に関して、安保理議長がシリア政府を厳しく非難し、国際的な合意に従って責任を果たすよう呼びかけた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、ドイツと欧州諸国が「ともにシリアの体制に反対する共同決議案を提示するために行動するだろう」と述べるとともに、決議案が米仏大使館での事件に限られるものでないとしたうえで、「自由を求める数十万のデモ参加者を忘れてはならない」と述べた。

AFP, July 12, 2011、Akhbar al-Sharq, July 12, 2011、al-Hayat, July 13, 2011、Kull-na Shuraka’, July 12, 2011、Naharnet, July 12, 2011、Reuters,
July 12, 2011、SANA, July 12, 2011などをもとに作成。

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国民対話委員会協議会のなかで憲法改正にあたっての二つの選択肢が示される、タルトゥース県では政権を支持する大規模デモ(2011年7月11日)

シリア政府の動き

国民対話委員会協議会がダマスカス郊外県ディーマース町のサハーラー・ホテルで続けられ、約180人が出席した。

al-Hayat, July 12, 2011
al-Hayat, July 12, 2011

2日目の会合は、憲法改正の是非や新憲法のあるべき形態(バアス党を「国家と社会を指導する政党」と規定する第8条の今後など)、情報法、政党法、選挙法、国民対話の仕組みなどが議論された。

憲法をめぐる審議では、サーム・ディッラ博士が憲法改正案を提示した。

現状を踏まえ、ディッラ博士は、二つの選択肢が提示されていると述べた――第1に憲法改正、第2に新憲法起草。

第1の選択肢については、8月6日に召集予定の人民議会で承認するか、国民投票を呼びかけるという二つの方法があると述べた。

そのうえでディッラ博士は、新憲法起草を呼びかけ、そうすることで、憲法に関わる様々な(国家)機関を再検討し、外国にメッセージを送る機会が得られると主張、この作業は、憲法制定委員会ないしは憲法作成委員会設置を通じて実現されるべきと指摘した。

また第1の選択肢は、通常であれば、6ヶ月の審議の後に完了し、第2の選択肢は、国家において最高権限を有し、法律家および政治家から構成される委員会を設置し、新憲法起草を行うことになると提言した。

一方、政党法に関する審議では、政党法委員会委員長が法案およびこれまでになされた提案の要約を提示した。

そのなかには、政党結成の最低条件を、党員5,000人から2,000人に軽減することのほか、委員長を内務大臣でなく法律家とすること、さらには憲法第8条を修正する必要があることなどが提言された。

他方、選挙法に関する審議では、選挙法委員会のナジュム・アフマド委員長が、法案には司法が選挙のすべての段階を監視することなどが盛り込まれていると述べた。

また、関係各省や行政府ではなく、司法委員会が「完全に監督」すると強調した。

その後、閉幕声明の草案が審議され、「外国の干渉拒否」などが確認された。

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アフバール・シャルク(7月11日付)などによると、ダマスカス県ラウダ地区の米大使館、ジスル・アブヤド地区のフランス大使館前で、外国の内政干渉と両国大使のハマー市訪問に抗議するデモが行われ、参加者が建物にトマトや卵を投げて抗議した。

デモはまたラウダ地区のカタール大使館、米大使公邸前でも抗議行動を行われた。

フランス外務省によると、この抗議行動で、フランス大使館の職員3人が負傷したという。

しかし、シリアの主要メディアは、フランス大使館前で行われたデモの参加者に向かって大使館内から発砲があったと報じた。

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SANA, July 11, 2011
SANA, July 11, 2011

アサド大統領は2011年政令第254号を発し、バアス党ハマー支部書記長のアナス・アブドゥッラッザーク・ナーイム氏をハマー県知事に任命した。

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SANA(7月11日付)によると、タルトゥース県シャイフ・バドル市で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモ集会が行われ、全長1キロのシリア国旗が広げられた。

またラッカ市でも同様の集会が行われ、全長1.1キロのシリア国旗が広げられた。

さらにアレッポ市では、30人の市民が外国の内政干渉拒否を訴える行脚を開始した。30人は10日の旅程でダマスカスに徒歩で向かうという。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、記者会見でアサド大統領が「正統性を失った。彼は約束を破り、国民を弾圧するため…イランに助けを求めようとしている」と発言した。

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アフバール・シャルク(7月11日付)によると、フランス外務省は、ラーミヤー・バックール在仏シリア大使を呼び出し、11日にダマスカスの米仏大使館前で行われたデモで、参加者が大使館施設を「襲撃」「侮辱」したと抗議した。

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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は、テヘランを訪問中のトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

AFP(7月12日付)によると、会談でアフマディーネジャード大統領は「いかなる政府も、国民の自由と公正を禁じることはできず、その要求に応えなければならない」と述べ、「国民の合法的な要求実現に向けて進み、外国の介入を…回避する」べきだとの見解を示したという。

AFP, July 11, 2011、July 12, 2011、Akhbar al-Sharq, July 11, 2011、al-Hayat, July 12, 2011, July 13, 2011、Kull-na Shuraka’, July 11, 2011、Naharnet,
July 11, 2011、Reuters, July 11, 2011、SANA, July 11, 2011などをもとに作成。

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国民対話会合協議会が開催、さらに非公認組織や無所属活動家らが体制内改革を支持する「変革解放人民戦線」の結成を発表(2011年7月10日)

反体制勢力の動き

シリア国内で活動する非公認組織や無所属活動家がダマスカスで共同声明を出し、変革解放人民戦線の結成を発表した。

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結成声明に署名した組織、活動家は以下の通り:

シリア共産主義者統一国民委員会(シリア共産党カシオン派、カドリー・ジャミール代表)

シリア民族社会党インティファーダ派(アリー・ハイダル代表)

フスニー・ウズマ氏(研究者)

イブラーヒーム・ルーズ氏(ビジネスマン)

ムハンマド・ガフル(博士)

ニザール・ディーブ(ビジネスマン)

アーディル・ナイーサ(活動家)

声明において、変革解放人民戦線は、外国の内政干渉拒否、暴力停止、汚職撲滅、シリア軍支持、対イスラエル抵抗運動継続を基本原則とし、宗教、宗派、民族感の差別のなく、すべて国民に完全な市民権を保障した新憲法の制定、政党法制定、新選挙法制定、メディア改革、経済格差是正、貧者救済、包括的開発プロジェクトの策定などをめざすと表明した。

シリア政府の動き

SANA, July 10, 2011
SANA, July 10, 2011

ダマスカス郊外県ディーマース町のサハーラー・ホテルで、国民対話会合協議会が開催され、進歩国民戦線加盟政党メンバー、無所属活動家、反体制活動家、青年活動家ら180人が出席した。

協議会は殉教者の魂への1分間の黙祷と国歌斉唱をもって開始され、続いて国民対話委員会メンバーのムニール・ハムシュー氏が、バアス党シリア地域指導部メンバーのハイサム・サターイヒー博士とヤースィル・フーリーヤ氏ら9人の委員会メンバーとともに開会を宣言した。

国民対話委員会の委員長を務めるシャルア副大統領は開会演説で次のように述べた。

「今日は国民対話のまさに始まりの日である。我々はこの日が最終的に包括的な大会へと至り、そこでシリアの多元的民主国家への移行が宣言され、すべての国民がそのもとで平等に暮らし、将来の建設に参加することを望んでいる」。

「対話は、国内であれ国外であれ、必ずしも快適な雰囲気のなかで始まってはいない。多くの疑念や恐怖に包まれており、その根底には、ここかしこで無視し得ない拒否感や懸念が潜んでいる…」。

そのうえで協議会が「シリア人民がその血を捧げた犠牲なくして」始まることのなかったと指摘、現下において選択肢は「対話しかない」と強調した。

シャルア副大統領の演説に続いて、ハムシュー議長が出席者の意見を求め、反体制思想家のタイイブ・ティーズィーニー氏が最初にコメントした。

ティーズィーニー氏は「発砲禁止」必要を強調、暴力停止を望むと発言した。

また(健全な)政治社会を確立するには、治安当局の役割限定、収監者の釈放、報道機関のありようの改善が必要だと付言した。

そのうえで国民対話成功に向け2点の提案を行った――第1に、国民対話委員会が民主的国民対話をもたらし、対話そのものを無に帰さないこと。第2に、手本となるべき行動計画の策定。

しかし、ティーズィーニー氏は、協議会開催がこれらの提案に反しており、「政策決定におけるヘゲモニーの維持をめざす政権の延長線上に位置づけられている」と批判した。

続いてムハンマド・ハバシュ人民議会議員は、「発砲禁止」の必要、市民国家への移行、一党支配の終焉に同意し、憲法、とりわけバアス党を社会と国家の指導党と規定する第8条の改正を求めた。

また人権委員会の設置、国民生活への治安機関の介入の停止、周知の民主的方法を通じたデモへの対処を要求した。

そのうえで「いかなる形態であれ外国の支援や制裁を拒否する」と強調し、大統領を議長とし、「内外のいかなる個人も除外されることのない」包括的国民対話大会開催を呼びかける必要、「憲法に基づいた正統性の維持、アサド大統領とともに改革を継続すること」を力説した。

次にアニース・カンジュー氏は、反体制活動家の参加に関して「条件が実現したことを確認したら、対話に参加するだろう」と述べ、国軍の役割について強調し、反体制派に対して「変革に情熱を燃やさない者ではなく、アサド大統領が体現している変革の論理を重んじるよう」呼びかけた。

一方、イリヤース・ザフラーウィー神父は現在発生している事態に関して「古い帝国主義的攻撃の一環」をなすとみなしたうえで、汚職撲滅を要求した。

神父は「対話というものは、他者の人格を完全に承認し、法の下での権利と義務のすべてを実質的に承認することを意味する」と述べ、「恣意的逮捕の制限、政治犯釈放」を強調した。

また憲法第8条の廃止ではなく、「近代国家に合うような憲法の抜本的な改正」を求めるとともに、人民議会を「代議員議会と名づけ、そこで任期4年で2回以上の再選不可の大統領を選出する」ことを提案した。

作家のハサン・M・ユースフ氏は、「対話の渇望」というシリア人劇作家の故サアドゥッラー・ワンヌース氏の言葉を引用し、「我々は希望に支配されている、我々は今対話によって支配されている、とワンヌースは言った」と述べた。

またシリア・クルド人国民イニシアチブのウマル・ウースー代表は、クルド語で「おはよう」と述べたうえで、シリアが「外国の陰謀に曝されている」と警鐘を鳴らした。

また最近の政府によるクルド人への措置に着目し、「政府、議会、国の機関での政治的代表権」を求め、「我々は自らのクルド性を誇っているように、シリア人であることに誇りを持っている。我々は何よりもまずシリア人である」と述べた。

9日に結成された変革解放人民戦線に参加したアリー・ハイダル氏は、シリア民族社会党の一派(反マハーイリー派)の代表として、出席者が「その場しのぎの対話でなく、本質的対話」を望んでいると述べ、シリアを「立憲国家への変革の路線」にのせるよう求めた。

また「(今回の)運動を代表しているなどは誰も言っていない」と述べ、「これらの運動を行う人々やその要求を体現する仕組みを創出する」ことが必要だと強調した。

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SANA(7月10日付)によると、外務在外居住者省はロバート・フォード在シリア米大使とエリク・シュヴァリエ仏大使を呼び出し、ハマー市への無断訪問に関して厳重注意を行った。

しかし、アフバール・シャルク(7月11日付)などは、米高官の話として、フォード大使が外務在外居住者省に呼び出され厳重注意を受けたとのSANA報道を否定した。

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SANA, July 10, 2011
SANA, July 10, 2011
SANA, July 10, 2011
SANA, July 10, 2011

SANA(7月10日付)によると、ラタキア市でアサド大統領の包括的改革プログラム支持、国民対話支持、外国の内政干渉拒否を訴えるデモ行進が行われ、数十万人の市民が参加した。

デモ行進では、全長16キロ、幅4.5メートルの巨大なシリア国旗が広げられ、アレッポ市から約1,000台の車がシリア国旗を掲げて行進に合流した。

また同様のデモ行進は、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)、サルキーン市(イドリブ県)、ナアッラ村(ヒムス県)、シャフバー市(スワイダー県)、タルトゥース市、サーフィーター市(タルトゥース県、カーミシュリー市(ハサカ県)、ハサカ市などでも行われた。

AFP, July 10, 2011、Akhbar al-Sharq, July 10, 2011、July 11, 2011、al-Hayat, July 11, 2011、Kull-na Shuraka’, July 10, 2011、Naharnet, July 10, 2011、Reuters,
July 10, 2011、SANA, July 10, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各都市でアサド大統領による包括的改革プログラム、国民対話を支持するデモが行われるなか、米国務省が駐米シリア大使を召還(2011年7月9日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はAKI(7月9日付)に、「アサド政権は政治的解決を望んでいない」と述べた。

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シリア人権監視団はAFP(7月9日付)に対して、8日の反体制デモで治安当局が200人以上を逮捕したと発表した。

同監視団によると、治安当局はヒムス県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、バーニヤース市(タルトゥース市)、イドリブ県でのデモで200人以上を逮捕したという。

シリア政府の動き

SANA, July 9, 2011
SANA, July 9, 2011

SANA(7月9日付)によると、サラミーヤ市(ハマー県)、アレッポ市、ハサカ市、タルトゥース市、ダマスカス県ティシュリーン公園など各地でアサド大統領の包括的改革プログラム、国民対話を支持するデモ集会が行われ、多数の市民が参加した。

またダマスカス県ジスル・アブヤド地区のフランス大使館前、ラウダ地区の米大使館前では、両国大使のハマー市訪問に抗議するデモが行われ、若者数百人が参加した。

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al-Hayat, July 10, 2011
al-Hayat, July 10, 2011

シリア・アラブ・テレビ(7月9日付)は、アドナーン・ディーブを名乗る市民が、「6月7日にダマスカス県で武装集団に拉致され…、ラーミー・マフルーフに協力し、金銭を受け取り、抗議デモで破壊行為を行ってきたとカメラの前で証言するよう強要された」と語る映像を放映した。

ディーブ氏によると、武装集団はまた「雇われたグループのなかにヒズブッラーがいたかどうかは分からないが、ペルシャ語を話す者がいた」と証言するよう強要されたとも付言した。

国内の暴力

ハマー県では、『ハヤート』(7月10日付)によると、ハマー市で8日のデモの犠牲者14人の葬儀が行われた。

諸外国の動き

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリアの治安部隊兵士が、命令を拒否すれば処刑されると脅されながら、追い込んだデモ参加者への発砲を余儀なくされていたとする報告書を発表した。

この報告書は、レバノンとトルコに脱走した兵士12人の証言をもとに作成され、「デモ参加者への発砲を拒否した者は自らを死に至らしめることになる」と指摘している。

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米国務省は声明を出し、「駐米シリア外交使節団が米国内で平和的デモに参加したシリア人を監視していたとの報告書を受け取った」と発表、イマード・ムスタファー駐米シリア大使を呼び出したと発表した。

声明によると、エリック・ボスウェル国務次官補(安全保障担当)が7月6日、ムスタファー大使を国務省に呼び出し、「シリア大使館職員の活動にかかる懸念すべき問題について解答を求めた」という。

そのうえで声明は、国務省が「シリア大使館職員が、ムスタファー大使の指示のもと、米国で平和的デモに参加するシリア人をビデオや映像を駆使して監視しているとの報告を受けた」と続けた。

『ハヤート』(7月10日付)が得た情報によると、ムスタファー大使は7日に「年休」でシリアに一時帰国した。

シリアには数週間滞在するものと見られる。

AFP, July 9, 2011、Akhbar al-Sharq, July 9, 2011、AKI, July 9, 2011、al-Hayat, July 10, 2011, July 11, 2011、Kull-na Shuraka’, July 9, 2011、Naharnet,
July 9, 2011、Reuters, July 9, 2011、SANA, July 10, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

政府高官が米大使ら一行によるハマー市訪問に対し抗議の意を表明、各地で対話拒否を訴える反体制デモに「合わせて数十万人」が参加(2011年7月8日)

シリア政府の動き

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報担当報道官は、BBCアラビア語放送(7月8日付)に大使、ロバート・フォード米大使ら一行が「シリア政府に無許可で」ハマー市を訪問したことに対して抗議の意と不快感を表明した。

シャアバーン報道官は、米政権との「ボールのやりとり」を断絶したくないと述べつつ、「シリアのすべての階層が国民対話に臨もうとしている矢先に、フォード大使がハマー市を訪れ、昨日まで滞在することを決めたとの米国務省声明に対するシリア国民の激しい抗議の意と不快感」を伝えると述べた。

