駐ヨルダン・シリア大使はアサド大統領が「(ジュネーブ2大会で発足が審議される)次期移行期政府の一部を構成しない」ことを明らかに、プーチン大統領がネタニヤフ首相と会談し「早急な武力紛争の停止と政治的解決に向けた移行プロセスの開始」の必要をめぐって意見を一致させる(2013年5月14日)

シリア政府の動き

ワフダ・イフバーリーヤ・ネット(5月14日付)によると、バフジャト・スライマーン駐ヨルダン・シリア大使は、「ジュネーブ2」大会でその発足が審議される予定の移行期政府に関して、「アサド大統領は次期移行期政府の一部を構成しない」と述べた。

その理由として、スライマーン大使は「アサド大統領は、閣僚でも首班でもなく、合法的に選ばれたシリア・アラブ共和国の大統領だ…。彼が移行期政府樹立の法を発し、閣僚候補がこの政府に入るか否かを承認する…。移行期政府の正統性と存在はアサド大統領から発するのであって、世界のそれ以外のいかなる勢力、個人からも発しない」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(5月14日付)によると、ダルーシャー村で軍が反体制武装集団(シャームの民のヌスラ戦線など)の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またドゥーマー市、ザマルカー町、ジャルバー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(5月14日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(5月14日付)によると、マンナグ村、ムスリミーヤ村、アレッポ市シャイフ・サイード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月14日付)は、シリア政府がアレッポ市突入に向けて、ミードゥー家(部族)など政権支持者約500人の教練を行っている、と報じ、彼らを「シャッビーハ」と断じた。

**

ヒムス県では、SANA(5月14日付)によると、サラミーヤ・ラスタン街道、ラスタン市、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市アクラマ地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、子供1人が死亡、12人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月14日付)によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また軍は、トルコ領内に原油を密輸しようとしていたテロリスト15人を殲滅した。

**

ダルアー県では、SANA(5月14日付)によると、ダルアー市、シャブラク村、ナースィリーヤ村、東カラク市、タファス市、ラジャート高原で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クウェート日刊紙『カバス』(5月14日付)は、ヒズブッラーに近い消息筋の話として、ヒズブッラーの戦闘員がダルアー県の対ヨルダン国境地帯に到達したと報じた。

同報道によると、ヒズブッラーの戦闘員は、ヒルバト・ガザーラ町奪還において主導的な役割を果たしたという。

反体制勢力の動き

ロンドンで活動する反体制組織のシリア人権監視団は、2011年3月以降の紛争で、94,000人以上が殺害され、うち約半数の41,000人が政権を支持するアラウィー派であると発表した。

同監視団は、紛争が続けば、2013年末には死者数は12万人に達するだろうと警鐘を鳴らした。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、殺害したシリア軍兵士の臓器を食べる映像をアップしたハーリド・ハマド(アブー・サッカール)を名のるヒムス県の活動家に関して、「蛮行」と非難した。

『タイムズ』(5月14日付)によると、ハマドは、自身が殺害した兵士の携帯電話に全裸の女性、子供が暴行を受ける映像があったと証言し、自らの行為を正当化している、という。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、レバノンによる国境管理を徹底させ、シリア領内からのヒズブッラー戦闘員の撤退を求めるための決議の採択を国連安保理に求めていると発表した。

**

ヨルダンのサラフィー主義潮流のムハンマド・シャラビー(アブー・サイヤーフ)代表は声明を出し、「シャームの民のヌスラ戦線は、シリア各県でヒズブッラー戦闘員と対決するとの明確な決定を下した」ことを明らかにした。

**

5月11、12日にカイロで反体制組織代表、活動家約200人が開いた「民主的局」会合は閉幕声明を発表した。

同声明によると、会合は、政治、組織、支援に関する三つのワークショップに分かれて議論を行い、その後全体での総括会合で、民主的政体の樹立、体制打倒をめざす国民の意思を実現し、体制転換を行うための政治的しくみの確立、犯罪者の制裁などを行うことで合意した。

また会合では、投票により「シリア民主主義者連合」という組織名を名のることが決定した。

レバノンの動き

NNA(5月14日付)によると、ベカーア県バアルベック郡カーア地方に、シリア領から発射されたロケット弾3発が着弾した。

また同報道によると、レバノン軍当局は同地方で、シリア人2人を身柄拘束した。

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とモスクワで会談した。

『ハヤート』(5月15日付)などによると、ロシア製のS-300ミサイル防空システムのシリアへの売却などが協議された。

プーチン大統領は、地域情勢の安定がイスラエルとの「共通の国益」になるとしたうえで、「否定的シナリオを阻止する唯一の方法が、武装紛争の即時停止と政治的解決への移行である。この段階において、事態のさらなる複雑化をもたらすような行動を避けることが重要だ」と述べた。

またRT(5月14日付)によると、プーチン大統領は会談後、シリア問題を政治的に解決するため、諜報レベルでネタニヤフ首相と個人的に連絡を取り続けることに同意したことを明らかにした。

そのうえで「シリアの武力紛争の継続がシリアだけでなく地域全体に悪影響をもたらすとの見方」をネタニヤフ首相と共有し、「早急な武力紛争の停止と政治的解決に向けた移行プロセスの開始」の必要がある点で意見が一致したと付言した。

一方、ネタニヤフ首相は、「地域情勢について詳細に協議し、ロシアとともに安定と安全保障を強化する方法を案出しようとしている」と述べた。

**

サウジアラビア、ヨルダン、カタール、トルコ、UAEの外務大臣がアブダビで緊急外相会議を開き、「ジュネーブ2」大会で審議予定の移行期政府に関して、アサド大統領および政権幹部・支持者に参加の余地はないとの声明を発表した。

緊急外相会議はまた、トルコのレイハンル市での爆弾テロとシリア国内での化学兵器使用疑惑に関して、アサド政権の犯行だと断じ、非難した。

**

ジョン・ケリー米国務長官は滞在先のストックホルムで記者団に対して、「この点(ジュネーブ2への参加)をめぐって、アサドが勘定を誤れば…、反体制勢力はさらなる支援を受け…残念ながら暴力は止まらないだろう」と述べた。

また「しかし、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣から、アサドが交渉に派遣するであろう者の名前を受け取った…。シリアの反体制勢力を支援する多くの国の外務大臣、反体制活動家の多くと話した。彼らはみな、とりわけ今朝電話会談したサリーム・イドリース将軍は、シリア政府との対話の準備ができている」と付言した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、「ジュネーブ2」大会構想に関して支持を表明しつつも、「開催はきわめて困難だ。なぜなら、紛争当事者である反体制派と、血で手を染めていない体制に近い一部の人々を一同に会さねばならないからだ。しかしこれはきわめて複雑だ」と述べた。

ファビウス外務大臣はまた「将来に向けた解決策がなければならない。すなわち、移行期政府が全権を委任されねばならない。これはジュネーブ1で定められたが、実施されなかった」と付言した。

**

オーストリアのヴェルナー・ファイマン首相は、EU内でシリアの反体制勢力への武器禁輸緩和の解除をめざす米仏の動きに抵抗する意思を明示した。

ロイター通信(5月14日付)が報じた。

AFP, May 14, 2013、al-Hayat, May 15, 2013、Kull-na Shuraka’, May 14, 2013、Kurdonline, May 14, 2013、Naharnet,
May 14, 2013、NNA, May 14, 2013、al-Qabas, May 14, 2013、Reuters, May 14,
2013、SANA, May 14, 2013、Shabaka al-Waḥda al-Ikhbariya, May 15, 2013、The Times, May 14, 2013、UPI, May 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド政権が「新戦略」を通じて反体制武装集団との闘争における優勢を回復したと報じられるなか、民主的変革諸勢力国民調整委員会は米露による「ジュネーブ2」イニシアチブに応える意思を示す(2013年5月12日)

国内の暴力

『ワシントン・ポスト』(5月12日付)は、アサド政権が、イラン、ロシア、ヒズブッラーの支援を通じた「新戦略」を通じて、反体制武装集団との闘争における優勢を回復した、と報じた。

http://www.washingtonpost.com/world/assad-forces-gaining-ground-in-syria/2013/05/11/79147c34-b99c-11e2-b568-6917f6ac6d9d_story.html

**

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(5月12日付)およびSANA(5月12日付)などによると、マッザ区(ヴィーラート・マッザ区)に迫撃砲弾4発が着弾し、女児1人を含む4人が負傷した。

一方、SANA(5月13日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダルーシャー村、ハーン・シャイフ・キャンプ、バイト・サフム市などに対して、軍が砲撃を加え、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月13日付)によると、ジャルバー市、バハーリーヤ市、ハラスター市、シャイフーニーヤ村、アドラー市、ナブク市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、カマル・ブン・ハーシム連隊メンバーら多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナーフタ町、アルマー町などに軍が砲撃を加えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市、カルミード軍事基地周辺、シャビーバ軍事基地周辺などに軍が砲撃・空爆を加えた。

一方、SANA(5月13日付)によると、サルミーン市、アルバイーン山、ナイラブ村南部などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハーリディーヤ地区などで、軍と反体制武装集団の交戦が続いた。

一方、SANA(5月13日付)によると、ムスリミーヤ村、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区、カルム・ジャバル地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市周辺が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月13日付)によると、ラッフーム村、ヒムス市バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月12日付)によると、ハサカ県内水利局近くで複数回の爆発があり、市民や民主統一党人民防衛隊隊員複数が死傷した。

またハヴァル通信(5月12日付)は、ハサカ市ムフティー地区の民主統一党人民防衛隊の検問所を「シャッビーハ」が襲撃したが、人民防衛隊の反撃を受けて、5人が死亡、軍の戦車が展開するアズィーズィーヤ地区に撤退した、と報じた。

**

ハマー県では、SANA(5月13日付)によると、ムハルダ市に反体制武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、複数の市民が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月13日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ハウィーカ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヤルムーク殉教者旅団は、先週シリア領内で身柄拘束したUNDOF隊員4人(フィリピン軍兵士)を釈放した。

シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、レイハンル市での爆弾テロに関して、「シリアは、トルコと100年にわたって問題を抱えてきたが、政府、軍、諸機関がこうした行為を行ったことなどない。我々はそうしたことができないからではなく、我々の教育、道徳、振る舞い、価値観がそれを許さないからだ」と関与を否定したうえで、「誰にもでたらめな嫌疑をかける資格などない」と述べ、シリア政府に嫌疑をかけるレジェップ・タイイップ・エルドアン内閣の閣僚を非難した。

そのうえで「エルドアン首相がオバマ米大統領と会談する数日前」に事件が発生した点に着目、「彼(エルドアン首相)は、NATO加盟国である自分の国、さらには自分の存在がシリアからの攻撃に曝されていると米国に主張したいのだろうか?」と述べた。

反体制勢力の動き

ロンドンを拠点とする反体制組織のシリア人権監視団は、2011年3月以降のシリア国内での犠牲者数を発表した。

それによると、死者数は70,257人。うち民間人の死者数は34,000人以上、18歳以下の死者数は4,788人、女性の死者数は3,048人、反体制戦闘員の死者数は16,687人、身元不明者は2,368人だという。

なおこの死者数には、「シャッビーハ」、親政権の諜報員の死者数約12,000人は含まれていないという。

**

国内で反体制活動を行う民主的変革諸勢力国民調整委員会はダマスカス県で執行部会合を開き、米露による「ジュネーブ2」構想への対応について協議した。

会合後、執行部は声明を出し、「ジュネーブ2会議に関する露米のコンセンサスを歓迎し、ほかの反体制組織とともに、同会議への参加要請に応える」との意思を示した。

しかし「複数の国、政権内の過激派、一部の反体制勢力が、それ(会議)を頓挫させようとしているので、その成功を楽観視することには慎重」な姿勢をとると付言した。

これに関連して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は『ハヤート』(5月13日付)に対して、委員会が現在、会議で提示するための移行期政府樹立に向けた「行程表」を作成中だと述べた。

**

『ハヤート』(5月13日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の複数の消息筋の話として、連立が5月23日にイスタンブールで米露が準備を進める「ジュネーブ2」大会への参加の是非を決するための会合を開くと報じた。

これに関連して、シリア革命反体制勢力国民連立のリヤード・サイフ副議長らが共同声明を出し、2011年7月のカイロでのアラブ連盟主催によるシリア反体制勢力大会で採択された「国民誓約文書」と「暫定期間概要に関する共同政治ビジョン」の「内容に沿ったかたちで、政治的解決の機会に対して最大限の真剣さをもって対応」するよう呼びかけ、アサド政権の退陣が前提だとしていた米露の「ジュネーブ2」構想に対する消極姿勢を軟化させる意思を示した。

また「自由シリア軍および武装レジスタンス」に向けて、「政治指導部に従属する合法的な軍事指導部のもとでの統合」を呼びかけるとともに、「シリア革命の目的に矛盾した…外来の過激思想を拒否する」ことを明言した。

共同声明には、サイフ副議長のほか、タウフィーク・ドゥンヤー、ワリード・ブンニー、リーマー・フライハーン、ハーリス…ナッバハーン、ムワッファク・ニールビーヤ(市民権潮流代表)らが署名している。

**

シリア革命反体制勢力国民連立議長を辞任したアフマド・ムアーッズ・ハティーブは、ジャズィーラ(5月12日付)のインタビューで、ジョルジュ・サブラー暫定議長、リヤード・サイフ副議長、スハイル・アタ-スィー副議長に対して「辞表を提出し、(反体制勢力の指導者の)選出に参加すべきでない」と非難した。

ハティーブは議長在任中に「シリア人に資さない決定を行う人間に成り下がったと感じ、連立を去ることを決心した…。シリアに資さない決定をさせようとする者がいた」と述べた。

http://www.youtube.com/watch?v=zJ2ysFsC9Zg&feature=player_embedded

**

カイロで反体制活動家が行っていた「民主的局」会合(ミシェル・キールーが主導)が閉会した。

『ハヤート』(5月16日付)によると、11、12日のカイロでの「民主的局」会合(シリア民主主義者連合結成大会)に参加していたシリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長が、会合で「クルド人民をシリアの主要な民族として憲法で承認する」ことを求める声明を回付した。

ダルウィーシュ書記長はまた、国連に対して平和維持軍を派遣するための決議の採択を求めるとともに、すべての社会勢力が参加した「連邦」内閣を樹立し、外国の監視団のもとに国会選挙を実施することを提言した。

**

シリア・クルド国民評議会は5月10日から2日にわたって開催された大会(開催場所不明)を、正副議長、渉外委員会メンバーなどを選出して閉幕した。

ユースフ・ファイサル議長(シリア・クルド進歩民主党)の後任には、ターヒル・サフーク(国民民主党書記長)が選出された。

また報道官にはナスルッディーン・イブラーヒーム(シリア・クルド民主党アル・パールティーイブラーヒーム派書記長)が、副議長にはニウマト・ダーウド(シリア・クルド平等党書記長)が、書記にはアースィム・ハサンが選出された。

**

クッルナー・シュラカー(5月12日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で武装闘争を続ける武装集団が二つの師団に統合されたと報じた。

二つの師団に統合された武装集団は以下の通り:

イスラーム旅団
バッラー旅団
シャーム自由人運動旅団
コマンド部隊
ファールーク・ウマル旅団
アッラーの獅子
グータ革命家
ドゥーマー殉教者旅団
アブー・ムーサ-・アシュアリー・ワ・ラドワーン旅団
スユーフ・ハック旅団
首都の縦シャーム征服旅団
グータの獅子旅団
フィルカーン旅団
イマーム・フサイン旅団
タウヒード・イスラーム旅団
第1歩兵師団
スィッディーク大隊
特殊任務中隊
特殊部隊大隊
サイフ・ウマウィー大隊

レバノンの動き

NNA(5月12日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村郊外に、シリアから発射されたロケット弾2発が着弾し、2人が負傷した。

しかし、ナハルネット(5月12日付)によると、このロケット弾は、ベカーア県バアルベック郡マシャーリーウ・カーア村から発射されたものと思われるという。

なおカスル村には11日にもロケット弾が5発着弾している。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、レイハンル市での爆弾テロに関して、「シリア危機に対するトルコの政策を転換させることではなく、トルコの安定を揺るがし、トルコ国民の間に宗派対立を作り出そうとすることを狙っていた」と断じた。

そのうえで、「彼らは我々が悲劇的なシナリオに至ることを望んでいる」としたうえで、「シリアの泥沼にトルコを貶めようとする挑発に対抗し…、(宗派対立の)罠」に落ちない」ようトルコ国民に「自制」を求めた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、レイハンル市での爆弾テロに関して、「バーニヤースで民族浄化の罪を犯した者がレイハンル市での爆破を行った」と断じた。

ダウトオール外務大臣はまた、爆弾テロが「トルコのシリア人とは無関係で、シリア政府と関係がある。バーニヤースでの虐殺後、トルコとレバノンで宗派主義的な挑発が行われることに我々は警戒しなければならない」と述べ、事件へのアサド政権の関与を疑った。

そのうえで、トルコおよびシリア周辺諸国が安全保障上の危機にますます曝されるなかで、国際社会がシリア大統領に対する行動をとる時が来た、と付言した。

**

トルコのバシル・アタライ副首相は、レイハンル市での爆弾テロに関して「シリアの諜報機関とつながりのあるテロ組織」に属すトルコ人9人を容疑者として逮捕し、その一部は事件への関与を「自供した」と発表した。

アタライ副首相はまた、実行犯に関して「我々の情報によると、彼らは国内からやって来た」としつつ、「我々は彼らの名前、活動、そしてシリア政府と親密なつながりがあることを知っている」と述べた。

**

『ハヤート』(5月13日付)によると、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線を名のる組織が、ハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)のレイハンル市での爆弾テロがトルコ政府によるものだと非難した。

声明は、爆弾テロが「アレッポ、ダマスカスなどでの爆破によってその手を血で染めた者が行った」としたうえで、エルドアン首相が「最後の苦しみを味わった末に、無実の諸国民の死に基づく自らの政策による血のなかに沈むだろう」と述べ、エルドアン首相の関与を疑った。

**

在ヨルダンEU代表部(アンマン)は声明を出し、シリア国内で避難生活を余儀なくされている約400万人の避難民を対象に、EUが6,500万ユーロ(8,400万米ドル)相当の追加の人道援助を行うことを決定したと発表した。

**

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は『シュピーゲル』(5月12日付)に対して、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、「まだ招待は受けていないが、必ず出席するだろう」と述べた。

また化学兵器使用疑惑について、サーレヒー外務大臣は「あらゆる種類の大量破壊兵器の使用に断固として反対する」と強調した。

**

ロバート・ゲイツ前米国防長官は、CBS(5月12日付)のインタビューで、シリアへの米国の軍事介入に関して「リビアへの介入は過ちになると思っていた。シリアの場合も過ちになると思う。昨年ないしは半年前により大規模な介入をしていたとしてもだ。我々は自分たちの結果予測力を課題評価している」と述べた。

AFP, May 12, 2013、Aljazeera.net, May 11, 2013、al-Hayat, May 13, 2013, May 16, 2013、Kull-na Shuraka’, May 12, 2013、Kurdonline,
May 12, 2013、Naharnet, May 12, 2013、NNA, May 12, 2013、Reuters, May 12,
2013、SANA, May 12, 2013、 Der Spiegel, May 12, 2013、UPI, May 12, 2013、The Washington Post, May 12, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア当局とヒズブッラーが米露による「ジュネーブ2」構想を支持する意向を表明、米国は移行期統治機関発足のための交渉中にアサド政権が続投することを認める(2013年5月9日)

Naharnet, May 9, 2013
Naharnet, May 9, 2013

シリア政府の動き

『アフバール』(5月9日付)は、アサド大統領がレバノンの訪問団との会談で、「我々は彼ら(ヒズブッラー)にすべてを与えることを決心した」と述べたと報じた。

同紙によると、アサド大統領は「初めて、我々と彼ら(ヒズブッラー)は同じ状況に身を置いていると感じている。彼らは我々を助けてくれる同盟者以上の存在だ」としたうえで、ヒズブッラーに対して「信頼、満足、謝意」を示したという。

またアサド大統領は「イスラエルに複数発のミサイルを容易に撃ち込むことができる」としつつ、「我々はレジスタンスに門戸を開放し、シリア全土をレジスタンスの国にすることによって、戦略的な報復をめざしている」と強調したという。

**

シリアの外務在外居住者省は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、国際法遵守と内政不干渉の原則に立脚したロシアの姿勢と、政治的解決をめざす米国の姿勢双方を高く評価、支持の姿勢を示した。

**

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、化学兵器使用に関する国際調査チームの受け入れに関して、「ハーン・アサル村での事件調査のために潘基文事務総長が行った決定に従い、我々は今もなお調査チーム受け入れの用意がある」と述べた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、ヌール・ラジオ設立25周年を記念して、テレビ演説を行い、そのなかで「シリアは(ヒズブッラーが)これまで保有していなかったような高性能の武器を提供するだろう」と述べた。

ナスルッラー書記長は「イスラエルはレジスタンスの能力が増長することを食い止めることが目的だと言う…。しかしシリアは(ヒズブッラーが)これまで保有していなかったような高性能の武器を提供するだろう」と述べた。

また「我々は高性能の武器を受け取る容易があると宣言する。我々はこうした武器を保有・保持することができるし、人民を防衛するためにそれらを使用するだろう」と強調した。

シリアからヒズブッラーへの武器供与に関して、ナスルッラー書記長は「これはシリアの戦略的報復だ…。占領下のパレスチナにロケット弾を撃ったり、空爆を行ったりすること以上に重要だ」と述べた。

イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、ナスルッラー書記長は「シリアがレジスタンス運動、とりわけパレスチナのレジスタンスを支援してきたことは誰もが知っている。イスラエルはレバノンとパレスチナのレジスタンスの力の源がシリアであることを知っている。それゆえイスラエルはシリアを(対レジスタンス政策の)方程式から取り除き、レバノンとパレスチナのレジスタンスを包囲したいと考えている」と断じた。

さらに「(シリアの)報復は(イスラエルの)攻撃の目的をくじくことであり、シリアの指導部は、友人がシリアに的への報復・空爆を望むなかで、それを行った」としたうえで、シリアが「ゴラン高原で人民レンジスタンスの戦線を開く」可能性があると指摘、「我々レバノンのレジスタンスは、シリア人民のレジスタンスとともにあり、シリアのゴラン解放のため、支援、調整、教練、協力を行う」と明言した。

一方、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、「米国をシリアの救い主とみなすことは恥ずべきことだ」としつつ、「さらなる破壊と殺戮は敵に資するだけだ」と述べ、支持する意向を示した。

**

LBCI(5月9日付)は、北部県トリポリ市、ディンニーヤ郡出身のレバノン人2人がシリアのヒムス県クサイル市近くでの戦闘に参加し死亡、18人との連絡がとれないと報じた。

死亡した2人の名はフサーム・マンスール、ハーニー・バラカートで、両人を含むレバノン人は、サーリム・リファーイーと関係を持つサラフィー主義集団の戦闘員で、シリアでのジハードに参加するために、レバノンからシリアに潜入したと思われる。

**

ナハールネット(5月9日付)は、北部県トリポリ市で、シャームの民のヌスラ戦線の旗を掲げた車列がクッバ地区で空砲を撃ちながら、市街地を暴走した、と報じた。

**

NNA(5月9日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のシャワーギール地方にシリア領から発射されたロケット弾2発が着弾した。死傷者はなかった。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は、ツイッター(5月9日付)上で、アミールのアブー・ムハンマド・ジャウラーニーが負傷したとの情報に関して、「もし司令部が負傷、ないしは死亡したとしても、ジハードは最後の審判の日まで続く。しかしジャウラーニー師負傷の報道は正しくないと指摘せざるを得ない」とつぶやいた。

**

国内の反体制組織、国民潮流(ムハンマド・サルマーン代表)は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、これまでの組織の主張と合致していると述べ、支持を表明した。

**

シリア国民民主ブロックは声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆を非難、国際社会に対してイスラエルの「犯罪行為」を停止させるべく行動するよう求めた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区北部が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月9日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装集団がバーブ・トゥーマー地区の電気倉庫脇に仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が死亡、3人が負傷した。

さらにカッサーア地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が死亡、7人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市、ダルーシャー村、マルジュ・スルターン村などが空爆・砲撃を受け、サイイダ・ザイナブ町郊外、ジャルバー市、ムライハ市などでは、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月9日付)によると、軍がジャルバー市の大部分で反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

またシャイフーニーヤ村、アーリヤ市、ナブク市郊外、ヤブルード市、カーラ市、イバーダ市、フサイニーヤ町、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ジャルマーナー市では、住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾、市民2人が負傷した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市のダム街道地区、ヒルバト・ガザーラ町、シャイフ・マスキーン市、マアルバ町、ナーフタ町などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月9日付)によると、タッル・フドル一帯、ダルアー市、ヒルバト・ガザーラ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ヒムス市周辺、クサイル市などが、軍の砲撃を受けた。

またクサイル市周辺、タドムル市などでは軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月9日付)によると、シューマリーヤ村、ラブラーウィー村、ラフムーニーヤ村、ズウビー農場、クルディー農場などで、軍が反体制武装集団の地下壕などを攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

またヒムス市ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区などが軍の砲撃を受け、工業地区では軍と反体制武装集団が交戦した。

**

アレッポ県では、サフィーラ市、バーブ市、マンナグ航空基地周辺などが、軍の砲撃を受け、ヌッブル市、ザフラー町周辺では軍と反体制武装集団が交戦した。

アレッポ市ブスターン・カスル地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。またシャイフ・サイード地区でも戦闘が発生した。

一方、SANA(5月9日付)によると、アレッポ市シャイフ・サイード地区の軍住宅工場一帯で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またアルカミーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市東部の煉瓦工場(軍の拠点)で、反体制武装集団が砲撃、戦車2輌を破壊した。

またビンニシュ市、フーア市(シーア派の村)などで、軍および人民諸委員会が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月9日付)によると、サラーキブ市などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ラタキア県では、SANA(5月9日付)によると、サーキヤ・カルト村、ラフマリーヤ村、カスブ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、外国人戦闘員を殺害した。

**

ハサカ県では、SANA(5月9日付)によると、ハサカ・ダイル・ザウル街道で穀物を略奪しようとした武装集団と軍が交戦、複数の武装集団が死傷した。

またタッル・ブラーク町、タッル・ハミース村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は、ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣とローマで会談し、シリア情勢について協議した。

会談に先立って、ケリー国務長官は、「ジュネーブ2」構想で発足がめざされる移行期統治機関に関して、すべての当事者が「両当事者の相互理解のもとに移行期統治機関発足」を示すと述べる一方、「このことは我々の見解では、アサドがこの移行期統治機関に参加しないことを意味する」と述べた。

またケリー国務長官は、米国がシリア人避難民を対象に1億米ドルの追加支援を行うことを章にした。

なお『ハヤート』(5月10日付)は、西側外交筋の話として、米国がロシアとの「ジュネーブ2」構想の提案にあたって、移行期統治機関発足のための交渉開始の条件としてアサド大統領の退任を求める姿勢を「最後の譲歩」として断念し、交渉中にアサド大統領が続投することを認めたと報じた。

**

『ウォールストリート・ジャーナル』(5月9日付)やロイター通信(5月9日付)は、米国およびイスラエルの高官の話として、シリア政府がロシア製のS-300ミサイル防空システム購入のためのロシアへの代金支払いを始めたとしたうえで、イスラエルがロシアに対して同システムの売却を行わないよう要請していると報じた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は『ル・モンド』(5月10日付)に対して「この紛争(シリアの紛争)を我々が止められなければ、この国の解体、当事者どうしの宗派対立、そして沸騰状態にある地域のすべての構成要素の不安定化の危機が生じるだろう」との見方を示した。

そのうえで「シリアの”釜”はイランの核問題と結びついており、両者は現在、平和にとって最大の脅威だ」と警鐘を鳴らした。

ファビウス外務大臣は、「この紛争は我々だけでは解決できない」としたうえで、政治的解決に向けた努力の継続、シリア革命反体制勢力国民連立における穏健派の支援と合わせて、「シャームの民のヌスラ戦線を国連においてテロ組織に指定することを提案する」と明言した。

**

『ハアレツ』(5月9日付)は、負傷した反体制武装集団を領内に搬送するイスラエルの救急車を直接砲撃するとの脅迫をイスラエルがシリア側から受けたと報じた。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、NBC News(5月9日付)のインタビューで「シリア政府が化学兵器とミサイルを使用したことは明白だ…。とっくの昔にレッド・ラインを越えている」と断じた。

エルドアン首相によると「トルコの病院で治療を受けるために越境してきたシリア人の複数の病人に、化学兵器に曝された症状が見られた」という。

AFP, May 9, 2013、al-Akhbar, May 9, 2013、Haaretz, May 9, 2013、al-Hayat, May 10, 2013、Kull-na Shuraka’, May 9, 2013、Kurdonline, May 9, 2013、LBCI, May 9, 2013、Naharnet, May 9, 2013、NBC News, May 9, 2013、NNA, May 9, 2013、Reuters, May 9, 2013、SANA, May 9, 2013、UPI, May 9, 2013、The Wall Street Journal, May 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルによる越境空爆に関して各反体制派勢力あるいは反体制寄りの諸国家さえもこれに批判的な立場を表明、シリア高官「我々は待つことなるが、報復する」(2013年5月6日)

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区、カーブーン区が軍の砲撃・空爆を受け、複数名が負傷した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ハジャル・アスワド市が軍の砲撃を受け、女性2人が死亡した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ザマルカー町、ドゥーマー市、ハラスター市、ダーライヤー市、アドラー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アシュラフィーヤ・サフナーヤー市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村が軍の砲撃を受け、ダルアー市では軍が摘発逮捕を行った。

一方、SANA(5月6日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町付近で武装集団どうしが交戦し、ラーヤート・ハック大隊を名乗る組織の戦闘員らが死傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、クサイル市、ラスタン市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月6日付)によると、軍がハウラ・シャリーア法廷のメンバー複数を殲滅した。

またヒムス市ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ウユーン・シャアラ村、ウザイル村、ザアフラーニーヤ村、サッルーミーヤ村郊外、ラフムーニーヤ村、アッシュー・ウルード村、クサイル市、アイン・ダナーニール市、ラスタン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市アレッポ街道地区で軍と反体制武装集団が交戦、またサワーイク地区で軍が摘発逮捕を行った。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーッス村などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月6日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アイン・バーリダ村、アイン・スーダ村、タフタナーズ市、サルミーン市、ナイラブ村、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が軍のヘリコプターを撃墜する一方、軍は反体制武装集団によって大部分が占拠されたマンナグ航空基地を空爆し、ヘリコプター3機を破壊した。