SANA, July 8, 2011
SANA, July 8, 2011

また「こうした行為は、米国が「対話反対」と言っているとのメッセージに思える」としたうえで、「もし米国がシリアでの民主改革路線を望んでいるのなら、なぜ我々が臨もうとしている対話を支持するとの見解を示さないのか?」と疑義を呈した。

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内務省は声明を出し、ロバート・フォード在シリア米大使らのハマー市訪問に関して「破壊分子が検問所を設け、道路を閉鎖し、市民が仕事場に行くことを妨害されているなかでの外交儀礼を無視した行為」としたうえで、「破壊分子と会見し…彼らにデモ、暴力、対話拒否を煽動した」と非難した。

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SANA(7月8日付)によると、ダマスカス県ヒジャーズ駅前、ティシュリーン公園、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、カーディー・アスカル地区、ハサカ市など各地でアサド大統領の包括的改革プログラム支持と諸外国の内政干渉拒否(米大使のハマー市訪問反対)を訴えるデモ集会が行われ、多数の市民が参加した。

また、ハマー市でも、ロバート・フォード在シリア米大使の訪問に抗議するデモが行われた。

国内の暴力

『ハヤート』(7月9日付)によると、ハマー県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、ヒムス県、アレッポ県、ハサカ県(カーミシュリー市)、イドリブ県、タルトゥース県(バーニヤース市)、ラタキア県の複数の都市で、「合わせて数十万人」がデモを行い、軍・治安部隊による市民への暴力行使に抗議する一方、アサド政権との「対話」拒否を訴えた。

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複数の活動家によると、治安部隊がほとんどの都市に重点的に展開し、ダマスカス県(カーブーン区など)、ハラスター市(ダマスカス郊外県)、イドリブ県、ヒムス県では、デモ参加者や活動家に対する摘発活動で、少なくとも14人(ダマスカス郊外県ドゥマイル市で6人、ヒムス県で5人、ダマスカス県マイダーン地区で2人、ハマー市で1人)が死亡、数十人が負傷し、逮捕した。

シリア人権国民連盟によると、45万人以上がハマー市内のアースィー広場および同広場に至る街頭でデモを行ったという。

また同監視団によると、ダイル・ザウル市では約10万人、マヤーディーン市では数千人がデモに参加した。

al-Hayat, July 9, 2011
al-Hayat, July 9, 2011

諸外国の動き

米国務省ビクトリア・ヌーランド報道官は「ロバート・フォード米大使は、多数のデモ参加者と会見した後、同市(ハマー)を離れ、昨日ダマスカスに帰任した」と述べた。

そのうえで米政府がシリア政府に事前に今回の訪問を通知していたと改めて主張した。

ヌーランド報道官は「我々は正直、シリア側の反応に若干不快に感じている」と述べ、フォード大使がハマー市を突然訪問したとのシリア政府の見解が「ナンセンスだ」と強調した。

AFP, July 8, 2011、Akhbar al-Sharq, July 8, 2011、al-Hayat, July 9, 2011、Kull-na Shuraka’, July 8, 2011、Naharnet, July 8, 2011、Reuters,
July 8, 2011、SANA, July 8, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制派クルド人らによって「シリア・クルド青年調整連合」の結成が宣言されるなか、米・仏両大使がハマー市を視察訪問(2011年7月7日)

反体制勢力の動き

AKI(7月7日付)によると、民主的変革諸勢力国民調整委員会は7日晩に会合を開き、10日にアサド政権が開催を予定している国民対話会合協議会への不参加を決定した。

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「危機解決のため、政権が依然として暴力に依存しようとしており、こうしたありようは対話の呼びかけと矛盾している」というのが不参加の理由。

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クウェート紙『カバス』(7月7日付)は、複数の消息筋の情報として、政権打倒、対話拒否を求めて抗議デモを呼びかける反体制活動家のほとんどが国外におり、インターネットなどを通じて唱導している、と報じた。

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アラブ言論表現の自由擁護委員会代表のバヒーヤ・マールディーニー女史は、アサド政権が開催準備を進める国民対話会合協議会に関して「協議会に出席する者は民衆の支持を失うだろう」との見方を示し、「問題とされるべきは、反体制派と体制、体制と国民の間の信頼の危機である」と述べた。

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反体制デモを行うとされるクルド人の調整諸組織が声明を出し、「シリア・クルド青年調整連合」を結成すると発表した。

連合への参加を表明した調整は以下の通り:

1. カーミシュロー調整(カーミシュロークルド青年運動総合評議会)

2. ダルバースィーヤ調整(ダルバースィーヤ革命青年連立)

3. スィリー・カーニヤ調整(クルド・インティファーダ青年運動)

4. アフリーン調整(アフリーン青年調整)

5. コバネ調整(コバネ・クルド青年)

6. アレッポ調整(アレッポクルド青年)

7. ダマスカス調整(ダマスカス・クルド革命代表、ダマスカス大学クルド人学生調整)

8. ラッカ調整

9. タッル・アブヤド調整

10. ディルベ・スピーイェフ(カフターニーヤ)調整

11. ジル・アーガー(ジュワーディーヤ)調整

12. ハサカ調整

シリア政府の動き

SANA(7月7日付)によると、タルトゥース市、バーニヤース市(タルトゥース県)、ジャラーブルス市(アレッポ県)、ハラファー村(ダマスカス郊外県)、スワイダー市、ラタキア市などでアサド大統領の包括的改革プログラム支持するデモ集会が行われ、多数の市民が参加した。

このうち、タルトゥース市の集会では全長1キロのシリア国旗が、またスワイダー市の集会では全長500メートルのシリア国旗が広げられた。

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SANA(7月7日付)によると、トルコに避難していた市民100人がイドリブ県ジスル・シュグール市に帰宅した。

国内の暴力

『ハヤート』(7月8日付)によると、ヒムス県、ハマー県での軍・治安部隊の増強に対抗するかたちで、ハマー市、ヒムス市、ラスタン市(ヒムス県)、ハウラ地方(ヒムス県)の住民がゼネストを敢行し、商店、学校、民間・公営企業などが閉められた。

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シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ハラスター市(ダマスカス郊外県)、ダイル・ザウル市、ナワー市(ダルアー県)、ラタキア市、ハサカ県、ヒムス市、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)で数千人が夜間デモを行った。

一方、アフバール・シャルク(7月7日付)によると、シリア・アラブ・テレビでラタキア県での民衆襲撃について証言した元武装集団メンバーのアビー・ナズィール・サルワーヤ氏の兄弟が逮捕された。

サルワーヤ氏が精神病だったことを示す文書を反体制派が公開した直後の動きだという。

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ヒムス県では、複数の活動家・目撃者によると、兵員輸送バス4輌、貨物車輌5輌以上からなる治安増援部隊がタルビーサ市に到着した。

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ハマー県では、複数の活動家・目撃者によると、軍の戦車がハマー市入り口に再展開し、治安部隊が活動家数十人を逮捕した。

また100世帯以上の家族が、ハマー市での治安・福祉サービス状況、インフラ状況の悪化を受け、サラミーヤ市に避難した。

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イドリブ県では、複数の活動家らによると、治安部隊がカンスフラ村、バルユーン村から撤退し、イブリーン村に向かうとともにアブティーター村を包囲した。

また、マガーラ村、ファルキヤー村、ダイル・サンバル村で、治安部隊による逮捕摘発活動が続いたという。

諸外国の動き

米国務省は、ロバート・フォード大使が米大使館員とともにハマー市を視察訪問し、同市の「12人」と会見し、「合衆国がシリア国民とその表現の権利を支持していることを表明した」と発表した。

国務省によると、フォード大使らは9日までハマー市に滞在する予定。

米国務省高官は『ハヤート』(7月8日付)に、フォード大使ら一行のハマー市訪問に関して、「シリア政府に通達済みである」と述べた。

同高官はまた、視察訪問が「同市の状況を直接視察し、自らを表現し、権利を得ようとするシリア国民への合衆国の支持を表明することにある」と付言した。

なおフォード大使一行には、エリク・シュヴァリエ仏大使らフランス大使館員も同行した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、アサド政権が改革を行い得る機会が「ない」と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、シリア国内での「殺戮行為の停止」と、人道・人権を評価するための使節団の受け入れをアサド政権に求めた。

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EU加盟諸国もまたレバノン、トルコのシリア人避難民への支援のための「人道的回廊の設置」を呼びかけた。

AFP, July 7, 2011、Akhbar al-Sharq, July 7, 2011、AKI, July 7, 2011、al-Hayat, July 8, 2011、Kull-na Shuraka’, July 8, 2011、Naharnet, July 7, 2011、al-Qabas, July 7, 2011、Reuters, July 7, 2011、SANA, July 7, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

地元調整委員会が声明のなかでアサド政権による国民対話会合協議会を拒否する意思を示す一方、各地で「包括的改革プログラム」を支持するデモが行われる(2011年7月6日)

反体制勢力の動き

反体制活動家は、フェイスブック上の「シリア革命2011」などで、7月8日を「対話反対の金曜日」と銘打って、デモを呼びかけた。

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地元調整委員会は声明を出し、アサド政権が開催準備を進める国民対話会合協議会に関して「国民対話会合、そしてそこから派生するすべては、国民対話を成り立たせるような基礎をなさない」と拒否の姿勢を示した。

声明ではまた、「政権のこの措置は、一方で民衆による抗議行動に圧力をかけつつ、他方でいわゆるシリア危機への政治的解決を求める国際的な要求に応えようとして進められている。だが、最後の瞬間まで体制維持をめざしており、統治の正統性が奪われることを拒否している。平和的デモ参加者に組織的暴力を行使した4ヶ月前にすでに正統性は失われている…体制はこの形式的な措置を進めると同時に、都市を包囲し、戦車で砲撃し続けている」と非難した。

シリア政府の動き

ファールーク・シャルア副大統領は『ハヤート』(7月7日付)に対して、7月10日に開催予定の国民対話会合協議会に関して、反体制勢力の代表らと非公式会合を持ったことを明らかにした。

シャルア副大統領はこの会合で「いかなる当事者に対しても前提条件を設けないことを確認し。あらゆる問題が、一括して、「祖国の屋根」のもと、批判や中傷とは縁遠い節度ある言葉のもとに円卓に提示される」だろうと述べた。

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SANA(7月6日付)によると、各地でアサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、多数の市民が参加した。

このうちアレッポ市の集会では、100万人以上の市民が参加するなか、全長2.3キロ、幅18メートルの巨大なシリア国旗が広げられた。

またアフラフィーヤト・サフナーヤー市(ダマスカス郊外県)の集会でも、数千人の市民が参加するなか、全長250メートルのシリア国旗が広げられた。

さらにシーン町(ヒムス県)の集会でも、数千人の住民が参加するなかで、全長1.4キロのシリア国旗が広げられた。

SANA, July 6, 2011
SANA, July 6, 2011
SANA, July 6, 2011
SANA, July 6, 2011
SANA, July 6, 2011
SANA, July 6, 2011

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SANA(7月6日付)によると、ハマー県、イドリブ県、ダマスカス郊外県での6日の抗議デモで「武装テロ集団」に殺害された軍兵士の葬儀がダマスカス県、ヒムス県、アレッポ県の軍事病院で行われた。

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SANA, July 6, 2011
SANA, July 6, 2011

SANA(7月6日付)によると、トルコに避難していた市民340人がイドリブ県ジスル・シュグール市に帰宅した。

国内の暴力

ハマー県では、シリア人権国民機構によると、ハマー市の住民数千人が市内での暴力の激化を避けるため、同県のサラミーヤ市やダマスカス県・ダマスカス郊外県に避難した。

al-Hayat, July 7, 2011
al-Hayat, July 7, 2011

また複数の活動家・目撃者によると、ハマー市入り口でシリア軍戦車・装甲車輌が展開・待機するなか、同市内で治安維持活動により、過去24時間で22人が死亡、数百人が逮捕されたという。

さらに、多くの負傷者が治療を受けているハウラーニー病院も軍・治安部隊の攻撃を受けたという。

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イドリブ県では、複数の活動家・目撃者によると、軍がカンスフラ村、カフル・ウワイド村に突入した。

諸外国の動き

ジュネーブでは、国際赤十字委員会のヒシャーム・ハサン報道官が、軍と治安部隊の攻撃の被害がもっともひどいダルアーとイドリブに医療チームが入ったと発表した。

ハサン氏は「我々は先週、南部のダルアーと北部のイドリブに入ることができた。両市は暴力の被害がもっとも深刻な地域である」と述べ、訪問中に住民に救急医療薬品を提供したことを明らかにした。

AFP, July 6, 2011、Akhbar al-Sharq, July 6, 2011、al-Hayat, July 7, 2011、Kull-na Shuraka’, July 6, 2011、Naharnet, July 6, 2011、Reuters,
July 6, 2011、SANA, July 6, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県で予定されていた「救国内閣」発足に向けた大会の開催許可が当局に却下される、イドリブ市ではアサド大統領を支持する大規模デモ(2011年7月5日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(7月6日付)は、ダマスカス県で16日に予定されていた「救国内閣」発足に向けた大会が開催許可申請を当局に却下されたと伝えた。

こうしたなか同大会発起人の一人でムハンマド・ハバシュ人民議会議員は、ダマスカス郊外県で開かれた無所属の人民議会議員ら62人による会合に出席し、「我々はシリアで、危機のなかに暮らしている。社会のあらゆる場所で活動する権利がある。バッシャール・アサド大統領が立ち上げた国民対話への呼びかけもなされている」と述べた。

また「無所属議員が祖国の問題(解決)のために支援しつつも、一つの枠組みにとらわれず、無所属として自ら、シリアの将来のための枠組みを打ち出す」べきだと主張、「我々の目標は、アサド大統領の指導を支持することで平和的・民主的市民国家をめざすことにある」と付言した。

マフディー・ハイル・ビク議員は、会合が「現在、経済、行政、情報、政治といった分野で提示されている改革について議論するための国民対話の原則のもとに」あると述べた。

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シリア人権ネットワークのアフマド・ハーズィム報道官は、「共同の暮らし」の名で今月17日に大会を呼びかけ、「祖国を侵略しようとする原理主義の波、あらゆる暴力破壊行為に対抗するための大いなる世俗主義ブロックを立ち上げ」、市民権、人権のしくみを検討することを主唱した。

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クルド人権一般的自由擁護機構(DAD)、シリア・アラブ人権機構、シリア人権機構(Maf)、シリア人権機構(SWASIAH)、シリア人権国民機構、シリア・クルド人権委員会、シリア民主的自由人権擁護諸委員会は共同声明を出し、アサド政権によるデモ弾圧を批判した。

シリア政府の動き

『ハヤート』(7月6日付)は、国民対話委員会が主催する協議会(10日)招待者のリストには、150人以上が記され、そのなかには、ハイサム・マーリフ弁護士、アンワル・ブンニー弁護士、作家のアクラム・ブンニー氏、思想家のタイイブ・ティーズィーニー氏、ハサン・アブドゥルアズィーム民主的変革諸勢力国民調整委員会代表、フサイン・アウダート同副代表、ブルハーン・ガルユーン副副代表、ハイサム・マンナーア氏、サミール・アティーヤ氏といった内外の著名な活動家が含まれていると報じた。

このうち、出席者の3分の1以上をなすとされるエコノミスト、ジャーナリスト、有識者、アスリートなど無所属の活動家は全員出席することで合意しているという。

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SANA(7月5日付)によると、イドリブ市クスール地区で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、全長700メートルのシリア国旗が広げられた。

SANA, July 5, 2011
SANA, July 5, 2011

またタッル・アブヤド市(ラッカ県)、マンビジュ市(アレッポ県)、ハワーシュ町(ヒムス県)、ダマスカス県旧市街のダマスカス城前、ナシャービーヤ町(ダマスカス郊外県)、シャフバー市(スワイダー県)などでも同様のデモが行われ、各会場に数千人が集まった。

国内の暴力

ハマー県では、複数の目撃者によると、ハマー市内の市場、駅前の交差点、ナズラ・ジャズダーン地区、アラマイン地区、フィラーヤ地区、アレッポ街道、ハーディル地区から北部のアースィー川流域などで、治安部隊が逮捕・摘発活動を行い、少なくとも11人が死亡、数十人が負傷した。

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シリア人権連盟によると、ダマスカス郊外県アルバイン市で、4日に治安部隊によって殺害された2人の葬儀が行われ、約1万4,000人が参列、同市、ハジャル・アスワド市、ダマスカス県のカーブーン区で数千人が反体制デモを行った。

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イドリブ県では、『ハヤート』(7月6日付)によると、軍がカフルナブル市に進入、シリア人権連盟によると、同村およびヒッラ村で治安部隊が逮捕摘発活動を行った。

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クッルナー・シュラカー(7月5日付)は、6月27日にダマスカスで開催された「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」大会に出席した作家のナビール・スライマーン氏の自宅(ラタキア市)が何者かによって襲撃されたと報じた。

諸外国の動き

ビクトリア・ヌーランド米国務省報道官は「合衆国は、平和的デモ参加者への攻撃継続に対して大きな懸念を表明する」と述べ、ハマー市などからのシリア軍・治安部隊の撤退を要求した。

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ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は、ハマー市での軍の治安維持活動に関して、「弾圧は(アサド政権の)正統性を低下させるだけ」と批判した。

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AFP(7月5日付)は、7月4日にトルコに避難していたシリア人267人が帰国、トルコ国内にとどまっているシリア人避難民の数は9,678人、帰国したシリア人の数は5,673人になったと報じた。

AFP, July 5, 2011、Akhbar al-Sharq, July 5, 2011、July 6, 2011、al-Hayat, July 6, 2011、Kull-na Shuraka’, July 5, 2011、Naharnet, July 5, 2011、Reuters, July 5, 2011、SANA, July 5, 2011などをもとに作成。

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ハヤート紙が活動家らの証言をもとにシリア国内での反体制デモ発生のメカニズムを掲載(2011年7月4日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(7月4日付)は、BBCが行ったネット活動家らへの取材を通じて、シリア国内での反体制デモの発生のメカニズムをまとめた。

それによると、イブン・タッルカラフ(タッルカラフの息子)を名のる活動家の一人はBBCに「デモは(抗議行動の最初の月に発生した)ダルアーやバーニヤースでの事件を人々が目の当たりにすることで発生した」と述べたうえで、別の都市へのデモの拡大・継続は、治安部隊による暴力の過度の行使に起因すると明言した。

また「人々はインターネットでビデオ映像を観た。映像は起きていることの一部に過ぎない。おそらく実際に起きていることの5%程度に過ぎない。シリア国内で起きていることはもっとひどいものだ…。彼らは初めて我々に実弾で応えた。治安部隊が人々を挑発したので、デモ参加者は丸腰で街頭に出て、彼らにこう言った。『お前たちが発砲するなら、我々はお前たちに丸腰で対峙する。我々はダルアーの住民ほど優れてはないが、彼らと同じように死ぬだろう。我々は自由が欲しいだけだ』」と続けた、という。

一方、ダマスカスの活動家だというムスタファー氏はBBCに対し、自らの活動が「三つの活動家層」の分業体制のもとに進められていることを明かした。

この分業体制は、3ヶ月以上続く反体制デモにおける責任や任務を分担する必要から確立したという。

ムスタファー氏によると「最前線、すなわちデモ参加者がいる。次に調整者たちがおり、フェイスブックやツイッターといったSNSを通じて活動を行っている。さらにアジテーターがおり、水面下で活動家が何を行うかを連絡・通達している」。

また「ときどき、私は最前線のデモ参加者のところに赴き、現地で何が起きているのかを自分の目で見ている。そして家に戻って、目撃したことをニュースや映像で配信する。目にしたすべて、そして得たものすべてをインターネットのページ上で『シリアでのデモ監視団』の名で公開している」という。

しかし、シリアの当局にその存在を知られた多くの活動家はレバノンに逃れざるを得なくなっており、現在、数千人のシリア人が国外でデモを唱道、その多くはトルコ、レバノン、エジプト、米国、フランスで活動しているという。

なお、『ハヤート』(7月4日付)によると、ラーミー・ラフマ氏やウマル・イドリビー氏といったネット活動家らは、抗議行動開始から数週間後にレバノンに逃れたシリア人で、2人はニュースや映像を入手し、レバノンの滞在先から発信するという活動を行うとともに、報道機関や国際人権団体と連絡をとっているという。

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フェイスブックの「シリア革命2011」は、「我々は銃弾の代償を払わない」と銘打って、「体制の経済的資源をボイコット」するためのキャンペーンを呼びかけた。

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シリア政府の動き

SANA(7月4日付)によると、アイン・アラブ市(アレッポ県)、ダーライヤー市(ダマスカス郊外県)、アルトゥーズ町(ダマスカス郊外県)、ヒムス市でアサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモ行進が行われ、各会場に数千人の市民が参加した。

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SANA, July 4, 2011
SANA, July 4, 2011

ダマスカス県では、SANA(7月4日付)によると、ダマスカス大学学生の主導のもと、「シリア・ポンド支援キャンペーン」が行われ、シリア・ポンドの下落を防ぐため、不動産銀行ダマスカス支店で米ドルをシリア・ポンドに換金、同支店長によると800万米ドル/27万8,000シリア・ポンドの売買が行われた。

国内の暴力

ハマー県では、複数の活動家・目撃者によると、シリア軍戦闘機が早朝から日中にかけてハマー市上空で低空飛行を繰り返した。

また市内各所では治安部隊の治安維持活動により、子供1人が死亡、20人以上が負傷、数百人が逮捕された。

シリア人権監視団によると、これに対して「ハマー市住民は、治安部隊に投石で応戦し、市内各所に検問所を設置し、タイヤを燃やし」、軍の戦車や装甲車の進入を阻止しようとしているという。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、軍がマアッラト・ヌウマーン市とハーッス村に進入した。

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『ハヤート』(7月5日付)によると、ダマスカス郊外県、ヒムス市、ダイル・ザウル市、ラタキア市、ハマー市で夜間にデモが発生し、2人が死亡、数十人が負傷した。

ハマー市では約5万人がデモに参加したという。

諸外国の動き

UPI(7月4日付)は、ヨルダンの人権団体の情報として、シリア人150人がヨルダンに避難し、マフラク県で困難な避難生活を強いられていると報じた。

AFP, July 4, 2011、Akhbar al-Sharq, July 4, 2011、al-Hayat, July 4, 2011, July 5, 2011、Kull-na Shuraka’, July 4, 2011、Naharnet, July
4, 2011、Reuters, July 4, 2011、SANA, July 5, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県で人民議会議員らも参加する「シリアの未来のための国民イニシアチブ」が開催(2011年7月3日)

al-Hayat, July 4, 2011
al-Hayat, July 4, 2011

反体制勢力の動き

ダマスカス県セミラミス・ホテルで、ムハンマド・ハバシュ人民議会議員、ズハイル・ガンヌーム人民議会議員、フサイン・ハンマーシュ博士の呼びかけのもと、「シリアの未来のための国民イニシアチブ」が開催され、無所属活動家数十人が参加した。

大会は、シリアの「サイレント・マジョリティ」を代表し、彼らと国家の「橋渡し役」となることを目標としているという。

当初は2日の開催を予定していたが、ホテルの運営者から「開催許可が下りていない」と告げられたことで開始が遅れていた。

ハバシュ議員は、「我々が来たのは、対話を強化し、アサド大統領の改革を支持し、全世界に対話の機会があると告知するためだ」と述べた。

出席者は、国民統合の維持、言論犯の逮捕停止、政治犯の即時釈放、平和的デモの保障といった問題を議論した。

また「民主的市民国家への平和的移行の仕組み」、「祖国の枠組みのもと、すべての政治的動向を包摂するような法律(制定)を通じて複数政党制を保障する」政党法の制定を検討した。

大会運営者らによると、議論の結果は、アサド政権が準備している国民対話委員会に提言として示され、外国の干渉拒否という姿勢も伝えられるという。

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シリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー前総合監督者は、AKI(7月3日付)に、同胞団が民主的変革諸勢力調整委員会に対する姿勢を決するため、同委員会の方針を精査していることを明らかにした。

シリア政府の動き

SANA(7月3日付)によると、アサド大統領が在米シリア人使節団と会談し、シリア情勢や在外シリア人の支援のありようなどについて協議した。

国内の暴力

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市入り口に戦車複数輌が展開し、治安部隊が市内各所で数十人を逮捕した。

また複数の市民によると、ハマー市内の通信回線が不通となった。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、戦車97輌がカフルルーマー村に向かった。

シリア人権監視団によると、これを受け、「村人数百人が夜間、抵抗するために村を離れ、装備の補給を断とうとしたが、戦車は進軍を続け、同地区での軍事作戦を行った」という。

また同監視団によると、軍はバーラ村を制圧、またザーウィヤ山の複数の村で治安機関が住民の逮捕摘発を行った。

ある女性活動家によると、バーラ村への軍の包囲を解除するために、カフルナブル市の住民が入ろうとしたが、軍によって阻まれ、同村は終結したシリア軍部隊の「基地と化している」という。

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ダマスカス郊外県では、BBC(7月3日付)によると、ハジャル・アスワド市で夜間デモが行われ、治安部隊の発砲により2人が死亡した。

諸外国の動き

スイス経済省は、シリア現政権と関係のあるスイス国内の口座に預金されている3,180万ドルを凍結したと発表した。

スイスのATS通信(7月3日付)によると、「この措置はアサド大統領の口座を対象としているかどうかは今のところ明らかでない」。

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アナトリア通信(7月3日付)によると、トルコの内閣非常事態災害局は、トルコ領内に避難したの数1万5,205人のうち、4,658人が2日までに帰国、また2~3日にかけて、131人がシリアに帰国、81人がトルコに避難し、3日現在のシリア人避難民の数が1万547人になると発表した。

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『ハヤート』(7月4日付)は、カイロのアラブ連盟正門前で、アサド政権の弾圧や連盟の消極的対応を批判するシリア人らデモ参加者の抗議行動により、ナビール・アラビー事務総長が登庁できなかったと報じた。

AFP, July 3, 2011、Akhbar al-Sharq, July 3, 2011、AKI, July 3, 2011、BBC, July 4, 2011、al-Hayat, July 4, 2011、Kull-na Shuraka’, July 3, 2011、July 4, 2011、Naharnet, July 3, 2011、Reuters, July 3, 2011、SANA, July 3, 2011などをもとに作成。

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反体制活動家らがダマスカス県で「救国内閣」発足に向けた会合の開催を発表、シリア・ムスリム同胞団最高監督者はアサド政権との対話を拒否(2011年7月2日)

反体制勢力の動き

国内で活動する反体制活動家約50人は共同声明を出し、16日にダマスカス県で「救国内閣」発足に向けた会合を開催すると発表、参加を呼びかけた。

声明のなかで彼らは「治安・軍事的解決以外受け入れようとしない体制のもと、この文書は、過渡期を通じて現下の危機を脱するためヴィジョンの一般原則を示すことをめざしている。この原則に関して、シリア人がコンセンサスに達し、大衆運動がこれを遵守し、新憲法制定、近代的市民国家建設、国会選挙と大統領選挙の指定期間内の実施を行う救国内閣がこの原則を指導する」と発表した。

同声明には、クルド人指導者のミシュアル・タンムー氏(シリア・クルド・ムスタクバル潮流)、反体制活動家のハイサム・マーリフ氏、アーリフ・ダリーラ氏、ワリード・ブンニー氏が名を連ねている。

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シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表は、7月1日の反体制デモに関して、「デモ参加者の数、実施範囲において最大規模だった。デモ実施カ所は先週がシリア各都市202カ所だったのに対して、約268カ所だった」と発表した。

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カルビー代表によると、しかし、このデモで28人が殺害されたという。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャファカ最高監督者は『クドス・アラビー(7月2日付』に、アサド政権との対話を拒否すると明言した。

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アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は『シャルク・アウサト』(7月2日付)に、シリア国内で軍事クーデタが起きる可能性は少ないが、軍は解体しつつある、との見方を示した。

シリア政府の動き

SANA(7月2日付)は、アサド大統領が、ハマー県のアフマド・ハーリド・アブドゥルアズィーズ知事を解任した、と報じた。

アブドゥルアズィーズ知事解任に関して、『ハヤート』(7月3日付)は、1日のハマー市での大規模デモ発生を受けた引責解任だと見方を示した。

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SANA(7月2日付)によると、ダマスカス県タダームン区、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプ(ダマスカス郊外県)、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプ、バーブ市(アレッポ県)、アターリブ市(アレッポ市)、ハサカ市、ダイル・ザウル市、タルトゥース市で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、それぞれの会場に住民数千人が集まった。

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Syria-News(7月5日付)は、アスマー・アフラス大統領夫人がアレッポ県郊外の「再貧困地域」を慰問し、住民らと懇談したと報じた。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、早朝に軍・治安部隊がバーラ村に突入し、カビール・モスクのイマームや村の名士など数十人を逮捕した。

またイフスィム村でも、軍・治安部隊は18人を逮捕したという。

これに関連して、『サウラ』(7月2日付)は、ザーウィヤ山で、軍特殊部隊による「特殊作戦で、武装組織に拘束されていた複数の将兵が解放されたと報じた。

諸外国の動き

ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明を発表し、シリアの治安機関によるデモ弾圧を非難し、「複数政党制を許可し、より広範な政治参加を認めるとのアサド大統領の約束は、治安機関があらゆる場所に展開するなかでは何の意味もない」と指摘した。

AFP, July 2, 2011、Akhbar al-Sharq, July 2, 2011、al-Hayat, July 3, 2011、Kull-na Shuraka’, July 2, 2011、Naharnet, July 2, 2011、al-Quds
al-‘Arabi, July 2, 2011、Reuters, July 2, 2011、SANA, July 2, 2011、al-Sharq al-Awsat, July 2, 2011、Syria News, July 5, 2011、al-Thawra, July 2, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革勢力国民調整委員会代表が政府主導の国民対話委員会への参加を検討すると表明、ハマー市で行われた過去最大規模デモの参加者はシリア人権監視団によると「50万人以上」(2011年7月1日)

反体制勢力の動き

民主的変革勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ハヤート』(7月2日付)に対して、アサド大統領の指示により設置された国民対話委員会が呼びかけている今月10日の協議会への参加を「真剣」に検討すると述べた。

『ハヤート』(7月2日付)は、複数の消息筋の話として、協議会開催に向けた国民対話委員会による折衝では、アブドゥルアズィーム代表が率いるシリア国民民主連合や非公認政党・政治組織に対して、個人、ないしは無所属活動家としてでなく、政党・政治組織代表として出席することを呼びかけられていると伝えた。

同消息筋によると、民主的変革勢力国民調整委員会発足宣言後に、国民対話委員会メンバーと反体制活動家との間で非公式折衝が本格化しているという。

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失業根絶委員会前委員長のフサイン・アンマーシュ氏は『ハヤート』(7月2日付)に対して、「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」や民主的変革諸勢力国民調整委員会とは別に、複数の反体制活動家約200人が2日に「シリアの未来のための国民イニシアチブ」と銘打った大会をダマスカス県のセミラミス・ホテルで開催すると述べた。

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大会では、①逮捕者釈放、平和的デモの許可などを通じた政権と国民の間の信頼回復とその強化、②現状から民主的・市民国家への平和的移行の方法、③不可欠な改革立法、などを審議する予定だという。

参加(予定)者のなかには、ズハイル・ガンヌーム人民議会議員、シャイフ・ナウワーフ・アブドゥルアズィーズ・ムスラト氏、ムハンマド・ハバシュ人民議会議員らが名を連ねている。

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イスラーム民主潮流の国内事務局は声明を出し、民主的変革諸勢力国民調整委員会の結成に関して、「こうした連合体に招かれたことはないし、考慮する必要もない」と発表、不参加と参加拒否を表明した。

シリア政府の動き

SANA(7月1日付)によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、クライヤー町(スワイダー県)、ラタキア市、ダマスカス県バーブ・トゥーマー地区、ヒジャーズ駅前で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、スワイダー市では全長1.7キロのシリア国旗が広げられた。

 

SANA, July 1, 2011

 

SANA, July 1, 2011
SANA, July 1, 2011

 

SANA, July 1, 2011
SANA, July 1, 2011

 

国内の暴力

 

Akhbar al-Sharq, July 2, 2011
Akhbar al-Sharq, July 2, 2011

 

Akhbar al-Sharq, July 2, 2011
Akhbar al-Sharq, July 2, 2011

 

『ハヤート』(7月2日付)は、複数の活動家・目撃者の話としてによると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、アレッポ県、イドリブ県、ラタキア県、ハマー県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、カーミシュリー市(ハサカ県)の各所で反体制デモが発生し、「数十万人」が参加したと報じた。