また反体制武装集団が「シーア派住民が多く住む」ヌッブル市、ザフラー町を砲撃する一方、軍はサフィーラ市などを砲撃した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ムスリミーヤ村、ヒーラーン村、マンナグ村、アルカミーヤ村、アレッポ市ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市に軍が空爆を行った。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市でアブー・バクル・スィッディーク大隊連合が第137旅団基地を離陸した軍のヘリコプターを撃墜し、士官2人を含む兵士8人を殺害した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジャブラ市の北部に位置するブスターン・バーシャー村およびその周辺に迫撃砲弾複数発が着弾した。

同監視団によると、この攻撃は、タルトゥース県バイダー町とバーニヤース市ラアス・ナブア地区での「虐殺」への報復だという。

一方、SANA(5月6日付)によると、サルマー町、タルティヤーフ村、カフルダブラ村、ドゥッラ村、ブルジュ・アフラーシュ村などで、軍が反体制武装集団のアジトを攻撃、サウジ人、ヨルダン人など外国人戦闘員らを殺傷、武器弾薬を破壊・押収した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、タッル・ハミース市が軍ヘリコプターの空爆を受けた。

シリア政府の動き

シリア高官は、AFP(5月6日付)に対して、「シリアはイスラエルの攻撃に報復するが、実行のタイミングを選ぶだろう…。すぐには行われない。なぜならイスラエルは警戒態勢にあるからだ…。我々は待つことなるが、報復する」と述べた。

**

 

Facebook, May 6, 2013
Facebook, May 6, 2013

ダムプレス(5月7日付)などは、殉教者記念日(5月6日)に合わせて、アサド大統領とアスマー・アフラス夫人が殉教者の子息が通う学校を慰問したと報じ、その映像を公開した。

学校の所在地は不明。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=nx7i1YJ0esk

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃を「シリアとパレスチナの土地を占領する敵だけでなく、あらゆる敵による我らが国への攻撃を非難する」としたうえで、「シリアにおける民主化のための交渉を通じた関係正常化への道を開く…すべての外交的・政治的努力を支持する」と表明した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、シリア軍弱体化の責任のすべてはアサド政権にあると非難する一方、タルトゥース県バイダー町などでの軍の「虐殺」と時を一にするかたちで行われた空爆を「疑惑の目」を持って見ていると指摘、空爆によってアサド政権による「虐殺」が激化すると警鐘を鳴らした。

**

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「シリア国民が敵に対する統合を回復する好機」としたうえで、「政府軍に与している過ちを犯したすべてのシリア人に発砲を停止し、同胞の殺戮をやめ、人民の側に加わり、内外の敵に対抗して自衛する」よう呼びかけた。

**

シャーム自由人大隊は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線の指導者どうしの対立が「国内および地域に及ぼす影響」を注視しているとしたうえで、同戦線に対して「アサド政権という敵を追いやるための戦いに努力を一つにして注ぎ込む」よう呼びかけた。

なお『ハヤート』(5月7日付)によると、シャーム自由人大隊はシリア・イスラーム戦線を主導する。

シリア・イスラーム戦線は10以上の武装集団、約15,000人の戦闘員を擁し、シリア・イスラーム解放戦線に次ぐ国内第2の武装集団。

これに対して、シャームの民のヌスラ戦線は約6,000人の戦闘員を擁し、自由シリア軍参謀委員会(駐トルコ)は40,000~50,000人の戦闘員を統括しているとされる。

**

クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、自由シリア軍メンバーを名乗るハサン・ラストワーニーなる人物が、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、イスラエル・テレビで、自由シリア軍の志気高揚を促したこととに謝意を示したことに関して、この人物が自由シリア軍とは無関係で、おそらくムハーバラートの工作員だと断じた。

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、『アンバー』(5月6日付)に対して、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃が「イスラエルと反体制勢力が協力しているという口実をシリア政府に与える」としつつ、また「シリア政府への姿勢がどのようなものであれ、イスラエルの攻撃は正当化できない」と非難した。

諸外国の動き

国連人権理事会の国際独立調査委員会のカルラ・デル・ポンテ調査官は、スイスのイタリア語放送のインタビューで「入手した証拠に基づくと、反体制武装勢力がサリン・ガスを用いるなどして化学兵器を使用した」疑いが高いと述べた。

デル・ポンテ調査官はまた「確証はないが、サリン・ガスが使用されたという強い疑い、そして具体的な疑いがある」としたうえで、「我々は調査を深め、さらなる証拠を通じて正確且つ確実な調査を行わなくてはならない。しかし現時点での結論は、反体制派がサリン・ガスを使用したというものだ」と改めて強調した。

**

国連人権理事会の国際独立調査委員会はジュネーブで声明を出し、カルラ・デル・ポンテ調査官の発言に関して「化学兵器を使用した当時者に関する最終的な結果は出ていない。それゆえ、疑惑に関してコメントすることはできない」と発表し、慎重な姿勢を示した。

**

『ハヤート』(5月7日付)は、トルコの匿名衛生当局筋の話として、シリア国内での化学兵器の使用を確認するため、トルコ当局が領内に非難したシリア人負傷者の血液サンプルの検査を開始したと報じた。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はシリアでの化学兵器使用疑惑に関して「シリアでのいかなる化学兵器の使用も国際人道法への明確な違反にあたる」としつつ、「シリア政府が(国連調査チームの)受け入れを拒否していることは遺憾である」と述べた。

**

『ハヤート』(5月7日付)は、イスラエルの複数の消息筋の話として、イスラエル政府が「複数の外交チャンネル」を通じて、越境攻撃が、反体制勢力との闘争におけるアサド政権の力を弱めることを意図していない旨伝えたと報じた。

**

ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェビィッチ報道官は、イスラエル軍のシリアへの越境攻撃に関して「シリアで長らく続いている国内紛争への軍事的介入に世界の世論が備える兆候ではないかと大いに懸念している」としたうえで、「シリア国内…の紛争が国際問題化することを許してはならない」と警告した。

**

中国外務省報道官は、声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「地域の現状は複雑且つデリケートだと考える…。我々は軍事力の行使に反対し、あらゆる国家を守る者たち権をも尊重しなければならないと考える」と非難しつつ、すべての関係当事者に自制を求めた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「イスラエルは…ヒズブッラーに武器が供与されたら報復すると言ってきた。このことは誰でも理解できる。しかし同時に、周辺諸国に紛争が拡大すれば、紛争の正確も変容するがゆえに、リスクが高い」と批判的な見方を示した。

そのうえで、シリア革命反体制勢力国民連立への支持を改めて訴えるとともに、「反体制勢力の統合と政治的解決の必要」を求めた。

**

イラクのヌーリー・マーリキー首相は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「イスラエルは地域の現下の異常な状況を利用した」と非難、東アラブ地域に「さらなる混乱と危険な事態」をもたらしかねないと警鐘を鳴らした。

またウサーマ・ヌジャイフィー国民議会議長は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「イスラエルの攻撃にシリア政府は報復すべき」と主唱した。

**

イランのマスウード・ジャザーイリー副参謀長はイラン・イスラーム革命防衛隊のHPを通じて、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆がイラン製の武器を標的としたとの一部報道を「シリア政府はイランの武器を必要としていない。この手の情報はプロパガンダ戦争、心理戦だ」否定した。

**

サウジアラビアのサルマーン・ブン・アブドゥルアズィーズ副首相兼国防大臣は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、「アラブ国家を守る者たち権への深刻な侵害」、「あからさまな敵対行為」と批判、攻撃停止と再発防止のために至急行動すべきだと述べた。

**

AFP(5月5日付)は、ダマスカス郊外県のサイイダ・ザイナブ廟の「防衛」任務中に戦死したイラク人の葬儀がイラクのバスラ市で行われた。

戦死したのはディヤー・マトシャル・カーティウ・イーサーウィー(29歳)で、バスラ市で結成された「殉教者の主大隊」を名乗る民兵に属していたという。

AFP, May 6, 2013、al-Anba’, May 6, 2013、DamPress, May 7, 2013、al-Hayat, May 7, 2013、Kull-na Shuraka’, May 6, 2013、Kurdonline, May 6, 2013、Naharnet,
May 6, 2013、Reuters, May 6, 2013、SANA, May 6, 2013、UPI, May 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍機がダマスカス郊外県の43か所に対して越境空爆を実施し複数の師団が壊滅するなど甚大な被害、シリア外務省は国連への報告のなかで空爆が「タクフィール主義テロ集団の調整のもとに」行われたと指摘(2013年5月5日)

イスラエル軍によるシリアへの越境空爆

『ハヤート』(5月6日付)など、イスラエル軍機がダマスカス郊外県ジャムラーヤー市の軍科学研究センターなど43カ所に対して約4時間にわたって空爆を行ったと報じた。

Kull-na Shuraka', May 5, 2013
Kull-na Shuraka’, May 5, 2013

複数の目撃者によると、空爆による「火柱」がカシオン山上空まで昇み、ダマスカス県住民の多くが階下へと避難したという。

なお攻撃には、少なくとも18機の戦闘機が空爆に参加したという。

http://www.youtube.com/watch?v=7KjDnKr_ZBY

**

RT(5月5日付)は、シリアの複数の匿名消息筋の話として、イスラエル軍のシリアへの越境空爆によって、ダマスカス郊外県のジャムラーヤー地区、クドスィーヤー地区、ハーマ地区、サッブーラ地区に展開していた共和国護衛隊第104旅団、第105旅団、第14師団の兵士約300人が死亡した、と報じた。

**

クッルナー・シュラカー(5月5日付)は、イスラエル軍のシリアへの越境空爆には、米軍製のJDAM誘導爆弾、ヘルファイヤ地対空ミサイル、およぶ非伝統兵器の巨大な爆弾が使用され、巨大な爆弾によってマグニチュード4の揺れが生じたと報じた。

また同報道によると、空爆の標的となった軍施設およびその被害状況は以下の通り:

Kull-na Shuraka', May 5, 2013
Kull-na Shuraka’, May 5, 2013

共和国護衛隊第105旅団:壊滅
共和国護衛隊第104旅団:壊滅
カシオン山に駐留するミサイル旅団
カシオン山の武器庫
ジャムラーヤー市の科学研究センター
ハーマ町の防空向上近くの施設
クドスィーヤー市郊外の第4師団拠点
クドスィーヤー市郊外の第4師団武器庫
マアルバ町・タッル市間の軍施設(スカッド・ミサイル関連施設と思われる施設)
クドスィーヤー市にある共和国護衛隊団地内の施設(未確認情報)
クドスィーヤー市にある住宅地内の施設(未確認情報)

そのうえで、クッルナー・シュラカー(5月5日付)は、イスラエル軍の越境攻撃で、第4師団の精鋭部隊兵士など約2,000人が死亡したものと思われると付言した。

なおクッルナー・シュラカー(5月6日付)はその後、イスラエル軍の越境空爆によって、共和国護衛隊第104、105旅団の将兵約500人が死亡したと報じた。

**

AFP(5月5日付)は、ダマスカス国際空港近くの施設をイスラエル軍機が空爆したことをイスラエル公式筋(匿名高官)が認めたと報じた。

空爆は、ヒズブッラーに手渡されるミサイルが格納されていた倉庫などに対して行われたという。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出し、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃の詳細を報告した。

同書簡によると、イスラエル軍は、イスラエル領内からレバノン領空と占領下のゴラン高原を侵犯・通過し、ジャムラーヤー市北西部、マイサルーン市、ディーマース町シャワーイー航空基地にあるシリア軍の施設3カ所に対して空爆を行い、これにより、軍施設は破壊され、また市民に多数の死傷者が出た。

また同書簡は「イスラエルとシャームの民のヌスラ戦線に属すタクフィール主義テロ集団の調整のもとに攻撃が行われた」と指摘するとともに、シリア領外への武器輸送阻止というイスラエルの主張には根拠がないと却下、イスラエルの敵対的行為が地域の緊張を高め、大規模な地域戦争を誘発しかねないと警鐘を鳴らした。

さらに、米国首脳が行ったイスラエルの攻撃を是認するような米国首脳の発言が、イスラエルの越境空爆を促したと断じ、「シリアの主権侵害を政治的に隠蔽するもの」と非難した。

最後に、シリア・アラブ共和国が自国の領土と主権に対して自衛権を有することを強調し、「シリアに対するイスラエルの敵対行為を停止させ、その再発と地域の混乱を回避するために責任を果たす」よう呼びかけた。

**

ワーイル・ハルキー内閣が緊急閣議を開き、イスラエル軍によるシリアへの越境攻撃に対する非難決議を採択し、ウムラーン・ズウビー情報大臣が閣議後の記者会見で決議を読み上げた。

非難決議はイスラエル軍の越境攻撃を「国際法のすべての基礎にあからさまに違反している」と非難する一方、「シリアに対する戦争を構成するタクフィール主義勢力とシオニストの有機的なつながりに対して何らの疑いの余地もないことが明らかになった」としたうえで、「シリア・アラブ共和国政府は、この攻撃がすべての可能性に対する門戸を開いたと考える」と報復を示唆した。

**

またバアス党シリア地域指導部、人民議会、ビラード・シャーム・ウラマー連盟、人民諸組織、職業諸組合、クルド国民平和的変革運動、人民諸委員会連盟連合、アラブ社会主義運動、アラブ民主団結党、人民民主党、シリア共産党ニムル派などが、相次いでイスラエル軍によるシリアへの越境空爆を非難した。

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市ラアス・ナブア地区、カルア地区で軍による捜索摘発が行われる一方、マルカブ村周辺などに軍が砲撃を加えた。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町一帯などに軍が激しい砲撃を加えた。

**

ヒムス県では、クサイル市郊外で軍と「ヒズブッラーを支持する人民諸委員会」が反体制武装集団と交戦、戦闘員21人を含む34人が死亡、またクサイル市とラスタン市での空爆で子供1人、女性1人を含む4人が死亡した。

また東ブワイダ市近くで車が襲撃され、子供3人、女性3人が殺害された。

一方、SANA(5月5日付)によると、マジュダル村、ヒムス市カラービース地区、ワーディー・サーイフ地区、ワルシャ地区、クサイル市などで、軍が反体制武装集団の拠点を破壊、戦闘員を殺傷、武器弾薬などを押収した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ズグバ村が軍の空爆を受け、カフルヌブーダ町、カフルズィーター市で軍と反体制武装集団が交戦した。

またハマー市アレッポ街道地区では軍が摘発逮捕を行った。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団にようと、ダルクーシュ町などが軍に砲撃を受けた。

一方、SANA(5月5日付)によると、タフタナーズ航空基地周辺、サルミーン・ビンニシュ街道、アブー・ズフール軍事基地周辺、ナイラブ村、ジダール・ブカフルーン市、マアッラトミスラーン市、アイン・シーブ村、タッル・サラムー市、トゥルア市、アイン・スーダ村、ジャーヌーディーヤ町、タッル・ザハブ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーイル町、ハルビール市、ハッダーディーン村、マンナグ航空基地周辺、ハーン・アサル村、アレッポ中央刑務所周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦、また第80師団基地周辺での戦闘では、反体制武装集団戦闘員9人を含む23人が死亡した。

またアレッポ市では、ハーリディーヤ地区で軍と反体制武装集団が交戦、カーディー・アスカル地区、アレッポ城周辺が砲撃を受けた。

一方は、SANA(5月5日付)によると、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アルカミーヤ村、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市バドウ地区、種はダー地区、第17師団基地周辺などが軍の空爆を受けた。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムーハサン市などが軍の空爆を受けた。

一方、SANA(5月5日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市などで軍と反体制武装集団が交戦し、ダルーシャー村、ハーン・シャイフ・キャンプのパレスチナ難民キャンプなどが砲撃を受けた。

一方、SANA(5月5日付)によると、アドラー市、ランクース市東部、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月5日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ヤルムーク地方、タスィール町、ジャムラ村などを軍が空爆した。

一方、SANA(5月5日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町、ジャースィム市、ナーフィア村、シャジャラ町、ダーイル町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア民主左派連合は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、シリア情勢を複雑化し、シリア人民の革命が挑まねばならない新たな課題を生み出す動きと非難した。

レバノンの動き

NNA(5月5日付)は、ベカーア県ヘルメル郡カスル村に、シリア領から発射されたカチューシャ砲が着弾したと報じた。

諸外国の動き

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、マナール・チャンネル(5月5日付)に対して、「この攻撃は、シオニスト政体とシリア国民と戦うテロ傭兵集団が結託していることを示すものであり、シリア軍の成果と勝利の結果として行われた」と非難した。

そのうえで、イスラエル軍の攻撃があらゆる国際的な取り決めに反しており、地域の安定を脅かすと付言した。

**

アラブ連盟は声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆を「危険な影響」を及ぼし得ると警鐘を鳴らすとともに、国連安保理に対して、敵対行為の停止と再発防止に向け、即時に行動するよう呼びかけた。

**

また、イランのアリー・ラーリージャーニー諮問評議会(国会)議長、アルジェリア外務省報道官、レバノンのミシェル・スライマーン大統領、アドナーン・マンスール外務大臣、アマル運動政治局、スーダンのアフマド・ビラール・ウスマーン情報大臣、PFLP、パレスチナ・イスラーム聖戦、PFLP-GC、パレスチナ人民闘争戦線、PLO政治局長、クウェート国会などが、相次いでイスラエル軍によるシリアへの越境空爆を非難した。

**

NNA(5月5日付)などによると、イスラエル軍は対レバノン・シリア国境地帯にアイアン・ドーム防空システム2基を配備した。

シリアへの越境攻撃に対する報復を警戒した動き。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、AKP党員らを前に演説し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関連して、「我々はアッラーの許しのもと、このとさつ人、人殺しがこの世界で報いを受けるのを目にすることになろう…。お前は振り籠の子供に対して勇気を見せつけたことに対して、非常に高い代償を支払うことになろう」と述べ、アサド大統領を非難した。

**

国連の潘基文事務総長は、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して「イスラエルが攻撃を行ったとの(5月4日の)報道に関して大いなる懸念」を表明しつつ、「国連は攻撃が行われたかどうか確認できない」と述べた。

AFP, May 5, 2013、al-Hayat, May 6, 2013、Kull-na Shuraka’, May 5, 2013, May 6, 2013、Kurdonline, May
5, 2013、al-Manar Channel, May 5, 2013、Naharnet, May 5, 2013、NNA, May 5,
2013、Reuters, May 5, 2013、SANA, May 5, 2013、UPI, May 5, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルが2日から3日にかけてシリア領内に対する越境空爆を行ったことが明らかになるなか、シリア革命反体制勢力国民連立は軍および親政権武装組織がバーニヤース市で実行した「虐殺」を激しく非難(2013年5月4日)

イスラエル軍機によるシリア越境空爆の報道

CNN(5月4日付)やMSNBC(5月4日付)など複数のメディアは、複数の米国高官の話として、5月2日晩から5月3日未明にかけて、シリア領内に対して空爆を行ったと、イスラエルの高官が5月4日に認めたと報じた。

**

レバノン軍は、5月2日19時10分から5月3日3時15分にかけて、イスラエル軍機が3回にわたってレバノン領空を侵犯したと発表した。

**

AFP(5月4日付)は、レバノンの外交筋の話として、5月2~3日にイスラエル軍機がシリア領内で行ったとされる空爆はロシア製の地対空ミサイルの破壊が目的だったと報じた。

同報道によると、この地対空ミサイルはダマスカス国際空港に保管されていたが、3日の空港内での火災を受けて、移設されたという。

また『ハヤート』(5月5日付)は、西側のメディアの報道や外交筋の話として、イスラエル軍機によるシリア領内への空爆が、イラン製のミサイル「ファーティフ110」など高性能兵器のヒズブッラーへの供与を阻止するために行われた可能性があると報じた。

AFP(5月4日付)によると、シリア政府に複数の消息筋は、イスラエル軍機による攻撃の事実を今のところ否定している、という。

**

バラク・オバマ米大統領は、イスラエル軍機がシリアへの越境空爆を行ったとのメディアの報道などを受け、「イスラエルは、ヒズブッラーのようなテロ組織に高性能の武器が渡ることに対して、正当なかたちで自衛しなければならない」と述べた。

SANA, May 4, 2013
SANA, May 4, 2013

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカス大学法学部キャンパスでの大学犠牲者追悼碑の除幕式に出席した。

追悼碑除幕後、アサド大統領は参列した数千人の遺族や学生らと懇談した。

SANA(5月4日付)が報じた。

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団(駐英)が、バーニヤース市ラアス・ナブア地区で軍および親政権の武装組織が5月3日に、子供14人を含む62人を「虐殺」したと発表した。

同監視団によると、行方不明者も数十人おり、犠牲者数はさらに増加すると思われるという。

またシリア人権監視団は5月2、3日のバイダー町とバーニヤース市ラアス・ナブア地区での「虐殺」での死者数は100人以上に達すると発表する一方、複数の活動家らは死者数が800人に達すると主張している。

さらにシリア人権監視団によると、スンナ派が多く住むバーニヤース市南部の住民が「軍および国防隊のアラウィー派による虐殺を恐れ」、タルトゥース市、ジャブラ市(ラタキア県)方面に集団避難を始めたという。

複数の住民によると、バーニヤース市やジャブラ市の入り口には治安機関の検問所が設置さえ、住民を帰宅させようとしたが、ヒステリー状態となった数百人が逃走したという。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市周辺の農場で、「ヒズブッラーのエリート部隊の支援を受ける」軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

この戦闘で、反体制武装集団の戦闘員10人が死亡した。

一方、SANA(5月4日付)によると、クサイル市周辺のマシュタル地方で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またサアン村郊外、ラスタン市郊外、アクラブ町、ヒムス市バーブ・フード地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ハーリディーヤ地区、ハイダリーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市アレッポ街道地区で大きな爆発が起きた。原因は不明。

またマアッル・ダッス市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月4日付)によると、ハマー市サワーイク地区、ジュッブ・アフマル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンナグ航空基地の敷地内に突入し、空港内の戦車連隊を制圧したのを受け、軍が空港に対して空爆を行った。

この戦闘で、アリー・マフムード空軍准将ら軍の将兵数十人が死亡した。

アレッポ市スライマーン・ハラビー地区に軍の増援部隊が到着し、サーフール地区への突入の準備が本格化した。

一方、SANA(5月4日付)によると、クワイリス航空基地周辺、マンナグ航空基地などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ県の新ユーフラテス橋近くなどに軍が「樽爆弾」などで空爆を行った。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス県ヤルムーク区の男性がハーン・シャイフ・キャンプに対する砲撃で負傷、死亡した。

またムライハ市郊外、ダルーシャー村、ムウダミーヤ・シャーム市、ダーライヤー市などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月4日付)によると、イバーダ市、タッル・ガリーカ市、ダイル・アサーフィール市、ジャラージール町などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市、ドゥーマー市、スバイナ町、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月4日付)によると、バルザ区、カーブーン区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ヤルムークで軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

また第49防空大隊基地に対して、軍が空爆を行った。

さらに反体制武装集団(自由シリア軍)は対ヨルダン国境に近いマスリーティーヤ検問所を3時間にわたる交戦の末制圧したと発表した。

一方、SANA(5月4日付)によると、マスミヤ町などで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、民主統一党人民防衛隊総司令部によると、タッル・タムル町周辺での1週間にわたるシャームの民のヌスラ戦線など反体制武装集団との戦闘で、35人の戦闘員を殲滅、約50人を捕捉した。

戦闘では人民防衛隊の兵士4人も死亡したという。

一方、SANA(5月4日付)によると、タッル・アダス市などで軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッル・タムル町とハサカ市を結ぶ街道では、軍が使徒末裔旅団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、SANA(5月4日付)によると、ハーリム市および同市郊外、アブー・ズフール航空基地周辺、ジスル・シュグール市郊外、サルジャ村、カフルラーター村、サルミーン市、マアッラトミスリーン市、シャビーバ軍事基地周辺、アトシャーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人大隊、ザーウィヤ旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月4日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、シャイフ・ヤースィーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、真理の剣大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は訪問中のロンドンで『ハヤート』(5月5日付)のインタビューに応じ、そのなかでEUによる対シリア石油禁輸措置緩和に関して、民主統一党人民防衛隊が掌握している油田からの石油の輸出がクルド最高委員会の監督のもとに行われるべきだとの見解を示した。

また西クルディスタン人民議会のもとで武装部隊の教練が重点的に行われており、アサーイシュ(警察部隊)を教練するための訓練所がシリア北東部と北部に3カ所設置され、3ヶ月間の実習コースを開設していることを明らかにした。

さらに、民主統一党人民防衛隊に関して、約15,000人から構成されることを明らかにした。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、バーニヤース市ラアス・ナブア地区で行われたとされる軍による住民「虐殺」に関して、「20年前にボスニアでセルビア軍が行った民増浄化の様相を帯びつつある」と批判した。

また「虐殺」が、バーニヤース市南部のバサーティーン・イスラーム村でも行われる可能性があるとして、警鐘を鳴らすとともに、国連安保理に対して、アサド政権による「虐殺」を非難し、こうした行為を即時停止させるための決議を採択するよう求めた。

**

シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はDPA(5月4日付)のインタビューに応じ、そのなかで「エジプト(のムハンマド・ムルシー大統領)はシリア国民が何を望んでいるかを知っている。それは政治的解決だ。しかしアサドとその一味を含まないかたちでだ」と述べた。

**

カイロで活動するアラウィー派の反体制活動家が主導する「我らはみなシリア人」大会フォローアップ委員会は声明を出し、タルトゥース県バイダー町、バーニヤース市ラアス・ナブア地区で軍が行ったとされる住民「虐殺」に関して、「シリアの革命だけでなく、シリアの将来をも脅かす…宗派戦争へと国を向かわせる」行為と非難した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は声明を出し、シリアへの武器・戦闘員の流入を阻止するようレバノン国民に改めて呼びかけた。

AFP, May 4, 2013、DPA, May 4, 2013、al-Hayat, May 5, 2013、Kull-na Shuraka’, May 4, 2013、Kurdonline, May 4, 2013、Naharnet, May 4, 2013、Reuters, May 4, 2013、SANA, May 4, 2013、UPI, May 4, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バーニヤース市近郊のバイダー町で軍・親政権武装組織が反体制武装集団と激しい戦闘を繰り広げるなか、米国による第1回目の支援物資供与800万ドル相当が自由シリア軍参謀委員会に引き渡されたことが明らかに(2013年5月2日)

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市近郊のバイダー町で軍と親政権の武装組織が反体制武装集団と激しく交戦した。

SANA, May 2, 2013
SANA, May 2, 2013

親政権の複数の消息筋によると、軍・治安機関・人民諸委員会のパトロール隊がバイダー町で要撃を受け、治安要員1人、兵士1人、人民諸委員会メンバー1人が殺害され、パトロール隊隊員20人が負傷したのを受け、軍、国防隊が応援に駆けつけ、数十人の武装集団戦闘員と交戦したという。

この戦闘では、マルカブ城に展開する軍の大隊がバイダー町に砲撃を加え、軍、国防隊は、数時間にわたる戦闘の末、武装集団を殲滅したという。戦闘では、軍、国防隊側には負傷者が出た。

シリア人権監視団によると、軍と反体制武装集団の交戦後、バイダー町で軍が「戦場処刑」が行われた模様で、複数の活動家によると、少なくとも51人が殺害されたという。

これに関して、SANA(5月2日付)は、バイダー町の反体制武装集団のアジトに対して軍が作戦を遂行し、武器弾薬を押収したと報じた。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍が、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区で反体制武装集団を掃討し、同地区の大部分を約1年ぶりに奪還した。

同監視団によると、軍は、国防隊、イラン当局、ヒズブッラーの支援を受けていたという。

一方、SANA(5月2日付)によると、軍がジュースィーヤ村、ウブーディーヤ市で反体制武装集団の掃討を完了し、両市の治安を回復した。

またダブア市、マスウーディーヤ村、シューマリーヤ市、サッルーミーヤ市、アッシュ・ウルード市、ラスタン市、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラ・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区、ハーリディーヤ地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、複数の活動家によると、ダイル・ザウル市内のユーフラテス川に架けられていた架け橋が崩壊した。

反体制活動家らは、軍が爆弾で破壊したと主張する一方、政権支持者は「テロリスト」が橋を爆破したと主張している。

一方、SANA(5月2日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、工業地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、アブー・ザッル・ギファーリー団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ティシュリーン地区、ヤルムーク区、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を受けた。

複数の活動家によると、軍と反体制武装集団の戦闘は、カラジャート・アッバースィーイーンにもおよび、軍はザブラターニー地区方面からジャウバル区の入口に展開し、アッバースィーイーン地区に至る街道を封鎖したという。

一方、SANA(5月2日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またルクンッディーン区で反体制武装集団が仕掛けた車爆弾が爆発し、運転手1人が負傷した。

他方、クッルナー・シュラカー(5月2日付)は、バルザ区で活動する自由シリア軍が早朝、ダマスカス県およびダマスカス郊外県に対する砲撃の拠点となっているカシオン山の砲台を迫撃、軍の迫撃砲2門を破壊したと報じた(未確認情報)。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイル町、スィヒム・ジャウラーン市などが軍の砲撃を受け、ヒルバト・ガザーラ町などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月2日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町、カニーヤ村、ジャースィム市、ダーイル町、タファス市、ジャムラ村、シャジャラ町、スィヒム・ジャウラーン市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード大隊旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(5月2日付)によると、軍がカイサー市の反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

イバーダ市、ザバダーニー市、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

またハラスター市、ドゥーマー市などでも、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、反体制消息筋によると、ナバク地方で、反体制武装集団の戦闘員90人と軍・親政権支持者11人の「捕虜交換」が行われた。

**

イドリブ県では、SANA(5月2日付)によると、アブー・ズフール軍事基地周辺、ジャーヌーディーヤ町、ミシュミシャーン市、アイン・アサーフィール市、ナイラブ村、マアッラトミスリーン市、フマイシュー市、カフルルーヒーン村、バラーギースィー市、フシャイル市、アリーハー市、ガッサーニーヤ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(5月2日付)によると、ムスリミーヤ村、アイン・ダクナ村、ズィラーア市、ヒーラーン村、ジュバイラ市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、スライマーニーヤ地区、ハイダリーヤ地区、サラーフッディーン地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(5月2日付)によると、ダルバースィーヤ市で、軍がシャームの民のヌスラ戦線、使徒末裔大隊と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月2日付)が、自由シリア軍使徒末裔大隊が、サイイダ・ザイナブ廟から約100メートルの地点に集結、同廟に籠城する軍やシャッビーハに対峙していると報じた。