このうちハマー市では過去最大規模のデモが行われ、シリア人権監視団によると、参加者は「50万人を越えた」という。

また、同監視団によると、ヒムス市でも「10万人以上」、ダイル・ザウル市でも「6万人」、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)でも「4万人」がデモを行ったという。

これに対して、治安部隊が強制排除を試み、ヒムス県、ダマスカス県、ダーライヤー市(ダマスカス郊外県)、ラタキア県、イドリブ県で少なくとも12人が死亡、また数百人が負傷した。

al-Hayat, July 2, 2011
al-Hayat, July 2, 2011

一方、SANA(7月1日付)は、ダマスカス県、ヒムス県、ダーライヤー市で「武装集団」が治安維持部隊、警察、市民に発砲し、複数の死傷者が出たと報じた。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、ハジャル・アスワド市、ジュダイダト・アルトゥーズ町、マダーヤー町、カタナー市、ザバダーニー市で反体制デモが発生した。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、マイダーン地区、カダム区、カーブーン区で反体制デモが発生した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、アレッポ市マシュハド地区、サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、サーフール地区、サイフ・ダウラ地区でデモが発生し、治安部隊が包囲し、参加者を逮捕した。

複数の活動家によると、治安部隊は催涙ガス、ゴム弾、警棒を用いて、デモ参加者を排除した。

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ヒムス県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、クサイル市の住民数百人が、軍による治安維持作戦を逃れるため、レバノン領内に避難したという。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、アサド政権に対して「ただちに改革を始めねばならない…。時間が浪費されている」と述べた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、トルコがシリア情勢をフォローしていると述べる一方、トルコが内外での目的達成のためにシリアでダブル・ゲームを行っていないと主張した。

そのうえで「我々は常に透明性をもって開明的に振る舞っている…。我々の公式のメッセージは常に明白で曖昧さはない…。行程に従った政治改革プロセスは暴力の即時停止をもって始まるものである」と述べた。

AFP, July 1, 2011、Akhbar al-Sharq, July 1, 2011、July 2, 2011、al-Hayat, July 2, 2011、Kull-na Shuraka’, July 1, 2011、Naharnet, July 1, 2011、Reuters, July 1, 2011、SANA, July 1, 2011などをもとに作成。

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反体制政治連合体「国民民主的変革諸勢力国民調整委員会」の発足が発表される、「ダマスカス宣言」はこれに参加せず(2011年6月30日)

反体制勢力の動き

反体制活動家のハサン・アブドゥルアズィーム弁護士(シリア国民民主連合スポークスマン、アラブ社会主義連合民主党書記長)が、反体制組織の政治連合体「国民民主的変革諸勢力国民調整委員会」を発足すると発表した。

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アブドゥルアズィーム弁護士によると、この組織は「国内の反体制勢力の努力を統合し、国外の反体制勢力を国内の反体制勢力の一部と位置づける」もので、シリアの左派系政治連合(4組織)、シリア国民民主連合加盟政党、11のクルド民族主義政党、反体制活動家が加わっているという。

しかし、2005年に発足した反体制政治同盟の「ダマスカス宣言」運動は、委員会には参加していないという。

記者会見で発表された政治文書において、委員会は、「治安・軍事的選択肢の停止」、「逮捕者、政治犯全員の釈放」、「非常事態および戒厳令の実質的解除」、「平和的デモ権の承認」、憲法第8条廃止の必要性の承認など8項目の実施を掲げた。

これらを実施するため、委員会は「全国規模の包括的国民大会」を開催し、「包括的な政治・憲政上の変革の行程」の策定を進める必要があると強調した。

そのうえで、移行期政府に一連の改革措置の実施を委託し、新憲法制定などを進めるとの方針を示した。

また「クルド民族をシリアの国民構成の基本的・歴史的一部とみなす」とともに、「領土および国民といった面での国の統合」を保障する策の案出が目標として掲げられた。

委員会はまた、「国民誓約」と題した別の文書も発表し、「騒乱や対立を助長するようないかなる言動も非難する」、「国益、主権、領土および国民といった面での国の統合を損ねる外国の干渉を拒否する」と主張した。

アブドゥルアズィーム弁護士は、これらの文書での提案を「政治的解決にふさわしい基礎」と位置づけ、国民対話を促したいと述べた。

なお、民主的変革諸勢力国民調整委員会は、執行部、(総合)調整委員会、運営委員会の三つの機関から構成されているという。

執行部を構成する活動家は以下19人:ハサン・アブドゥルアズィーム弁護士(総合調整役)、フサイン・アウダート氏、(副調整役)、ブルハーン・ガルユーン氏(在外担当副調整役)、アーリフ・ダリーラ氏、ミシェル・キールー氏、ファイーズ・サーラ氏、ハーズィム・ナハール氏、アブドゥルアズィーズ・ハイイル氏、ラジャー・ナースィル氏、ムニール・ビーダール氏、イリヤース・ダッバーナ氏、ムハンマド・サイイド・ラッサース氏、ジャマール・ムッラー・マフムード氏、ムハンマド・ムーサー氏、サーリフ・ムスリム・マフムード氏、ルーザー・ブー・アリー・ヤースィーン氏、バッサーム・マリク氏、ムハンマド・アンマール氏。

運営委員会には、アブドゥルアズィーム代表、国内担当副調整役のアウダート氏、国外担当副調整役のガルユーン氏などからなる。

シリア政府の動き

DP-News(6月30日付)によると、アサド大統領はダマスカスの大統領公邸で、「我々と最大のシリア国旗を掲げよう、手に手をとって、明日は我々のもの」キャンペーン(6月15日)を発案した若者らと会談した。

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SANA, June 30, 2011
SANA, June 30, 2011

SANA(6月30日付)によると、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー広場、マーリア市(アレッポ県)、タルトゥース市、ハドル村(クナイトラ県)、サフナーヤー市(ダマスカス郊外県)、ダルバースィーヤ市(ハサカ県)で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、各会場には数千人の市民が集まった。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権連盟によると、アレッポ市複数の地区で、一般的自由と民主主義を求めるデモが発生した。

同連盟によると、デモが発生したのは、サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区、アアザミーヤ地区、バーブ・ファラジュ地区、ブスターン・カスル地区、マシャーリカ地区、シャッアール地区、ファイイド地区、裁判所前で、参加者は数百人程度だった。

しかし複数の目撃者によると、治安部隊が警棒を用いてデモを強制排除し、参加者複数を逮捕して、事態を収拾、デモの一部は「ほどなく政権を支持するデモにとって代わられてしまった」という。

また活動家のラーマーン・カンジュー氏は「目的は公共の広場での集会だった。だが参加者は体制支持者に排除されてしまった」としたうえで、「数十人が負傷し、10人以上が逮捕された」と述べた。

一方、SANA(6月30日付)によると、アレッポ市内のサアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)で「改革方針を支持し、単一の人民の騒乱と分断の試みを拒否するための大規模行進」が行われた。

同通信はまた「アレッポのさまざまな国民・青年諸団体が車で行進を行い、参加した車は3,000台に及んだ。行進はアレッポからダマスカス、すなわち国の北部から南部へと向かった」と報じた。

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イドリブ県では、『ハヤート』(7月1日付)によると、軍の戦車約60輌、兵員輸送車輌100輌がカフルナブル市とカンスフラ村に進入した。

複数の活動家・目撃者によると、軍の展開によってバーラ村、ラーミー村、マルイヤーン村、カフルラーハー市から南部およぶ西部へと住民は避難し、イドリブ市での死者数は16人に増加したという。

一方、SANA(6月30日付)によると、ザーウィヤ山で28日に反体制武装集団の要撃を受け、拉致され炊いた軍・治安部隊兵士を解放するための特殊作戦が行われ、兵士の解放に成功、武装集団メンバーを殺傷、逮捕した。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、ダマスカス大学学生寮で多数の学生が治安当局に一時身柄を拘束された。

諸外国の動き

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、アサド政権による民間人への暴力行使に反対の意を示しつつも、NATOがシリアに介入する意思がないと明言した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アラブ世界の体制転換をめざす西側の呼びかけが「無責任で、人類の利益に反している…。革命ではなく発展的方法で変革はなされねばならない」と述べた。

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『ガーディアン』(6月30日付)は、反体制勢力筋の話として、米国務省高官が、反体制勢力に対し、アサド政権との対話に応じるよう求めていると報じた。

AFP, June 30, 2011、Akhbar al-Sharq, June 30, 2011、DP-News, June 30, 2011、The Guardian, June 30, 2011、al-Hayat, July 1, 2011, July 2, 2011、Kull-na Shuraka’, June 30, 2011、Naharnet, June 30, 2011、Reuters, June 30, 2011、SANA, June 30, 2011などをもとに作成。

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反体制活動家がFacebook上でアレッポ市における「100万人行進」を呼びかける一方、仏外務大臣がシリア問題をめぐる会談のためにモスクワを訪問(2011年6月29日)

反体制勢力の動き

反体制活動家はインターネットで、30日を「6月30日アレッポ噴火に備えよ金曜日」と名づけ、各地で反体制デモを呼びかけるとともに、29日にアレッポ市に向けて「100万人行進」を行うよう呼びかけた。

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フェイスブックの「シリア革命2011」では「アレッポ、イドリブ、北部、中部そして東部の諸都市農村のすべての革命家たちへ…。君たちは明日(今日)木曜日、灰色の町(シャフバー、アレッポの愛称)の中心地へと向かい、デモを発生させ、灰色の町アレッポで革命の炎をともさねばならない。すべての友、家族、そして君たちの町でデモを組織する若者たちとともに行こう…。アレッポへの100万人行進を成功させよう」と呼びかけている。

シリア政府の動き

SANA(6月29日付)によると、ヒムス市、アアザーズ市(アレッポ県)、ハサカ市、ダマスカス県ジャラー公園で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、多数の市民が参加した。

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シリア・アラブ・テレビ(6月29日付)は、ラタキア市でのデモに乗じて治安部隊に発砲したとする武装集団メンバーの証言を放映した。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍の戦車・兵員輸送車両が、アレッポ市に通じる高速道路に面するラーミー村、マルイヤーン村、イフスィム村、バーラ村に突入し、少なくとも11人が死亡、数百人が村から避難した。

またシリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表によると、治安部隊はラーミー村で無差別発砲し、4人を殺害したという。

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アレッポ県では、『ハヤート』(6月30日付)によると、アレッポ市の裁判所で弁護士約300人が、軍・治安部隊によるデモ弾圧に抗議して、座り込みを行い、政治犯釈放などを求めた。

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シリア人権監視団は、アレッポ県のアラブ社会主義連合民主党の指導者1人とハサカ県のシリア・クルド・ムスタクバル潮流の指導者1人が逮捕されたと発表した。

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AFP(6月29日付)は、複数の活動家の情報として「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に参加した反体制作家のムンズィル・ハッダーム氏が体制を支持するデモ参加者に襲撃されたと伝えた。

諸外国の動き

米国務省は、シリアの治安機関、イラン警察、イスマーイール・アフマディー・ムカッダム同長官、アフマド・リダー・ラーダーン副長官に対して、米国内の資産凍結、米系企業および個人との取引禁止などからなる制裁を科した。

財務省の制裁担当高官のディビッド・コーヘン氏は「この措置は、シリア大統領とその体制への圧力をかけるための努力を強化し、野蛮な暴力行使を制限し、シリア国民の生存権を尊重する体制への転換プロセスを開始するためのものである」と述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、シリア情勢を協議するため、2日間の予定でロシアを訪問した。

フランス外務省によると、ジュペ外務大臣はサンクトペテルブルグに向かい、その後モスクワ入りし、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談する予定。

フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官は昨日、「我々はシリアなどについて、とりわけシリアの現状が地域の安定や治安にもたらす影響への我々の懸念について話し合う」と述べた。

また「我々は毎日、ロシア側とニューヨークの安保理で会合を持ち、世界の情勢について議論している」と述べ、フランスがシリア非難決議に向けた努力を継続していることを明らかにした。そのうえで「降伏すべきでない」と続けた。

AFP, June 29, 2011、Akhbar al-Sharq, June 29, 2011、al-Hayat, June 30, 2011、Kull-na Shuraka’, June 29, 2011、Naharnet, June 29, 2011、Reuters,
June 29, 2011、SANA, June 29, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍を離反した士官らがトルコで「自由将校運動」の結成を発表、在外反体制活動家の使節団がロシアを訪問しロシア政府に「歴史の正しい側につく」よう求める(2011年6月28日)

反体制勢力の動き

シリア軍を離反した士官・兵士がトルコで「声明第1号」を出し、「自由将校運動」を結成したと発表した。

「自由将校運動司令評議会」の名で出された声明では、国内外の反体制勢力との協調、統合を通じて、「平和的な政権移譲」を目出すと表明する一方、国連安保理に対して民間人保護のための飛行禁止空域の設定を呼びかけた。

またフサイン・ハルムーシュ大佐を報道官に任命すると発表した。

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3月半ばに反体制抗議行動を開始した活動家のグループ(の一つ)と目されるシリア革命調整連合は声明を出し、「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に疑義を呈した。

声明で調整連合は「誰一人として、殉教者の血や逮捕者の痛みを犠牲にして、体制に正統性を付与してはならない」と主張、「シリアの街頭で行動を続ける」と強調した。

また「革命家のなかに会合を望む者がいるのなら、逮捕、拷問、あるいは粛清を免れるために行うべき治安・予防措置が数十とある…。街頭活動に身を置いていると主張する会合の開催の仕方が疑問を呈されるのは当然のことだ。我々は(「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」開催許可を通じて)シリア政府が…対話に基づく文明的で合法的な存在だとのイメージを作り出そうとしていると見ている。政府にはそうした資質がまったくないにもかかわらず、である」と続けた。

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人権活動家のアンワル・ブンニー氏は、「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に関して、「大会は二つの真実を確立することに成功した。第1に、すべてのシリア人が祖国において合法的かつ公に集う権利があるということ。そして第2にすべてのシリア人が、体制に反するものであったとしても、逮捕や脅迫を受けずに自らの意見を明確かつ率直に表明する権利があるということ」と述べた。

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米国などで活動する在外反体制活動家の使節団(シリア変革大会使節団)が、ロシアを訪問し、ミハイル・マルゲロフ・アフリカ担当大統領特別代表兼ロシア連邦議会国際委員会議長と会談、シリア情勢について協議した。

al-Hayat, June 29, 2011
al-Hayat, June 29, 2011

使節団は、ラドワーン・ズィヤーダ氏、ムルヒム・ダルービー氏、ナジーブ・ガドバーン氏、ラドワーン・バーディーニー氏、サリーム・ムンイム氏からなっている。

反体制活動家は会談で、ロシア政府に「歴史の正しい側につく」よう求め、国連安保理でのシリア非難決議採択を拒否し続けるロシア政府の姿勢が、アサド政権に「間違ったシグナルを与える」とのメッセージを伝えた。

これに対してマルゲロフ特別代表は、「ロシアにとってシリア国民こそが友人である」と強調、「指導者は現れては消える」と述べるとともに、シリアでの「あらゆる形態の暴力」の停止と政治的交渉の実施を支持するとの立場を示した。

一方、使節団はリア・ノーヴォスチ(6月28日付)の取材に対し、27日にダマスカスで開催された反体制活動家の「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」大会に関して、「政権と集う者は我々を代表していない」と批判した。

シリア政府の動き

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はスカイ・ニュース(6月28日付)に、「我々は暴力を非難しているが、反体制勢力も軍・治安部隊への武装集団の暴力を非難しなければならない」と述べるとともに、政府が平和的デモを問題視しておらず、民主化に向けた改革に向けた準備はできている、と強調した。

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SANA(6月28日付)によると、ダマスカス県ユースフ・アズム広場、ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)、ダルアー市、ハサカ市、アフリーン市(アレッポ県)で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、各会場には数千人の市民が集まった。

またタルトゥース市では、デモ弾圧の任務中に殺害された治安部隊隊員の遺族が座り込みデモを行い、国民統合を訴えた。

国内の暴力

シリア人権監視団によると、ヒムス県、ハマー県、イドリブ県、ラタキア県、ダイル・ザウル県などの複数の都市で、「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に抗議するデモが行われ、数千人が参加し、アサド政権との対話に拒否の姿勢を示し、アサド政権の打倒が主唱された。

ヒムス市では数千人が、ハマー市では7.000人から10,000人が、ダイル・ザウル市では5,000人から7,000人がデモに参加したという。

またラタキア県ではジャブラ市、ラタキア市でデモが行われ、ダマスカス県のカーブーン区、バルザ区でも当局との対話拒否の行進が行われたという。

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これに対して、治安当局はダマスカス郊外県、イドリブ県、そしてトルコ国境の村々で数十人を逮捕、軍はイドリブ県の対トルコ国境地帯の軍備を増強し、数百人の兵士をさらに展開させた。

諸外国の動き

米国務省は、「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に関して、「正しい方向への一歩」だと述べつつ、「さらなる実行が求められる」との留保を設けた。

そのうえで、多くの反体制活動家が在シリア米大使館と連絡をとっていることを明らかにした。

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英外務省報道官は「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に関して、『ハヤート』(6月29日付)に対して「慎重ながらも歓迎する」と述べた。

そして「集会の自由、表現の自由は、あらゆる政治的対話の基礎をなす。我々はシリアの当局にこれらの権利を尊重するよう強く求めてきた」と続けた。

しかし、英国外務省は、抗議行動を支援した駐英シリア人活動家がシリア当局の脅迫を受けたとの報道を受けて、サーミー・ハイミー駐英シリア大使を呼び出し、抗議を行った。

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フランスは「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に関して「前向きな一歩」と評し、「国民対話の出発点」の設定により、危機解決の余地が生まれることへの期待感を表明した。

AFP, June 28, 2011、Akhbar al-Sharq, June 28, 2011、al-Hayat, June 29, 2011、Kull-na Shuraka’, June 28, 2011、Naharnet, June 28, 2011、Reuters,
June 28, 2011、SANA, June 28, 2011、Sky News, June 28, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制活動家・有識者の会合「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」が開催、既存の体制内における一連の改革が提案される(2011年6月27日)

反体制勢力の動き

ダマスカス県のシェラトン・ホテルで「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」と題された反体制活動家・有識者の会合が開催され、約200人が出席した。

al-Hayat, June 28, 2011
al-Hayat, June 28, 2011

シリア国営メディア、米国のCNNやNBC、英国のスカイ・ニュースなど外国のメディアが取材するなかで行われた。

ホテルのビュッフェにはフランスの外交官が現れたが、主催者は大会会場への入場を認めなかった。

またホテルの入り口では、数百人の青年がアサド大統領の写真やシリア国旗を掲げて集まった。

会合はシリア国家斉唱で開会し、大会運営者の一人で反体制活動家のルアイユ・フサイン氏が「祖国の土となった民間人および軍人の殉教者の魂」に哀悼の意を示すための1分間の黙祷を求めた。

フサイン氏は開会の辞で会合の目的が、政党に属さない出席者が一丸となって自由な市民国家へと移行する方途を検討することと「民主的市民国家へ確実に移行する青写真」を提示することにある、と述べた。

フサイン氏はまた、会合に疑義を呈する在外の反体制活動家らの批判に暗に応えるかたちで、「国家や社会を崩壊させることなく」変化を実現することが重要だと強調した。

また参加者たちが「望ましい国家への平和的移行の青写真を示そうとしており、我々は、みにくい嫌疑を向ける当局に対して自己弁護するために集まったのではない。軽率な行為や責任を非難する者に対して自己弁護するためでもない、無実を訴えるためでもない。無制限に自由な発言を行うために集まったのだ」と付言した。

反体制活動家のムンズィル・ハッダーム氏は会合の開催が重要な進展で、「シリアが変わっている」ことを示していると評価した。

そして、数ヶ月前、このような大会がダマスカスで開催でき、「我々のもとに成功以外の選択肢はない」と思っていた人がいただろうかと付言、「二つの道が描かれている。一つは我々の政治体制を平和的・確実に転換するため、すなわち民主制に向けて妥協の余地のない明確な路線をとり、国民と国を救済すること。もう一つは、未知へと路線を進め、皆が破壊に苛まれること」と述べた。

また在外活動家らの批判に対して、ハッダーム氏は「我々は国民の一部であり、国民とともに一つの未知を進むことを選ぶと決めた。我々と歩みたくないからといって、その道が地獄へ通じるわけではない」と述べた。

『ハヤート』(6月28日付)によると、会合では反体制作家のミシェル・キールー氏が移行期の諸特徴について報告を行った。

キールー氏は報告のなか、治安対策によって危機を解決することが「シリアに破壊をもたらす」と警鐘を鳴らしたうえで、危機は知性、施策、法律を通じて対処されるべきだ。シリアの危機は…深刻だ。治安対策や弾圧によっては解決しない。なぜならこの危機はその本質において治安とは関係がないからだ」と付言し、弾圧を通じた解決ではなく、失業、貧困、経済の問題の解決を呼びかけた。

そのうえでキールー氏は一連の改革措置を提案した。この改革措置は、国内で活動する非公認の政党を「合法的で、国を織りなす要素の一部とみなす」決定を下すこと、憲法を「多元的、代議的」なものとすべく、第8条を「凍結」する決定を下すことなどを骨子としていた。

また、参加者の一人ジョルジート・アティーヤさんは、「私は軍に対して大いなる敬意を表しています。兵士が命を落とすたびに、心が痛みます」としたうえで、反体制デモのなかに「武装集団がいる」との言説に同意すると発言、軍の役割を尊重すべきだと主張した。

他方、作家のナビール・サーリフ氏は在外の反体制活動家について「アンタルヤやブリュッセルで集まった人々が西側諸国の呼びかけに応え、国益に沿っていないことは明確である。我々の反体制運動こそが、疑いなく愛国的な運動である」と述べた。

また「改革は既存の体制の枠内で行う」と付言し、「改革実施の猶予」を(体制に)与えねばならないと主張した。

「数年を要する改革を数日で行うことなど不可能だ。抜本改革をしたいと考えている者もいる。部分的改革をしたいと考えている者もいる。すべての改革が必ずしもよい訳ではない。我々は変革のための変革をしたいのではない。よりよいものをめざして変革したいのだ」と述べた。

一方、移行期における有識者の役割については、ハッサーン・アッバース博士が報告を行った。

なおロイター通信(6月28日付)によると、大会に出席していたアーリフ・ダリーラ氏は、途中で退場、脱会した。

「当局が集団殺戮・逮捕を続けるなかで、大会を利用している」というのが脱会の理由だという。

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クウェート日刊紙『カバス』(6月27日付)は、在外反体制活動家筋の話として、ラタキア県カルダーハ市出身の大佐1人、中佐1人、少佐、大尉、中尉ら合わせて12人(うち少なくとも6人がアラウィー派)が軍を離反し、近く「自由将校団運動」を宣言すると報じた。

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自由シリア革命青年連立は声明を出し、「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」大会への支持を表明した。

シリア政府の動き

大統領府は声明を出し、アサド大統領が英米国会議員使節団と会談し、「人々の正当な要求」と「混沌をもたらし、安定を損ねる」ためにこの要求を利用する「武装集団」(の要求)を区別するとの立場を伝えた。

アサド大統領は昨日、デニス・クシニッチ米議員と英保守党のブルークス・ニューマーク議員とそれぞれ会談、「シリアで発生している問題の実像、現在実施中の包括的改革措置」を説明し、「制定された政令や法律を通じて国家が応えるべき人々の正当な要求と、国に混沌をもたらし、安定を損ねるためにこの要求を利用する武装集団を区別することが重要だ」と強調した。

これに対して、クシニッチ議員とニューマーク議員はともに「地域の安定の主柱とも言えるシリアの治安と安定への熱意を表明した」と述べたという。

また『ハヤート』(6月29日付)などによると、クシニッチ議員はアサド大統領との会談で「国民対話と民主的文民国家への移行をめざす政府の強い意思」を感じとることができた、とアサド大統領を称えた。

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SANA, June 27, 2011
SANA, June 27, 2011

ファールーク・シャルア副大統領が議長を務める国民対話委員会が会合を開き、20日のアサド大統領の演説に従い、包括的対話大会開催を準備する協議会の活動日程を協議した。

会合には9人の委員が出席し、7月10日を協議会開催日とすること、「すべての愛国的思想・政治勢力および個人」に会合への出席を呼びかけること、「憲法、とりわけ第8条の改正審議を日程に含めること」などを承認した。

委員会は「さまざまな次元で政治的に対処し、すべてのシリア国民に門戸を大きく開き、シリア国民の要求に沿った民主的で多元的な社会建設への参加を求める以外に選択肢はない」との立場を確認したという。

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SANA, June 27, 2011
SANA, June 27, 2011

SANA(6月27日付)によると、ヒムス市、ハサカ市、ダーライヤー市(ダマスカス郊外県)、ジャブラ市(ラタキア県)でアサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモ行進が行われ、多数の市民が参加した。

ラタキア市では数千人が参加し、全長2キロのシリア国旗が広げられた。

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SANA, June 27, 2011
SANA, June 27, 2011

SANA(6月27日付)によると、ダマスカス県バラダー・スポーツ・クラブで「小さな手で偉大な私の国の旗を作ろう」と銘打った企画が行われ、全長40メートル、幅1.4メートルの白い布に、絵の具で手形を押し、シリア国旗を作った。

国内の暴力

アフバール・シャルク(6月27日付)などによると、アレッポ大学学生寮で反体制デモを行い治安当局に拘束された学生約400人が、暴動煽動、大統領侮辱の容疑で起訴された。

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シリア人権監視団によると、ヒムス市、ハマー市、ダイル・ザウル市、ダマスカス県カーブーン区、バルザ区、ルクンッディーン区、ラタキア市、ジャブラ市(ラタキア県)で、反体制活動家が、ダマスカスの反体制活動家による民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」大会を拒否する派の大会に反対する夜間デモを行い、政権との対話に拒否の姿勢を示した。

同監視団によると、ヒムス市では数千人、ハマー市では1万人、ダイル・ザウル市では5,000~7,000人が参加したという。

イラクの動き

イラクのヌーリー・マーリキー首相はバグダードでシリア人ビジネスマンからなる使節団と会談し、シリア情勢などについて協議した。

AFP(6月27日付)によると、会談でマーリキー首相は、シリアの治安が地域の安定と直結している、と述べ、事態の混乱への懸念を示した。

諸外国の動き

アナトリア通信(6月27日付)によると、トルコの内閣非常事態災害局は、トルコ領内に設置されたキャンプ5カ所で避難生活を送るシリア人の数が11,122人に達すると発表した。

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『ハヤート』(6月28日付)によると、イラク・クルディスタン地域で避難生活を送るシリアのクルド人数百人がアルビル市で反体制デモを行った。

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中国の温家宝首相(国務院総理)は英国を訪問し、デヴィッド・キャメロン首相と会談、シリア情勢への対応などについて協議した。

『ハヤート』(6月28日付)などによると、温首相は会談で、国連安保理での対シリア非難決議採択に難色を示し、シリア政府と反体制勢力の対話による危機解決を支持するとの姿勢を示したという。

AFP, June 27, 2011、Akhbar al-Sharq, June 27, 2011、June 28, 2011、al-Hayat, June 28, 2011、June 29, 2011、Kull-na Shuraka’, June 27, 2011、Naharnet, June 27, 2011、al-Qabas, June 27, 2011、Reuters, June 27, 2011、June 28, 2011、SANA, June 27, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領が在米シリア人居住者の使節団と面会する一方、シリア軍がクサイル市に展開される(2011年6月26日)

反体制勢力の動き

シリア革命調整連合は、27日にダマスカス県のシェラトン・ホテルで開催予定の反体制活動家による大会「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」に関して、「アサド・シャッビーハ体制の耳目の届くところでのこの手の大会は、正統性を失った体制を救済する助け船を出しようとするものでしかない」と非難した。

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シリア変革大会執行部は、使節団がロシアを訪問し、モスクワでロシア政府高官らと会談すると発表した。

使節団は、ラドワーン・ズィヤーダ氏、ムルヒム・ダルービー氏、ナジーブ・ガドバーン氏、ラドワーン・バーディーニー氏、サリーム・ムンイム氏からなっている。

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駐英シリア革命調整委員会、シリア民主革命支援国民委員会、シリア反体制勢力アンタルヤ大会顧問委員会が共同声明を出し、アサド政権が呼びかける国民対話を拒否すると発表、退陣を要求した。

シリア政府の動き

SANA, June 26, 2011
SANA, June 26, 2011

大統領府は声明を出し、アサド大統領が、在米シリア人居住者の使節団と「シリアが直面している出来事、外国でシリアが曝されている偽りのメディア・キャンペーン…、在外シリア人が真相究明に果たすべき役割、国外への真相発信への貢献」などについて検討したと発表した。

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シリア国防大臣のアリー・ハビーブ一等中将はアサド大統領の代理として、軍の士官参謀コースおよび国防コースの卒業式で祝辞を述べ、シリアが「さまざまなかたちの陰謀に曝され、国際問題化、外国の干渉、分断支援、そして内紛を企図した圧力が断続的に増している」と警鐘を鳴らした。

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SANA(6月26日付)によると、ダマスカス県のヒジャーズ駅前で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、市民数百人が参加した。

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シリア・アラブ・テレビ(6月26日付)は、ヒムス市バーブ・アムル地区で破壊活動を行ったとする武装集団メンバーの自供映像を放映した。

国内の暴力

『ハヤート』(6月27日付)によると、シリア軍は、ダマスカス県バルザ区、ダマスカス郊外県キスワ市、ザバダーニー市、ブルーダーン村に検問所を設置した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、シリア軍がクサイル市に展開し、負傷者を多数含む数百人がレバノンに越境避難したという。

クサイル市では夜も銃声が聞こえているという。

これに関して、レバノン北部県アッカール郡カニーサ村のアリー・ハンムード村長はAFP(6月26日付)に対して「350人から400人がシリア領からカニーサ村にやって来た。彼らはカニーサ村をはじめとする近隣の村に分かれて避難している」と述べた。

ハンムード村長によると、シリア人避難民の多くはヒムス県ヒート村、ドゥワイク村の住民だという。

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イドリブ県では、シリアの複数の高官によると、軍がジスル・シュグール市での「武装集団追跡作戦」を継続、対トルコ国境のヒルバト・ジャウズ村を「制圧」したことを明らかにした。

シリア軍のリヤード・ハッダード報道官はCNN(6月25日付)に対し、700人以上のテロリスト」がヒルバト・ジャウズ村から家族とともに逃走、越境したと述べた。

諸外国の動き

イラン外務省報道官は声明を出し、EUによる対シリア追加制裁に関して、イラン・イスラーム革命防衛隊がシリアでのデモ弾圧を支援しているとの「EUの主張は根拠がない」と批判した。

AFP, June 26, 2011、Akhbar al-Sharq, June 26, 2011、al-Hayat, June 27, 2011、Kull-na Shuraka’, June 26, 2011、Naharnet, June 26, 2011、Reuters, June 26, 2011、SANA, June 26, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アムネスティ・インターナショナル会長がアラブ連盟に対し、シリアに対する措置を講じるよう求める(2011年6月25日)

反体制勢力の動き

反体制作家・出版者のルアイユ・フサイン氏は、27日にダマスカス県で「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」と銘打って反体制活動家・有識者の会合を開催すると発表した。

フサイン氏は「月曜日に、無所属の公開国民対話がダマスカスのホテルで開催され、国情や民主的市民国家への移行方法について審議する」と述べ、「招待されているのはいかなる政党、政党ブロックにも所属していない個人だ」と強調した。

また反体制作家で参加者の一人ファーイズ・サーラ氏は「会合という発想は危機の所在を特定し、その解決策を案出するのにいかに貢献できるかということにつながる」と述べた。

シリア政府の動き

SANA(6月25日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市への避難民の帰国が続き、トルコ領内に批難していた約730人が帰宅した。

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SANA(6月25日付)によると、ダマスカス県カダム区で24日に武装テロ集団に殺害された治安部隊隊員の葬儀がティシュリーン軍事病院で行われた。

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SANA(6月25日付)によると、イドリブ県マルアンド村、ダルクーシュ町で、アサド大統領による包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、住民が参加した。

国内の暴力

アナトリア通信(6月25日付)によると、シリア赤新月社のアブドゥッラフマーン・アッタール会長は、「シリア人避難民が帰国を決心した際、その安全は保障する」と発表した。

アッタール会長はまた「赤新月社の名において、我々はシリア政府が彼らを処罰せず、また治安部隊の処罰に曝されないことを保障する」と伝えた。

アッタール会長はさらに、トルコ当局に対してトルコ領内の避難民キャンプへの訪問を許可することを期待していると述べたうえで、シリアへの帰国を望んでいる人たちが圧力に曝されないようにして欲しいと付言した。