同報道によると、自由シリア軍は、ヒズブッラーやシリア軍とは異なり、サイイダ・ザイナブ廟をはじめとするイスラーム教、キリスト教の聖地に被害が及ぶことを避けて活動しているという。

**

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の演説に関して「イランとともにシリアの体制を擁護するために干渉するとの脅迫は、(アサド)体制が崩壊しつつあることを直接白状したようなものだ」と批判した。

またヒムス県クサイル市郊外のレバノン人が居住する村を自由シリア軍が攻撃しているとのナスルッラー書記長の発言を「根拠がなく事実でない」と否定した。

**

シリア国民評議会は声明を出し、ダイル・ザウル市の架け橋破壊をアサド政権の犯行と断じ、非難した。

**

カイロなどで活動する反体制活動家約20人が共同声明を出し、「民主主義(市民権国家)のためのシリア人」がアサド政権に対する運動の統合に失敗したとして、同組織からの脱会を発表した。

シリア国内の動き

クッルナー・シュラカー(5月2日付)は、ラーミー・マフルーフ氏が4月29日付でシリアテル社の取締役会に辞表を出したと報じた。

マフルーフ氏はこれを受けてダマスポスト(5月3日付)に声明を出し、自身が個人名義で保有していたシリアテル社の株を3月にラーマーク社に譲渡したことを改めて明らかにし、シリアテル社の株の42%を保有するに至ったラーマーク社がシリアテル社の運営を担うのが当然との見解を示した。

レバノンの動き

MTV(5月2日付)やムスタクバル・チャンネル(5月2日付)は、シリア軍兵士約70人がベカーア県バアルベック郡カーア地方に侵入し、住民に退去を求めたと報じた。

しかしNNA(5月2日付)はこれを否定した。

諸外国の動き

チャック・ヘーゲル米国防長官は、フィリップ・ハモンド英国防大臣との会談後の記者会見で、シリアの反体制武装集団への武器供与の可否に関して「武器を与えることも選択肢としてある」と述べた。

**

『ウォールストリート・ジャーナル』(5月2日付)は、複数の米高官の話として、米国による第1回目の支援物資供与が4月30日にトルコの自由シリア軍参謀委員会に対して行われたと報じた。

供与された支援物資は、食糧品、衣料品などで、総額が800万ドル相当だという。

**

イラクのフダイル・フザーイー副大統領は「シリアのテロリストたちは、サハーバであるフジュル・ブン・アディー廟を襲撃することで、アッラーの使徒の教友への憎しみの牙を向いた」と非難した。

フジュル・ブン・アディー・キンディーは第4代カリフ・アリーの冒涜を拒んだことで知られる。

イラーキーヤ・チャンネル(5月2日付)などによると、シリアの反体制武装集団はダマスカス郊外県アドラー市にあるフジュル・ブン・アディー廟から遺体を掘り起こし、どこかに持ち去ったという。

AFP, May 2, 2013、Damaspost, May 2, 2013、al-Hayat, May 3, 2013, May 4, 2013、Kull-na Shuraka’, May 2, 2013, May 3, 2013、Kurdonline,
May 2, 2013、Naharnet, May 2, 2013。NNA, May 2, 2013、Reuters, May 2, 2013、SANA,
May 2, 2013、UPI, May 2, 2013、The Wall Street Journal, May 2, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍が各県内の反体制武装集団の拠点に砲撃を加える一方、アラブ連盟はシリア革命反体制勢力国民連立の代表出席を「暫定政府の発足と国外での代表権に関わる行政的措置の完了」まで見合わせ(2013年5月1日)

シリア政府の動き(シリア社会の動き)

アサド大統領はメーデーを祝して、ダマスカス県ティシュリーン公園のウマウィーイーン発電所を視察訪問し、従業員らの歓迎を受けた。

SANA(5月1日付)によると、アサド大統領は発電所の従業員らに対して、「シリアの労働者たちは、我々の国が2年以上にわたって曝されている戦争を通じて、自らが常に国力を支える構成要因であるということを証明した…。インフラを標的とする試みは…労働者たちが愛国的義務を継続することを阻止し得ないだろう…。テロリストの手によってさまざまなセクターで数百人の労働者が犠牲となろうとも」と述べ、謝意を示した。

SANA, May 1, 2013
SANA, May 1, 2013

**

シリア民間航空公社幹部は、SANA(5月1日付)に対して、ロシアの民間旅客機がシリア上空で地対空ミサイル2発の攻撃を受けたとのロシア・メディアなどの報道内容を否定した。

**

ロイター通信(5月1日付)は、紛争に伴う治安悪化や犯罪(誘拐、暴行、強姦)の多発を受け、ダマスカスのスポーツ・センターに女性たちを受け入れ、護身術を教えている、と報じた。

SANA, May 1, 2013
SANA, May 1, 2013

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(5月1日付)によると、バーブ・ムサッラー地区のバーブ・ムサッラー地区公園とハーリド・ブン・ワリード通りで、爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発し、10歳の子供1人を含む市民2人が死亡、約30人が負傷した。

またマッザ区では、爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発し、市民2人が死亡、2人が負傷した。

さらにアッバースィーイーン地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発が着弾し、市民3人が負傷した。

このほか、シリア人権監視団によると、サーリヒーヤ区で銃声が聞こえた。銃撃の理由は定かでないという。

**

同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区に対して軍が空爆・砲撃を行った。

一方、SANA(5月1日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区に反体制武装集団(サラフィー主義者)が開設した「シャリーア委員会」前で住民が抗議の座り込みを行った。

同監視団によると、シャリーア委員会は、マサーキン・ハナーヌー地区の「民間防衛センター」の撤去を要請、これに対してアレッポ市議会が抗議し、要請を拒んだことを受け、住民がシャリーア委員会の要請に異議を唱えるために抗議行動を行ったという。

「民間防衛センター」は、自由シリア軍が占拠する地域での無政府状態に対処するために設立されたNPOで、市街地の清掃、復興、住民へのサービス提供を行っている。

**

Kull-na Shuraka', May 1, 2013
Kull-na Shuraka’, May 1, 2013

同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ街道地区で3週間前に殺害された青年の遺体が発見された。

またハフサ町、カフルハムラ村などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、アルカミーヤ村、マンナグ航空基地周辺、アイン・ダクナ村、アナダーン市、フライターン市、ムスリミーヤ村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ザマルカー町などに、軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(5月1日付)によると、キーサー市、アフマディーヤ市、イバーダ市、ザマルカー町、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、アドラー市、ダイル・アティーヤ市、カーラ市郊外、アシュラフィーヤ・ワーディー市、リーマー市郊外などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、第34師団本部周辺、マスミヤ町の軍事情報局施設周辺、ナワー市などで軍と反体制武装集団が交戦、タッル・シャフバー市などが砲撃を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、反体制武装集団がダルアー国立病院事務局長のワリード・シャンヌール氏を襲撃、同氏は負傷し、病院に搬送された。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市各所、ラビーア町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月1日付)によると、ガントゥー市、カフルラーハー市、西タイバ村、サッルーミーヤ市、ラフムーニーヤ市、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ジャウラ・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルヌブーダ町に近いタッル・ウスマーン検問所などで軍が反体制武装集団と交戦した。

また軍がハマー市アレッポ街道地区、ティーバ・イスム村、ハスファイン村、マギール市などを砲撃・空爆する一方、反体制武装集団はズール・スース村を迫撃砲で攻撃した。

一方、SANA(5月1日付)によると、ハマー市ワーディー・ジャウズ地区、マシャーウ地区、アレッポ街道地区、ハウワーシュ丘、カフルヌブーダ町、カサービーヤ市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ナージヤ村などが軍の空爆を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、アブー・ザーヒル軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市中心部に対して軍が空爆を行い、タブカ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

またラッカ市内の広場で、政府に協力し、ロケット弾を撃ったとの罪で、青年3人が公開処刑された。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区、ジュバイラ地区、ムワッザフィーン地区、ウルフィー地区などで軍と反体制武装集団が交戦し、ムーハサン市などが砲撃を受けた。

一方、SANA(5月1日付)によると、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区、ハウィーカ地区、ウルフィー地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、アッバース大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(5月1日付)によると、サルマー町、バイト・アワーン村、グナイマ村、カサーティル村、ダイル・ハンナー村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線、トリポリ自由人メンバー(外国人)など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

ダマスカス国民民主変革宣言(ダマスカス宣言)事務局が声明を出し、紛争の政治的解決は不可能と断じたうえで、国内の武装勢力の統合と同勢力による革命の指導を主唱した。

レバノンの動き

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー元首相は声明を出し、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のテレビ演説(4月30日付)に関して、「ナスルッラーによる発言でもっとも危険なのは、シリアの革命に関する彼の姿勢でも、アサド大統領を擁護しようとする姿勢でもない。レバノンの運命をシリアとリンクさせようとする自殺的な姿勢だ」と非難した。

**

レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のテレビ演説(4月30日付)に関して「シリアの体制は崩壊する。歴史が記されるのをあなたは止めることなどできない」と反論した。

諸外国の動き

アレクサンドル・ザスィプキン在レバノン・ロシア大使は、シリア危機へのヒズブッラーへの介入に関して、「誰が主権を侵害する権利を持つのか、そしてヒズブッラーの支援を必要とするか否かはアサド政権が決めることだ」と述べた。

そのうえでザスィプキン大使は「一部の陣営はシリアでのヒズブッラーの役割に焦点を当てているが、別の勢力が戦闘員や武器をレバノンから送り、体制と戦っていることを見過ごしている」と批判した。

『アフバール』(5月1日付)が報じた。

**

『ハヤート』(5月2日付)は、アラブ連盟事務局が加盟国および関連機関に対して、連盟関連の会合へのシリア革命反体制勢力国民連立の代表出席を、暫定政府の発足と「国外での代表権に関わる行政的措置の完了」まで見合わせる旨、通達したと報じた。

AFP, May 1, 2013、al-Akhbar, May 1, 2013、Akhbar al-Sharq, May 1, 2013、al-Hayat, May 2, 2013、Kull-na Shuraka’, May 1, 2013、Kurdonline, May 1,2013、Naharnet,
May 1, 2013、Reuters, May 1, 2013、SANA, May 1, 2013、UPI, May 1, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県内のマルジャ広場で爆破テロが発生し14人が死亡し国内外からの非難を呼ぶなか、オバマ米大統領はアサド政権による化学兵器使用の確認が「ゲームを変える要因」となるとの見解を示す(2013年4月30日)

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(4月30日付)によると、首都中心部に位置するマルジャ広場で爆破テロが発生し、14人が死亡、約100人が負傷した。

またダマスカス商業タワー・ビル、ファドルッラー・ブサイリー・モスク、ウマル・ハイヤーム・ホテル、ダマスカス郊外県移籍局などが被害を受けた。

爆発は車に仕掛けられた爆弾によるもので、クッルナー・シュラカー(4月30日付)によると、爆発は内務省正門から数メートルの距離で発生した。

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

**

同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で、同地区の完全制圧をめざす軍が反体制武装集団と交戦した。

またカフルスーサ区などに迫撃砲が着弾した。

これに関して、反体制活動家は、迫撃砲がダマスカス郊外県の第18旅団基地から発射されたと断じた。

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

一方、SANA(4月30日付)によると、ラウダ地区(ジャーヒズ公園近く)、マイダーン地区、ラブワ街道に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾3発が着弾した。死傷者はなかった。

またルクンッディーン区で軍が反体制武装集団のアジトから大量の武器弾薬を押収した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(4月30日付)によると、ドゥーマー市、シャブアー町、ザマルカー町、アドラー市および同市周辺などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線、使徒末裔大隊と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, April 30, 2013
SANA, April 30, 2013

またナブク市、カーラ市、ヤブルード市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アトマーン村での軍との戦闘で、反体制武装集団の戦闘員2人が死亡した。

またワーディー・ヤルムークでは、軍の迫撃砲による攻撃で、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

このほか、ヒルバト・ガザーラ町、ラジャート市郊外、ヒルバト・ガザーラ町・ダーイル町間の一帯で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月30日付)によると、アトマーン村・ダーイル町間、ジャースィム市、インヒル市、ヌアイマ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダール・カビーラ村、ガントゥー市周辺などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月30日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、ワアル地区、ガントゥー市、ダール・カビーラ村、ティール・マアッラ市、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タッル・ザハブ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、タウヒード旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアレッポ街道地区、マシャーウ地区、ワーディー・ジャウズ地区に対して、軍が砲撃を行い、複数の死傷者が出た。

一方、SANA(4月30日付)によると、ラアス・アイン市、シュアサ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、両村の治安を回復した。

またハマー市マルアブ地区、サマク地区、マシャーウ・タイヤーラ地区、ダウワール・イスカーン地区、クルド人地区、フワイザ市などで軍が反体制武装集団に対する特殊策戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなどを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(4月30日付)によると、サラーキブ市で軍が反体制武装集団と交戦、シャーム自由人大隊メンバーや外国人戦闘員複数を殺害した。

この戦闘の直前、反体制武装集団はシャーブール地区や市への南部入り口で、「粉」が入った袋を明け、その粉を吸った住民が呼吸困難、痙攣、感覚麻痺などの症状を発したと報じた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イドリブ県サラーキブ市で軍が民間人に対して化学兵器を使用したと主張した。

クッルナー・シュラカー(4月30日付)は、イドリブ県カフルナブル市での反体制デモの写真だとして、フェイスペイントを施された子供たちや、プラカードや絵を掲げさせられた子供たちの画像を公開した。

英語で書かれたプラカードや絵は、大人が作成したもので、子供たちが反体制運動に巻き込まれ、利用されているさまが如実に示されている。

なおシリア人権監視団によると、サラーキブ市、イドリブ市に対して軍が砲撃を行い、サラーキブ市で子供1人が死亡した。

Kull-na Shuraka', April 30, 2013
Kull-na Shuraka’, April 30, 2013

またSANA(4月30日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、対トルコ国境のバーブ・ハワー市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港に近いアズィーザ市に対して軍が砲撃を加えた。

Kull-na Shuraka', April 30, 2013
Kull-na Shuraka’, April 30, 2013

一方、SANA(4月30日付)によると、フライターン市、マンナグ村、ハーン・アサル市、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ザフラー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾多数が着弾し、住民4人が負傷した。

このほか、ハイダリーヤ地区、ブアイディーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

Kull-na Shuraka', April 30, 2013
Kull-na Shuraka’, April 30, 2013

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シュハイル市、ブーカマール市、マヤーディーン市に対して軍が空爆を行った。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ県マハッタ地区で何者かによって市民1人が殺害された。

またクルドオンライン(4月30日付)によると、反体制武装集団(自由シリア軍)がタッル・ハミース市に近いアイン・アブド村を襲撃、これに対して民主統一党人民防衛隊が応戦し、武装集団戦闘員多数を殺害、撃退した。

**

ラタキア県では、SANA(4月30日付)によると、スーラース遺跡、ガマーム村などで軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー内務大臣は、ダマスカス県マルジャ広場での爆弾テロに関して、「テロとテロリストに対する我らが武装部隊の戦場での成果と勝利によって挫折に追い込まれたもの反応」と指摘、「民間人を無差別に標的にしたテロ」と厳しく非難した。

**

ワーイル・ハルキー内閣は閣議で、29、30日のダマスカス県での爆弾テロを厳しく非難した。

**

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送り、そのなかで29、30日のダマスカス県での爆弾テロを「政治的解決を拒否する明確な表明にほかならない」と非難したうえで、一連のテロの原因がアル=カーイダと関係のある組織への諸外国の様々な支援にあると強調、テロ非難と適切な対応を求めた。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、ダマスカス県マルジャ広場での爆弾テロを「犯罪的としか評し得ず、合法的な革命闘争のなかに収まらない」と非難した。

そのうえで「戦闘を行うすべての当時者」に住宅地から撤収し、「いかなる勢力が行うにせよ…、砲撃、化学兵器使用、大量破壊兵器使用を非難する」との意思を示した。

**

SANA-サウラ通信(4月30日付)は、ダマスカス県マルジャ広場での爆弾テロに関して、政権の自作自演だと非難した。

同通信は、複数の目撃者の話として、爆発が発生する30分前に、即席爆弾を撤去するとの理由でマルジャ広場が封鎖され、消防車が到着したと報じた。

またジャウダト・ハーシミー学校に生徒の話として、爆発が発生する前に生徒たちが下校を指示されたと伝えた。

**

ザマーン・ワスル(4月30日付)は、SANA(4月29日付)が配信した写真をもとに、29日のダマスカス県マッザ区でのワーイル・ハルキー首相暗殺未遂事件が政権による自作自演の疑いがあると報じた。

同報道によると、ハルキー首相が乗っていた車から無事に脱出することは、車や現場周辺の被害を踏まえると、不可能だという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のテレビ演説(4月30日付)を受けるかたちで声明を出し、レバノン政府に対して、不関与政策を貫徹し、ヒズブッラーのシリア領内での軍事行動を停止させるよう改めて求めた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説を行い、と述べ、シリアでの紛争への関与が「人道的・道徳的」に妥当だとの立場を示すとともに、シリア危機の地域全体の波及を懸念する「世界」にとっての「真の友人」であるアサド政権の崩壊はないと強調した。

ナスルッラー書記長は「クサイルの農村で攻撃に曝されるレバノン人を放ってはおかない。我々は彼らを助けることに躊躇しないだろう…。クサイルの問題についてはすでに…、3,000人のレバノン人イスラーム教徒とキリスト教徒が狙われ、仕事に行けない状態だと述べた」としたうえで、「これらの人々は自衛のためにあらゆることをする権利があり、支援を受ける権利がある。これは道徳的・人道的な問題だ」と述べた。

また「レバノンでは、ファトワー、演説、送金、武器・戦闘員派遣が2年間とどまることなく行われている…。レバノンのいかなる勢力も無実だなどとは言えない」と強調した。

さらに「サイイダ・ザイナブ廟から数百メートルの場所に武装集団がおり、タクフィール主義集団はインターネットで廟を破壊すると脅迫している…。我々はスンナ派全体を責めてはいない。我々の問題はタクフィール主義者との間にある。みなが…彼らによる廟の破壊を阻止しなければならない」と述べた。

そのうえで「殉教者となった戦闘員は、宗派対立を阻止しようとしていた…。我々は殉教者、とりわけ最近の戦闘で命を落とした者たちを誇りに思っている」とシリアでの戦闘での戦死者に弔意を示した。

一方、アサド政権に関して「戦闘が長引いても、ダマスカスを掌握し、体制を倒すことできないだろう…。シリアは地域における真の友人であり、シリアを米国、イスラエル、タクフィール主義者の手に渡させない世界にとって真の友人である」と強調した。

シリア紛争については「同国をレジスタンスの枢軸から排除するだけでなく、シリアの国家、社会、軍を破壊し、失敗国家に貶めようとする」動きだとの見方を示した。

そのうえで「紛争は二つの陣営の間で行われている。第1の陣営は、体制を転覆し、醜い戦い、殺戮…に訴え、シリアを破壊するため国際社会の政治的・軍事的介入をめざしている…。第2の陣営は、シリア危機が地域全体に及ぼす影響に注意を払っている」と指摘、ヒズブッラーが第2の陣営に属し、「常に政治的解決を呼びかけている」と強調した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領はホワイトハウスで記者会見を開き、「我々が持っているのは、シリア国内で化学兵器が使用された証拠だ」と述べつつも、「分からないのは、誰がそれを使用したかだ」と述べ、アサド政権による使用を断定できないことを明らかにした。

また「何が起きたかを示す証拠がなくて、どうして何をするかを決定できようか?」と付言、シリア情勢への介入に慎重な姿勢を示した。

一方、「もしアサド政権による化学兵器使用を確認できれば…、それはゲームを変える要因(game changer)になる」と強調し、断固たる姿勢を示そうとしたが、反体制武装集団が化学兵器を使用した場合に対応については明言しなかった。

**

『ワシントン・ポスト』(4月30日付)は、米政府高官の話として、バラク・オバマ米大統領がシリア反体制派への武器供与を準備していると報じた。

同紙によると、反体制派への武器供与は「数週間以内」に最終決定する見通し。シリア内戦への介入に反対するロシアの説得に努めるという。

**

『シャルク・アウサト』(4月30日付)は、サウジアラビア訪問中の安倍晋三首相とのインタビュー内容を掲載した。

インタビューのなかで、安倍首相はシリア情勢に関して以下通り答えた。

「中東の安定は世界の安定と直結している。これは日本の安全保障にとっても同じです。日本は関係当事者との協力を通じて全力で同地域を支援し続けます。とくにシリアに関して、同国および同国国民が被った甚大な人的被害、そしてその影響が地域全体に拡がっていることに大きな懸念を表明したいと思います。日本はすでに緊急人道支援として8,000万米ドルを供与し、シリア国民や周辺諸国を支援しようとしてきました。我々はアサド大統領が権力にとどまることが円滑な転換プロセスの進行を妨げると考えています。一方、もし現状が今のまま続けば、アサド体制後に過激派の影響が増す懸念があります。国際社会は、こうした事態の解決策を案出するため、反体制勢力の統合プロセスにおいて一致団結、支援しなければなりません」。

AFP, April 30, 2013、Akhbar al-Sharq, April 30, 2013、al-Hayat, May 1, 2013、Kull-na Shuraka’, April 30, 2013、Kurdonline, April 30,2013、Naharnet,
April 30, 2013、Reuters, April 30, 2013、SANA, April 30, 2013、al-Sharq al-Awsaṭ, April 30, 2013、UPI, April 30, 2013、The Washington Post, April 30, 2013、Zaman al-Wasl, April 30, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県でハルキー首相の車列を狙った爆破テロが発生するなか、民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーム代表は「シリア国民の唯一の代表」としてのシリア革命反体制勢力国民連立承認を批判(2013年4月29日)

シリア社会の動き

クッルナー・シュラカー(4月29日付)などによると、バフル機構がシリア人1,500人を対象に、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出などに関する世論調査を行った。

SANA, April 29, 2013
SANA, April 29, 2013

世論調査は、20歳から39歳のシリア国内外で暮らすシリア人を対象とし、うち男性は83%、女性は17%、また91%が高等教育修了者だった。調査はインターネットなどを通じて行われた。

質問は、暫定政府に関する項目、ヒートゥー首班に関する項目からなる。

主な結果は以下の通り。

1. 現下の暫定政府が必要でないと答えたのは41%。
2. 暫定政府の拠点がシリア国内にあるべきと答えたのは89%。
3. 暫定政府のポストを人種、宗派、政党などによって配分すべきでないと答えたのは81%。
4. 首班がシリア国籍以外の外国籍を持っているべきでないと答えたのは50%。
5. ヒートゥー首班の経歴に不満と答えたのは45%。
6. 暫定政府および首班選出方法を拒否すると答えたのは70%。
7. シリア国民評議会にいかなる閣僚ポストも与えるべきでないと答えたのは69%。
8. シリア革命反体制勢力国民連立にいかなる閣僚ポストも与えるべきでないと答えたのは57%。

国内の暴力

インテルファクス通信(4月29日付)は、ロシアの信頼できる消息筋の話として、ロシアの民間旅客機がシリア上空で地対空ミサイル2発の攻撃を受けたと報じた。

同消息筋によると、被害は出なかったという。

**

ダマスカス県では、SANA(4月29日付)によると、ダマスカス県マッザ区(ヴィーラート・ガルビー)イブン・ルシュド公園近くでワーイル・ハルキー首相の車列を狙った「爆破テロ」が発生し、複数の市民が死傷した。

スカイ・ニュース・アラビック(4月29日付)によると、死者は、1人はハルキー首相に同行していた1人を含む12人に上った。

ハルキー首相本人は無事だった。

複数の消息筋によると、ハルキー首相はマッザ区の自宅から首相官邸に向かう途中で、首相が乗った車の目の前で、道路脇に駐車していた車が爆発した、という。

SANA, April 29, 2013
SANA, April 29, 2013

**

同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区に対して軍が空爆を行い、マイダーン地区では重火器の発砲があった。

一方、SANA(4月29日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で軍は反体制武装集団の追撃を続け、ナースィル・サラーフッディーン大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, April 29, 2013
SANA, April 29, 2013

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤ・シャーム市、ザマルカー町、バイト・ジン市、ウーファーニヤー村などで軍と反体制武装集団が激しく交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ハルマラ市、ハラスター市、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ダーライヤー市などで、軍は反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市、アイン・ウルード市、カマーム市などを軍が砲撃した。

ヒムス県では、SANA(4月29日付)によると、ヒムス市ジャウラ・シヤーフ地区、クスール地区、ハーリディーヤ地区、ダール・カビーラ村、タッル・ザハブ町、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タドムル市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッルカラフ市郊外にレバノン領から潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市の南部が軍の砲撃を受け、また同市のアレッポ街道地区、トゥライスィーヤ村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ジュナイナ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またハマー市マルアブ地区、ルーズ・スース市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッル・シャマーリーン市、マアッル・ダブサ市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ナイラブ村、サラーキブ市、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、タフタナーズ市、サルミーン市、ザルダナー村、マアッル・ダブサ市、バシュラームーン村、アイン・バーリダ市、ダルクーシュ町、シュグル市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市、ハナースィル市、マンナグ航空基地周辺、クワイリス航空基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ市では、シャッアール地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、マンナグ村および同市周辺、タッル・ジブリーン市、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、マッルアナーズ市、ダール・イッザ市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、スライマーニーヤ地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

スライマーニーヤ地区では反体制武装集団が撃った迫撃砲弾4発が着弾し、市民2人が死亡、複数が負傷したという。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、タービーヤ市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、工業地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、サーイカ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダルバースィーヤ市に近い対トルコ国境のフシャイフィーヤ村を徒歩で越境しようとした家族が地雷を踏み、4人が死亡、2人が負傷した。

またタッル・タムル町で戦闘があったほか、ハサカ市中央刑務所近くで爆発があった。

一方、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ハサカ市グーラーン地区で治安要員を載せたバスに仕掛けられた爆弾が爆発し、5人が死亡、多数が負傷した。

**

ダルアー県では、軍が結集するダルアー市のマディーナ・リャーディーヤを反体制武装集団が砲撃した。

また、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ハルキー首相暗殺未遂事件の直後、軍は首相の生地であるジャースィム市を空爆したという。

**

ラタキア県では、SANA(4月29日付)によると、アブー・リーシュ地方、クーズ山、スッカリーヤ町、カンダースィーヤ村、キンサッバー町、ブルジュ・カサブ村、アティーラ村などで、軍が反体制武装集団を交戦し、外国人戦闘員やシャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、ダマスカス県マッザ区での自身を狙った爆破テロに関して、「シリア・アラブ軍の追跡、残党狩り、そして治安回復によって…テロ集団とそれを支持する勢力が破綻し、フラストレーションを募らせていることを示す」と非難した。

**

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ハルキー首相暗殺未遂爆破テロに関して「一部の者が政治的解決拒否という姿勢を選んだことを示す明確な表明」と非難した。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ハヤート』(4月30日付)の電話取材に応じ、そのなかで「シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の唯一の代表として承認することは、専制的方法そのものを強化する試みである。それは一党体制、指導党体制の方法であり、行き過ぎた体制から別の行き過ぎた体制へと転換することを意味している」と述べ、連立を支援する国々の姿勢を批判した。

またシリアでの暴力と紛争が続けば、「シリアの火事はレバノン、ヨルダン、イラクにも及ぶ」と警鐘を鳴らした。

**

クッルナー・シュラカー(4月29日付)は、民主統一党(西クルディスタン人民議会)がクルド人が居住する全地域で、人民防衛隊に事前届け出のないデモを禁じる声明を出したと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ダマスカス県ヤルムーク区で活動するヤルムーク・キャンプ調整は自由シリア軍に宛てて声明を出し、そのなか「ヤルムーク・キャンプのパレスチナ人とシリア人は…自由シリア軍およびその名を語る者の行為を拒否する。自由の抑圧、逮捕、拷問、民家の没収は犯罪者体制の行いと同じだ」と拒否の姿勢を示した。

レバノンの動き

マナール・チャンネル(4月29日付)は、ベカーア県バアルベック郡カーア村郊外にシリア領から発射されたロケット弾6発が着弾し、女性1人が負傷したと報じた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、シリアでの化学兵器使用調査団長を務めるスウェーデンの科学者オーケ・セルストローム氏とニューヨークの国連本部で会談し、化学兵器使用の有無を見定めるには現地調査が不可欠との認識で一致した。

潘事務総長は会談前に記者団に対し、「包括的で信頼できる調査をするには、化学兵器が使われたと疑われている場所への立ち入りが完全に認められなければならない」と述べ、シリア政府に対し調査団を受け入れるよう求めた。

また政府側が化学兵器サリンを使った可能性があるとの米国の分析について、米政権がその後確実な証拠でないと語気を弱めたにもかかわらず、「真剣に受け止める」とした。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、化学兵器使用疑惑をめぐってシリア政府に国際調査団の受け入れを求めた国連の潘基文事務総長の発言をめぐって「大量破壊兵器に関する調査プロセスが始まったときのイラクで起きたのと同じようなことをシリアで繰り返そうとする試み」と述べ、難色を示した。

またラブロフ外務大臣は「シリアの体制を倒すのにあらゆる手段をとってよいと考えている国や外国のアクターがいる。しかし大量破壊兵器を利用するのは非常に危険で、それをもてあそぶべきでない」と非難した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、Euro 1ラジオ(4月29日付)に対して、「英国人と米国人が示した証拠はあるが、我々には確証はなく、この点で調査を行っている」と述べ、シリア政府による化学兵器使用の証拠がないことを明らかにした。

**

バラク・オバマ米大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行い、シリアでの化学兵器使用に対する懸念を表明した。

**

イスラエル労働党のビンヤーミン・ベン・エリゼール議員はイスラエルのラジオ番組(4月29日付)で、アサド政権が化学兵器を使用したことに「疑いはない」と述べる一方、「これらの武器はヒズブッラーに流出しつつある」と断じた。

しかしナハールネット(4月30日付)は、イスラエルの複数の高官の話として、ヒズブッラーが化学兵器を入手した証拠はないと報じ、ベン・エリゼール議員の発言内容を否定した。

AFP, April 29, 2013、Akhbar al-Sharq, April 29, 2013、al-Hayat, April 30, 2013、Kull-na Shuraka’, April 29, 2013、Kurdonline, April 29,2013、al-Manar
Channel, April 29, 2013、Naharnet, April 29, 2013, April 30, 2013、Reuters,
April 29, 2013、SANA, April 29, 2013、Sky News Arabic, April 29, 2013、UPI,
April 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンを訪問したボクダノフ露外務副大臣がヒズブッラー戦闘員のシリアからの撤退を求めたと報じられるなか、トルコのハタイ県アンタキア市で、「世界帝国主義の陰謀」に立ち向かうアサド政権との連帯を訴える大規模デモが実施される(2013年4月28日)

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村近くのレーダー大隊基地を反体制武装集団が制圧した。

これに先だって、27日にはヌアイマ村、サイダー町の大隊基地を完全制圧したという。

またマスミヤ町の第34旅団基地および軍事情報局周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市周辺、ダルーシャー村、スバイナ町、ザマルカー町などに軍が空爆・砲撃を行った。

一方、SANA(4月28日付)によると、シャイフーニーヤ村、リーハーン市、ハルマラ市、ハラスター市、ダーライヤー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町などで軍が反体制武装集団に対する特殊策戦を行い、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクドスィーヤー市では、軍が外国人からなる武装集団と交戦、殲滅した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦、迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(4月28日付)によると、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、複数の市民が負傷した。

またバルザ区では、ダマスカス郊外県衛星局長補佐の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、同局長補佐が負傷した。

さらにジャウバル区、バルザ区で軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺などに軍が空爆を加えた。

一方、SANA(4月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、シュグル市、バシュラームーン村、カスタン村、フーカーニー市、アイン・スーダー市、ナイラブ村、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シリア殉教者大隊・旅団、使徒末裔連合メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地内で軍と反体制武装集団が交戦した。

またハンダラート・キャンプ、タッル・リフアト市、アレッポ市サラーフッディーン地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月28日付)によると、バーブ市、ナイラブ村、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アイン・ダクナ村、アルカミーヤ村、バヤーヌーン町、カフルアントゥーン市、マーイル町、タッル・リフアト市、アアザーズ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、アブー・ダジャーナ大隊、ジュンド・ハラマイン旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、シャイフ・マクスード地区、ハイダリーヤ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クッルナー・シュラカー(4月28日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市のアラーヤー中央刑務所の収監者60人が集団脱獄を図り、反体制武装集団が制圧する地域に逃走した。

同報道によると、治安当局および民主統一党人民防衛隊が脱獄者を追跡、人民防衛隊が4人を拘束、1人を殺害した。

**

ヒムス県では、SANA(4月28日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

またクサイル市郊外のカマーム村、シューマリーヤ市、サッルーミーヤ市、アクラブ町、東ブワイダ市、西ダミーヤ市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区タッルドゥー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

うちクサイル市郊外のカマーム市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

**

ハマー県では、SANA(4月28日付)によると、ファーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(4月28日付)によると、ムッラート村、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、SANA(4月28日付)によると、ラッカ市のスィナーイーヤ地区にある「シャリーア委員会」本部など反体制武装集団の拠点を軍が破壊し、ラッカ・イスラーム革命家旅団メンバーなどを殺害した。

レバノンの動き

ヒズブッラー執行議会のハーシム・サイフッディーン議長は、「シリアにおける我々の姿勢は、レジスタンスに力を与えると考える。シリアで起きている戦闘はレジスタンスとその武器を標的にしている」と述べた。

そのうえでサイフッディーン議長は「そこ(レバノン南部)で勝利したのと同じ戦い、同じ大義、同じ目的であり、我々はこれらすべての戦いにおいて勝者となるだろう」と強調した。

**

LBCI(4月28日付)は、ベカーア県バアルベック郡シャムスィーン村・カフルザバド村間でシリア領からの銃撃により13歳にシリア人が死亡したと報じた。

諸外国の動き

SANA(4月28日付)は、トルコのハタイ県アンタキア市で、「世界帝国主義の陰謀」に立ち向かうシリア(アサド政権)との連帯を訴えるデモが行われ、多数の市民が参加した、と報じた。

**

SANA, April 28, 2013
SANA, April 28, 2013

ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣は4日間にわたるレバノン訪問を終え帰国した。

『ナハール』(4月28日付)によると、副大臣は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長らと会談し、ヒズブッラーの参戦が事態をさらに複雑にするとしたうえで、ヒズブッラーにシリアからの戦闘員の撤退を求めたと報じた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は『ヴェルト・アム・ゾンターグ』(4月28日付)に対して「シリアでの戦争の火の手がトルコ、イラク、ヨルダン、レバノンといった隣国に及び、我々の友好国であるイスラエルの脅威とならないよう警戒せねばならない」と述べた。

またドイツが民主的反体制勢力を支援すると強調する一方、「アサドと戦うテロリストや過激派は我々の友人ではない」と非難した。

**

イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領はシリア情勢に関して、反体制勢力が勝利すれば、地域の不安定化をもたらし、「地域全体に脅威となる」と述べた。

**

英国のデヴィッド・リチャーズ軍参謀長は、『サンデー・タイムズ』(4月28日付)に対して、シリア政府による化学兵器使用に対して英国政府が介入すれば、英国軍を「全面戦争」に巻き込む危険があると警鐘を鳴らした。

AFP, April 28, 2013、Akhbar al-Sharq, April 28, 2013、al-Hayat, April 29, 2013、Kull-na Shuraka’, April 28, 2013、Kurdonline, April 28,2013、LBCI,
April 28, 2013、al-Nahar, April 28, 2013、Naharnet, April 28, 2013、Reuters, April 28, 2013、SANA,
April 28, 2013、The Sunday Times, April 28, 2013、UPI, April 28, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア外務省がブラーヒーミー共同特別代表に「国連代表としてのみ協力する」意向を示す、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスクのミナレットが軍と反体制武装集団の交戦のなかで倒壊(2013年4月24日)

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は、声明を出し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表に関して、「国連代表としてのみ協力をする。なぜならアラブ連盟はシリアに対する陰謀の一当事者であり、停戦監視団の任務が終了した2012年2月12日にその役割を終えたからである」と発表した。

SANA(4月24日付)が報じた。

**

シリア外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、アレッポ県でのキリスト教主教2人の誘拐に関して、シャームの民のヌスラ戦線に属するチェチェン人テロリストが率いる武装集団の犯行だと報告し、シリア・アラブ共和国が引き続き国内でテロとの戦いを進めるとの意志を表明した。

**

インテルファクス通信(4月24日付)は、ロシア訪問中のウムラーン・ズウビー情報大臣がモスクワの大学での講演で、「シリアは国民に対して化学兵器を使用しない。また戦時下であっても、イスラエルに化学兵器を使用することさえない」と述べたと報じた。

 国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街(UNESCO世界文化遺産)にあるウマイヤ・モスクのミナレットが軍と反体制武装集団の交戦のなかで倒壊した。

al-Hayat, April 25, 2013
al-Hayat, April 25, 2013

反体制武装集団戦闘員はユーチューブにアップされた映像などで、ミナレットが軍の戦車による砲撃を受けて破壊、倒壊したと主張した。

一方、シリア・アラブ・テレビ(4月24日付)は、シャームの民のヌスラ戦線に属するテロリストがミナレットを爆破し、その映像を撮影…、シリア・アラブ軍に嫌疑をかけている」と報じた。

他方、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(4月24日付)に対して、「数ヶ月におよぶ激しい戦闘の被害が原因で、ミナレットが自壊した可能性もある」と述べた。

ミナレットが破壊される瞬間の映像が存在していないため、いずれの主張が真実かは不明。

**

同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンナグ航空基地に反体制武装集団が突入し、軍と激しく交戦した。

シリア軍消息筋によると、軍は侵入した反体制武装集団を撃退したという。

またクルドオンライン(4月24日付)によると、アフリーン市郊外のザーラータ村を軍が空爆し、1人が死亡、4人が負傷した。

一方、SANA(4月24日付)によると、ズィヤーラ村、ダイル・ジャマール村、カフルハーシル村、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、マンナグ村周辺、ハーン・アサル村、ハイヤーン町、ズハイラーン市、マーイル町、アレッポ市アーミリーヤ地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団およびSANA(4月24日付)によると、ジャルマーナー市内の住宅街に迫撃砲弾2発が着弾し、市民7人が死亡、25人が負傷した。

一方、SANA(4月24日付)によると、ドゥーマー市、ハラスター市、アイン・タルマー村、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(4月24日付)によると、バラームカ地区で、電力省教育訓練局のムハンマド・アブドゥルワッハーブ局長が乗った車に仕掛けられた爆弾が爆発し、同局長が死亡した。

シリア人権監視団によると、この爆弾テロで2人が負傷したという。

一方、SANA(4月24日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(4月24日付)によると、ヒムス市カラービース地区、ハーリディーヤ地区、クサイル市郊外のハイダリーヤ村、ハミーディーヤ市、アッシュ市、ダブア市、東ブワイダ市、西ダミーナ市、カマーム村、ラスタン市郊外のアイン・ダナーニール市、ウンム・シャルシューフ村、ザアフラーナ村、タッルドゥー市、ダール・カビーラ村、タルビーサ市、キースィーン市、ブルジュ・カーイー村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、ムンタサル・ビッラーヒ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(4月24日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、マアリー市、カフルハーヤー村、ウンム・ジャリーン村、タマーニア町、サルジャナーズ市、タッル・マンス村、タッル・スーダー市、カフルジャーリス市、マアッラトミスリーン市、ハルブヌーシュ村、タフタナーズ市、ナイラブ村、アリーハー市、タッル・ザハブ町、バシュラームーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(4月24日付)によると、ヌサイリー山地山頂に近い避暑地スルンファ町で反体制武装集団が撃ったロケット弾が着弾し、市民1人が死亡、4人が負傷した。

**

ギリシャ正教会アレッポ主教区のガッサーン・ワルド神父は、22日にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教に関して、AFP(4月24日付)に「我々には新たな情報はない。解放されたと述べることはできない」と述べた。

またオリエント行動(Oeuvre d’Orient)協会(本部パリ)は、両主教に関して、AFP(4月24日付)に対して解放されたことを示す「具体的な証拠」を未だに得ていないと述べた。

同協会は23日に、両主教が解放されたと発表していた。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、『ワタン』(4月24日付)に対して、委員会が現在、政治的解決を支持するすべての勢力からなる「民主的市民同盟」の結成をめざしているとしたうえで、そのなかにシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ前議長も参加するだろうと述べた。

**

クルドオンライン(4月24日付)によると、クルド最高委員会メンバーのイルハーム・アフマド女史は、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、「石油だけを通じてシリアの反体制勢力と関わろうとすることは間違っている」と非難した。

そのうえで、「クルド人地域の石油の販売は、クルド最高委員会の決定に基づく」と主張し、シリア革命反体制勢力国民連立との協議により、石油取引を行うとするEUの決定に異論を唱えた。

**

シリア・イスラーム戦線は声明を出し、ラタキア県カルダーハ市に迫撃砲2発を打ち込んだと発表した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は、アレッポ市のウマイヤ・モスクのミナレット倒壊に関して、軍戦車の砲撃で破壊されたと断じ、「人類の文明に対する犯罪」と非難した。

**

自由シリア軍事評議会大隊参謀委員会メンバーを名乗るムハンマド・ダーマス・カイラーニー「博士」は、シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長を「自由シリア軍への武器支援に熱心なキリスト教徒」と評価し、暫定議長就任を歓迎した。

クッルナー・シュラカー(4月24日付)が報じた。

**

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードはAFP(4月24日付)に対して、「自由シリア軍最高司令部(参謀委員会)の公式の姿勢は…シリアでのジハードの呼びかけを感謝しつつも、それを拒否するというものだ」と述べ、レバノンの一部サラフィー主義シャイフによる呼びかけを拒否する姿勢を明示した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は、一部サラフィー主義者によるシリアでのジハードの呼びかけに対して、「シリアへの武器、戦闘員の派遣、レバノンでの訓練基地の設置」を行わないよう呼びかけた。

**

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は声明を出し、「レジスタンスは、狙撃銃を誤った方に向け、市民に対する虐殺を行う体制を支持している」と述べ、ヒズブッラーのシリア危機への関与を批判した。

また「シリア国民はレバノンのジハード主義者を必要としていない」と述べ、一部サラフィー主義シャイフによるジハードの呼びかけを拒否する姿勢を明示した。

**

ナハールネット(4月24日付)は、南部県サイダー市のビラール・ブン・ラバーフ・モスクのイマーム、アフマド・アスィールが「シリア、とりわけクサイルでのジハードは義務であり、レバノンでそれが可能な者なら誰でも、我々に加わらねばならない」と述べた。

アスィールはまた「我々はシリアの革命に巻き込まれることに反対だ。だが、ヒズブッラーは専制君主アサド支持に固執しており、我々に選択肢はない」と付言した。

同報道によると、23日の段階で、数十人の若者がアスィールの事務所を訪れ、ジハードへの参加を誓約したという。

諸外国の動き

ジル・ド・ケルショヴEUテロ対策調整官はBBC(4月24日付)に対して、約500人のEU諸国出身者がシリアで反体制武装集団に参加していることを明らかにした。

**

ローマ法王フランシスコは、22日にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐され、解放に関して情報が錯綜しているシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教に関して、「両主教がそれぞれの教区に速やかに戻ることを望む」と述べた。

AFP, April 24, 2013、Akhbar al-Sharq, April 24, 2013、al-Hayat, April 25, 2013、Kull-na Shuraka’, April 24, 2013、Kurdonline, April 24,
2013、Naharnet, April 24, 2013、Reuters, April 24, 2013、SANA, April 24, 2013、UPI,
April 24, 2013、al-Watan, April 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のマーリフ法務委員会委員長がハティーブ議長による辞任を「合法性を覆すクーデタ」と非難する一方、アラブ連盟事務総長はシリアの反体制武装集団への武器供与を是認する姿勢を示す(2013年4月23日)

シリア政府に動き(国内の動き)

ワーイル・ハルキー内閣は閣議を開き、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、「敵対行為」を非難、シャームの民のヌスラ戦線に代表されるテロ集団への武器、資金確保のため、世界のいかなる勢力がシリア国民の財産を盗み、売買することをも許さないとの意思を表明した。

**

シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長および安保理議長宛に書簡を送り、そのなかで、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、内政干渉を禁じた国際法の原則への前代未聞の新たな違反だと批判・抗議するとともに、必要な措置をとる当然の権利を行使し、主権と自国の天然資源を保全するとの意思を明示した。

**

SANA(4月23日付)は、テロ掃討と治安回復が完了したアレッポ県サフィーラ市郊外にあるワーハ村で、シリア軍への支持、犠牲者への哀悼の意を示す大規模な行進が行われ、多数の住民が参加したと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(4月23日付)は、先週アレッポ市で死亡したリフアト・アサド前副大統領の娘シャザー・アサドの葬儀に関して、アサド大統領が叔父である前副大統領の帰国と葬儀への参列を認めなかったと報じた。

**

東方教会を支援する団体、オリエント行動(Oeuvre d’Orient)協会(本部パリ)は声明を出し、22日にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教が無事解放され、アレッポ市にいると発表した。

同協会は誘拐直後から、反体制武装集団と国際社会に対して両主教の釈放に向けて働きかけるよう求めていた。

**

ワーイル・ハルキー首相は、メーデーと東方教会の復活祭に合わせて、5月1日から6日まを休日とすると官庁に対して布告した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフ法務委員会委員長は、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任と、連立政治委員会によるジョルジュ・サブラー暫定議長任命を「合法性を覆すクーデタ」と非難した。

マーリフ委員長は、議長の任免権は政治委員会ではなく、総合委員会にあるとしたうえで、総合委員会が新議長を選出するまで、ハティーブ前議長が議長職を遂行しなければならないとの見解を示し、前議長に職務続行を求めた。

**

『ハヤート』(4月24日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ前議長が議長辞任と合わせて、「民主市民同盟」への移籍を検討していたと報じた。

民主市民同盟は、国内で活動するシリア国家建設潮流や、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長らの協力のもと、活動家らが結成した組織で、ジュネーブ合意に基づく紛争の平和的解決をめざしている。

同報道によると、民主市民同盟の幹部の一人が、カイロを訪問し、ハティーブ議長(当時)に会った際、議長は同盟への参加の意思を示していたという。

これを受け、民主市民同盟は、ハティーブ前議長と連絡をとり、移籍に向けた調整を行うという。

**

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は『フィナンシャル・タイムズ』(4月23日付)のインタビューに応じ、そのなかで、自由シリア軍兵士30,000人を動員し、油田地帯、穀物庫、対トルコ・イラク国境の通行の安全を確保する意思があると述べた。

イドリース参謀長はまた、アル=カーイダと関係があるとされるシャームの民のヌスラ戦線などに変わる「穏健」な軍を創設したいとしたうえで、参謀委員会に参加する戦闘員に対して一人あたり100米ドル、総額で3,500万~4,000万米ドルを給与として支払う予定だと述べた。

**

クッルナー・シュラカー(4月23日付)は、民主統一党がハサカ県カーミシュリー市の住民に対して、EUなどから持ち込まれた自動車を登録し、登録料15,000シリア・ポンドを支払うよう呼びかけていると報じた。

国内の暴力

ヒムス県では、クサイル地方で軍の猛攻が続き、AFP(4月22日付)は、軍消息筋の話として、同地方が「数日以内」に軍によって奪還されるだろうと報じた。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、軍が北部、東部の戦線からクサイル地方に進軍する一方、「ヒズブッラーは南部と西部の戦線で戦闘を行っている」という。

アブドゥッラフマーン代表はまた、軍がクサイル市周辺のほとんどの村を制圧したことを認めたうえで、軍の「作戦の第1の目的は、ヒムスおよびその周辺地域への過激なテロ集団の侵入を阻止することである…。また長期的目標は、住民の帰還を保証するため、同地域からテロリストを掃討することにある」と述べ、レバノンからサラフィー主義者が潜入していることを認めた。

しかし、アブドゥッラフマーン代表によると、クサイル市奪還は、戦闘員の志気が高く、死を覚悟して戦っているため、困難だという。

一方、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市などが軍の空爆を受けた。

他方、SANA(4月23日付)によると、クサイル市、同市郊外のカマーム村、サッルーミーヤ村、シューマリーヤ村、ラフムーニーヤ村、アースィー川西岸の村々などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またラスタン市郊外、タルビーサ市郊外、ヒムス市ハーブ・フード地区などでも、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊、さらにレバノン領内からの潜入を試みる戦闘員を撃退した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で反体制武装集団が軍の大佐を暗殺した。

一方、SANA(4月23日付)によると、マッザ区にあるアラブ作家連合ビル近くで、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させた。死傷者はなかった。

また、ドゥンマル区では、反体制武装集団が自爆ベルトを爆発させ、死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ハーン・シャイフ・パレスチナ難民キャンプ周辺、ザマルカー町、ナブク市、ダイル・アティーヤ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(4月23日付)によると、軍がウタイバ村で反体制武装集団の制圧を完了し、治安と安全を回復した。

また、アッブ農場郊外、カラム・ラサース市、ザマルカー町、アイン・タルマー村、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、ハラスター市郊外に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が負傷した。

このほか、ダイル・ムクリン町では、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突、双方に複数の死傷者が出た。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町、ハルファーヤー市、タイバト・イマーム市、シャフシャブー山、ジスル・バイト・ラース村などが軍の空爆・砲撃を受けた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルマー町が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月23日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、アイン・スーダ村、マアッラトミスリーン市、ダイル・サンバル村、マナーラ・ハースィカ市、タフタナーズ市、マアッラト・ヌウマーン市、ナヒーラ市、アブー・ズフール軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラビーア町、マルジュ・ザーウィヤ村、カールーラ村などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月23日付)によると、ムライジュ村、カルト村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を攻撃・破壊し、戦闘員を殺傷した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市の住民から編成される人民諸委員会が民主統一党人民防衛隊をズィヤーラ村近くで要撃し、その戦闘員9人を殺害した。

同監視団はヌッブル市の住民が「シーア派」であると敢えて明言することで、現下の武力紛争へのヒズブッラーの介入をことさら強調しようとしている。

一方、SANA(4月23日付)によると、マンナグ村および動詞周辺、アルカミーヤ村、アアザーズ市、ダイル・ジャマール村、マーイル町、ムスリミーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、アフガン人戦闘員3人、チェチェン人戦闘員4人を殺害した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺の軍と反体制武装集団の戦闘で、武装集団の司令官1人が死亡した。

またタブカ市、ラッカ市が軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(4月23日付)によると、(ラッカ市で)フザイファ・ブン・ヤマーン大隊とシャーム自由人大隊が、シャリーア委員会の権能をめぐって交戦した。

2日におよぶこの戦闘で、双方に多数の死傷が出たという。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のジュバイラ地区、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団と交戦した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線が占拠するヤアルビーヤ町に対して軍が空爆を加えた。

レバノンの動き

シリアでのジハードを呼びかけた北部県トリポリ市のシャイフ、サーリム・リファーイーは、LBCI(4月23日付)に対して、「(マルワーン・)シルビル(内務地方自治大臣)が私に電話してきたので、ヒズブッラーがシリアへの戦闘員派遣を停止すれば、我々はジハードの呼びかけを取り下げる用意があると彼に伝えた」と述べた。

**

ムスタクバル・ブロックは声明を出し、「我々はレバノンの若者がシリアでの戦闘に参加することを受け入れない。シリア国民は戦闘員ではなく支援を必要としている」と述べ、レバノンのスンナ派シャイフらによるシリアでのジハードの呼びかけに対して拒否の姿勢を示した。

また声明では、ヒズブッラーによるシリア国内での戦闘への参戦、シリア領からの越境攻撃を非難した。

**

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー元首相は声明を出し、ヒズブッラーのシリア危機への参戦に関して、「レバノン、レバノン国民、シリア、シリア国民への犯罪だ」と非難した。

**

NNA(4月23日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡マアーリー地方にシリア領から発射された迫撃砲弾2発が着弾し、建設中のビルが被害を受けた。

諸外国の動き

NATO外相会議に出席するためブリュッセルを訪問中のジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が会談し、シリア情勢などについて協議した。

また両外相はアナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長とそれぞれ個別に会談した。

**

ジョン・ケリー米国務長官は、NATO外相会議出席のため訪問中のブリュッセルで、化学兵器使用を含むシリアでのあらゆる脅威から加盟国を守るための行動をNATOがどのように用意するかを検討しなければならないとの意思を示した。

またケリー米国務長官は、記者団に対して「(イスラエルのベンジャミン・)ネタニヤフ首相と今朝、(電話で)話した。会談で、このこと(シリア政府による化学兵器使用)を確認することができなかった」と述べた。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、NATO外相会議後、記者団に対して、「過激な少数派が国際社会の努力を無に帰すれば」事態はさらに悪化すると述べ、欧米諸国、湾岸アラブ諸国、トルコを暗に批判した。

また、アラブ連盟に関しては、「シリアの反体制勢力に連盟の代表ポストを与えることはどういう意味があるのか?…こうした行為は、外交的、政治的手段を通じた紛争解決への希望がどのように破壊されたのかを示すものだ」と厳しく非難した。

そのうえで、「危機解決の遅れは、過激派による事態掌握を可能にするかもしれない…。現地には交渉と移行期政府樹立をめざす勢力がいる」としたうえで、ジュネーブ合意に基づく紛争解決を改めて主唱した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談後、シリア情勢に関して「シリア危機を解決する直接の道は、政治的出口を作ることにある」と述べた。

**

国連の潘基文事務総長は、シリアの紛争当時者への武器の流入を止めるよう呼びかけ、武器の増加がさらなる死者と破壊をもたらすと警鐘を鳴らした。

マーティン・ニスルキー報道官が明らかにした。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、国連の潘基文事務総長と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後、アラビー事務総長は、「シリア政府が一部の当時者から武器を受けてとっているのであれば、反体制活動家への武器供与はある種のバランスを作り出すために不可欠だ」と述べ、武装集団への武器供与を是認するとの姿勢を示した。

**

バラク・オバマ米大統領はワシントンDCでカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

**

ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、記者会見で、シリア政府が国民に対していまだ化学兵器を使用していないとの結論に達したと述べた。

**

イスラエル軍諜報機関調査ユニットのイタイ・バロン准将は、シリア国内の被害状況・犠牲者を撮した写真から、同国の複数カ所で軍が化学兵器を使用していると理解できるとの見解を示した。

UPI(4月23日付)などが報じた。

AFP, April 24, 2013、Akhbar al-Sharq, April 24, 2013、The Financial Times, April 23, 2013、al-Hayat, April 25, 2013、Kull-na Shuraka’, April 24, 2013、Kurdonline, April 24, 2013、LBCI, April 23, 2013、Naharnet, April 24, 2013、NNA, April 23, 2013、Reuters, April 24, 2013、SANA, April 24, 2013、UPI, April 24, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がボルージェルディー国家安全保障外交委員長を団長とするイラン国会使節団と会談するなか、EUが外相理事会を開きシリアからの石油禁輸措置を一部緩和などを決定(2013年4月22日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、アラーッディーン・ ボルージェルディー国家安全保障外交委員長を団長とするイラン国会使節団とダマスカスで会談し、地域情勢などについて意見を交換した。

SANA(4月22日付)によると、会談で、アサド大統領は、両国関係強化に向けてイラン国会で提案されている域内諸国支援策に協力する用意があると述べた。

一方、イラン国会使節団はワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ジハード・ラッハーム人民議会議長、パレスチナ諸派代表、アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティーなどと会談した。

会談後の記者会見で、ボルージェルディー国家安全保障外交委員長は、一部のシリア周辺諸国が「ヨルダン方面でシリアに対する新たな戦線が開かれたことは、米国とその同盟国の政治的失敗を示している」と述べた。

SANA, April 23, 2013
SANA, April 23, 2013

また「シリアでの対立や危機を煽り、無実のシリア国民を殺している…。この危機は早晩収束し、これらの国々の有害で誤った行為しかシリア国民の記憶には残らないだろうということを知るべきだ」と非難した。

また「現下の最善の選択肢は、2014年夏までアサド氏が大統領の地位にとどまり、その後、シリア国民が自らの行く末を決めるための言葉を述べるための自由選挙が行われること」と述べた。

そのうえで、シリア政府による危機解決政治プログラムへの支持を表明した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月23日付)によると、軍が攻勢をかけるジュダイダト・ファドル町で、軍によって殺害された(と思われる)女性10人、子供3人、男性88人、反体制武装集団戦闘員24人の遺体が発見された。

クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、ダマスカス郊外県ジュダイダト・ファドル町での軍の掃討作戦に関して、「第4(機甲)師団と黒い服を着た国防隊」が住民虐殺と民家焼き討ちを主導していたと報じた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市、ジュダイダト・ファドル町、ダーライヤー市、ドゥマイル市、カナーキル村、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ダイル・ハビーヤ村、ザーキヤ町などで、軍が反体制武装集団を追撃し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、複数の反体制消息筋によると、マンナグ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

同消息筋によると、反体制武装集団は同飛行場を防衛する大隊本部に突入し、武器庫を占拠、司令官を殺害したという。

シリア人権監視団によると、このほか、クワイリス航空基地周辺、マーリア市、ヌッブル市、タッル・リフアト市、アレッポ市ライラムーン地区などでも、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行ったという。

また同監視団によると、ヌッブル市・ズィヤーラ村間で、自由シリア軍、民主統一党人民防衛隊が、軍および政権を支持するシーア派民兵と交戦した。

同地区はクルド人が多く住んでいるという。

戦闘は、マンナグ航空基地、ヌッブル市、ズィヤーラ村に対する反体制武装集団の包囲を解除するため、軍が北進したことで発生したという。

戦火はザフラー町西部まで拡大し、ヌッブル市とザフラー町の住民、マーイル町とバヤーヌーン町の武装集団が軍との戦闘に参加したという。

このほか、アレッポ市では、サラーフッディーン地区、アーミリーヤ地区、ブスターン・カスル地区などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、マンナグ村、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、ズィヤーラ村、マーイル町、クファイン市、カフル・アントゥーン村、ズィラーア市、ダイル・ジャマール村、タッル・アッザーズ市、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マルジャ地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、カフルダーイル村で、シリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教が乗った車が襲撃され、武装集団に誘拐されたと報じた。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月23日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とサラーフッディーン大隊が、ムライハ市入り口にある灯油貯蔵所の検問所に対して、爆弾を積んだ車2台で自爆攻撃を行い、治安要員18人を殺害した。

またシリア人権監視団によると、ザマルカー町周辺、アイン・タルマー村、ダーライヤー市、ムライハ市、ヤルダー市、バービッラー市、イバーダ市、ナブク市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル地方での戦闘で、ヒズブッラーの戦闘員2人が死亡した。

またヒムス市の複数の地区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、タドムル市デデマン・ホテル近く、アブー・フーリー村(クサイル地方)、ダブア市、東ブワイダ市、カマーム市、ハミーディーヤ市、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、マスウーディーヤ村、ハイダリーヤ村、キースィーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市ダッバーガ地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ザーウィヤ山周辺の村々、マアッラト・ヌウマーン市、ビンニシュ市、ジャルジャナーズ町などが軍の砲撃・空爆を受け、イドリブ市内で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、アブー・ズフール軍事基地周辺、ウンム・ジャリーン村、タッル・サラムー村、ブワイティー・タリーハ村、ジャーヌーディーヤ町、ヤアクービーヤ村、ジャミーリーヤ村、ハーッジ・ハンムード村、アイン・バーリダ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺に対して、軍が空爆を行った。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ダイル・ザウル市旧空港地区、フサイニーヤ町、ムハイミーディーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カティーバ村、ウンム・マヤーズィン町、サフム・ジャウラーン村、ヌアイマ村、タスィール町、ハイト村、シャジャラ町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月22日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(4月22日付)によると、ジャウバル区、ルクンッディーン区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(4月22日付)によると、マズィーン村、バーシューラ村、カールーラ村、ムライジュ村、カサーティル村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(4月22日付)に対して、ヒムス県クサイル地方での軍の攻勢に関して、「クサイルでの戦闘を指揮しているのはヒズブッラーのエリート部隊だ」と断じた。

アブドゥッラフマーン代表は、このエリート部隊に関して「必ずしもレバノン出身の戦闘員ではなく、レバノン人が住むシリア領内のシーア派の村々出身のヒズブッラーの戦闘員だ」と付言した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任を受け、イスタンブールで政治委員会会合を開き、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長を暫定議長に任命した。

また、前議長の任期終了に合わせ、5月10、11日に議長選挙を行うことを決定した。

サブラー暫定議長は、イスタンブールで記者会見を開き、ヒズブッラー戦闘員の危機への参戦に関して、「ヒムスで起きていることはシリア国民に対する戦線布告だ。こうした認識のもとアラブ連盟は事態に対処しなければならない」と述べた。