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『ハヤート』(6月26日付)は、人権活動家の話として、戦車や兵員輸送車輌に支援された軍部隊が早朝、イドリブ県ナージヤ村に進入・展開したと報じた。

ナージヤ村は、イドリブ県ジスル・シュグール市とラタキア市を結ぶ要衝に位置する。

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『ハヤート』(6月26日付)によると、各地で24日のデモの犠牲者約20人の葬儀が行われる一方、治安当局による摘発活動が続き、100人以上が未明までに逮捕された。

逮捕者のうち80人はアレッポ市マーリア市で拘束されたという。

また複数の活動家がAFP(6月26日付)に述べたところによると、治安部隊がキスワ市での葬儀に発砲し、2人が死亡した。

レバノンの動き

『フィガロ』(6月25日付)は、イラン・シリア関係を研究する専門家が西側諜報機関から得た情報として、ヒズブッラーが、イラン製のロケット弾ズィルザール、ファジュル3、ファジュル4をシリア国内からベカーア県に移送している、と報じた。

諸外国の動き

アムネスティ・インターナショナル会長はアラブ連盟に対して、リビアと同様、シリアに対しても措置を講じるよう求めた。

同会長は、シリア情勢について行動しようとしないその対応を「ダブル・スタンダード」を非難、「シリアの状況は、さらに悪化している」と述べ、対応を求めた。

AFP, June 25, 2011, June 26, 2011、Akhbar al-Sharq, June 25, 2011、Le Figaro, June 25, 2011、al-Hayat, June 26, 2011, June 27, 2011、Kull-na Shuraka’, June 25, 2011、Naharnet,
June 25, 2011、Reuters, June 25, 2011、SANA, June 25, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各地で抗議行動開始以来「最大規模」の反体制デモが発生し、「数万人が参加」(2011年6月24日)

反体制勢力の動き

複数の目撃者によると、大佐2人を含むシリア軍の士官4人が離反し、イドリブ県ヒルバト・ジャウズ村からトルコへと越境した。

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シリア政府の動き

シリア軍当局は、ダマスカス郊外県キスワ市郊外に駐留する第1師団内で将兵が離反し、師団が分裂したとの「度重なる報道」を「根拠がない」と否定した。

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SANA(6月24日付)は、軍がイドリブ県ジスル・シュグール市周辺地域への展開を完了、住民の歓迎を受けたと報じた。

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SANA, June 24, 2011
SANA, June 24, 2011

SANA(6月24日付)によると、ダマスカス県バーブ・トゥーマー地区、ダマスカス郊外県ジュダイダト・アルトゥーズ町、ダイル・ザウル市で、アサド大統領による包括的改革プログラムを支持する集会が開かれ、市民数万人が参加した。

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シリア・アラブ・テレビ(6月24日付)は、「武装テロ集団のメンバー3人がジスル・シュグール市(イドリブ県)で殺戮・脅迫行為を行い、治安本部を攻撃したと自供したと報じ、証言ビデオを放映した。

メンバーの一人は「治安本部のスタッフを殺害し、彼らの遺体を傷つけ、検問所を設置し、市民を脅迫した」と自供した。

治安拠点を攻撃した武装集団の数は700人と推計されるという。

国内の暴力

『ハヤート』(6月25日付)によると、ダマスカス県(バルザ区、カーブーン区、マイダーン地区)、ダマスカス郊外県(キスワ市、ザバダーニー市など)、アレッポ県(アレッポ市)、イドリブ県(カフルナブル市、ジャルジャナーズ町、サラーキブ市、ビンニシュ市など)、ヒムス県(ヒムス市、ラスタン市)、ハマー県、ダイル・ザウル県(ダイル・ザウル市、マヤーディーン市など)などの各所に、シリア軍が展開し、治安当局が検問所を設け、幹線道路が封鎖されるなか、金曜礼拝後に反体制デモを行い、当局による暴力行使や対トルコ国境地帯での治安維持活動に反対を表明した。

al-Hayat, June 25, 2011
al-Hayat, June 25, 2011

シリア人権監視団によると、デモは抗議行動開始以来「最大規模」で「数万人が参加した」という。

同監視団によると、ダイル・ザウル市では3万人以上、ハマー市では数万人、マヤーディーン市では数千人、イドリブ県カフルナブル市、ジャルジャナーズ町、サラーキブ市、ビンニシュ市では約1万人、ヒムス県ラスタン市では約5,000人、ダマスカス郊外県のザバダーニー市では約700人、ドゥーマー市では1,500人、ダマスカス県カーブーン区では約1万2,000人がデモに参加した。

また活動家のアブドゥッラー・ハリール氏によると、ラッカ県のラッカ市とタブカ市で数百人規模のデモがあった。

さらにハサカ県の活動家ハサン・バッルー氏はAFP(6月24日付)に対して、カーミシュリー市で5,000人以上、アームーダー市で3,000人以上、ラアス・アイン市で訳1,500人がデモを行ったと述べた。

彼らは体制打倒を求めるスローガンを叫んでいたが、治安部隊との衝突はなく、ラアス・アイン市ではアサド大統領を支持するデモも行われたという。

しかし、複数の活動家と目撃者によると、治安部隊が実弾などを使用し、デモの強制排除を試み、子供2人(ダマスカス郊外県とヒムス県で1人ずつ)を含む15人以上が死亡した。

またシリア人権機構のムハンマド・イナード・スライマーン氏はAFP(6月24日付)に対して「治安部隊がデモ参加者に発砲し、キスワ市では5人が死亡、6人が負傷した」と述べた。

さらに、ダマスカス県バルザ区の人権活動家の一人は「治安部隊がデモ参加者に発砲し、3人が死亡、25人が負傷した」と指摘した。

ロイター通信(6月24日付)によると、バルザ区の住民の話として「治安部隊は最初、催涙ガスを使っていたが、その後、シュプレヒコールが続くなかで、屋上から発砲を始めた…。3人の若者が殺害され、頭と胸を撃たれた遺体2体を見た」と伝えた。

ヒムス市の別の人権活動家も「同市で3人のデモ参加者が殺害された」としたうえで、「20人以上が負傷した」と述べた。

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これに対して、シリア・アラブ・テレビ(6月24日付)は、体制を支持する行進の映像を放映する一方、ダマスカス県バルザ区で武装集団が治安部隊に発砲し、市民3人が死亡、士官1人と複数の治安要員が負傷したと報じた。

レバノンの動き

ナハールネット(6月24日付)によると、北部県トリポリ市でアサド政権の支持者と反対者の双方が座り込みデモを行い、軍・治安当局が厳戒態勢を敷いた。

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AFP(6月24日付)によると、北部県アッカール郡に負傷したシリア人8人が不法入国、その後病院に搬送された。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はテレビ演説を行い、アサド政権に関して「地域唯一のレジスタンス体制」だと位置づけたうえで、「アサド大統領は、武装した反乱分子がいるにもかかわらず、二度にわたって恩赦を実施し、改革を開始した。しかし彼ら(欧米諸国)は満足していない。一方、バーレーンに目を向けると、反体制派の指導者たちはナイフ1本も持っていなかったにもかかわらず、禁固刑を受けている」と述べた。

諸外国の動き

トルコのアフメット・ダウトオール外務大臣は、アサド大統領の22日の演説が「改革に向けた積極的な要素を含んでいるが、重要なのは具体的な措置をどこで実施するかであり、我々はこうした考え方のもとで(シリアとの)連絡を継続している」と述べた。

そのうえで「我々はシリアが改革実施を通じて、現状から全力で脱却することを望んでいる」と続けた。

アナトリア通信(6月24日付)が伝えた。

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『ハヤート』(6月25日付)は、トルコ当局が過去24時間で1,500人以上のシリア人がトルコ領内に避難し、これによりシリア人避難民の数が1万2,000人に達したと発表した、と報じた。

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EU首脳は共同声明を出し、「アサド政権は…自らが示した大規模改革の約束を履行せず、弾圧を選んだことで、正統性を失った」と厳しく非難した。

また「シリア政府が国民に対して行う弾圧を決して受け入れることはできず、嫌悪感をもたらす暴力行使を非難する」と続けるとともに、「トルコ国境のヒルバト・ジャウズ村でのシリア軍の作戦に大いなる懸念」を表明した。

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米『タイムズ』(6月24日付)は、軍・治安部隊によるイドリブ県ジスル・シュグール市制圧を受けてトルコに避難した住民らが、軍・治安部隊による「集団レイプ」が行われたと証言していると報じた。

AFP, June 24, 2011、Akhbar al-Sharq, June 24, 2011、al-Hayat, June 25, 2011、Kull-na Shuraka’, June 24, 2011、Naharnet, June 24, 2011、Reuters,
June 24, 2011、SANA, June 24, 2011、The Times, June 24, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

タルトゥース県で「包括的改革プログラム」を支持する大規模デモが行われる、NATO事務局長はシリアへの軍事介入を否定(2011年6月23日)

反体制勢力の動き

反体制活動家らは、インターネットを通じて、「アラブの春」に呼応するかたちで反体制デモが始まってから100日を迎える24日を「正統性打倒の金曜日」と銘打って、各地で反体制デモを行うよう呼びかけた。

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またその前日にあたる23日にすべての都市でのゼネストを行うよう呼びかけ、『ハヤート』(6月24日付)によると、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県、ヒムス県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、イドリブ県(サラーキブ市)、タルトゥース県(バーニヤース市内南部)、ラタキア県、カーミシュリー市(ハサカ県)で、「大規模なスト」が行われた。

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地元調整委員会は声明を出し「100日(が経った)。我々の革命は続く。それがあらゆる形態の平和的闘争の継続とともに求められている」と宣言した。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、アサド政権による抗議デモ弾圧を「人道に対する犯罪」と非難、「存在理由と正統性を失った」と糾弾した。

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シリア共産主義者統一国民委員会は機関紙『カシオン』(6月23日付)を通じて声明を出し、24日にハサカ県カーミシュリー市で予定されている抗議デモに参加すると発表した。

シリア政府の動き

SANA(6月23日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市で発見された「集団墓地」で発見された軍・治安部隊隊員26人の葬儀がヒムス市軍事病院で行われた。

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SANA(6月23日付)によると、ダマスカス県のキリスト教各派の呼びかけに応じるかたちで、キリスト教徒、イスラーム教徒が、カッサーア地区の聖十字架に集まり、シリアに対する陰謀の拒否と平和を求める集団礼拝を行った。

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SANA, June 23, 2011
SANA, June 23, 2011

SANA(6月23日付)によると、タルトゥース県ミスヤーフ市で、アサド大統領による包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、数万人の住民が参加、全長1,000メートル、幅5メートルの巨大なシリア国旗を広げた。

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(6月24日付)によると、シリア軍の戦車部隊が、対トルコ国境に位置するヒルバト・ジャウズ村に突入した。

al-Hayat, June 24, 2011
al-Hayat, June 24, 2011

トルコ領内の複数のトルコ人目撃者によると、シリア軍戦車と兵士が、トルコから1キロも離れていない丘にまで到達したのが見え、AFPとロイター通信はともに、シリア人避難民がトルコへの謝意を示すため、数日前にこの丘にある建物に掲げていたトルコ国旗が下ろされ、シリア国旗が再び掲げられたと報じた。

これを受け、同村に避難していたシリア人数百人がトルコに避難した。

トルコ赤新月社のティキン・クジョカリ会長は「国境で新たな動きが生じている」と述べ、「600人以上今日(23日)、避難してきた」ことを明らかにした。

一方、SANA(6月23日付)によると、軍・治安部隊による掃討作戦を受けて、ジスル・シュグール市外に避難していた住民約270世帯が帰宅した。

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アレッポ県では、複数の目撃者によると、装甲車に支援された軍歩兵部隊がアレッポ県とトルコを結ぶ街道に検問所を設置し、数十人を逮捕した。

シリア人権監視団はまた、治安機関が過去2日間で、タッル・リフアト市およびその郊外で120人を逮捕したと発表した。

諸外国の動き

トルコ外務省高官は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣がシリアのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と電話会談し、シリア情勢に関して意見を交わしたと述べた。

ロイター通信(6月23日付)によると、トルコ第二軍司令官がグフィチの国境地帯を視察訪問した。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、シリア軍によるヒルバト・ジャウズ村への攻勢に関して「もしそれが本当だとすれば、こうした敵対行為がトルコ領内のシリア人避難民の暮らしを不安定化させる」と懸念を表明した。

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米国防総省のアレクサンダー・バーシュボウ安全保障担当次官補は、シリア・トルコ関係に関して、アサド政権はトルコ政府が求めていることを「考慮して…、暴力を停止し、改革を始めねばならない」と述べた。

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EUによる対シリア制裁第3弾が発効した。

EU官報で発表された追加制裁リストには、イラン・イスラーム革命防衛隊のモハンメド・アリー・ジャアファリー少将、その補佐官のガーセム・ソレイマーニー少将、フセイン・タイイブ諜報担当副司令官の3人が含まれている。

また制裁リストには、大統領のいとこで弾圧に関与したとされるズー・ヒンマ・シャーリーシュ氏、その弟でシリアの体制に資金援助をしている(とされる)リヤード・シャーリーシュ氏、ハーリド・カッドゥール氏、リヤード・クーワトリー氏の4人にビジネスマンが名を連ねている。

追加制裁ではまた、アサド政権に資金援助しているとされる企業4社(企業とは建設不動産会社、マシュリク投資基金、ハムシュー国際機構、そして国防省所管の公営企業の軍住宅機構)の資産凍結が定められている。

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NATOのアナス・フォー・ラスムセン事務局長は『フィガロ』(6月23日付)に、アサド政権による反体制運動弾圧に関して「この状態は我々がリビアで見たものとは異なっている…。私の経験から、シリアに飛行禁止空域は設定されず、シリア内政への外国の軍事介入はないと考える」と述べた。

AFP, June 23, 2011、Akhbar al-Sharq, June 23, 2011、Le Figaro, June 23, 2011、al-Hayat, June 24, 2011, June 25, 2011、Kull-na shuraka’, June 23, 2011、June 26, 2011、Naharnet, June 23, 2011、Reuters, June 23, 2011、SANA, June 23, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

EUがシリア政府への追加制裁を決定へ、ムアッリム外務大臣はただちにこれを批判(2011年6月22日)

シリア政府の動き

シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は記者会見で、「アサド大統領の演説を聞き、背を向けた友人たちは、自らの立場を再考せねばならない」と述べた。

SANA, June 22, 2011
SANA, June 22, 2011

ムアッリム外務在外居住者大臣は、西側諸国がシリアに「混乱と内乱を植え付けようとしている」としたうえで、EUの制裁が「シリア国民の生活を標的としており、戦争に等しい」と厳しく批判した。

また「我々は欧州が地図上にあることを忘れ、地中海連合のメンバーシップを凍結することを提言する」と述べる一方、ラフィーク・ハリーリー元首相暗殺事件後の西側諸国のバッシングに対抗して「東と南に目を向けてきたことで…孤立を打破した」のと同じように、現状を「克服」し得ると自信を示した。

そのうえでアサド大統領の演説に対する欧州諸国首脳の反応に関して、「なかには全文を読まないで反応した者もおり…、そのことは推し進めたい計略があることを示している」と「不快感」を示した。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、シリア政府が「隣国トルコとのより良い関係を望んでおり…、数年にわたってアサド大統領がトルコとの戦略的・特権的関係構築のために指導してきた努力を無に帰したくない」と述べ、トルコ政府に、シリア情勢への対応を再考することを求めた。

このほかムアッリム外務在外居住者大臣は、イランやヒズブッラーの支援に関して「シリアが危機を克服するための政治的支援、アサド大統領が発表した改革への支援はあるが…、軍事的支援はない」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(6月22日付)によると、ダマスカス県ラウダ地区のトルコ大使館前で、アサド政権支持者がレジェップ・タイイップ・エルドアン首相の姿勢に抗議するデモを行い、数十人が参加した。

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Naharnet, June 22, 2011
Naharnet, June 22, 2011

アサド大統領は、レバノン民主党のタラール・アルスラーン党首とダマスカスで会談した。

国内の暴力

シリアの複数の人権活動家によると、治安部隊がダイル・ザウル市、タルトゥース市、ダマスカス県など複数の都市で逮捕を継続し、首都のダマスカス大学ではアサド政権の演説に反対してデモを行った「100人以上の学生」が逮捕された。