**

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は、シリアの友連絡グループ会合でのシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任表明に関して、フェイスブック(4月22日付)で「外国の前で辞表を投げつけることは…、彼らの会社の社員だったかのような振る舞いだ」と批判した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立経済活動グループ代表でシリア国民評議会幹部のウサーマ・カーディーは、EUによる対シリア石油禁輸措置部分緩和に関して、「暫定政府がなければ、何もできない。今月末に連立に対して、暫定政府をめぐる提案がなされるだろう」と述べた。

**

ナハールネット(4月22日付)によると、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、レバノン政府のシリア危機に対する不関与政策に関して、「(ミシェル・)スライマーン(大統領)のシリア国民や反乱軍に対する敵対的姿勢に一部のレバノン人、アラブ人は疑問を抱いていない。なぜならお前(スライマーン大統領)の大統領就任において主要な役割を果たしたバッシャール・アサド大統領に忠誠を尽くしているからだ」と批判した。

レバノンの動き

南部県サイダー市のビラール・ブン・ラバーフ・モスクのイマーム、アフマド・アスィールは「自由抵抗大隊」の結成を宣言し、ヒムス県クサイル地方で「不正な扱いを受ける者たち」を支援するためにシリアに向かうようサラフィー主義者たちに呼びかけた。

アスィールは「イランの党(ヒズブッラー)の攻撃を恐れるすべてのレバノン人に、5人からなる秘密結社を作って武装し、自衛のために備えよ」としたうえで、「我らが民を救うため、シリアに行ける者は防衛ジハード」を行うよう求めた。

**

北部県トリポリ市のシャイフ、サーリム・リファーイーは、「クサイルのスンナ派同胞のために人員と武器を支援する」と宣言した。

また「すべてのスンナ派の若者に対して、クサイルでのジハードの義務を果たすための第一陣を派遣する充分な準備を行う」よう呼びかけた。

そのうえで、レバノンの大統領、首相、国民議会議長に対して「クサイルのレバノン人とシリア人に対するヒズブッラーの攻撃に沈黙することは、レバノンでの宗派内乱への門戸を開くことになる」と警鐘を鳴らした。

諸外国の動き

EUはルクセンブルクで外相理事会を開き、シリアからの石油禁輸措置を一部緩和し、反体制勢力からの原油、石油産品の購入、反体制勢力が支配するとされる地域の石油部門への投資、関連技術・設備の輸出などを認める決定を行った。

反体制勢力が支配するとされる地域での住民生活の再建や経済活動の回復を後押しするのが目的だという。

EUの官報で発表されたこの決定は、各国の関係当局による取引の監督、シリア革命反体制勢力国民連立との事前協議が定められており、2013年6月1日に発効することになっている。

なお信頼できる複数の消息筋が、『ハヤート』(4月23日付)に明らかにしたところによると、シリア国内の70カ所以上の油田が、反体制武装集団と民主統一党によって掌握されているという。

**

UNHCRのヨルダン事務所は、シリアで避難生活を送っていたイラク人約2,800人がヨルダンに避難した、と発表した。

**

SANA(4月22日付)は、イラクの匿名治安筋の話として、イラクのアンバール県、ニネベ県の対シリア国境地帯複数カ所で、イラク軍第27旅団と連邦警察が、シリア領に潜入しようとしていたサラフィー主義戦闘員数十人を追跡・逮捕、武器・装備を押収したと報じた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア軍と反体制武装集団の双方によるレバノンへの「無差別の越境攻撃」が国際法に違反すると非難、その停止を呼びかけた。

AFP, April 23, 2013、Akhbar al-Sharq, April 23, 2013、al-Hayat, April 24, 2013、Kull-na Shuraka’, April 23, 2013、Kurdonline, April 23,
2013、Naharnet, April 23, 2013、Reuters, April 23, 2013、SANA, April 23, 2013、UPI,
April 23, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの友連絡グループ会合が開かれ米国務長官はシリア革命反体制勢力国民連立に政権との交渉に応じるよう圧力をかけたことを示唆、自由シリア軍合同司令部がヌスラ戦線などのサラフィー主義者らが「革命を邪悪なものにしようとしている」と断言(2013年4月20日)

国内の暴力

ハサカ県では、ハワルニュース(4月20日付)によると、ハッダード村の住民の要請により、民主統一党人民防衛隊が同村に突入し、反体制武装集団(自由シリア軍)を放逐した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムサッラブ村で続く住民(部族)とシャームの民のヌスラ戦線の戦闘で、住民、ヌスラ戦線双方の死者数がそれぞれ17人、20人に達した。

同監視団によると、戦闘は石油輸送トラックの盗難をめぐって3月末に始まり、住民は軍が供与した武器でヌスラ戦線に対峙しているという。

また戦闘は、住民がヌスラ戦線の戦闘員17人(14人がシリア人、6人が外国人)を殺害したのに対して、ヌスラ戦線が報復として民家30県を爆破したことで、激化したという。

このほか、ダイル・ザウル市郊外で、旅客バスが迫撃砲による攻撃を受け、多数の市民が死亡、またハリータ村への軍の攻撃で、女性1人、子供3人が死亡した。

一方、SANA(4月20日付)によると、ダイル・ザウル市内、マリーイーヤ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員を殲滅した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外の村々で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員6人が死亡した。

同監視団によると、戦闘には、ヒズブッラーが支援する人民諸委員会(自警団)と武装集団が参加し、戦闘によって軍はラドワーニーヤ村を制圧した。

また軍はクサイル市郊外、ハウラ地方、ヒムス市に砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、クサイル市郊外のカーディシュ村、マンスーリーヤ村、ラドワーニーヤ村、サアディーヤ村、サクマーニーヤ村を軍が奪還し、治安を回復した。

またラスタン市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ハーリディーヤ地区、アーミリーヤ市、サルーミーヤ市、ウンム・シャルシューフ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアレッポ街道地区で軍が反体制武装集団を要撃し、戦闘員4人を殺害した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍による掃討作戦が続き、ジュダイダト・ファドル町では、この4日で69人が死亡した。

死亡した69人のほとんどは武装集団戦闘員だという。

またジュダイダト・アルトゥーズ町、ムウダミーヤト・シャーム市、ドゥーマー市、アイン・タルマー村、ウタイバ村、ヤブルード市などで軍が反体制武装集団の追撃を行った。

これに関して、クッルナー・シュラカー(4月20日付)は、ジュダイダト・ファドル町に対する軍の掃討作戦にはヒズブッラーの戦闘員が多数参加していると報じた。

一方、SANA(4月20日付)によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町の住宅街に向かって反体制武装集団が迫撃砲を発射し、複数の市民が負傷した。

またフサイニーヤ町、バービッラー市、ブワイダ市、ハラスター市、ドゥーマー市、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、ヤルダー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、バルザ区で反体制武装集団が旅客マイクロバスを襲撃、これにより乗客1人が死亡、16人が負傷した。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーラ村、カフルルーマー村、マアッル・シューリーン村、サラーキブ市などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(4月20日付)によると、イブリーン村近くで、トルコ領内から武器を持ち込もうとした武装集団を軍が攻撃し、戦闘員を殲滅した。

またタッル・サラムー村、ウンム・ガザール村、アブー・ズフール軍事基地周辺、ビンニシュ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市などに軍が砲撃を加え、アレッポ国際空港周辺で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月20日付)によると、ナイラブ村、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、アルカミーヤ村、マーイル町、タッル・リフアト市、フライターン市、ヤーキド・アダス村、カフルハムラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ジャミーリーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供2人が負傷した。

さらに同市のシャイフ・マクスード地区、バーブ街道地区、旧市街、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、また第93旅団が展開するアアユージュ村に近いアッジャージュ村が砲撃を受けた。

このほか、サフサーファ村では、部族長のアブドゥッラフマーン・ムハンマド・ファラジュの家に迫撃砲弾が着弾し、ファラジュ氏が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジーザ町、ジャースィム市、ナマル町、ダルアー市ダム街道地域などが、軍の砲撃を受けた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリーは、中東通信(4月20日付)に宛てた声明で、シャームの民のヌスラ戦線に代表されるサラフィー主義者の一部が、イラン・イスラーム革命防衛隊やシリアのムハーバラートと連携するイラクからの戦闘員で、「革命を邪悪なものにしようとしている」と断じ、非難した。

またヌスラ戦線のアミールを名乗るアブー・ムハンマド・ジャウラーニーに関して、イランとシリアの諜報機関が作り上げた「音声録音でしか知られていない架空の人物だ」とその存在を否定した。

**

シリア革命反体制勢力国民調整委員会はフェイスブック(4月20日付)で声明を出し、「現体制が存在する限り、シリアの危機に政治的解決の余地はない」としたサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣の発言を「シリアの現状への深遠な理解」と賞賛した。

レバノンの動き

NNA(4月20日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡カスル村および同村郊外に、シリア領から発射された迫撃砲弾5発が着弾した。

諸外国の動き

トルコのイスタンブールで、シリアの友連絡グループ会合が開かれ、米英仏、ドイツ、イタリア、トルコ、サウジアラビア、カタールなど11カ国の外相が参加した。

シリアの反体制勢力からは、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長、ジョルジュ・サブラー副議長、リヤード・サイフ副議長、スハイル・アタースィー副議長、ムスタファー・サッバーグ書記長、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長が出席したが、それ以外の組織は参加しなかった。

シリア革命反体制勢力国民連立は、会合開催に合わせて声明を出し、アサド政権が化学兵器や弾道ミサイルの使用などを通じて「テロ」を行っていると断じる一方、シリアの友連絡グループ会合が事態に充分対処していないと非難、4項目からなる要望を行ったと発表した。

イスタンブールでのシリアの友連絡グループ会合に提出された4項目の要望は以下の通り。

1. シリア政府による弾道ミサイル、化学兵器使用を非難し、その防止を具体化させるための国連安保理決議の採択。
2. シリアの友連絡グループ構成国による無人航空機を使用した弾道ミサイル発射地点に対する「外科的打撃」。
3. 飛行禁止空域の設置。
4. シリア革命反体制勢力国民連立を支援するための国際基金の設置。

この声明に関して『ハヤート』(4月22日付)は、「あらゆる形態のテロを拒否する」との文言が含まれていると報じたが、実際の声明(http://all4syria.info/Archive/78671)にはこうした文言はない。

会合に先立って、ジョン・ケリー米国務長官に同行する米高官は、米国はシリア革命反体制勢力国民連立や自由シリア軍参謀委員会など、穏健な反体制勢力に対して、非殺傷兵器などを追加供与する意思があると述べた。

また自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は記者団に「対話を通じた政権との問題解決はなく、武力以外による問題解決はない」と述べた。

一方、ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は「シリアの反体制勢力は過激なテロ勢力から距離を置かねばならない…。ドイツは反体制武装集団への武器増強に疑義を呈している」と述べた。

20日晩、ケリー米国務長官、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が共同記者会見を開き、6時間にわたる会合の内容について明らかにした。

ケリー米国務長官は、共同記者会見で、米国がシリアの反体制勢力に1億2,300万ドルの追加支援を行い、支援総額を2億5,000万ドルに倍増させることを明らかにした。

支援内容の詳細に関して、ケリー米国務長官は「食糧品、医薬品、非殺傷装備など」と述べ、明言を避けた。

また反体制勢力へのすべての支援を、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)を経由して行うことを確認したことを明らかにした。

さらにケリー米国務長官は、シリア革命反体制勢力国民連立から「シリアの未来のビジョンを表した…重要な文書」を受け取ったとしたうえで、その文書で連立が、マイノリティの権利を保障した多元主義、テロや過激主義の拒否、政治的解決の優先を誓約していると強調した。

ケリー国務長官によると、この文書で、シリア革命反体制勢力国民連立は「すべてのマイノリティが自らの権利を享受し、将来の選択に参加する多元的シリアを樹立」することを誓約したという。

またシリア革命反体制勢力国民連立は「テロ、過激主義を拒否し、化学兵器を使用せず、いかなる宗派に対しても復讐を行わず、誤った勢力に武器を渡さない」ことを遵守し、「政治的解決を優先」すると宣言したのだという。

しかし、実際の文書(要望、http://all4syria.info/Archive/78671)にはこうした誓約は明記されておらず、ケリー国防長官の発言からはシリア革命反体制勢力国民連立が強硬姿勢の変更を余儀なくされたことを伺い知ることができる。

なおケリー国務長官は、シリアの友連絡グループ会合の閉幕時に採択された声明で、シリア革命反体制勢力国民連立が「ジュネーブ合意の枠組みに基づいて…シリア危機を解決するための交渉のテーブルにつくことを支持した」と述べ、連立に政権との交渉するよう圧力をかけたことを暗示する一方、「シリア政府がこの機会を拒否すれば、我々は(反体制勢力への)さらなる支援を発表する」と警告した。

これに関して、『ハヤート』(4月22日付)は、複数の反体制消息筋の話として、米国が反体制勢力に対してすべての支援を自由シリア軍参謀委員会経由で行うことを通知し、「過激派の孤立化」をめざすとともに、「軍事的な政権打倒ではなく、現地でのパワーバランスを変更すること」を狙っていると報じた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、国連安保理に対して、シリアでの暴力停止に向けて、統一した姿勢をとるよう呼びかけた。

AFP(4月20日付)が報じた。

AFP, April 20, 2013、Akhbar al-Sharq, April 20, 2013、al-Hayat, April 21, 2013, April 22, 2013、Hawarnews, April 20, 2013、Kull-na Shuraka’,
April 20, 2013、Kurdonline, April 20, 2013、MENA, April 20, 2013、Naharnet,
April 20, 2013、NNA, April 20, 2013、Reuters, April 20, 2013, April 21, 2013、SANA,
April 20, 2013、UPI, April 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア殉教者大隊旅団連合の司令官が軍の攻勢にさらされているハーミディーヤ航空基地周辺の武装集団を訪問し、彼らに「体制打倒のためのジハードの呼びかけ」に応じるよう求める(2013年4月15日)

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外のタッル・ナビー地方で、軍と人民諸委員会が反体制武装集団と交戦、また軍が同地方一帯を空爆した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、タドムル市デデマン・ホテル周辺、タイバ村、タッル・ザハブ町、タッルドゥー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ドゥーマー市が軍の砲撃を受けた。

またダーライヤー市、ヤルブード市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ハラスター市で反体制武装集団が旅客バスに発砲し、市民3人が死亡、多数が負傷した。

またミスラーバー市、ハラスター市、フタイタト・トゥルクマーン市、イバーダ市、アタイバ町、スバイナ町、ズィヤービーヤ町、リーマー市、ナブク市、ダーライヤー市、アドラー市、ヤブルード市、ムウダミーヤト・シャーム市などの郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区が砲撃を受け、またジャウバル区、カーブーン区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ジャウバル区で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町、サイダー町、マアルバ町、タッル・シハーブ町、ワーディー・ヤルムークなどを軍が空爆した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町で軍が反体制武装集団と交戦、戦闘員を殲滅した。

またダルアー市、ラジャート高原、シューマラ村、アッラーリー村などで軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺やラッカ市各所を軍が空爆、また軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市労働者住宅地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アーミリーヤ地区、シャイフ・サイード地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、ハンダラート・キャンプ(キンディー大学病院一帯)、マアッラータ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、インザーラート地区、バーブ・ナイラブ地区、マルジャ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ヒーシュ村、カフルバースィーン市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月15日付)によると、シュグル村、ガッサーニーヤ村、バシュラームーン村、ミシュミシャーン村、アイン・スーダ村、カスティン村、カトルーン村、トゥウーム村、ヒルバト・マラティーン市、ラーム・ハムダーン市、イフスィム町、シャイフ・バフル村、カフルルーヒーン村、マアッラトミスリーン市、ハルブヌーシュ村、サルマダ市、カフル・ヤフムール村、タッルムーハ村、アームーディーヤ市、アブー・ヒッバ村などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月15日付)によると、軍のヘリコプターが対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町を空爆し、反体制武装集団の戦闘員2人が負傷した。

軍のヘリコプターはこの際、イラク領内のラビーア町にミサイル2発を誤射したが、イラクからの反撃はなかったという。

**

ラタキア県では、SANA(4月15日付)によると、ラビーア町、ムライジュ村、サーキヤ・カルト村、ウワイナート村、ワーディー・シーハーン村、ハーン・ジャウズ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、戦闘員を殺傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(4月15日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、労働者住宅地区で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

また市内のカトリック・教会前で、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆破させ、教会の建物が被害を受けた。

国内の動き(シリア政府の動き)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、『ガーディアン』(4月15日付)に対して、アサド政権が崩壊すれば、シリアは地図上から消滅すると警鐘を鳴らすとともに、英仏がシリアでテロ活動を行う「アル=カーイダ」を支援していると批判した。

**

政党問題委員会が会合を開き、国民救済党が提出した公認申請の内容を検討した。

SANA(4月15日付)が報じた。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月16日付)によると、シリア殉教者大隊旅団連合の司令官ジャマール・マアルーフが、軍の攻勢に曝されているイドリブ県ハーミディーヤ航空基地周辺の武装集団を訪問した。

またシリア殉教者大隊旅団連合、使徒末裔旅団、ザーウィヤ自由人大隊、3月15日旅団は共同声明を出し、「堅田の建造物の戦いを継続」し、「体制打倒のための…ジハードの呼びかけに応じる」よう戦闘員に呼びかけた。

**

シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はイスタンブールで記者会見を開き、そのなかで同胞団がシリア革命反体制勢力国民連立などで他の反体制勢力に対して自らの意思を押しつけようとしているとの一部批判を否定した。

**

カイロなどで活動するアラウィー派の反体制活動家らが共同声明を出し、「イラン政府と、それに従うイラク、レバノン」のシーア派が、シリア領内の「聖地」を防衛するとのスローガンを掲げて介入し、ヒムス市を陥落させ、「宗派主義的な政体」を樹立しようとしている、と非難した。

**

シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は『シャルク・アウサト』(4月15日付)に対して、「我々はシャームの民のヌスラ戦線メンバーに、専制体制を終わらせるための革命勢力との共同計画をとるよう呼びかけている」と述べた。

そのうえで「ヌスラ戦線のメンバーはシリア国民であり、外国からやって来てヌスラ戦線に加わった者はほんの少数だ」と述べ、テロ組織だとの批判に反論した。

レバノンの動き

ファールーク大隊司令官のアブー・ウダイは、AFP(4月15日付)に対して、14日のベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に対してシリア領から攻撃を行ったのはヒズブッラーだと述べ、反体制武装集団による攻撃を否定した。

しかし、アブー・ウダイは「しなければならないのなら、我々は彼らと同じように民間人を標的にする。我々の民間人は、彼らの民間人ほど価値がない訳ではない」と述べた。

**

ベカーア県ヘルメル郡カスル村郊外に、シリア領内から発射されたロケット弾2発が着弾した。死傷者はなかった。

**

米国務省は、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に対するシリア領からの越境攻撃を非難した。

**

AFP(4月15日付)などは、シリアでの戦闘で数日前に死亡したヒズブッラーのメンバー4人の遺体がベカーア県バアルベック郡フライバ村で埋葬されたと報じた。

諸外国の動き

『デイリー・テレグラフ』(4月15日付)は、反体制武装集団が制圧した「解放区」での物資の配給を監督するため、文民活動家数十人に数百万ポンドの資金援助を行っていると報じた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長がベルリンで会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、両氏は、シリア革命反体制勢力国民連立への支持を引き続き確認する一方、シャームの民のヌスラ戦線など過激派集団への非難の姿勢を示した。

**

UNDOFのヨルダン代表は、シリア、とりわけダルアー県に対する軍の空爆に対して、さらなる避難民を発生させるとの懸念を表明した。

AFP, April 15, 2013、Akhbar al-Sharq, April 15, 2013、The Daily Telegraph, April 15, 2013、The Guardian, April 15, 2013、al-Hayat, April 16, 2013、Kull-na Shuraka’, April 15, 2013、Kurdonline, April 15,
2013、Naharnet, April 15, 2013、Reuters, April 15, 2013、SANA, April 15, 2013、al-Sharq al-Awsat, April 15, 2013、UPI, April 15, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県では軍がワーディ・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の包囲を解除、シリア革命反体制勢力国民連立は声明のなかでヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明およびイスラーム国家樹立主唱を拒否(2013年4月14日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍が反体制武装集団によるワーディ・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の包囲の解除に成功、その際の戦闘で反体制武装集団の戦闘員21人が殺害された。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、軍はバーブーリーン市とヒーシュ村の国際幹線道路沿いの高台を制圧し、両基地への兵站路を確保したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、バーブーリーン市、バースリーム市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクーリーン市、サラーキブ市、ビンニシュ市、アリーハー市、マジュダリヤー村、ジスル・シュグール市、アリーハー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、カーミシュリー市への攻略を開始した反体制武装集団は同市南部のザバーナ村などから戦術的に撤退した。

同報道によると、カーミシュリー市内のシュクリー・クーワトリー通りからファールーク・モスクに至る治安厳戒地区では、治安機関要員や政権支持者らが、アサド大統領を支持するシュプレヒコールを繰り返し、祝砲を撃ち、反体制武装集団の放逐を祝ったという。

一方、シリア人権監視団によると、クルド人が多く住むハッダード村を軍が空爆し、子供3人と女性2人を含む16人が死亡した。

同監視団によると、村には反体制武装集団が拠点とする灯油配給所があったが、空爆は民家に対して行われたという。

**

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)は、ダマスカス県旧市街ミドハト・パシャ通りのカルイー・モスク前で若者らが中心となって反体制デモを行ったと報じた。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、スバイナ町、ダーライヤー市、ハジャル・アスワド市などに対して軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ジャルマーナー市の大型旅客バス・ステーションに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民4人が死亡、20人が負傷した。

またスバイナ町、ナブク市、ダーライヤー市、リーマー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、ダルアーの楯旅団司令官のアブー・アリー・ドゥーマーニー氏がウタイバ村での軍との戦闘で負傷した。

**

アレッポ県では、シリア・アラブ・テレビ(4月14日付)によると、アレッポ市の治安機関拠点の近くで反体制武装集団が爆弾を積んだ車を自爆させ、爆発によって同市で取材活動をしている特派員3人を含む18人が負傷した。

同報道は事件現場の詳細については報じなかったが、シリア人権監視団によると、自爆テロはフルカーン地区の将校クラブ近くで発生したという。

一方、『サウラ』(4月15日付)によると、ハンダラート・キャンプ、マンナグ村、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、カフルハーシル村、ムスリミーヤ村、ダイル・ジャマール村、タッル・ハースィル村、ドゥワイリーナ市、ナイラブ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市シャイフ・サイード地区、サーフール地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

SANA(4月14日付)は、破壊されたダルアー県ダルアー市のウマリー・モスクのミナレットに関して、ダルアー地区に展開するシャームの民のヌスラ戦線が破壊したと報じた。

SANAは「あらゆる証拠がテロリストが(ダルアー市のウマリー・モスクの)ミナレットを爆破したことを示している…。ミナレットが崩壊する瞬間を撮影するため、あらかじめビデオ・カメラがどうして設置されていたのか」と報じた。

**

ヒムス県では、『サウラ』(4月15日付)によると、タドムル市、ガジャル村、アーバル市、東ブワイダ市、アルジューン市、ダブア市、タッル・ザハブ町、カフルラーハー市、ラスタン市、ガジャル村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、バーブ・フード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、『サウラ』(4月15日付)によると、ダイル・ザウル市の治安維持局周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、『サウラ』(4月15日付)によると、スーダー村、バイト・ハーミーク村、ドゥワイルシャーン村、ワーディー村、トゥウーマー村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明とイスラーム国家樹立主唱に関して「シリア国民の意思に抵触し、偉大なる革命の目的とその原則から逸脱している」と非難し、拒否する意思を示した。

そのうえでヌスラ戦線に対して、「シリア国民のなかのあるべき場所にとどまり、アサド体制と戦う努力を続け、シリア国民すべての自由を支持」するよう求めた。

**

シャーム自由人大隊が主導するシリア・イスラーム戦線の「精神的父」アブー・バスィール・タルトゥースィーは英国のヒワール・チャンネル(4月14日付)に対して、「我々はイスラーム的な共通項、すなわちイスラーム国家樹立をアッラー、我らが指導者ムハンマド、そしてシャリーアのために維持する…。しかしシャームとシャームの民への反感を抱かせるような組織の名称を我々は避けてきた」と述べた。

そのうえで「この名の組織に属している、この名の組織のもとに戦っているなどという必要はない」と強調し、イラク・イスラーム国によるイラク・シャーム・イスラームの国結成宣言やシャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言に疑義を呈した。

**

シリア・クルド国民評議会は声明を出し、ハサカ県ハッダード村に対する軍の空爆を非難した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の使節団(ムハンマド・アブー・ハイル・シュウリー団長)がサウジアラビアを訪問し、今年のズー・ヒッジャ月にハッジを予定しているシリア人巡礼者約20,000人のサウジアラビア訪問について関係者と協議した。

レバノンの動き

NNA(4月14日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のカスル村、ハウシュ・サイイド・アリー村に、シリア領内から撃たれたロケット弾が着弾し、子供1人を含む2人が死亡、5人が負傷した。

マヤーディーン(4月14日付)によると、迫撃砲はヒムス県クサイル地方の反体制武装集団の拠点から発射されたという。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠表明に関して、「重要なのはシリアの反体制勢力の統合であり、その結束を脅かす行為を排除すべきだ」と批判した。

**

ベルギーの複数のメディアが報じたところによると、シリアの反体制武装集団に加わり、戦闘に参加していたフランス人のラファエル・ジャンドラン(38歳)が、シリアで死亡した。

ジャンドランは、数ヶ月前にシリアに潜入し、アブドゥッラフマーン・アイヤーシーが率いるシャームの鷹旅団に加わっていた。

AFP, April 14, 2013, April 15, 2013、Akhbar al-Sharq, April 14, 2013、al-Hayat, April 15, 2013、Kull-na Shuraka’, April 14, 2013、Kurdonline, April 14,
2013、al-Mayadeen, April 14, 2013、Naharnet, April 14, 2013、NNA, April 14,
2013、Reuters, April 14, 2013、SANA, April 14, 2013、al-Thawra, April 14, 2013、UPI, April 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各県で軍・治安部隊と反体制武装集団の戦闘が苛烈化するなか、ヌスラ戦線のアミールを名乗るジャウラーニー氏が同戦線とイラク・イスラーム国の統合に関する発表を否定(2013年4月11日)

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が占拠するサナマイン市とガブガーブ市に軍が突入・交戦し、40人以上が死亡した。

シリア人権監視団がロイター通信(4月11日付)に対して、「住民は激しい戦闘が昨日(10日)に起こり、その後、治安部隊が(サナマイン市に)突入した。突入時に、彼らは一部の街区を狙撃し始め、別の武装集団が人々を処刑していった」ことを明らかにした。

この突入による「虐殺」で40人以上が殺害され、住居数十棟が破壊されたという。

**

イドリブ県では、『ハヤート』(4月12日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地に食糧物資を運び込もうとしていた軍ヘリコプターを反体制武装集団が撃墜し、乗っていた4人が死亡した。

目撃者によると、ヘリコプターを撃墜したのはジャバル(ザーウィヤ山)の楯旅団。

一方、SANA(4月11日付)によると、カフルタハーリーム町でトルコから爆発物を積載して密入国した反体制武装集団の車が誤爆し、乗っていた戦闘員全員が死亡した。

またサルミーン市、サラーキブ市で軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、戦闘員を殲滅したという。

**

ダイル・ザウル県では、複数の活動家によると、ダイル・ザウル市の空港周辺、ハウィーカ地区、ムーハサン市などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(4月11日付)によると、ジスル・ワーディー・アイン近くの街道、ムーハサン市、ダイル・ザウル市ウルフィー地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、アーイシャ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

RT(4月11日付)は、イラクのシーア派戦闘員がシリアに入り、ダマスカス郊外県のサイイダ・ザイナブ廟の攻略をめざす反体制武装集団のアブー・ファドル・アッバース旅団に参加したと報じた。

**

ダマスカス県では、『ハヤート』(4月12日付)によると、カーブーン区などに軍が空爆を行い、ジャウバル区などでは軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月11日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、『ハヤート』(4月12日付)によると、ハジャル・アスワド市などに軍が空爆を行った。

一方、SANA(4月11日付)によると、ハラスター市、アッブ農場郊外、ナブク市郊外、アドラー市、シャブアー町郊外、スバイナ町、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(4月11日付)によると、ウワイジャ地区、サッジャード市、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カースティールー地区、シャイフ・マクスード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(4月11日付)によると、カフルラーハー市、サムアリール村、タッルダハブ市、タッルドゥー市、ブルジュ・カーイー村、タルフ市、ラスタン市、ウンム・シャルシューフ村、ガントゥー市、キースィーン市、フーシュ市、ガジャル村、タルビーサ市、サアン村、ヒムス市クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

ラタキア県では、SANA(4月11日付)によると、ジュッブ・アフマル村、ファルズ村、サーキヤ・カルト村、グナイミーヤ村、ハーン・ジャウズ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を襲撃し、外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に書簡を送り、そのなかでシャームの民のヌスラ戦線を国連のアル=カーイダ制裁リストに加えるよう求めた。

声明は、アル=カーイダ指導部が(9日)に発表した声明などから、シャームの民のヌスラ戦線がアル=カーイダと関係があることが確認されたとしたうえで、リストへの追加を求めている。

また声明では、カタール、リビア、トルコが、シリアでヌスラ戦線をはじめとするテロ集団に資金援助、潜入支援を行っていると指摘、非難した。

SANA(4月11日付)が報じた。

**

『ワタン』(4月11日付)は、イラク・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の統合宣言などに関連して、「平和的な革命などではなく、アル=カーイダだ。あなた方の闘争は偽りであり、いんちきであり、偽りだ」と批判した。

そのうえで、シリア政府は「あなた方のテロに対する真の戦争を行う」との意思を明示、「あなた方のテロ、過激主義、資金を拒否するシリア国民以外が勝利することはないだろう」と強調した。

**

SANA(4月11日付)は声明を出し、4月10日から11日かけてのホームページの障害は、サイバー攻撃によるものではなく、技術的トラブルだったと発表した。

**

アサド大統領は政令台136号を発し、タルトゥース市にティシュリーン大学第二医学部を創設することを決定した。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線のアミールを名乗るアブー・ムハンマド・ジャウラーニーは音声声明を出し、同戦線とイラク・イスラーム国の統合(イラク・シャーム・イスラーム国結成)発表に対して、アイマン・ザワーヒリーに「忠誠」を尽くすと述べ、統合を事実上拒否した。