諸外国の動き

西側外交筋はAFP(6月22日付)に、EUがシリア政府への追加制裁を22日に正式に承認することに「加盟27カ国の専門家は原則合意した」と述べた。

追加制裁は、シリア政府高官4人、イラン政府高官3人、そしてデモ参加者への治安弾圧に関与したとする軍関係の企業4社の資産凍結、EU諸国内の渡航禁止を定めているという。

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国連の潘基文事務総長は、シリア大統領が改革実施やデモ参加者との対話を誓約したことに関して、「彼の発言には、言及に値するだけの信用がない。なぜなら状況は悪化し続けている。いつまでこのような状況は続くのか?」と述べた。

また「彼は、具体的措置をとるべきだ…。重要なのは、自らが宣言した諸措置を国民との包括的・建設的対話へと導くことだ」と続けた。

潘事務総長は、アサド大統領との電話会談を常に試み、「改革と現状にどのように支援できるか」を協議しようとしていると述べた。

そのうえでシリア政府が、シリアの現状を評価するための人権委員会の調査団や人権チームの訪問を許可する必要があると改めて強調した。

潘事務総長はまた、アラブ世界の指導者たちに「一般的自由、政治改革、民主主義強化のための包括的・建設的対話の開始」を呼びかけた。

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フランス外務省はシリア政府が「盲目的暴力の論理」に従って行動していると批判した。

AFP, June 22, 2011、Akhbar al-Sharq, June 22, 2011、June 23, 2011、al-Hayat, June 23, 2011、Kull-na Shuraka’, June 22, 2011、Naharnet, June 22, 2011、Reuters,
June 22, 2011、SANA, June 22, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サファル内閣が政党の認可に関する法案を発表、ダマスカス県ではアサド大統領を支持するデモが行われ「数百万人」が参加(2011年6月21日)

反体制勢力の動き

反体制人権活動家のハイサム・マーリフ氏はロイター通信(6月21日付)に対して「体制が市民に対して殺戮と無差別逮捕を続けているこうした悲惨な状況下でどうして対話が行えようか」と述べ、アサド大統領の20日の演説を批判した。

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地元調整委員会のアーディル・ウスマーン報道官は、アサド大統領の20日の演説に関して、BBC(6月21日付)に対して「体制に多くを期待していない。なぜなら我々はその行動を見てきたからだ…。彼らは何よりもまず治安対策による問題解決を狙っている」と述べた。

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シリア人権委員会は、2011年3月半ばから6月11日までの抗議デモ弾圧などによる犠牲者が1,724人に上ると発表し、全員の氏名を公表した。

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シリア・クルド・イェキーティー党は声明を出し、アサド大統領の演説を「暴力停止に向けた実務的な措置を欠いている」と批判した。

シリア政府の動き

アサド大統領が6月20日以前の犯罪を対象とした新たな恩赦(2011年政令第72号)を発令した。

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大統領府声明によると、アサド大統領は、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市住民の使節団と会談した。

アサド大統領は会談で、「生命の危険にさらされつつも、殺戮から市民を守ろうと決心した住民の大いなる勇気、崇高な愛国心」に敬意を表したという。

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SANA(6月21日付)によると、アーディル・サファル内閣は政党法準備制定委員会(ファールーク・アブー・シャーマート委員長)が作成した政党法案を発表し、国民に意見を寄せるようインターネットを通じて呼びかけた。

同法案は38条からなり、宗教政党、エスニック政党などを禁じているほか、公認申請にあたって、50人の発起人の署名、2,000人以上の党員、各県で党員が5%以上いること、などが条件として定められている。また、外国からの支援や武装の禁止などが明記されている。

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『ハヤート』(6月22日付)によると、国民対話委員会会合がファールーク・シャルア副大統領のもとで開催され、対話会合の日程などについての審議がなされた。

国内の暴力

SANA(6月21日付)によると、ダマスカス県のウマウィーイーン広場で、アサド大統領を支持するデモが行われ、「数百万人」が参加した。

またダマスカス県以外でも、ヒムス県、アレッポ県、ラタキア県、ダイル・ザウル県、イドリブ県、ダルアー県の各所で同様のデモが行われ、SANAによると「数千人のシリア人が参加し…包括的改革計画を支持した」。

SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011

 

SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011

 

SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011

 

SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011

 

SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011
SANA, June 21, 2011

これに対し、反体制活動家らも各地で反体制デモを組織して対抗しようとした。

だが、『ハヤート』(6月22日付)は、複数の活動家の情報として、ヒムス市、ハマー市、マヤーディーン市(ダイル・ザウル県)でアサド政権支持者と反体制派が衝突、これに治安部隊が介入し、11人が死亡、複数が負傷したと伝えた。

これに関して、シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表は、「シャッビーハ」がヒムス市、ハマー市、マヤーディーン市で反体制デモの参加者に発砲したと主張した。

ロイター通信(6月21日付)は、マヤーディーン市住民の話として「どちらが(暴力行為を)始めたのか言うのは難しいが、軍の装甲兵員輸送車が反体制デモ参加者のなかに突入し、人々に発砲した。1人が死亡したことが確認され、7人が重傷を負っている」と伝えた。

またヒムス市の住民2人も、体制支持派の集会に対抗するために反体制デモを組織した人々が発砲されたと述べた。

一方、ダルアー県でも、複数の目撃者によると、治安部隊がダルアー市ダルアー・バラド地区で抗議行動を行う数千人を排除するために発砲した。

この抗議行動は、マハッタ地区での政権支持者による集会に対抗するかたちで行われたという。

またアレッポ県では、ロイター通信(6月21日付)が複数の目撃者や住民の情報として、アレッポ市でも治安部隊が展開し、市内の主要道路を封鎖したと伝えた。

さらに複数の人権活動家によると、アレッポ大学で学生数十人が逮捕され、またタッル・リフアト市のモスク前で反体制デモを行った複数の住民も逮捕された。

諸外国の動き

フランスのフランソワ・フィヨン首相は、シリア情勢に関して「安保理が長らく沈黙することはあり得ない」と述べた。

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ロシアのウラジーミル・プーチン首相は訪問先のパリで、ロシアがシリアへのいかなる介入にも反対しているとの立場を繰り返し、重要なのは暴力の停止と政治改革の実施であると明言した。

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国連の潘基文事務総長はアサド大統領に、自らが宣言した改革の「早急な実施」を呼びかけた。

潘事務総長は、改革が「実質的で信頼できるものでなければならない…。それは、変革、民主主義拡大という広範なプロセスのなかで行われなければならず、いかなる当時者も排除してはならない」と述べた。

AFP, June 21, 2011、Akhbar al-Sharq, June 21, 2011、June 24, 2011、al-Hayat, June 22, 2011、Kull-na Shuraka’, June 21, 2011、June 23, 2011、Naharnet,
June 21, 2011、Reuters, June 21, 2011、SANA, June 21, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がダマスカス大学講堂で演説し、「国民対話」を呼びかけるとともにシリアを取り巻く「陰謀」に対して警鐘を鳴らす(2011年6月20日)

SANA, June 20, 2011
SANA, June 20, 2011

反体制勢力の動き

地元調整委員会は、アサド大統領の演説を受けて声明を出し、「現体制に平和的なイメージを与えて幕引きしようとするいかなる対話も拒否し、すべての国民のための新たなシリア、民主的で自由な国家への変革をめざす」と発表した。

地元調整諸委員会はまた、アサド大統領による対話の呼びかけを「単なる時間稼ぎ」だと批判、演説内容を「シリアが3ヶ月にわたって身を置いてきた国民的危機をめぐる演説とはほど遠かった」と一蹴した。

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『ハヤート』(6月21日付)などは、アサド大統領の演説後、ダマスカス郊外県、ハマー県、ヒムス県、ラタキア県、イドリブ県、アレッポ県、ハサカ県各所で、その内容に抗議するデモが行われたと報じた。

しかしSANA(6月20日付)は、各地で大統領の演説を支持するデモが行われたと伝えた。

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『アフバール』(6月20日付)は、イドリブ県ヒルバト・ジャウズ村で19日に発表された「国民評議会」に関して、スハイル・アタースィー氏が「いわゆる革命指導国民議会に関して承知していないし、関係がない」と述べ、自身がメンバーであることを否定したと報じた。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカス大学講堂で演説し、新憲法の制定と現下の危機からの脱却を図るための「国民対話」を呼びかけた。

アサド大統領は演説で、シリアが「困難な日々」のなかで「決定的な瞬間」に身を置いているとしたうえで、「陰謀」を前にシリアの「力と抵抗力」が増していると述べた。

またアサド大統領は抗議行動で命を落とした「殉教者の家族」に弔意を示し、「命を落とした殉教者は、家族、祖国、さらには私個人にとっても大きな損失である」と述べた。

そのうえで「血を流したすべての人々」、すなわち「流血をもたらした」すべての人々は処罰を受けるだろうと明言、「すべての人が損害を被った。処罰は…国家が行使する権利である」と強調した。

シリアに対する「陰謀」に関して、アサド大統領は「陰謀は細菌のように撲滅はできない…。それゆえ我々は自らの身体の抵抗力を強めねばならない」と述べた。

そして「独立前も独立後も、シリアは依然として陰謀を免れるような段階にはないと考えていない」との見方を示した。

事態収拾の方途をめぐって、アサド大統領は、危機から脱却するための「国民対話」を呼びかけ、この対話が新憲法制定につながると明言、「対話は次の時期のスローガンとなるだろう」と強調した。

さらに「シリアの未来の成功を我々が望むのなら、それはこの対話に基づくものとなる」と付言、「国民対話委員会は100人を招聘して近く会合を開くだろう」と述べた。

しかし「武器を持った者との間に政治解決はない」と述べ、武装勢力との対話を拒否する姿勢を示した。

そして「国民対話は限られたエリートによるものでもなければ、体制や親体制勢力と反体制勢力との対話も意味しない。政治に限定されるものではなく、祖国に関するすべての問題をすべての国民諸集団と対話することを意味する」と強調した。

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SANA(6月20日付)によると、アサド大統領の演説を支持するデモが各地で行われ、数万人の市民が参加した。

国内の暴力

イドリブ県では、SANA(6月20日付)によると、ジスル・シュグール市のアブヤド川河畔で、反体制武装集団に殺害された治安部隊隊員らが遺棄された第3の「集団墓地」をシリア当局が発見した。

諸外国の動き

EU外相会議がルクセンブルグで開かれ、対シリア制裁強化に向けた準備を「活発に」進めることを確認した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、シリア大統領の演説に関して、「引き返すことのできない地点」まで来たと評し、国民に対して「恐るべき」弾圧を行った後で、大統領が名声を回復できないと断じた。

ジュペ外務大臣は、ルクセンブルグでのEU外務会談の後、「変革と改革プロセス開始の時間はまだ残されていると考える者もいる」としつつ、「だが私はそうだとは思っていない。彼(アサド大統領)は引き返すことのできない地点に来てしまった」と述べた。

またジュペ外務大臣は「すべての状況を踏まえた場合、今日の発言(アサド大統領の演説)は状況を変えるものではない…。弾圧が1,000人以上の死者をもたらしている…。アサド大統領の暴力は恐るべきもので、受け入れることができず、何らかのリアクションが求められる」と述べた。

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ドイツのギド・ウェスターウェレ外務大臣は、アサド大統領の演説に関して「シリアからの報道は懸念に値する。我々には非人道的な状況が伝えられている」と述べた。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表は、アサド大統領の演説に関して、「アサド大統領は誠実さをもって真の包括的対話を始めねばならない…。シリア国民は、改革への希望に包まれている。しかし第一印象は今日の演説が失望に値するものだったと言わざるを得ない」と述べた。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領はアサド大統領の演説に関して、「シリアはきわめて困難な選択肢に直面している。私個人は、アサド大統領に遺憾の意を感じている。アサド大統領は自分がきわめて困難な立場にあると考えており、私が思うに、彼は国の政治の改編に取り組み、改革をしたいと考えているはずである」と述べた。

そのうえで、国連安保理でのシリア非難決議の採択を拒否するとの立場を改めて示し、シリアの反体制勢力に対しては、危機解決のため当局との対話に入るよう呼びかけた。

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イスラエルのエフード・バラク国防大臣は『フィガロ』(6月20日付)に対し、「アサドが倒れれば、イランとヒズブッラーにとって厳しい打撃を与え、「シーア派の弧」を弱体化させるだろう」と述べた。

バラク国防大臣はまた、アサド大統領が正統性を失ったと主張するとともに、「トルコがアサド支援を止めたことはとても重要だ」と付言した。

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トルコのギュル・トルコ大統領は記者団に対し、アサド大統領が演説で、複数政党制への移行など、改革についてより具体的な発言をすることを期待していたと述べ、失望感を露わにした。

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AFP(6月20日付)は、シリア当局が各国外交官らによるイドリブ県ジスル・シュグール市の視察訪問を手配し、ロバート・フォード米大使らが参加したと報じた。

AFP, June 20, 2011、Akhbar al-Sharq, June 20, 2011、al-Hayat, June 21, 2011、Kull-na Shuraka’, June 20, 2011、Naharnet, June 20, 2011、Reuters,
June 20, 2011、SANA, June 20, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国外で活動する反体制活動家らが「国民評議会」の設置を宣言、サファル内閣の汚職撲滅特別委員会が汚職撲滅のための35の施策を発表(2011年6月19日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(6月20日付)によると、国外で活動する反体制活動家が中心となって「シリア革命自由青年の名において」と題した共同声明を発表し、「国民評議会」の宣言を発表した。

声明発表の記者会見は、イドリブ県の対トルコ国境に位置するヒルバト・ジャウズ村で開かれた。

声明において、活動家らは「政権が丸腰の国民に対して行った虐殺、平和的デモに対する弾圧を行い…、アラブ世界、国際社会の沈黙が続くなか…、我々は「シリア革命」を指導するため、内外のすべての愛国的な集団、個人、勢力、政党からなる国民会議を設置することを宣言する…。この声明は国内外のすべての自由を求める人々に開かれた扉のようなものである」と述べた。

共同声明署名者の代表を務めるジャミール・スアイブ氏によると、この「国民会議」がアブドゥッラー・トゥラード氏、マアムーン・ヒムスィー、シャイフ・ハーリド・ハラフ氏、ハイサム・マーリフ氏、スハイル・アタースィー氏、アーリフ・ダリーラ氏など著名な反体制活動家からなっているという。

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このうちマーリフ氏、アタースィー氏、ダリーラ氏はシリア国内にいるが、それ以外の活動家は国外で活動している。

スアイブ氏はAFP(6月19日付)に対して、「この会議の目的は革命を支援するためすべての反体制勢力を糾合」し、国際機関にその声を伝えることにあると強調した。

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シリア人権監視団によると、2011年3月半ば以降の抗議デモと弾圧による死者数は、1,600人以上にのぼる。

うち民間人は民間人1,309人、治安要員は341人。

シリア政府の動き

al-Hayat, June 20, 2011
al-Hayat, June 20, 2011

SANA(6月19日付)は、アーディル・サファル内閣の汚職撲滅特別委員会が改革実施に向けた決定(2011年5月5日決定第6080号)を作成し、汚職撲滅のための35の施策を提言したと発表した。

35の施策は、包括的改革の加速、透明性の確保、行政制度、経済制度、税制、報道体制、司法制度などの改革、汚職撲滅に向けた具体仕組み(11の仕組み)、中央検査管理委員会に新たな機関としての汚職撲滅委員会設置などからなる。

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シリア・アラブ・テレビ(6月19日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール市で破壊活動を行ったとする武装集団メンバーの証言映像を放映した。

国内の暴力

イドリブ県では、複数の目撃者によると、軍がビダーマー町にいたる街道街道に検問所を設置し、抗議行動に参加した住民の摘発を行う一方、同村の住民はほぼ全員が避難した。

シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表はロイター通信(6月19日付)に対し、シリア人避難民数千人が街道に検問所が設置されているために、ビダーマー町に戻ることもできなければ、トルコ側に逃れることもできず、国内で「足止め」を食らっていると述べた。

カルビー代表はまた、避難民への食糧・医療支援を行おうとする活動家に対しても、軍・治安部隊が攻撃を加えていると非難した。

諸外国の動き

国際赤十字委員会のヤコブ・ケーレンバーガー会長は、シリアの人権状況について協議するため、2日間の予定でダマスカスを訪問した。

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『ハヤート』(6月20日付)は、トルコ当局がインターネットで声明を出し、「シリア側国境地域で待機するシリア人避難民に緊急食糧物資を提供するための人道支援を開始した」と発表したと伝えた。

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フランスのミシェル・アリヨ=マリー前外務大臣はフランスの「カナル・プリュス」との対談で、国際社会がシリアの体制に対してさらなる「行動力と決意」を示さねばならないとの見解を述べた。

前外務大臣は、シリア情勢に関する質問に応え「軍事的に介入すべきかどうかは分からないが、間違いなくさらなる行動力を示すべきだ…。国際社会は無関心であるわけにはいかず、これが悪いと言うべきである…。人々が自分たちの考えを述べることで殺害されている状況においては」と述べた。

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パリでは、シリア人とシリア系フランス人など約100人が、シリアでの反体制派に対する弾圧停止と、国際社会の「無関心の解消」を求めてデモを行った。

主催者である「シリア民主主義のための3月15日連合」代表のアブドゥッラウーフ・ダルウィーシュ氏はAFP(6月19日付)に対して「アサド政権は都市を攻撃するために装甲車やヘリコプターを使用し、住民に対して狙撃兵を動員している」と非難、「5日前から、シリアからトルコへの越境はほとんど不可能になっている。あらゆる場所に検問が設置されている。住民がいなくなった村もあるが、人が避難できる場所などない。国際社会は行動するべきだ」と訴えた。

AFP, June 20, 2011、Akhbar al-Sharq, June 20, 2011、al-Hayat, June 21, 2011、Kull-na Shuraka’, June 20, 2011、Naharnet, June 19, 2011、Reuters,
June 20, 2011、SANA, June 20, 2011などをもとに作成。

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イドリブ県で治安作戦が継続するなか、同県ジスル・シュグール市では国民統合を支持し諸外国の陰謀の拒否を訴えるデモ行進が行われる(2011年6月18日)

反体制勢力の動き

フェイスブックのグループ「シリア革命2011」は、ダマスカス郊外県でのゼネストを呼びかけた。

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シリア政府の動き

SANA(6月17日付)は、17日の反体制デモで、市民人と警官合わせて9人が死亡し、70人以上が負傷したと伝えた。

同報道によると、犠牲者のほとんどは、金曜礼拝後の市民の「集まり」に乗じて武装集団が行った公共施設への破壊行為によるものだという。

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SANA(6月18日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市で、国民統合支持とシリア国民に対する諸外国の陰謀拒否を訴えるデモ行進が行われ、多数の住民が参加した。

またアレッポ市のアレッポ城周辺でも同様のデモ集会が行われ、住民数万人が参加した。

SANA, June 18, 2011
SANA, June 18, 2011

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SANA(6月18日付)によると、ヒムス市で治安維持活動中に武装テロ集団によって殺害された治安部隊隊員の葬儀がヒムス軍事病院で行われた。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、シリア軍が早朝、ジスル・シュグール市に隣接するビダーマー町に突入し、激しい銃声が聞こえた。

同代表によると、ビダーマー町入口には、複数の戦車、軍用車輌、兵員輸送車、軍用バス、ジープが展開しているという。

またサーリハ・ハンムーダ弁護士は、戦車9輌、兵員輸送車10輌、ジープ20輌、軍用バス10輌がビダーマー町に入るのを目撃したと述べるとともに、「シャッビーハ」が家々に発砲していると付言した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、17日のデモでの犠牲者1人の葬儀がダイル・ザウル市で行われ、約20,000人が参列した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、17日のデモでの犠牲者1人の葬儀がドゥーマー市で行われ、参列者がその後、カビール・モスク前で抗議の座り込みを行った。

諸外国の動き

アナトリア通信(6月18日付)は、ハタイ県にトルコ赤新月社が設置したキャンプにシリア人避難民421人が新たに収容され、シリアからトルコ領内に避難したシリア人の数が10,100人を越えたと報じた。

また『ハヤート』(6月19日付)は、トルコ政府が初めて、外国人(エジプト人)記者団にハタイ県のシリア人避難民キャンプ(ボインヨーウン)への訪問を許可したと報じた。

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英国外務省は声明を出し、在留英国人に対して、渡航の自粛とシリア国外への退去を求めた。

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エジプトの有識者や政治勢力は共同声明を出し、「民主主義を求める現下のシリア国民の運動」との連帯を宣言した。

声明のなかで彼らは「我々エジプト人は、シリア国民を全面支持し、治安部隊の銃弾により平和的デモ会場で連日命を落としている自由の殉教者の魂に敬意を表することを宣言する」と述べた。

同声明はまた「シリア治安部隊の国民への抑圧と連日続く殺戮のなか、この野蛮な抑圧を逃れ数千人の市民が国外へ避難しており、それは武装集団や外国の陰謀など、(シリア)公式筋が行う主張と矛盾している」と述べた。

AFP, June 18, 2011、Akhbar al-Sharq, June 18, 2011、al-Hayat, June 19, 2011、Kull-na Shuraka’, June 18, 2011、Naharnet, June 18, 2011、Reuters,
June 18, 2011、SANA, June 18, 2011などをもとに作成。

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ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県を含む各都市で大規模反体制デモが発生、レバノン・トリポリ市では住民どうしが衝突し死傷者が発生(2011年6月17日)

シリア政府の動き

SANA(6月17日付)は、サーリフ・アリーの子孫らが声明を出し、「サーリフ・アリーの金曜日」と銘打って反体制活動家が抗議デモを呼びかけたことに関して、「祖国の象徴を傷づける」と非難した。

SANA, June 17, 2011
SANA, June 17, 2011

またタルトゥース県シャイフ・バドル市一帯の住民も、「サーリフ・アリーの金曜日」と銘打って反体制活動家が抗議デモを呼びかけたことに抗議、ムライキブ村のサーリフ・アリー廟広場でデモを行った。

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SANA(6月17日付)によると、ハマー県サラミーヤ市で、国民統合支持を目指すデモが行われ、アサド政権支持者多数が参加した。

国内の暴力

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複数の活動家・目撃者によると、ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県、バーニヤース市(タルトゥース県)、ダルアー県、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)、カーミシュリー市(ハサカ県)、タルビーサ市(ヒムス県)、ラスタン市(ヒムス県)、ラタキア県などで大規模なデモが発生した。

人権活動家によると、「ハマー、ヒムスは一丸となって街頭行動を行い、ヒムスでは約10万人、ハマーでは数万人が街に出た」という。

反体制活動家はインターネットを通じて「殉教者サーリフ・アリーの金曜日」と銘打ったデモを呼びかけていた。

これに関して、地元調整委員会は、治安部隊の弾圧により少なくとも16人を殺害したと発表した。

また同委員会によると、犠牲者の1人はアレッポ市でのデモ参加者で、アレッポ市で犠牲者が出たのは2011年3月以降これが初めてだという。

なお地域別の犠牲者の内訳は、ヒムス県が9人、ダマスカス郊外県が3人、ダイル・ザウル県が2人、そしてアレッポ県が1人など。

一方、別の活動家らによると、ダルアー県ダーイル町でも2人が殺害されたという。

また『ハヤート』(6月18日付)によると、「数千人が負傷した」。

しかし、SANA(6月17日付)は、各地での抗議デモで、武装集団が警官、治安部隊隊員、住民多数を襲撃し、民間人と警官合わせて9人が死亡、70人以上が負傷したと報じた。

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アレッポ県では、シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表によると、アレッポ市サイフ・ダウラ地区で金曜礼拝後に発生した反体制デモの参加者数百人に向けて、治安部隊が発砲し、少年1人が死亡した。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、治安部隊はバーニヤース市で発生した反体制デモを強制排除するために発砲し、複数のデモ参加者が負傷した。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月18日付)によると、軍がマアッラト・ヌウマーン市を完全制圧し、同市とアレッポを結ぶ街道を閉鎖した。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(6月18日付)によると、アルバイン市でのデモでは、国連でのロシアの対応に抗議するかたちで、ロシア国旗が焼かれた。

al-Hayat, June 18, 2011
al-Hayat, June 18, 2011

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月17日付)によると、カーミシュリー市、アームーダー市、ラアス・アイン市で反体制デモが行われ、カーミシュリー市では4,000人、アームーダー市では3,000人、ラアス・アイン市では1,000人が参加した。

Kull-na Shuraka', June 17, 2011
Kull-na Shuraka’, June 17, 2011

レバノンの動き

北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区・ジャバル・ムフスィン地区で、住民どうしが衝突し、5人(うち兵士1人)が死亡、10人あまり(うち兵士2人)が負傷した。

衝突に先立って、トリポリ市クッバ地区、ヌール広場(アブドゥルハミード・カラーミー広場)では、「ムスリム学生連盟」とトリポリ市内の「レバノン大学在学シリア人学生」が呼びかけて金曜礼拝後に「シリア国民との団結」を訴えるデモが行われていた。

このデモにバーブ・タッバーナ地区でデモを行っていた参加者が合流、アサド政権打倒を呼びかけるシュプレヒコールを連呼する一方、ウマル・カラーミー元首相とその息子のファイサル・カラーミー青年スポーツ大臣の写真やプラカードを破るなど次第に過激化していった。

その後、バーブ・タッバーナ地区のデモ参加者は、同地区とジャバル・ムフスィン地区を隔てるシリア街道に移動し、抗議行動を継続、これに対してジャバル・ムフスィン地区の青年たちがアサド大統領の写真を掲げて対抗すると、両者の緊張が高まり、罵り合い、投石へと発展、その後突然、シリア通りのデモ参加者のただなかに手榴弾が投げ込まれ、交戦状態に入ったという。

al-Hayat, June 18, 2011
al-Hayat, June 18, 2011

複数の治安筋によると、この衝突でアラブ民主党の治安部門責任者のアリー・ファーリス氏が負傷、またバーブ・タッバーナ地区のハドル・ファーリス氏も重傷を負い、アリー・ファーリス氏は搬送先の病院で死亡した。

また休暇中だったレバノン国軍のムハンマド・アブドゥルハミード兵卒も衝突が発生した地区にある自宅近くで死亡した。

さらに一般市民のムンズィル・リファーイー氏も銃撃戦に巻き込まれ頭を打たれて死亡した。

このほか、一般市民のムハンマド・シャクラー氏も死亡したという。

その後軍が両地区に展開し、事態を収拾した。

諸外国の動き

フランスのニコラ・サルコジ大統領はベルリンでドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談した。

会談後の記者会見で、サルコジ大統領は「フランスは、ドイツとともに、沈黙が許されず、受け入れられない弾圧行為を国民に対して行うシリア政府への制裁を強化することを呼びかけるだろう」と述べた。

またメルケル首相は、両国が安保理での対シリア避難決議支持をロシアに求めるために圧力をかける、と述べた。

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フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官は、EUによる対シリア制裁対象の内容に関して「企業、銀行」などを対象にすることも検討されていると述べるとともに、既に制裁対象となっている政権高官に加えて、新たに複数の個人に制裁を科す可能性も示唆した。

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人権活動家によると、トルコに逃れたシリア人避難民が、トルコ当局による隔離政策に抗議してハンストを開始した。

同活動家は「ヤイラダーイ(ハタイ県)・キャンプで避難民たちは金曜礼拝後からハンストを始めた」と述べた。

また「彼らは(親戚・知人などへの)訪問を禁じ、アサド政権に反対するデモを禁じ、外国に連絡できないようにしており、これに抗議している」と付言、さらにトルコの警備兵が避難民に暴行を加えていると非難した。

AFP, June 17, 2011、Akhbar al-Sharq, June 17, 2011、al-Hayat, June 18, 2011、Kull-na Shuraka’, June 17, 2011、Naharnet, June 17, 2011、Reuters, June 17, 2011、SANA, June 17, 2011などをもとに作成。

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タルトゥース市で国民統合と治安・安定回復を支持するデモが行われるなか、ラーミー・マフルーフ氏が「慈善開発事業に専念するための…一連の措置」を実施する意思を表明(2011年6月16日)

反体制勢力の動き

反体制活動家は、フェイスブックの「シリア革命2011」などで、17日を「シャイフ・サーリフ・アリーの金曜日」と名付け、反体制デモを呼びかけた。

サーリフ・アリー、「第1次シリア革命」(反仏独立闘争)の指導者の名前。

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アナトリア通信(6月16日付)は、シリア軍の中佐1人を含む離反兵5人がトルコに逃れてきた、と報じた。

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カーミシュリー・アラブ革命自由人運動を名乗る集団が声明を出し、反体制デモへの支持を表明した。

また声明では、2004年3月の「カーミシュリーの春」の首謀者が、アラブ系のタイイ部族のムハンマド・ファーリス氏、アブドゥルマスィーフ・カルヤーキス・アブー・ディーマー氏だったとしたうえで、クルド系住民に対して正式に謝罪すると付言、アラブ系部族とクルド人の連帯を求めた。

シリア政府の動き

アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏は記者団を前に「慈善開発事業に専念するための…一連の措置」を実施すると発表した。

マフルーフ氏は「私はシリアや国民に負担をかけたくないし、大統領にも今後は負担をかけない」と述べ、「個人的な利益をもたらすようないかなる新規事業にも参入せず、慈善・開発・人道事業に専念する」と明言した。

マフルーフ氏はまた「陰謀者たちは潜入し、虚偽の情報を発信することで大統領閣下を貶めようとしているが、これらの情報には根拠がない。彼らがこれらの情報を利用する唯一の目的は、この国(シリア)とその指導部を貶め、各地に混乱をもたらすことにある」と強調した。

そのうえで、「我々が持っているシリアテル携帯会社の株式の一部を低所得者層のために可能な限り広範に株式公開し、販売価格の一部の融資を充て、彼らに株式を取得する機会を与える」と表明した。

さらに「ラーミー・マフルーフは、シリアテル株式利益の約40%をダルアー(南部)からカーミシュリー(東部)にいたる地域で(支援を)必要としている階層を対象とした福祉、人道、開発事業に充てる」と付言、「ブスターン慈善協会」の活動を活動するなどして慈善事業を支援していくと述べた。

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SANA, June 16, 2011
SANA, June 16, 2011

SANA(6月16日付)のよると、タルトゥース市コルニーシュ地区で、国民統合と治安・安定回復を支持するデモが実施され、周辺地域の住民数十万人が参加した。

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(6月17日付)によると、軍の戦車が反体制抗議行動沈静化をめざしてハーン・シャイフーン市に突入した。

また反体制活動家によると、治安部隊がザーウィヤ山を包囲し、マアッラト・ヌウマーン市に突入した。

また人権活動家のムスタファー・ウースー氏がAFP(6月16日付)に述べたところによると、治安部隊はジスル・シュグール市、マアッラト・ヌウマーン市などで数百人を逮捕、また軍による発砲があったという。

シリア・トルコ国境の複数の消息筋によると、シリア軍がジスル・シュグール市近郊の村々(ジャーヌーディーヤ町など)を早朝攻撃、これを受け数十人が対トルコ国境に向かって避難した。

なお、シリア人権監視団によると、イドリブ県住民は、トルコ領内だけでなく、アースィー川が流れるガーブ渓谷に向かってハマー県、ヒムス県にも避難しているという。

これに関して、SANA(6月16日付)は、軍がハーン・シャイフーン市、マアッラト・ヌウマーン市近郊に展開し、アレッポ市とハマー市を結ぶ国際幹線道路を閉鎖しようとした武装テロ集団を排除、同地の治安と安定を回復したと報じた。

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AFP(6月15日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市郊外の対トルコ国境地帯の村々をシリア軍が攻撃した。

避難民数十人がトルコ領内に入ろうとするのを阻止するための攻撃だったという。

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ロイター通信(6月16日付)は、西側外交筋の話として、「当局はダマスカス郊外から治安部隊のほとんどを撤退させ」、抗議行動が続く北部と南部に(再)展開していると伝えた。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、トルコがシリア・トルコ国境地域に避難しているシリア人数千人への人道支援を決定したと発表するとともに、アサド政権に改めて「緊急改革のための行動を開始する」よう呼びかけた。

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米国務省はバラク・オバマ政権が「シリア内外で政策遂行をめざす人々とのさらなる接触を行う」と発表した。

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国連の潘基文事務総長はアサド大統領と電話会談し、「国民殺戮の停止」と対話開始を求めるとともに、シリア情勢について「協調的に」話し合うとの姿勢を示した

AFP, June 16, 2011、Akhbar al-Sharq, June 16, 2011、al-Hayat, June 17, 2011、Kull-na Shuraka’, June 16, 2011、June 17, 2011、Naharnet, June 16, 2011、Reuters, June 16, 2011、SANA, June 16, 2011などをもとに作成。

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