Kull-na Shuraka', April 11, 2013
Kull-na Shuraka’, April 11, 2013

声明でジャウラーニーは「これはアイマン・ザワーヒリー師に対して改めてなされるヌスラ戦線のメンバーおよび高官からの忠誠の誓いであり、我々は服従を誓う」と述べた。

またアブー・バクル・バグダーディーによるシリア・シャーム・イスラーム国結成宣言に関しては、「この宣言をメディアで聞くまで知らなかった」と述べ、イラク・イスラーム国から何の相談もなかったと主張し、「イスラーム国の旗、そしてそれを担う人々を誇りに思いつつ、(ヌスラ)戦線の旗が代わることはない」と強調し、引き続きヌスラ戦線として活動する意思を示した。

しかし、ジャウラーニーは、シリア国内での武装闘争において、引き続きイラク・イスラーム国からの支援を受けるだろうとしたうえで、イラク・イスラーム国が戦線結成以来支援を行ってきたことを認めた。

**

イスラーム旅団は声明を出し、イラク・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の統合(イラク・シャーム・イスラーム国結成)発表に関して、「暴君バッシャール・アサドがシリア人へのさらなる虐殺を行う際、「世界中が戦っているアル=カーイダと戦っている」という言い訳となるだろう」と批判した。

また米国や世界中の国々がシリアでの紛争に介入する口実を与えると非難した。

**

地元調整諸委員会は声明を出し、「(アイマン・)ザワーヒリーが述べた、シリアでのイスラーム国結成の呼びかけの全体およびその詳細を拒否する」との意思を示したうえで、「シリア内政へのあからさまな干渉であり、シリア人のみが自らの未来を決することを改めて強調する」と非難した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ロンドンでの米国務長官との会合に関して、「アサドが去らねばならない…。この点に関して外交政策にいかなる曖昧さもないということを、米政権首脳との間で完全に合意した」と発表した。

また声明では「アサド退任をもって始まる政治プロセスを立ち上げる必要がある点で合意した」と付言した。

**

シリア民主人民連合が声明を出し、シリア国民民主ブロックに加入すると発表した。

**

クッルナー・シュラカー(4月11日付)は、シャームの民のヌスラ戦線に近い消息筋の話として、ハサカ県ラアス・アイン市からの同戦線を含む反体制武装集団の撤退に関して、民主統一党人民防衛隊のスワイディーヤ・ルマイラーン検問所からの撤退、同部隊によるヌスラ戦線攻撃への正式な謝罪などを条件に実施されたと報じた。

**

シリア国民評議会に加盟する人民自由潮流は、声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国結成宣言と、シャームの民のヌスラ戦線によるアイマン・ザワーヒリーへの忠誠宣言に関して、拒否する意思を示した。

**

シリア・クルド国民評議会は声明を出し、ハサカ県カーミシュリー市に対してなされるいかなる勢力の攻撃にも反対するとしたうえで、反体制武装集団による同市攻略が「シリア革命」に資さないと非難、住民に対して「こうした不当な行為」に対して一致団結して抵抗するよう呼びかけた。

レバノンの動き

LBCI(4月11日付)は、シリア軍ヘリコプターがベカーア県バアルベック郡アルサール地方のワーディー・マイルをミサイルで攻撃したと報じた。

AFP(4月11日付)によると死傷者不明だが、ジャズィーラ・チャンネル(4月11日付)は女性1人を含む6人が死亡したと報じた。

**

レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、ヒズブッラーの戦闘員がシリア国内で反体制武装集団と戦い、戦死者が出ていることに関して、「シリア情勢に深く関わっているとの報告がある以上、ヒズブッラーをもはやレジスタンスとみなすことはできない」と批判した。

諸外国の動き

G8外相会議(ロンドン)が2日間の日程を終え閉幕した。

閉幕声明では、シリア情勢に関して、人権状況の悪化への懸念が表明され、すべての国に対して、国連による支援要請に応え、シリア国民へのさらなる人道支援を行うよう呼びかけた。

また「いかなる化学兵器使用も国際社会の断固たる対応を受けるだろう」との警告が盛り込まれた。

英仏が求める反体制勢力への武器供与については盛り込まれなかった。

**

G8外相会議に出席するためロンドンを訪問中のドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、シリア情勢に関して、「シリアへの武器の直接供与に対して慎重である」と述べ、英仏との姿勢の違いを鮮明にした。

ヴェスターヴェレ外務大臣は、外相会談で、シリアへの武器供与が同国での殺戮を減らすことには決してならないとしたうえで、シリア復興に向けて穏健な反体制勢力の支援や人道支援を行うことがドイツの基本姿勢だと述べた。

AFP, April 11, 2013、Akhbar al-Sharq, April 11, 2013、Aljazeera.net, April 11, 2013、al-Hayat, April 12, 2013、Kull-na Shuraka’, April 11, 2013, April 12, 2013、Kurdonline,
April 11, 2013, April 13, 2013、LBCI, April 11, 2013、Naharnet, April 11,
2013、Reuters, April 11, 2013、SANA, April 11, 2013、UPI, April 11, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市では軍によるシャイフ・マクスード地区への進軍をうけ人民防衛隊・自由シリア軍がこれに対抗し交戦、国連対リビア制裁委員会の専門家チームによると「リビアの武器・装備や戦闘員がシリアに大量に流入」(2013年4月10日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市南部、イバーダ市、ザバダーニー市、ヤブルード市などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍兵士13人、反体制武装集団戦闘員28人が死亡した。

またハジャル・アスワド市などが軍の砲撃を受けた。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、アーリヤ市、イバーダ市、ムライハ市、スバイナ町、ダーライヤー市、ナブク市などの郊外で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区での軍とサアド・ブン・イバーダ・ハズラジー旅団などの反体制武装集団が交戦した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ウマイーイーン消費者総合施設裏で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、車3台が被害を受けた。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA(4月10日付)は、ダマスカス県カフルスーサ区の外務在外居住者省の駐車場に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、警官1人が死亡、女性職員1人が負傷したと報じた。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(4月11日付)によると、軍がシャイフ・マクスード地区東部制圧のための進軍を試み、これにクルド人民兵(民主統一党人民防衛隊)と自由シリア軍が対峙、交戦した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ウワイジャ地区、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦市、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、シャイフ・マクスード地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦市、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、アレッポ市ハナーヌー地区で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡した。

また同市の裁判所にも、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が負傷した。

さらに反体制武装集団は市内の大学寮にもロケット弾を発射したが、死傷者は出なかった。

**

ハマー県では、『ハヤート』(4月11日付)によると、反体制武装集団がグルバール軍検問所を車爆弾で攻撃し、複数の兵士を殺害した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ジュッブ・ズライク村、ブライディージュ村、バーリド・カリーム村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がタルビーサ市を空爆し、ウンム・シャルシューフ村などで反体制武装集団と交戦した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、カフルナーン村、アーバル市、ガントゥー市、ティール・マアッラー市、アクラブ町、キースィーン市、ダブア市、シューマリーヤ市、ハミーディーヤ市、東ブワイダ市で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ガブガーブ市、サナマイン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、また軍が両市に加えて、ダーイル町、カフルシャムス町、ウンム・マヤーズィン町などを砲撃した。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、ダルアー市、イズラア市、ガバーギブ町などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がハーン・シャイフーン市を砲撃、またヒーシュ村などで反体制武装集団と交戦した。軍はワーディー・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ航空基地を包囲する反体制武装集団を撃退するために部隊を増援中だという。

一方、『サウラ』(4月11日付)によると、マアッラト・ディブスィー市、マアッラト・ヌウマーン市、キーターン市、ナイラブ村、バザーブール村、マアッラ・ミスリーン市、サラーキブ市、ガッサーニーヤ村などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またファイルーン市・ブカフルーン市間の街道で反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆破し、複数の市民が死傷した。

**

ハサカ県では、『サウラ』(4月11日付)によると、ハサカ県のマシュラフィーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月10日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市の市街地などで停戦合意に違反するかたちで兵力を増強する動きを見せていた自由シリア軍とシャームの民のヌスラ戦線(イラク・シャーム・イスラーム国)が撤退したと報じた。

同報道によると、この増強を受け、民主統一党人民防衛隊も停戦合意に違反するかたちで兵力を増強していたという。

このほか、ハサカ市で親政権の統一アラブ連合と民主統一党人民防衛隊の代表が9日のナースィル地区での衝突を収拾するため、市内の人民防衛隊検問所で会談し、事件再発防止、検問所以外での民兵・部隊の撤退、拘束者の釈放を合意、和解した、とクルドオンライン(4月11日付)が報じた。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のアティーク地区で軍が市民らを無差別に拘束した。

反体制勢力の動き

シリア革命合同軍事司令部が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班に関して、「シリアとシリア国民を、シリア社会から排除された一集団の計略が頓挫する場とすることを断固として拒否する」との意思を示し、シリア・ムスリム同胞団がほかの反体制組織を排除したかたちで選出したヒートゥーを承認しないと宣言した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の使節団は、G8外相会議に出席するためロンドンを訪問中のジョン・ケリー米国務長官ら西側各国の外務大臣と会談した。

使節団は、ムスタファー・サッバーグ事務局長、スハイル・アタースィー副議長、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー議長ら。

レバノンの動き

マヤーディーン・チャンネル(4月10日付)などは、ベイルート港の税関当局がシリアの反体制武装集団に供与されようとしていた通信機器を押収した、と報じた。

Naharnet, April 10, 2013
Naharnet, April 10, 2013

OTV(4月10日付)によると、マジュダル・アンジャル出身の住民が中国から通信機器4,400台を輸入したという。

4月7日にも、レバノンの軍当局が、レバノン山地県シューフ郡アイン・ズハルター市で武器の違法な取引を摘発している。

**

NNA(4月10日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール市に近いアジュラム地方のワーディー・フマイド地区に向けて、シリア軍ヘリコプターがミサイル5発を撃ったと報じた。

また北部県アッカール郡ザハビーヤ村、カワーシラ村でもシリア領から撃たれた迫撃砲弾が着弾し、被害が出たという。

**

NNA(4月10日付)などレバノンの複数のメディアによると、ベイルート県南部郊外のスィルム地区で、シャームの民のヌスラ戦線(イラク・シャーム・イスラーム戦線)の署名が入ったメッセージが添えられた爆弾が発見された。

メッセージには「バッシャールを倒そう」と書かれていたという。

レバノンの声(4月10日付)によると、爆弾はヒズブッラーの爆弾処理チームによって撤去された。

諸外国の動き

国連の対リビア制裁委員会(安保理決議1973号)の専門家チームは、リビアの武器拡散などに関する112ページからなる報告書を安保理に回付し、同国の武器・装備や戦闘員がトルコやレバノン北部を通じてシリアに大量に流入していると指摘した。

同報告書によると、リビアの武器は、シリア、ガザ地区、エジプト(シナイ半島)などに流入、とりわけシリアへは「リビア人戦闘員の主要な目的地となっており、個人的、ないしはシリアの反体制勢力を支援するネットワークを通じて、(反体制武装集団の)旅団に加わっている」という。

また「大量の軍装備品が、トルコ、レバノン北部などさまざまな経路を通じて、リビアからシリアに送られている」としたうえで、その規模を踏まえると、リビアの地元当局がこの事実を認知しているだろうとしている。

シリアに送られた兵器のなかには、携帯式の防空システム、対戦車砲など高度な兵器が含まれているという。

**

AFP(4月10日付)などは、ヨルダンのムライジーブ・フフード地方にシリア人避難民を収容するための新たなキャンプを解説したと報じた。

国営の避難民キャンプはザアタリー避難民キャンプに次いで2カ所目。

インマール・ハムード・シリア避難民問題担当報道官によると、ムライジーブ・フフード避難民キャンプはUAEの資金で設置され、5,500人が収容可能だという。

**

イラン外務省報道官は、イラク当局によるシリア行きのイラン貨物旅客機の強制着陸と積み荷検査に関して、「国際法の原則、善隣外交の原則に基づく両国関係に反する」と非難した。

UPI(4月10日付)が報じた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア情勢に関するレポートで、シリア軍の空爆により民間人に犠牲者が出ていると指摘、非難した。

同レポートは、「現地の活動家」からの情報として、2012年7月以降、軍の空爆で少なくとも4,300人以上が死亡したとしている。

AFP, April 10, 2013, April 11, 2013、Akhbar al-Sharq, April 10, 2013、al-Hayat, April 11, 2013、Kull-na Shuraka’, April 10, 2013、Kurdonline, April 10,
2013, April 11, 2013、al-Mayadeen, April 10, 2013、Naharnet, April 10, 2013、NNA,
April 10, 2013、OTV, April 10, 2013、Reuters, April 10, 2013、al-Thawra, April 11, 2013、UPI, April 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク・イスラーム国とヌスラ戦線が「イラク・シャーム・イスラーム国」としての統合を発表、自由シリア軍参謀委員会シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長はアル=カーイダによる異なる革命ビジョンについて警鐘を鳴らす(2013年4月9日)

反体制勢力の動き

二大河の国のアル=カーイダ機構などからなるイラク・イスラーム国を指導するアブー・バクリー・バグダーディーはビデオ声明で、イラク・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線が「イラク・シャーム・イスラーム国」として統合すると発表した。

Kurdonline, April 9, 2013
Kurdonline, April 9, 2013

声明でバグダーディーは「シャームの民と世界に対して、ヌスラ戦線がイラク・イスラーム国の延長で、その一部にほかならないことを我々が宣言する時が来た」と述べた。

そのうえで「我々は、アッラーへの信仰のもと、イラク・イスラーム国の名を廃し、またヌスラ戦線の名を廃し、両者をイラク・シャーム・イスラーム国の名のもとに統合することを宣言する」と発表した。

http://www.meij.or.jp/members/kawaraban/20130409141616000000.pdf

**

シリア革命反体制勢力国民連立のマルワーン・ハッジューは、アナトリア通信(4月9日付)に対して、「アル=カーイダやシャームの民のヌスラ戦線が地域の安定を脅かすとの西側メディアの言説は、シリア革命に対する西側の弱腰を正当化する以外のなにものでもない」と述べた。

ハッジューによると、三つの組織がヌスラ戦線を名乗り、シリア国内で活動しており、第1の組織である「真のヌスラ戦線」は、自由シリア軍と連携し、シリア国民の支援を受けている、という。

のこる二つの組織のうち一つは、アサド政権が作った「偽の組織」、もう一つはイラクのヌーリー・マーリキー首相の組織で、いずれもシリア革命を貶め、政権の弾圧を正当化することを目的としているのだという。

**

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードはイスタンブールで声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国結成宣言に対して、シャームの民のヌスラ戦線と自由シリア軍は連携しないと拒否の姿勢を示すとともに、シリア国民に(イスラーム)国家を押しつけることはできないと非難した。

ミクダードは「ヌスラ戦線は自由シリア軍に属さない。司令部レベルで戦線と連携するとの決定はなされていない。現地では、一部の組織が一部の作戦で戦線と協力せざるを得ない状況がある」と述べた。

また「声明の信憑性は分からないが、この件に関して、司令部との調整はなかった。我々の目的は明確で…体制打倒と、民主国家に…いたることだ。ヌスラ戦線は…体制打倒のために活動しているが、我々とは異なる思想を持っている」と付言した。

そのうえで「我々を含む誰にもシリア国民にいかなる形態の国家も押しつける権限はない。シリア人は投票所に向かい、自らの指導者、国家の形態を決めるだろう」と強調した。

**

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、ロイター通信(4月9日付)に対して、自由シリア軍シリア自由人大隊に属すバドル殉教者大隊などがアレッポ市で、市民を拘束、拷問、処刑する一方、避難民や地元住民が身の安全を確保するため彼らに金銭を支払うことを余儀なくされていると述べ、懸念を表明した。

**

シリア革命司令評議会を名乗る組織は、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師(3月21日死亡)が自爆テロで爆殺されたのではなく、頭を銃で撃たれて殺されたとする宣伝ビデオを公開した。

http://www.youtube.com/watch?v=w8W_5yBaLaA

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリーは声明を出し、シリア・ムスリム同胞団が自由シリア軍に対してカルダーハ市(ラタキア県)やアラウィー派に対する戦闘を行うよう圧力をかけ、宗派対立を助長しようとしていると暴露、批判した。

**

ラアス・アイン市の自治を運営するセレ・カニ「ラアス・アイン」市民地元評議会は声明を出し、自由シリア軍が3月の停戦合意を遵守せず、市内に兵力を展開し続けていると批判し、シリア革命反体制勢力国民連立とクルド最高委員会に対して、事態打開のために介入するよう求めた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、Facebook(4月9日付)で、イラク・シャーム・イスラーム国の結成宣言に関して、「アル=カーイダの思想は我々にふさわしくない。シリアの革命はこの点に関して明確な決定を行わねばならない」と綴り、シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカフ最高監督者との意見の相違を鮮明にした。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、逮捕者が収容されているとされるアレッポ市北部のハンダラート・キャンプ近郊のキンディー大学病院に反体制武装集団が突入し、反体制武装集団の戦闘員10人以上、軍兵士25人以上が死亡した。

一方、SANA(4月9日付)によると、ラスム・アッブード村、クワイリス市、バーブ市、ウワイジャ地区、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シュカイイフ地区、シャイフ・マクスード地区、ブアイディーン地区、カーディー・アスカル地区、カースティールー地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ハフィール市、ザマルカー町、カフルバトナー町、イバーダ市、シャブアー町、ハジャル・アスワド市などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、SANA(4月9日付)によると、シャイフーニーヤ村郊外、イバーダ市、ウタイバ村、フジャイラ村、ムライハ市郊外、ザバダーニー市、アドラー市、ハジャル・アスワド市などで軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、RT(4月9日付)によると、カフルスーサ区の外務在外居住者省と首相府の前などに迫撃砲弾4発が着弾した。

これに関して、SANA(4月9日付)は、カフルスーサ区にテロリストが撃った迫撃砲弾2発が着弾し、1人死亡、2人が負傷したと報じた。

Kurdonline(4月9日付)によると、迫撃砲弾の着弾により、外務在外居住者省の建物に被害が出たほか、シャーム・センター(ショッピング・モール)近くの住宅街、カールトーン交差点・シャーム・センター間の道路などに着弾した。

またSANA(4月9日付)によると、カッサーア地区のバグダード通りのタフリール広場に面するフィルドゥース・モスクに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、火災が発生した。死傷者は出なかった。

一方、シリア人権監視団によると、カーブーン区が軍の砲撃を受けた。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市に対して軍が空爆を行い、またダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区に砲撃を加えた。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市北部を軍が空爆し、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

イドリブ県では、SANA(4月9日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、ハマーマ市、ビンニシュ市、ジダール・ブカルフーン市、マジュダリヤー村、サラーキブ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(4月9日付)によると、ダルアー市郊外で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシリア人権監視団によると、ダーイル・タファス市間の街道で、軍が反体制武装集団を要撃し、クライシュの鷹大隊を指揮するアニース・ムハンマド・ジャームースを殺害した。

**

ヒムス県では、SANA(4月9日付)によると、アーバル市、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ハウラ地方、ヒムス市各所、キースィーン村、ブルジュ・カーイー村、タドムル市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

民主統一党人民防衛隊司令部は声明を出し、ハサカ市ナースィラ地区の街道に設置された人民防衛隊の検問所が武装集団の襲撃を受け、隊員1人が死亡、2人が負傷した、と発表した。

同声明によると、その後の戦闘で人民防衛隊は複数の武装集団戦闘員を捕捉、彼らは体制を支持する民兵やバアス党の民兵からなる「統一アラブ連合」なる組織が襲撃を行ったと自供したという。

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、そのなかでダマスカス県サブウ・バフラート広場近くでの自爆テロに関して、対話に基づく危機の政治的解決の努力を成功させる意思を改めて示すとともに、シリア国内のテロ組織に対して武器兵站支援、教練、資金援助を続ける諸外国の活動を抑止するよう求めた。

**

クッルナー・シュラカー(4月9日付)は、アサド大統領がロシアにシリア沖の石油採掘権を売り渡そうとしていると報じた。真偽は不明。

レバノンの動き

NNA(4月9日付)によると、北部県アッカール郡の対シリア国境に位置するザハビーヤ村にシリア領内から発射された迫撃砲弾3発が着弾し、少年1人が負傷、民家2件が被害を受けた。

諸外国の動き

ヨルダンの首都アンマンの首相府前で、ジハード主義潮流がメンバーの釈放を求めてデモを行った。

デモに参加した組織の指導者ムハンマド・シャラビー(アブー・サイヤーフ)は「最近のシリア政府軍との戦闘で、我らが兄弟であるジハード戦士たち30人が殉教した」と述べた。

なお別に指導者によると、現在シリア国内に500人のサラフィー主義戦闘員が潜入しているという。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班とロンドンで会談した。

ヘイグ外務大臣によると、会談では、シリア国内への支援のありよう、EUの武器禁輸措置解除の是非などについて協議されたという。

ヘイグ外務大臣は会談後、「我々は連立をシリア国民の唯一の正統な代表として承認した。しかし、シリア大使館に関しては法的に考慮すべき問題があり、本件に関して新たな発表はない。連立に大使館を明け渡すことはできない」と述べた。

**

フランス外務省報道官は記者会見で、イラク・イスラーム国がシャームの民のヌスラ戦線との統合を宣言したことに関して、フランスがEU諸国とともに国連安保理でヌスラ戦線をテロ組織として認定することを検討していると述べた。

AFP, April 9, 2013、Akhbar al-Sharq, April 9, 2013、al-Hayat, April 10, 2013, April 11, 2013、Kull-na Shuraka’, April 9, 2013, April
10, 2013、Kurdonline, April 9, 2013、Naharnet, April 9, 2013、NNA, April 9,
2013、Reuters, April 9, 2013、SANA, April 9, 2013、UPI, April 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒートゥー暫定政府首班が暫定政府を構成する11閣僚を選出するための諮問を始めるなか、民主統一党執行委員会がカーミシュリー市での軍による人民防衛隊への攻撃を非難(2013年4月6日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区周辺を軍が空爆し、子供9人、女性3人を含む15人の市民が死亡した。

同監視団によると、空爆が行われたのは、民主統一党の支配地区。

一方、SANA(4月6日付)によると、フライビル村、ハイヤーン町、カフルハーシル村、ジブリーン市、ハンダラート・キャンプなどで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、シャッアール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(4月6日付)によると、カフルスーサ区のリファーイー・モスク近くの住宅街に、反体制武装集団が撃った迫撃砲複数発が着弾し、女性1人が死亡、13人が負傷した。

また、SANA(4月6日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦・追撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(4月6日付)が、ダマスカス国際空港、カフリーン町、ヒッラーン・アワーミード村、ウタイバ村、イバーダ市、アドラー市工業団地、ドゥマイル市を含む一帯で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、残党の追撃を続けていると報じた。

またアドラー市、ドゥーマー市、ムライハ市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、バフダリーヤ村などで、軍が特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(4月6日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺、マアッラト・ヌウマーン市、タッルマンス市、アブー・ズフール市、ウンム・ジャリーン村、ハミーディーヤ市、タッル・サラムー市、アリーハー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(4月6日付)によると、フワイズ・フワイジャ街道、ハウラ・アクラブ街道、ヒルブナフサ村、タラス市などで、軍が反体制武装集団の拠点や装備を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(4月6日付)によると、キースィーン市、ガントゥー市、ダール・カビーラ村、アルジューン市、ハミーディーヤ市、サッルーミーヤ市、東ブワイダ市、ダブア市、ヒムス市ハーブ・フード地区、クスール地区、ハーリディーヤ地区、ワアル地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(4月6日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(4月6日付)によると、ファルズ村、カスブ村、バイト・アワーン村、スッカリーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

バアス党シリア地域指導部は結党記念日(4月7日)に合わせて声明を出し、「テロ攻撃に対する闘争継続への意志」を強調した。

**

バアス党民族指導部は結党記念日(4月7日)に合わせて声明を出し、シリアを含むアラブ世界とアラブの民族的アイデンティティに対する脅威が増していると指摘し、党がこうした脅威に対抗するため、その思想的・理論的枠組みの実践に努めてきたとの自負を鼓舞した。

**

バフジャド・スライマーン在ヨルダン・シリア大使は、フェイスブック(4月6日付)に「ダルアーへの街道、つまりダマスカスへの街道が開放されたと考えている者は…、事実は逆だと考えた方が賢明で安全だ。この手の毒づいた…言説を実現しようとする行為は、ヨルダンの軍と国家を抜け出すことのできない罠に陥れることを意味している」と綴り、ヨルダンに対して、反体制勢力の支援と西側諸国との協力を行わないよう警告した。

SANA, April 6, 2013
SANA, April 6, 2013

**

SANA(4月6日付)は、トルコのウルサル・チャンネルと『アイドゥンルク』紙が4月初めにアサド大統領に対して行ったインタビューの全文を公開した。

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り。

(アラブ連盟首脳会議がシリア革命反体制勢力国民連立をシリア代表として認めたことに関して)「率直に言うと、アラブ連盟それ自体が正統性を必要としている。連盟はアラブ諸国民ではなくアラブ諸国を代表しているだけが、長年にわたって正統性を得ていない。なぜなら姿勢を異にするこれらの国は、アラブ諸国民を代弁していないからだ…。連盟は正統性を与えたり奪ったりし得ない組織なので、この措置は象徴的なものに過ぎない…。真の正統性とは、組織や外国首脳が与えるものではなく、シリア国民が与えるものだ」。

「シリアの紛争はそもそも国内紛争ではない。シリア国内に組織はあるが、問題は全体として国外問題であり、シリアに対する外国の紛争である」。

「BRICsは、バッシャール大統領を支持していないし、シリアという国家を支持しているわけでもない。地域の安定を支持しているのだ…。つまり、BRICs諸国は、西側諸国に対抗するかたちで、シリアでの政治的解決を支持してきた。一方、シリアに敵対する一部の西側諸国、地域諸国が、政治的決定を下すうえで独立性を持っていないのは周知のことだ。これらの国は、外国の支持に従っている。国内では政治的解決を支持しているのかもしれないが、西側が命令を与えれば、それを実行しなければならないような国だ」。

「国民が彼(大統領)に反対しているなかで、なぜ体制は存続しているのか?シリアはなぜ2年にわたり耐えているのか?私に敵対する湾岸諸国はこの問題にほとんど関心を示さないが、私はシリア国民に選ばれた大統領だ。大統領になるか、退任するかは結局は、シリア国民によってシリア国内で決められるものだ。それ(退任)を求める外国によって決められるものではない」。

「我々はシリア国内に送り込まれたテロリストを支援する国に囲まれている。イラク、レバノンなど…すべての国が意図的にそうしている訳ではない。トルコはこうしたテロリストを公式に保護し、シリアに潜入させている…。あらゆる言葉の意味においてそれが戦争だというのが真実であり、散発的な治安事件ではない。テロリストが数千人、おそらくは数万人侵入している。それゆえ、シリア各地で戦闘の音が聞こえるのは当然なのだ」。

「エルドアン首相は、アラブ世界で起きていることを自らの政治生命を延ばすための好意だと思っているようだ。この男の知能はムスリム同胞団の知能だ。同胞団は…個人の利益のために宗教を利用するような日和見的集団だ…。エルドアンは当初、シリア内政に干渉しようとした。なぜなら、彼の関心は、シリア・トルコ関係以上に同胞団の問題に注がれていたからだ…。状況が整い、彼はシリアやトルコの国益ではなく自分の利益を優先させ…、彼の政府は…シリア国内でテロリストを公然と支援し始め、シリアでの流血に関与するようになった」。

「残念ながら、エルドアンはシリアで危機が始まってから一度たりとも偽りのない言葉を発していない…。エルドアンは今や、カタールの資金を戦闘員に与え、トルコ領を経由して彼らに武器提供を保証している…。エルドアンは偽り、こうした提案(対話による紛争解決)を覆面として利用しているだけだ」。

「トルコ政府は…、シリア国民の殺戮に直接寄与している。これはつまりは、シリアが同様の報復をするかもしれないということだ。むろん、我々にはこうした行為を行うことはできないが。第1に、我々は犯罪を受け入れない…。第2に、トルコ国民は友好的な国民だと確信している。第3に、エルドアンは…シリアとトルコを国民レベルで衝突させ、自らの政策への支持を取り付けようとしている…。しかし我々はそもそもこうした罠にはかからない。なぜなら我々の国益はトルコ国民とともにあるからだ」。

(「アサド大統領と握手するくらいなら、辞表を提出する」と述べたアフメト・ダウトオール外務大臣に関して)「彼の家に正しい教育を施すものがいなくても、我が家にはいる。トルコ国民の道徳から彼が学びとることができないとしても…、我々はシリア国民の道徳から多くを学びとった」。

(マヴィマルマラ号事件をめぐるイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の公式謝罪に関して)「このことは、エルドアンが今、イスラエルと同盟してシリア情勢に打撃を与えようとしていることを示している」。

(シリア国内でのPKK/民主統一党の活動に関して)「ある国に混乱が生じている場合、この混乱を埋めようとする勢力が生じざるを得ない…。なかには分離をめざす組織が現れるのは当然だ。シリアにも、トルコにも、イラクにも…いる。しかし、我々はこうした状況をすべてのクルド人に当てはめることはできない。分離をめざす集団は少数だ。ほとんどのクルド人は、シリア国内での生活を望む愛国者だ…。この点(分離)に関して今のところ懸念はない」。

(反体制勢力との対話に関して)「レッドラインは外国の介入だ。いかなる対話であってもシリア人だけの対話でなければならない。この対話に外国の介入は許されない。それ以外にレッドラインはない。シリア国民は思う通り議論できるし、この祖国はシリア人全員のもので、彼らは思い通りの提案を行える」。

(シリアの現体制はアラウィー派の宗派独裁だとの一部メディアの言説に関して)「この地域は多様な地域だが、シリアは数十年にわたって安定のもとに暮らしてきた。いかなる国内問題もなかった…。いかなる国のいかなる政府も国民の一部、ないしはその複数の部分のみからなっていて、国民全体を代表していなければ、存続し得ない。(シリアの現体制は)現政府たちまち瓦解するか、瓦解しない場合は祖国が崩壊するだろう、という言説は正しくない…。政府はこの(シリア社会の)多様性を常に反映している」。

アラビア語:http://sana.sy/ara/2/2013/04/06/476160.htm
英語:http://www.sana-syria.com/eng/21/2013/04/06/476159.htm

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班が、政府を構成する11閣僚を選出するための諮問を開始したと発表した。

11閣僚は、国防大臣、内務市民問題大臣、外務大臣、地方自治大臣、経済公共資源大臣、教育大臣、農業水資源大臣、保健大臣、インフラ運輸通信大臣、避難民・難民救援大臣、法務大臣からなる。

また「シリアという祖国の土のうえで権威を行使する行政府」であると強調している。

なお声明によると閣僚選出にあたっては以下の点が要件になるという。

1. シリア国籍を有すること。
2. 35歳以下であること。
3. 現体制の高官でなく、国民に対して罪を犯しておらず、また彼らの財産を奪っていないこと。
4. シリア革命の支持者であること。
5. 暫定政府の活動に専念できること。
6. シリア国内で公然活動できること。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、自身の辞任発表に関して、「(議長の)椅子はまったく重要でない。それは革命の目的を実現する手段に過ぎない…。もしその目的を実現したら、そこにとどまるだろう」と述べ、辞任を事実上撤回したことを明らかにした。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党執行委員会は声明を出し、カーミシュリー市での軍による人民防衛隊への襲撃を厳しく非難し、「クルド人民の意思を貶めようとするあらゆる計略・陰謀に言葉を一つにして対抗する」との意思を示した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領に組閣を要請されたタマーム・サラーム新首相は、シリア情勢に関して、「私の姿勢は、シリア国民とともにあり、この国民の自由、そして力とともにある。私はあらゆる国の国民とともにある」と述べる一方、ナジーブ・ミーカーティー内閣と同様に不関与政策を維持すると明言した。

諸外国の動き

トルコのアフマド・ダウトオール外務大臣は、トルコがイスラエルとともにシリアを破壊しようとしているとのアサド大統領の発言(ウルサル・チャンネルと『アイドゥンルク』紙のインタビュー)に関して、「根拠がない」と否定した。

AFP, April 6, 2013、Akhbar al-Sharq, April 6, 2013、al-Hayat, April 7, 2013, April 8, 2013、Kull-na Shuraka’, April 6, 2013、Kurdonline,
April 6, 2013、Naharnet, April 6, 2013、Reuters, April 6, 2013、SANA, April
6, 2013、UPI, April 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市で人民防衛隊が軍・治安部隊の襲撃を受け3人のメンバーが死亡するなか、ヒムス県では軍がヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区に「前例のない」空爆を加える(2013年4月4日)

国内の暴力

ハサカ県では、民主統一党人民防衛隊総司令部は声明を出し、カーミシュリー市で、人民防衛隊が軍・治安部隊の襲撃を受け、同部隊軍事評議会メンバー3人が死亡、1人が重傷を負ったと発表した。

これを受け、人民防衛隊は、市内をパトロール中の治安部隊と、市東側に位置する治安部隊検問所を襲撃し、治安部隊要員3人を殺害、7人を拘束、検問所を制圧した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港に近いアズィーザ市の奪還を試みる軍が同市を占拠する反体制武装集団と交戦し、前者の兵士10人、後者の戦闘員4人を含む22人が死亡した。

また『ハヤート』(4月5日付)によると、アレッポ市では、シャイフ・マクスード地区内の反体制武装集団制圧地域に「アレッポ・シャリーア委員会」が入った。

一方、SANA(4月4日付)によると、ラトヤーン村、アズィーザ村、ジスル・アッサーン村、ドゥワイリーナ市、クワイリス市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サーリヒーン地区、マルジャ地区、ハイダリーヤ地区、カースティールー地区、ジャンドゥール交差点、シュカイイフ地区、シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区に軍が「前例のない大規模な」空爆を加え、また市内各所で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月4日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、キースィーン村、タッルドゥー市、ダブア市、東ブワイダ市、アーバル市、タルビーサ市、ラスタン市、ダール・カビーラ村、サッルーミーヤ市、ハイダリーヤ村、タドムル市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市アルメニア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、複数の市民が負傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月4日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部周辺で軍とシャーム自由人大隊などからなる反体制武装集団の交戦が続いた。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(4月4日付)によると、アッブ農場郊外、ジスリーン町、リーハーン農場、ウタイバ村、ザバダーニー市、ナブク市、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(4月4日付)によると、ジスル・シュグール市、バーラ村、マアッラトミスリーン市、ムーリーン市、イドリブ市・マアッラトミスリーン市間の街道、ハザーヌー町、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市、マクバラ・ルーリーン市、マジュダリヤー村、ラーミー村、イフスィム町、アブー・ズフール航空基地周辺、サルキーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

アルジェリア紙『シュルーク』(4月4日付)は、バアス党幹部などからなるシリアの非公式使節団が、反体制勢力との交渉の仲介を求めて、アルジェリアを訪問したと報じた。

同報道によると、使節団は、総合情報部内務課の少将、アレッポ県選出の人民議会議員など5人からなり、ロシアの航空機で、モスクワ、パリを経由して、アルジェに到着したという。

使節団は、アルジェリアの内務省、外務省、軍高官らと会談した。

**

ロイター通信(4月4日付)は、複数の戦闘員からの情報として、イランの秘密施設でゲリラ戦の教練を受けた「非正規の民兵」(シリア人戦闘員)が派遣されている、と報じた。

同報道によると、政府の治安筋は、イランでの教練を否定している。

**

DamasPress(4月5日付)は、アサド大統領がシリア国営チャンネルのメディア関係者、アナウンサーと面談し、シリア情勢について意見を交換したと報じた。

会談は2時間半に及び、そのなかでアサド大統領は「シリアが直面しているのは、戦争であって、治安に関わる事件ではない。メディアは、真実を伝えるという役割を通じて、祖国を防衛するもっとも重要な手段だ」と述べたという。

反体制勢力の動き

イスラーム殉教者師団はビデオ声明を出し、ダマスカス県ダーライヤー市のサイイダ・サキーナ廟は依然として反体制武装集団が掌握していると発表した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(4月4日付)は、民主統一党人民防衛隊が、ハサカ県各地に武器携帯認可センターを設置し、登録期間(4月3日~5月3日)内に武器を保持する市民に登録するよう呼びかけた。

登録期間終了後、無許可で所有される武器は没収されるという。

**

クッルナー・シュラカー(4月4日付)は、クルド最高委員会に参加するシリア・クルド国民評議会の各党から得た情報として、イラク・クルディスタン地域への移住を行わないよう呼びかけた4月1日の委員会の声明が、評議会の署名を経ておらず、民主統一党により一方的に発表されたものだと報じた。

**

クルドオンライン(4月4日付)は、アレッポ市アシュラフィーヤ地区とシャイフ・マクスード地区での戦闘激化に伴い、アレッポ県のアフリーン市、コーバーニー市(アイン・アラブ市)に10万人以上が避難、これを受けクルド最高委員会はハサカ県カーミシュリー市から人道支援物資を積んだ貨物トラック10輌を派遣したと報じた。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は、UNRWAのフィリポ・グランディ事務局長と会談し、シリア領内の国境地域に避難民キャンプを設置し、国連軍がその防衛にあたることを提案した。

レバノン大統領府が声明で明らかにした。

諸外国の動き

イエメンのアブー・バクル・カルビー外務大臣は、シリアの「テロ集団」が治安の混乱に乗じて影響力を強めようとしていると述べ、「シリア革命反体制勢力国民連立にサナアーのシリア大使館を明け渡すことはイエメンでは議論の余地はない」と拒否の姿勢を示した。

UPI(4月4日付)が報じた。

**

ヨルダンのペトラ通信(4月4日付)によると、シリア人避難民のための人道支援物資を積んだロシアの貨物機がアンマン国際空港に到着した。

なおロシアは3日にも、シリア人避難民のための人道支援物資を積んだ貨物機をレバノンのベイルート国際空港に派遣している。

AFP, April 4, 2013、Akhbar al-Sharq, April 4, 2013、DamasPress, April 5, 2013、al-Hayat, April 5, 2013、Kull-na Shuraka’, April 4, 2013、Kurdonline, April 4, 2013、Naharnet,
April 4, 2013、Reuters, April 4, 2013、SANA, April 4, 2013、al-Shuruq, April 4, 2013、UPI, April 4, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市シャイフ・マクスード地区で人民防衛隊が一転して軍との戦闘を開始したと報じられる、これに反体制武装集団が加わり三つ巴の戦況を呈する(2013年4月3日)

シリア政府の動き

アサド大統領はトルコのウルサル・チャンネルと『アイドゥンルク』紙のインタビューに応じ、シリア革命反体制勢力国民連立にシリア代表のポストを与えたアラブ連盟の決定に関して「アラブ連盟自体が正統性を得る必要がある」と批判した。

シリア大統領府がフェイスブックのページを通じて公表したインタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「アラブ連盟それ自体が正統性を得る必要がある。連盟はアラブ諸国を代表するのであって、各国国民を代表していない。また連盟が(各国政府に)正統性を与えたり、奪ったりするのではない」。

「(政府の)真の正統性は外国の機関や首脳によってもたらされるのではない。正統性は国民が与える。(外国の)こうした「劇場」は我々にとって何の価値もない」。

(アサド大統領と握手するくらいなら辞めると述べたアフメト・ダウトオール外務大臣の発言に関して)「この手の発言は関心に値しない…。彼の家には正しい教育を行う者がいないとしても、私の家にはいる…。トルコ国民の道徳から彼が何も学びとっていないとしても…、私はシリア国民の道徳から多くを学び取った」。

(レジェップ・タイイップ・エルドアン首相に関して)「シリア危機が発生してから、一度も偽りのない言葉を述べていない…エルドアン政権はシリアでの流血に関与している」。

(シリアで宗派対立を助長するような動きが見られることに関して)「ブーティー師をはじめとする(シリアの)宗教関係者の姿勢はそもそも、宗派対立を作り出そうとする計画を頓挫させようとするものだった。それゆえ、ブーティー博士は暗殺され、2日前にはアレッポでも宗教関係者が暗殺された。さらにこれまでに多くの宗教関係者が暗殺された」。

**

『ワタン』(4月3日付)は、軍の匿名高官筋が「近く安全を取り戻すであろうダマスカスの地にいかなるテロリストが潜入することも軍は許さない…。我々はこれまで幾度となくあらゆる手段を通じて、テロ集団にダマスカスに近づくことは死を意味すると警告してきた…。軍は充分な部隊をもってダマスカスを防衛する準備ができている」と述べたと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(4月4日付)が、複数のクルド消息筋の話として、アレッポ市シャイフ・マクスード地区東部に軍が侵入の準備を進めるなかで、民主統一党人民防衛隊が、同地区に侵攻した反体制武装集団とともに、今度は軍との戦闘を始めたと報じた。

同報道によると、アレッポ市を見下ろすことができる高台に位置するシャイフ・マクスード地区をめぐって、軍、民主統一党人民防衛隊、反体制武装集団が三つ巴の戦いを繰り広げているという。

一方、SANA(4月3日付)によると、アターリブ市、ダイル・ジャマール村、マンナグ村、シャワーリガ市、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、アナダーン市、フライターン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、サーリヒーン地区、カルム・フーミド地区、第5工業地区、シャッアール地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、『ハヤート』(4月4日付)によると、反体制武装集団がアルマー町近郊の第49防空大隊拠点を数日間にわたる戦闘の末制圧し、国際幹線道路に沿ってダマスカス県に向けてまた一歩前進した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市を軍が空爆した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、アーバル市、カルヤ・ヒスン市を軍が空爆し、対レバノン国境のジュースィーヤ村では軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月3日付)によると、ヒムス市旧市街、クサイル市、アーバル市、タルビーサ市、ラスタン市周辺、ダール・カビーラ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ズィヤービーヤ町、ムライハ市を軍が空爆し、またダーライヤー市では反体制武装集団が交戦し、市内のサイイダ・サキーナ廟周辺の治安を回復した。

一方、SANA(4月3日付)によると、ダーライヤー市などに対して、軍が特殊作戦を行い、複数の反体制武装集団戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ウタイバ村、カーラ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ダーヒヤ・アサド市に、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、2人が負傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(4月3日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、ナダー市、マアッル・シャムシャ市、ジダール・ブカルフーン市、ナイラブ村、マアッラト・ヌウマーン市、アブー・ズフール市、ジスル・シュグール市、ダイル・ウスマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(4月3日付)によると、ダイル・ザウル市、軍が特殊作戦を行い、シャームの民のヌスラ戦線の複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またムサッラブ村を襲撃しようとしたシャームの民のヌスラ戦線を軍が撃退した。

反体制勢力の動き

AFP(4月3日付)は、シリア・ムスリム同胞団の「覇権主義」に対して反体制勢力内での批判が強まっていると報じた。

同報道によると、同胞団に批判的な反体制活動家は、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出が、同胞団とカタールに「押しつけられた」と考えている、という。

こうした活動家の筆頭であるムハンマド・カマール・ルブワーニーは、「表向き、彼らの数は少ないように見えるが、彼らはトルコとカタールの資金で連立メンバーを買収した」と批判した。

これに対して、シリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー副監督者は、同胞団が外国からの資金援助を受けていることを否定している。

レバノンの動き

NNA(4月3日付)は、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区近くでシリアの石油トラック7輌に対して、数十人からなる武装集団が銃を乱射し、トラック運転手1人が負傷した、と報じた。

AFP(4月3日付)によると、トラック7輌はシリアに向かう途中で、武装集団は軍が介入するまで銃撃を続けたという。

**

NNA(4月3日付)は、シリア軍のヘリコプターがベカーア県バアルベック郡アルサール市郊外の対シリア国境に位置する民家(アワード家所有)にミサイルを2発発射し、破壊した。

アルサール市長によると、空爆が行われた一帯には民家7棟があったが、死傷者はなかった。

諸外国の動き

『ハヤート』(4月4日付)によると、ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相は、記者団に対し「シリア南部、とりわけダルアー県の都市・農村との国境地点に、安全地帯を設置することを検討している」と述べた。

ナスール首相はまた「シリア人の避難場所とするために同地域の設置を検討しているが、事態は反体制勢力の能力、そしてダルアー制圧の可能性にかかっている」と述べ、紛争の行方次第により、反体制勢力の実効支配を支援することを示唆した。

しかし首相は、シリア政府が依然として軍事力を維持しているため、問題は複雑で、同提案の可能性を検討したうえで、諸外国に連絡する方針だという。

一方、ナスール首相は、シリア危機への関与を否定しつつ、シリア人避難民が流入するヨルダン北部の各都市を被災地として宣言し、国連安保理に負担軽減に向けた行動を呼びかけると付言した。

これに関連して、『ワシントン・ポスト』(4月3日付)は、米・ヨルダン両国高官の話として、シリアの反体制武装集団がダルアー県に進軍し、対ヨルダン国境地帯の一部を制圧したことを受け、両国が彼らへ教練を拡大・加速させ、国境地帯に緩衝地帯を設置し、戦闘員や避難民の避難場所にしようとしている、と報じた。

**

『ガーディアン』(4月3日付)は、欧州14カ国の約600人がシリアでの反体制武装活動に参加しているとする報告書をロンドン大学キングス・カレッジが発表したと報じた。

同報告書によると、200以上のジハード主義組織のサイト、アラブ・西側のメディアによる数百の報告をもとに、英国、フランス、オーストリア、スペイン、スウェーデン、ドイツ、ベルギー、オランダ、アイルランド、フィンランド、コソボなど各国からシリアに潜入し、戦闘を行っているという。

**

チュニジア法務省は声明を出し、同国初審裁判所検事長が、シリアで反体制武装集団に参加していたとテレビで証言したアブー・ザイド・トゥーニスィーに逮捕状を出した。

トゥーニスィーはチュニジアの民放テレビ(3月21日)で、約3,500人のチュニジア人戦闘員がシリアで反体制武装闘争を行っており、チュニジア人女性13人が「結婚ジハード」のためシリアに入国し、戦闘員を性的慰安を行っていると述べていた。

これを受け、検察当局が3月25日から調査を開始していた。

また『シュルーク』(3月15日付)も、チュニジアの治安当局がシリアへのチュニジア人戦闘員派遣のネットワークを摘発・解体したと報じていた。

同ネットワークはカタールが資金援助をしており、戦闘員1人あたり3,000米ドルを受け取っていたという。

AFP(4月3日付)が報じた。

**

フランス訪問を終えたエジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣は声明を出し、イラン、サウジアラビア、トルコ、そしてエジプトからなるシリア問題四カ国連絡グループの再生をめざす意思を表明した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、BFMTVとモンテカルロ放送に対して、シリアの反体制勢力への武器供与について、「5月までに答えを出さねばならないが、それまでは是非について述べることはできない」としたうえで、「過激派の手に武器が渡るのならば、武器は供与しない」と述べた。

**

UNHCR報道官はジュネーブでの記者会見で、3月28日時点でイラクで難民申請を行ったシリア人避難民の数が12万1000人に達していると発表した。

AFP, April 3, 2013、Akhbar al-Sharq, April 3, 2013、The Guardian, April 3, 2013、al-Hayat, April 4, 2013、Kull-na Shuraka’, April 3, 2013、Kurdonline, April 3, 2013、Naharnet,
April 3, 2013、NNA, April 3, 2013、Reuters, April 3, 2013、SANA, April 3,
2013、UPI, April 3, 2013、The Washington Post, April 3, 2013、al-Watan, April 3, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、サラフィー主義者やクルド人民兵からなる武装集団と軍および人民防衛隊が交戦(2013年4月1日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区東部で、サラフィー主義者やクルド人民兵からなる武装集団と、軍および民主統一党人民防衛隊が交戦を続け、戦火はブスターン・バーシャー地区にも及んだ。

SANA(4月1日付)によると、軍はアレッポ市ジャンドゥール地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・マクスード地区の反体制武装集団の拠点に対して特殊作戦を行い、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

また、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村、アナダーン市、マッルアナーズ市、マンナグ村、アンジャーラ市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、反体制勢力筋によると、自由シリア軍はシャームの民のヌスラ戦線の協力のもと、クワイリス航空基地制圧に向けた侵攻を開始した。

これに対し、SANA(4月1日付)は、マンナグ航空基地周辺で軍が反体制武装集団の拠点に対して特殊作戦を実行し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊したと報じた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、マダーヤー町などが軍の空爆・砲撃を受け、避難民家族を含む20人以上が死亡した。

一方、SANA(4月1日付)によると、イフスィム町、シーシュナーン村、サルジャ村、マアッラトミスリーン市、カフルルーマー村、カフルワジーン市、バルーマー市郊外、ジスル・種グール市、カフルディーン市、カストゥーン村、サルミーン市・ビンニシュ市分岐点、アブ-・ズフール市、タッル・サラムー市、バラーギーティー村、ハーン・シャイフーン市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タイバ町、第49防空大隊基地周辺、タファス市などに軍が空爆を行った。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区のアブドゥッラウーフ・サイード学校裏で即席爆弾が爆発し、子供ら複数の市民が負傷、同地区に近いアッシュ・ウルール地区では、軍と反体制武装集団が交戦した。

これに関して、SANA(4月1日付)は、ルクンッディーン区のバルニーヤ街道で反体制武装集団が車に仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が負傷し、またアッシュ・ウルール地区でも、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、複数が負傷したと報じた。

さらに、バーブ・シャルキー地区に近いカスバ地区にも迫撃砲が着弾したが、死傷者はなかったという。

このほか、ジャウバル区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(4月1日付)によると、アドラー市、ウタイバ村、ダーライヤー市、ヤルダー市、ナジュハー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、サイイダ・ザイナブ町、ダーライヤー市、アーリヤ市郊外、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団に対して特殊作戦・追撃を行い、シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード旅団メンバーを含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(4月1日付)によると、ワーディー・シーハーン村、グナイミーヤ村、スッカリーヤ町、カスブ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線(ザイド・ブン・ハーリサ大隊)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(4月1日付)によると、クサイル市郊外、ラスタン市郊外、タルビーサ市、タッルダハブ市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、複数の反体制勢力筋が、自由シリア軍がブーカマール市に近い油田地帯を制圧したと主張した。

国内の動き

ダマスカス大学建築工学部のテラス式食堂で、反体制武装集団の迫撃砲の着弾で死亡した犠牲者を追悼する集会が行われ、教員、職員、学生が参列した。

SANA(4月1日付)が報じた。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、シリア国内の死者数が2013年3月だけで6,000人に達したと発表した。

1ヶ月での死者数は過去最高で、2011年3月以降の死者数総計は約70,000人に達しているという。

3月の犠牲者の内訳は、アブドゥッラフマーン代表によると、民間人が3,480人、うち子供が298人、女性が291人、反体制武装集団戦闘員が1,400人。

また離反兵は86人、軍兵士(国防隊メンバーを含む)は1,464人が犠牲となり、身元不明者数は387人、身元不明の戦闘員(外国人)死者数は588人だという。

ロンドンを拠点とする反体制組織であるシリア人権監視団は、民間人の犠牲者3,480人のなかに武装集団戦闘員を含める一方で、政府側の民兵である国防隊メンバーは民間人ではなく、軍兵士に加えることで、反体制勢力側の民間人の犠牲者を多く、政府側の民間人の犠牲者を少なく見積もっている。

また離反兵の犠牲者数(86人)の少なさから、国内で離反の動きがほとんど起きていない実態がうかがい知ることができる。

**

シリア革命反体制勢力国民連立駐英代表でシリア・ムスリム同胞団員のワリード・サフールは『デイリー・テレグラフ』(4月1日付)のインタビューに応じ、「バラク・オバマ米政権が2年以上もシリア危機に介入しないことは、シリア国民への侮辱だ」と非難した。

**

反体制組織の「シリア・ドゥルーズ自由人」のシャイフ・アクルは声明を出し、イスラエル軍のドゥルーズ派兵士がシリア領内でドゥルーズ派を保護する任務についているとの一部情報を否定した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部が会合を開き、カタールでのアラブ連盟首脳会議でシリア革命反体制勢力国民連立がシリアの代表として参加したことを「シリアの反体制勢力のさらなる分断をもたらす無責任な行為で…、シリアの統合に危険な影響を与えかねない振る舞い」と批判し、連盟に対して、移行期政府をめぐるコンセンサスが成立し、危機が収束するまで、連盟におけるシリアの代表ポストを空席のままとするよう求めた。

クルド民族主義勢力の動き

クルド最高委員会は声明を出し、シリア領内のクルド人に対して、イラク・クルディスタン地域への移住を行わないよう呼びかけるとともに、避難民のシリアからの流出によって、シリア国内の人口バランスが変動し、クルド人の存在が危機にさらされると警鐘を鳴らした。

レバノンの動き

AFP(4月1日付)によると、シリアのタルトゥース県からレバノンの北部県アッカール郡にマイクロバスで入国したシリア人9人が武装した何者かに誘拐された。

同報道によると、9人はアラウィー派で、うち5人が一家族だという。

諸外国の動き

チュニジアのムラード・マドリスィー外務大臣は、チュニジア国営テレビ(4月1日付)で、アラブ連盟首脳会議でシリア革命反体制勢力国民連立がシリア代表として出席したことに関して、「国家ではない一組織に」代表権を与えることは許されないと述べた。

マドリスィー外務大臣は「決定するのはシリア人であるが、彼らの一部だけが行った決定…は外国の圧力によるもので、その寿命は非常に限られたものになるだろう」と指摘した。

AFP, April 1, 2013、Akhbar al-Sharq, April 1, 2013、The Daily Telegraph, April 1, 2013、al-Hayat, April 2, 2013, April 3, 2013、Kull-na Shuraka’, April 1, 2013, April 4,
2013、Naharnet, April 1, 2013、Reuters, April 1, 2013、SANA, April 1, 2013、UPI,
April 1, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がブーティー師の暗殺に対して異例の声明を発表、民主統一党のムスリム共同党首がシリア・クルド民主党書記長による批判に反論(2013年3月22日)

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領は21日に暗殺されたサイード・ムハンマド・ラマダーン・ブーティー師に対して異例の声明を発表し、そのなかで同師の死に深い悲しみの念を示し、また犠牲者遺族に哀悼の意を示した。

またブーティー師の姿勢を「イスラームの真の声を表していた…。あなたの言葉は…信仰がイスラームの本質を方言する最善の方法であり、不正や過激なタクフィール思想がその怒りに反する(ことを説いていた)」と賛美した。

そのうえで「あなたの思想に基づき、彼らの不正とタクフィールを根絶し、彼ら(暗殺者)を我々の国から浄化する」と誓った。

**

ワーイル・ハルキー内閣首相府は、アサド大統領の指示を受け、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師の死に哀悼の意を表するため、3月23日を服喪のための休日とすると発表した。

**

この決定を受け、ビラード・シャーム・ウラマー連合はダマスカス県旧市街のウマイヤ・モスクで23日午後に、服喪の礼拝を行うと発表、市民に参加を呼びかけた。

**

ダマスカス県では、SANA(3月22日付)によると、BASMAのメンバー数十人がダマスカス県人民議会議事堂前で座り込みを行い、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師らが犠牲となったダマスカス県マズラア地区のイーマーン・モスクでの自爆テロに抗議の意思を示した。

またヤルムーク区でパレスチナ諸派が座り込みを行い、パレスチナ難民キャンプの中立化を求めた。

**

一方、『ハヤート』(3月23日付)は、複数の活動家の話として、ダマスカス郊外県東グータ地方各地、ラッカ県ラッカ市など各地、アレッポ県アレッポ市カーディー・アスカリー地区、イドリブ県カフルナブル市、ビンニシュ市、カフルタハーリーム町、ハマー県ラターミナ町、カフルズィーター市、ヒムス市ラスタン市、クサイル市などで「おまえらの化学兵器は自由の波を止められない金曜日」と銘打って、反体制デモが行われ、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出指示、連立メンバー12人の離反反対、「おまえの番が来た、(共和国ムフティー・アフマド・バドルッディーン・)ハッスーン」などを主唱した、と報じた。

同報道によると、イドリブ県のデモ参加者は武装集団に護られていたという。

**

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出、そのなかでムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師らが犠牲となったダマスカス県マズラア地区のイーマーン・モスクでの自爆テロに「アル=カーイダやその同盟者の指紋がついたテロ行為」と非難、国連に対して「このテロ行為を非難し、これらのテロリストと、彼らに兵站・物資の支援をする者たちに明確なメッセージを発する」よう求めた。

**

サイード・ナーイフ保健大臣は、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師らが犠牲となったダマスカス県マズラア地区のイーマーン・モスクでの自爆テロで重傷を負っていた市民7人が死亡、犠牲者の数が49人に達したと発表した。

**

赤十字国際委員会は、委員会とシリア赤新月社のスタッフが、反体制勢力が支配するアレッポ県アレッポ市内の街区とマンビジュ市を5日間にわたって訪問し、同地の人道状況を調査したと発表した。

『ハヤート』(3月23日付)によると、委員会の使節団長は「反体制勢力が制圧する地域を含むすべての地域において人道支援を必要とする人々にどうアクセスするかを示す…よい前例となった」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(3月23日付)によると、軍がダーライヤー市に増援部隊を派遣し、市内への砲撃を激化した。

一方、SANA(3月22日付)によると、シャイフーニーヤ村郊外、アーリヤ市、ミスラーバー市郊外、ハラスター市、ウタイバ村、アドラー市および郊外、ダーライヤー市、ザバダーニー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、フダー青年大隊、ドゥーマー自由人大隊のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市で、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、6人が負傷した。

**

ダマスカス県では、『ハヤート』(3月23日付)によると、マサーキン・バルザ地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

一方、SANA(3月22日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、ドゥーマー殉教者旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、複数の反体制筋によると、フラーク市、ラジャート市などが軍の砲撃を受け、ヒルバト・ガザーラ町で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(3月23日付)によると、ダイル・ザウル市各所に軍が砲撃を加えた。

**

ラッカ県では、『ハヤート』(3月23日付)によると、シャーム自由人大隊を含む武装集団が、第17師団「化学大隊」拠点、タブカ航空基地、第93旅団本部を制圧した。

**

アレッポ県では、SANA(3月22日付)によると、ワディーヒー村、ハーン・アサル村、ハイヤーン町などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、旧市街、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(3月22日付)によると、ズィラーア村(クサイル市郊外)などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(3月22日付)によると、サラーキブ市、サルミーン市、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、ハーン・スブル村、イブリーン村、ナイラブ村、ハーッジ・バクリー市郊外、ハーッジ・ハンムード市、ジャミーリーヤ市、ズアイニーヤ市、アブーズフール市、ダブシーヤ市、タッル・サラムー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(3月22日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村、バイト・ジン村、トゥルナジャ村を襲撃しようとした反体制武装集団に、軍が応戦、撃退した。

**

ラタキア県では、SANA(3月22日付)によると、バイト・ハビービーヤ村、クーム・ハトブ村に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(3月22日付)は、シリア・アラブ・テレビなどが放映したムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師暗殺事件の犠牲者の映像について、遺体のほとんどが、損傷しておらず、頭を銃で撃たれていたと報じた。

**

ガッサーン・ヒートゥー・シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府首班は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣と会談し、レジェップ・タイイップ・エルドアン政権による支援に謝意を示した。

**

シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師らが犠牲となった自爆テロに関して、「その責任は犯罪者アサド政権、シャッビーハ、ムハーバラート、そして彼らを利用する悪の勢力にある」と非難した。

**

シリアイスラーム解放戦線が、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師を暗殺したとする犯行声明を発表した。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)のアブドゥルハキーム・バッシャール書記長による批判に反論する声明を出し、イラクなど外国で活動するバッシャール書記長らに「(西クルディスタンにおける)我々の問題(自治)に介入する資格はない」と非難した。

またバッシャール書記長の批判が「クルド人民とその前衛なかに衝突の機運」を高め、「クルド最高委員会の指導のもと西クルディスタンのクルド人民の意思のもとに発足した諸機関への信頼を奪う」ものだと糾弾した。

そのうえで、バッシャール書記長ら在外のクルド民族主義指導者に対して「理性と尊厳」を回復するよう諭した。

レバノンの動き

レバノンのサラフィー主義指導者のダーイー・イスラーム・シャッハールは『ジュムフーリーヤ』(3月22日付)に対して、「もしシリア革命を支援したいと私が考えれば、数千人をレバノンや外国から送り、シリアで戦わせるためのファトワーを発することもできた」と述べ、シリアからレバノン当局に引き渡されたハッサーン・スルールの証言を否定した。

諸外国の動き

国連安保理は、プレス向け声明を発表し、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師ら49人が犠牲となったダマスカス県での自爆テロに関して、「動機にかかわらず、犯罪的で正当化し得ない」行為だとして「もっとも強い調子」で非難した。

また2年間に及ぶ紛争で70,000人以上が犠牲となったことに触れ、「民間人に対するあらゆる暴力行為を非難する」と付言した。

**

潘基文国連事務総長も、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティーら49人が犠牲となったダマスカス県での自爆テロに関して、「もっとも強い調子」で非難した。

**

『ハヤート』(3月22日付)は、イスラエルの複数の諜報筋の話として、イスラエル訪問中のバラク・オバマ米大統領が、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と、シリアへの不干渉と、シリア危機に対して共同歩調をとることで合意したと報じた。

**

バラク・オバマ米大統領は、イスラエルに次ぐ訪問地であるヨルダンで、アブドゥッラー国王と会談した。

会談後の記者会見で、オバマ米大統領は、「シリアが過激主義の潜伏先になることを非常に懸念している。なぜなら過激派は混乱を利用し、権力の真空が生じた失敗国家において繁栄するからだ」と述べた。

**

ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官は声明を出し、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師暗殺に関して「最近の卑劣なテロ犯罪を激しく非難し、すべてのイスラーム教徒の哀悼の意を表す」と表明した。

**

イラン外務省は声明を出し、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師暗殺に関して、「人間性を欠き、宗教に敵対する犯罪」と厳しくしたうえで、「米国とシオニスト政体、そして地域におけるその手先の陰謀」と断じた。

**

国連人権理事会は、シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会の1年の任期延長の採決が行われ、承認された。

採決ではヴェネズエラが反対したほか、5カ国が棄権、シリアは採決を拒否した。

AFP, March 22, 2013、Akhbar al-Sharq, March 22, 2013、al-Hayat, March 22, 2013, March 23, 2013、al-Juhmuriya, March 22, 2013、Kull-na Shuraka’, March 22, 2013, March 23, 2013, March
24, 2013、al-Kurdiya News, March 22, 2013、Naharnet, March 22, 2013、Reuters,
March 22, 2013、SANA, March 22, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県のイーマーン・モスクで発生した自爆テロで「大統領の養育係」であったブーティー師を含む42人が死亡するも自由シリア軍は関与を否定、国連がハーン・アサル村での化学兵器使用に関して調査を行うことを決定(2013年3月21日)

ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー暗殺

ダマスカス県マズラア地区のイーマーン・モスクに対して自爆テロが行われ、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師を含む42人が死亡、84人(SANA発表)が負傷した。

al-Hayat, March 18, 2013
al-Hayat, March 22, 2013

自爆テロ発生時、ブーティー師はモスク内で学生らに宗教の授業を行っていた。

犠牲者のなかにはブーティー師の孫も含まれている。

**

ブーティー師は、1929年に現在のトルコ領内に位置するジャズィーラ・ブータン(ジャズィーラ・イブン・ウマル)地方のジルカー村で生まれた。クルド人。1933年に家族とともにトルコを逃れ、ダマスカスに移住、アズハル大学での修学後、ダマスカス大学シャリーア学部長などを歴任、2012年の退官後はビラード・シャーム・ウラマー連合の代表を務めてきた。

シリアでもっとも著名なシャイフで、故バースィル・アサド准将、アサド大統領の「養育係」として、宗教やアラビア語を教授した人物で、ハーフィズ・アサド前政権および現政権を一貫して支持してきた。

**

ブーティー師が犠牲になったイーマーン・モスクに対する自爆テロに対して、ワーイル・ハルキー内閣は声明を出し、「臆病で卑劣な行為」と非難した。

またムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣も声明を出し、ブーティー師暗殺を「憎しみ、犯罪、裏切り、計略、そしてタクフィールを認めるファトワーの手先が、言葉、思考、対話の男、慈愛と決意の男を暗殺した」と非難した。

このほか、バアス党シリア地域指導部、統一社会民主党、アラブ社会主義連合党、変革解放人民戦線、シリア改革党(野党)が相次いで非難声明を出した。

SANA, March 21, 2013
SANA, March 21, 2013

**

自由シリア軍は、アラビーヤ(3月21日付)に対し、ブーティー師暗殺への関与を否定した。

『ハヤート』(3月22日付)によると、複数の反体制筋が「彼の姿勢は学生など多くの人々の(革命に対する)感情に反していた」とし非難しつつ、偉大なシャイフの死に哀悼の意を評したという。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長は声明を出し、ブーティー師暗殺を「あらゆる尺度においても完全に拒否されるべき犯罪」と強く非難、その背後にアサド政権がいると思われると断じた。

SANA, March 21, 2013
SANA, March 21, 2013

自由シリア軍合同司令部中央広報局は声明を出し、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師暗殺に関して、「明らかになっていない多くの曖昧な点があるが」としたうえで「こうした行為はシリア革命と自由シリア軍の道徳、原則、目的と無縁だ」と関与を否定した。

そのうえで「こうした行為は、シリア革命を失敗させようとする計略の一部をなす」とし、その背後に「一部の居住地や巡礼地を保護する口実で近隣諸国からの戦闘員流入を正当化しようとする…第一歩だ」と指摘、イランとヒズブッラーに嫌疑を向けた。

その他の国内の暴力

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、マシャーティー・ハドル地区、ダウワール・バラド・ハーン・アルナバ地区、および県内の砲兵大隊拠点2カ所を戦闘の末に制圧し、またハーン・アルナバ市とジュバーター・ハシャブ村間の砲兵大隊拠点周辺や検問所で軍と交戦、これに対して軍はタラール・ハムル市に砲撃を加えたという。

一方、SANA(3月21日付)によると、タラール・ハムル市、ハーン・アルナバ市、ハドル村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーを含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ゴラン高原に近いスィヒム地方、ワーディ・ヤルムーク地方で軍と反体制武装集団が交戦した。

同監視団によると、反体制武装集団はジッリーン村の士官クラブを占拠、これに対して軍はサフム・ジャウラーン村、タスィール町、シャジャラ町、ナーフィア村、ジャムラ村などに砲撃・空爆を行ったという。

クナイトラ県とダルアー県での反対武装集団と軍の戦闘激化に関して、AFP(3月21日付)はシリア治安筋の話として、「2,000人から2,500人の戦闘員がヨルダン領内からシリアに潜入し…、彼らはよく訓練され、十分な装備で武装している」と報じた。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(3月21日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、ダーライヤー市、フジャイラ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、バッラー大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(3月21日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(3月21日付)によると、マンナグ村および同市郊外、アイン・ダクナ村、カフルハースィル市、ハーン・アサル村、カフルナーハー村、フライターン市、アターリブ市、マンスーラ村、アルカミーヤ村、ダーラト・イッザ市、マアーッラ・アルティーク村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

またアウラム・クブラー町では、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐり衝突し、双方に複数の死傷者が出た。

アレッポ市では、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・バーシャー地区、ブスターン・カスル地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(3月21日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、マガーラ村、サラーキブ市・タッル・サラムー市間の街道、ブワイティー市、タッル・サラムー市、ウンム・ジャリーン村、マアッラト・ヌウマーン市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、サルミーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(3月21日付)によると、ラフジャーン市を襲撃しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

ヒムス県では、SANA(3月21日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

またヒムス市ワーディー・ザハブ地区で、反体制武装集団が車に爆弾を仕掛けて爆破、市民2人が死亡した。

**

ラタキア県では、SANA(3月21日付)によると、カフルティー村で軍がシャームの民のヌスラ戦線を追撃、戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立の駐英代表大使を名のるワリード・サフールは『ハヤート』(3月22日付)に対して、「シャームの民のヌスラ戦線はシリアの組織ではない。そのメンバーはシリア人ではなく、外国人だ…。その数は膨大だが、戦闘員全体の5~10%を占めるに過ぎない」と述べた。

またサフール大使は、シリアでのカリフ制の樹立を求めているヌスラ戦線が「危機が終わり、アサド政権が倒れればシリアを去るだろう」と楽観的に述べた。

しかし「我々が彼ら(ヌスラ戦線)がテロリストだというアメリカの指定を受け入れるのであれば、それはつまり、我々がシリアの革命家のなかに紛争を持ち込むことを意味する」と述べ、シャームの民のヌスラ戦線をテロ組織とみなすことを拒否した。

**

スハイル・アタースィーはフェイスブック(3月21日付)で、シリア革命反体制勢力国民連立のメンバーシップ凍結(20日発表)を撤回し、組織に復帰すると綴った。

アタースィーは「チームワーク欠如に関する深淵で真摯な対話に基づき」凍結を撤回したという。

**

アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、アラビーヤ(3月21日付)に対して、アサド政権が大量の化学兵器を備蓄していると述べた。

**

トルコで活動する反体制組織、シリア国民変革潮流(アンマール・カルビー代表)は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出について「シリアの悲惨な現状を踏まえない独断的な行為」、「シリア・ムスリム同胞団の独断」と厳しく批判した。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド民主党(アル・パールティー)のアブドゥルハキーム・バッシャール書記長は、クルディーヤ・ニュース(3月21日付)に対して、2011年10月のミシュアル・タンムー(シリア・クルド・ムスタクバル潮流代表)暗殺に関して、民主統一党人民防衛隊の犯行だと断じ、非難した。

**

クッルナー・シュラカー(3月21日付)は、ハサカ県各所で、クルド人が街頭に出て、ノウルーズを祝ったと報じた。

しかし、ダイリーク市では、同市を実効支配する民主統一党が禁じていたたき火を市民(シリア・クルド国民評議会加盟政党支持者ら)が行うと、党の治安部隊が空砲などを撃ち、強制排除した。

ダルバースィーヤ市でも、民主統一党人民補語部隊がムスタファー・バールザーニーの写真を掲げた若者2人を逮捕した。

カーミシュリー市では、民主統一党の支持者、シリア・クルド国民評議会の支持者がそれぞれ別の会場で祝典を行った。

ラアス・アイン市では、シリア・クルド進歩民主党が祝典を主催し、民主統一党、シリア・クルド国民評議会加盟政党が参列した。

レバノンの動き

NNA(3月21日付)などは、シリアの関係当局が、ヒムス県タッルカラフ地方で、軍がレバノンから潜入する反体制武装集団に対して行った要撃で逮捕したレバノン人戦闘員のハッサーン・スルールを、レバノン治安当局に引き渡したと報じた。

スルールは2012年11月にシリア領内で反体制武装集団とともに戦っていた複数の戦闘員とともに逮捕された。

レバノン治安当局への引き渡しに先立って、スルールはシリア・アラブ・テレビ(3月21日付)に対して、「サラフィー主義者のシャイフ、ダーイー・イスラーム・シャッハールがサラフィー主義者らに政府軍(シリア軍)と戦うためにシリアに向かうよう指示していた」と証言した。

また「我々はワーディー・ハーリドから、爆弾と機関銃をもってシリア領に向かい、夜中に越境した。シリアでは、アブー・ウマルを名乗る男が我々を待っていた」と潜入時の様子を明らかにした。

さらに「夜が明け…、我々はカルアト・ヒスン方面に向かった…。だが途中で戦闘となり、逃走したが、その後、逮捕された」と述べた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は記者団に対して、ハーン・アサル村での化学兵器使用に関して国連が調査を行うことを決定したと述べた。

調査の開始時期・対象に関して、潘事務総長は「実質的に可能になり次第」としたうえで、「シリア政府が報告した事件のみ」を調査対象とすることを明らかにした。

『ハヤート』(3月22日付)によると、米国のスーザン・ライス国連代表大使は、「シリアで化学兵器が使用されたと可能性を示す信頼できるすべての主張を調査することを支持する」と述べ、シリア政府だけでなく、反体制勢力の主張に沿って調査を行うべきだと主張した。

英仏もこうした姿勢に同調し、反体制勢力によって繰り返されるシリア軍の化学兵器使用疑惑についても調査するため、シリア全土を調査対象とするよう求めた。

一方、ロシアのヴィタリ・チュルキン国連大使は、調査がシリア政府の報告のみを対象とするよう求めていた。

AFP, March 21, 2013、Akhbar al-Sharq, March 21, 2013、Alarabia.net, March 21, 2013、al-Hayat, March 22, 2013、Kull-na Shuraka’, March 21, 2013、al-Kurdiya News, March
21, 2013、Naharnet, March 21, 2013、Reuters, March 21, 2013、SANA, March 21,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立では、ヒートゥー氏の暫定政府首班選出をうけアタースィー副議長を含む複数のメンバーが離反を宣言(2013年3月20日)

シリア革命反体制勢力国民連立(通称、シリア国民連合)自壊

シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出(19日)を受け、スハイル・アタースィー副議長、ワリード・ブンニー報道官、ムハンマド・カマール・ルブワーニー、マルワーン・ハーッジ・リファーイー、ヤフヤー・クルディー、アフマド・アースィー・ジャルバーら12人の幹部がメンバーシップを凍結し、連立を事実上離反した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のスハイル・アタースィー副議長は、フェイスブックを通じて声明を出し、「私たちは、連立メンバーが暫定政府におけるポストを引き受けることを禁じるよう主張してきた…。一部のメンバーが、私に連立を辞め、政府に参加するよう求めてきたが、私はこれを拒否した…。私はいかなる閣僚ポストにも就かないし、望まない辞職もしない…。しかし、制度を無視した発想に抗議して、メンバーシップを凍結する」と綴った。

**

『ハヤート』(3月21日付)によると、ワリード・ブンニー報道官はメンバーシップ凍結に関して「根本的な問題は、暫定政府首班選出のタイミングと方法だ。連立は過半数を(承認を)得たことにするため、投票を行わなかった」と述べた。

また「メンバーシップを凍結した我々一人一人に異なった理由がある。近日中に皆の意見を代表する声明を発表する」と付言した。

**

ヨルダンを拠点とする反体制活動家のムハンマド・カマール・ルブワーニーは声明を出し、暫定政府(首班)がシリア国内で国民によって選出されねばならないと述べ、発足当初から過ちを繰り返すシリア革命反体制勢力国民連立の枠内では活動を継続できないとしたうえで、「偽証者とならないために、首班選出の投票の場から退席し、連立のメンバーシップを凍結した」と発表した。

**

アタースィー副議長の事実上の離反を受け、シリア革命反体制勢力国民連立は、暫定政府首班候補者の一人だったサーリム・アブドゥルアズィーズ・ムスラトを急遽副議長に任命した。

その他の反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ハーン・アサル村での化学兵器使用を軍によるものと断じ、国際調査委員会の受け入れを認め、また国内での調査活動の安全を確保すると発表した。

**

クルディーヤ・ニュース(3月20日付)は、ハサカ県ダイリーク市で、民主統一党人民防衛隊とシリア・クルド進歩民主党の民兵が、街頭で「無許可」でノウルーズを祝っていた住民に発砲、殴打して、強制排除した、と報じた。

**

パリで活動するシリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出への支持を表明した。

**

イスラーム解放党(シリア州)は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出を、「アッラーへの裏切り…殉教者の死に対する裏切り」と厳しく非難し、「シャームの地における革命家たちを…代表していない」と断じた。

シリア政府の動き

アサド大統領は、アスマー・アフラス夫人とともに、ダマスカス県ティジャーラ地区にある美術教育センターを突如訪問し、反体制武装集団によるテロで犠牲となった生徒の遺族や教員と面談し、励ましの言葉を贈った。

SANA, March 20, 2013
SANA, March 20, 2013

image007

アサド大統領は遺族に対して「シリア全土が今日、傷ついている。兄弟、父母は失っていないとしても、親戚を一人も失っていない人などいない。こうした損失は子供を失うこととは同じではない。しかし、我々が被っていることで、我々が弱者になり得るはずもない。戦いは、意志と抵抗力の戦いであり、我々は強くなればなるほど、ほかの国民を護ることができる」と述べた。

SANA(3月20日付)が報じた。

**

シリア外務在外居住者省は、シリア政府が国連事務総長に対して、ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用についての調査を行うための中立的な独立専門技術チームの設置を求めた。

**

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連に対して書簡で「シャームの民のヌスラ戦線およびアル=カーイダと関係のある複数の集団がアレッポ市東部の民間化学物質工場を制圧し、トルコのガズィアンテップ市でこれらの物質から化学兵器を製造した」としたうえで、EUおよびアラブ諸国が武装集団への武器供与を呼びかけたことが「化学兵器による攻撃を促した」と非難した。

ジャアファリー国連代表はまた、「穏健な集団への武器供与を支援するとしたジョン・ケリー米国務長官の発言は、米国がシリアの危機の平和的解決にどの程度真剣に関与しようとしているかを疑問視させる」と非難した。

**

『ワタン』(3月20日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出を、「数ヶ月にわたって続いたポストをめぐる意見対立の末、オスマン人、アール・サーニー家に支えられたムスリム同胞団は、シリア生まれの米国人ガッサーン・ヒートゥーを暫定政府首班に任命することに成功した」と評した。

また「17歳の時に兵役を逃れて国を去り、シリアについて何も知らない人間がパラシュートで降りてきた」と批判した。

**

『ティシュリーン』(3月20日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出が「カタールのヴィジョンに基づいた新たな役割分担」としたうえで、「連立が発足した政府は、シリア国内でのテロリストの行為を隠蔽しようとする…トルコ・カタールの策略のもとに生み出された」と非難した。

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(3月20日付)によると、アッバースィーイーン地区のサイイダ・ディマシュク教会裏に、反体制武装集団が撃った迫撃砲2発が着弾し、複数の市民が負傷した。

またジャウバル区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、バイト・ジン市などに軍が砲撃を行った。

またハジャル・アスワド市(とりわけヤルムーク区、カダム区に近い街区)で反体制武装集団と軍が交戦し、軍が空爆を行った。

一方、SANA(3月20日付)によると、ウタイバ村および同市郊外、ドゥーマー市、フジャイラ村、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、グータ殉教者大隊を名乗る武装集団が、ハラスター市の空軍情報部施設を砲撃し、施設で大規模な火災が発生したと発表した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市に対して軍が空爆を行った。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルナーズ市に対して軍が空爆を行った。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区、バーブ・アムル地区、などで軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月20日付)によると、ヒムス市バーブ・トゥルクマーン地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、バーブ・アムル地区、ラスタン市、東ブワイダ市、アーバル市、ダブア市、ウユーン・フサイン市、ジュースィーヤ村郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(3月20日付)によると、カフルダーイル村、ナイラブ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・バーシャー地区、アーミリーヤ地区、カルム・マイサル地区、カースティールー地区、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(3月20日付)によると、ブザーブール村近郊、ビンニシュ市、サラーキブ市、マアッラトミスリーン市、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、革命総合委員会なる組織が、ハーン・アルナバ市(ゴラン高原)の空軍情報部施設と警察署を占拠したと発表した(未確認情報)。

レバノンの動き

NNA(3月20日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡カスル村郊外に、シリア領内から発射された迫撃砲5発が着弾した。

しかし、地元治安当局高官は、AFP(3月20日付)に対して、着弾した迫撃砲は2発だと証言した。

諸外国の動き

イラン外務省は声明を出し、ハーン・アサル村での化学兵器使用に関して、「人類に対する敵対的行為」と厳しく非難した。

**

イスラエルのユワリ・シュタイニッツ諜報戦略問題担当大臣は、ハーン・アサル村での化学兵器使用に関して「破壊分子の手によってであれ、政府の手によってであれ、民間人に対してこの兵器が使用されたことは明白だろう」と述べた。

**

しかし『イディオト・アハロノト』(3月20日付)は、複数の諜報機関高官の話として、反体制武装集団が化学物質を保有している、ないしは化学兵器を装填できるミサイルや迫撃砲を獲得しておらず、ハーン・アサル村への化学兵器による攻撃は、シリア軍がサリン・ガスを使用したことによるものだと考えられると報じた。

**

ロバート・フォード駐シリア米大使は議会の公聴会で、「シリアで化学兵器が使用された証拠はない」と証言し、ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用を否定しつつ、「軍事バランスは体制にとって不利なかたちに展示し始めた」と述べ、その軍事力が増大していることを示唆した。

**

ロシア外務省のゲンナージー・ガティロフ外務次官はツイッター(3月20日付)で、ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用に関して、「正確な調査をしなければならない。現時点で、(使用を確認できる)明白な証拠はない」とつぶやいた。

**

イスラエル軍は、ゴラン高原の停戦ライン近くで、シリア国内の戦闘を逃れてきたシリア人4人(うち2人は負傷者)を保護し、イスラエル国内の病院に搬送したと発表した。

**

ヨルダンのサミーフ・マアーイタ内閣報道官(情報通信大臣)は、シリア情勢に関して「ヨルダンはシリアの体制存続、転換のいずれにも関与しないが…、シリアにおける政治解決の地平が見えないなか、国民、政府の双方に、シリア分裂が生じた場合、ヨルダンが多大な代価を支払わされるとの懸念がある」と述べた。

**

トルコ政府は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー胃行為政府首班選出を「シリア国民の唯一の正統な代表として国民を保護しようとする決意と意思」を示すものだと高く評価した。

**

国連の潘基文事務総長は安保理に報告書を提出し、そのなかでシリア国内での武装集団による攻撃でUNDOFの今後の活動が脅かされているとの懸念を表明した。

またゴラン高原の不安定化を受けて、イスラエルが数度にわたり兵力引き離し地域への領空を侵犯していると指摘した。

UNDOFの安全に関して、潘事務総長は「シリア政府が…基本的な責任を負う」としながらも、「反体制武装集団や紛争当時者に影響力を持つ国々」に、UNDOFの活動の自由と隊員の安全を保障することの重要性を改めて確認するよう求めた。

**

ドイツのピーター・フリードリヒ内務大臣は、2013年中にシリア人避難民5,000人を受け入れると発表、現在シリアの周辺諸国で受け入れ候補者の選定を行っている、と発表した。

AFP, March 20, 2013、Akhbar al-Sharq, March 20, 2013、al-Hayat, March 21, 2013、Kull-na Shuraka’, March 20, 2013, March 21, 2013, March
23, 2013、al-Kurdiya News, March 20, 2013、Naharnet, March 20, 2013、NNA,
March 20, 2013、Reuters, March 20, 2013、SANA, March 20, 2013、Tishrin, March 20, 2013、UPI, March 20, 2013、Yedioth Ahronoth, March 20, 2013、al-Watan, March 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府首班はクルド系のヒートゥー氏に、シリアの複数メディアは反体制勢力がアレッポ県ハーン・アサル村で化学兵器を使用したと報じる(2013年3月19日)

反体制勢力による化学兵器使用疑惑

SANA(3月19日付)などシリアの各メディアは、アレッポ県ハーン・アサル村で、反体制武装集団が化学物質を充填したミサイルを使用し、25人が死亡、100人以上が重傷を負ったと報じた。

SANA, March 19, 2013
SANA, March 19, 2013

SANAによると、反体制武装集団は、この攻撃に先立って、化学物質や毒ガスでネズミを殺す、「疾風」と名付けられた実験のビデオをアップし、化学兵器による攻撃を行うと脅迫していた、という。

**

シリアの外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出、そのなかで反体制武装集団が化学兵器を使用したことを報告した。

同書簡によると、反体制武装集団は、19日午前7時30分に、カフルダーイル村一帯から、約5キロ離れたハーン・アサル村に向かってミサイルを発射、約300人の市民が居住し、軍が駐留する地域が被弾した。

着弾・爆発したミサイルから出た煙を吸った市民・兵士は意識を失い、うち25人が死亡、110以上がアレッポ市内の病院に搬送されたという。

そのうえで外務在外居住者省は、シャームの民のヌスラ戦線に代表される反体制武装集団による化学兵器使用の危険に対して再三にわたって懸念を表面してきたとしたうえで、国際社会に対して、断固たる姿勢で対処するよう求めた。

**

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用に関して、記者団に対して、反体制武装集団を支援するトルコの首相とカタールの主張に法的、道徳的、人道的責任があると厳しく非難した。

また、使用された化学兵器はシリア国外から持ち込まれたものだと断じ、非致死性兵器や非軍事支援を行っているだけだとの英仏、カタール、トルコの主張が「メディア向けの発言に過ぎない」と批判した。

さらに、こうしたテロに対して、シリア政府は、国際法に従って行動し、国際機関に対して異議申し立てを行う権利を有すると主張した。

**

シリア人権監視団は、ハーン・アサル村の政府軍の拠点が地対地ミサイルで攻撃されたと発表したが、誰が攻撃したについては言及しなかった。

**

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは滞在先のイスタンブールで「我々は、軍がハーン・アサル村を長距離ミサイルで攻撃したと理解しており、我々の一時情報によると、そのミサイルには化学兵器が積まれていた」と述べた。

そのうえで「我々は長距離ミサイルも化学兵器も保有していない。持っていたとしても、革命家を標的としない」と付言した。

**

自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐は、反体制武装集団が、化学兵器を装備したスカッド・ミサイルを使用して、軍がハーン・アサル村を攻撃したとの報告を受けている、と述べた。

**

シリア国民評議会は声明を出し、複数の医師、軍人、市民が、ハーン・アサル村内の少なくとも1カ所で、軍が市民に対して化学兵器を使用したことを確認したと発表した。

その他の国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村の第99戦車大隊本部と、対ヨルダン国境に近いタッル・シハーブ町近郊の戦車大隊拠点2カ所を、反体制武装集団が軍との交戦の末に制圧した。

一方、SANA(3月19日付)によると、アイン・アファー遺跡検問所を襲撃した反体制武装集団と軍が交戦し、複数の戦闘員が死傷した。

**

ヒムス県では、SANA(3月19日付)によると、ラスタン市、タルビーサ市、ガントゥー市、バイト・ラービア市、アーミリーヤ市、東ブワイダ市、マスウーディーヤ村、ハミーディーヤ市、ジュースィーヤ村郊外、クサイル市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

アレッポ県では、SANA(3月19日付)によると、カフルダーイル村、ワディーヒー村、カラースィー村、ハーン・アサル村、カフルハムラ村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、スッカリー地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(3月19日付)によると、ワーディー・マハーミード、ワーディー・ハーッジュ・ハーリド、マアッラト・ヌウマーン市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、フィールーン市、イドリブ市周辺、ブカフラー市、ズルズール市、ラーミー村、アブー・ズフール市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(3月19日付)によると、ウタイバ村、イバーダ市、ドゥーマー市、バフダリーヤ村、アドラー市郊外、ヤブルード市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またムウダミーヤト・シャーム市では、反体制武装集団が発射した迫撃砲により、女性1人が死亡、子供2人を含む3人が負傷した。

**

ダマスカス県では、SANA(3月19日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャーヒズ公園近くのサウジアラビア大使館裏に反体制武装集団が発射した迫撃砲が着弾し、市民多数が死傷した。

その他のシリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は声明を出し、シリア軍戦闘機がレバノン領内(ベカーア県バアルベック郡アルサール地方)に対して空爆を行ったとの一部情報が「根拠がない偽り」だと否定した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は、シリア軍によるレバノン領内への空爆に関して、「レバノンの主権を侵害する…受け入れられない」行為と厳しく非難し、シリア政府に対して文書で抗議するようアドナーン・マンスール外務大臣に指示した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は、イスタンブールでの18日からの大会で、ガッサーン・ヒートゥーを暫定政府首班に選出した。

ガッサーン・ヒートゥーは、1963年、ダマスカス生まれのクルド系。

米国籍を持ち、インディアナ大学大学院で修士号取得(1994年)後、四半世紀にわたり米国で通信テクノロジー関連の企業に務め、政治活動の経験はない。

2011年に米国で「自由シリアのための同盟」、「シャーム救済委員会」を設立、2012年にシリア革命反体制勢力国民連立の人道救済支援調整ユニットで活動してきた。

**

『ハヤート』(3月21日付)によると、ヒートゥーは、投票総数49票中35票を獲得して、暫定政府首班に選出された。

ヒートゥーに投票したのは、シリア国民評議会と各県の地元評議会のシリア・ムスリム同胞団員、ムスタファー・サッバーグ連立事務局長。

また当初有力だとされていたシリア公務員国民自由連合副代表のアスアド・ムスタファー元農業大臣(元ハマー県知事)は、1980年代のハマー暴動への関与が指摘され、ムスリム同胞団からの支持をとりつけることができなかったという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府首班に選出されたヒートゥーは、記者会見で、「政府は解放区での活動を始め、シリア革命反体制勢力国民連立の保護のもと、体制打倒後に開催されるであろう国民総会を国民のために準備し、シリア国民の意思を表現するかたちで自由かつ透明な選挙をめざす」と述べた。

ヒートゥーは、暫定政府の最優先事項が「アサド政権を何よりもまず完全に打倒するため…自由シリア軍、参謀委員会、革命家たちへの軍事援助、財政支援を確保する」ことにあると強調した。

そのうえで、カタール、トルコ、サウジアラビア、フランス、英国、イタリア、米国の「政治的、財政的支援」への謝意を示した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は、『ハヤート』(3月19日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出を「彼が誰かも知らない」としたうえで、「発足以来最大の過ち」と評し、「シリア北部にソマリランド」のような状態を作り出すと非難した。

**

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、シリア革命反体制勢力国民連立によるガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出に関して、「暫定政府首班の出自はクルドだが、ヒートゥーはクルド人のことを知らないし、クルド語すら話せない」と非難した。

また「ガッサーンはクルド人の間では無名で、クルド問題に関して何らの見解も持っていない」と付言した。

フラート通信(3月19日付)が伝えた。

**

在外シリア革命支援人民委員会は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府首班の選出に関して、「国外ではなく、シリア領内で占拠が実施されること」、「閣僚の80%を国内の活動家が占めること」を求めてきたと主張、首班選出が「疎外と対立を助長する原因にならないことを望む」と警鐘を鳴らした。

諸外国の動き

ロシア外務省は声明を出し、「我々がダマスカスから得た情報によると、シリアの反体制勢力はアレッポ県で3月19日の早朝、化学兵器を使用した」としたうえで、ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用を「シリア危機の文脈においてきわめて深刻な展開」、「大量破壊兵器が武装集団の手に渡っていることは、事態のさらなる混乱が原因であり、同国の対立を新たなレベルへと至らしめている」との「深刻な懸念」を表明した。

また、すべての紛争当事者に対して、暴力の停止と、ジュネーブ合意に基づいた紛争の政治解決を呼びかけた。

**

ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官は、シリア革命反体制勢力国民連立による暫定政府首班選出に関して、RT(3月19日付)に対して、「さらなる不安定をもたらす。シリア危機の平和的解決に資さず、ジュネーブ合意の文言と精神に反するこのステップを遺憾に思う」と述べた。

また「この決定は、合法的なシリア現政府の支持者ではなく、(シリア革命反体制勢力国民)連立に参加していない反体制勢力において、国家分裂の危機を増大させる」と付言した。

**

ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用に関して、「シリアの反体制勢力が化学兵器を使用したとの非難を裏付ける証拠を我々は持っていない」と発表した。

**

フランス外務省報道官は、シリア革命反体制勢力国民連立による暫定政府首班選出に関して、「反体制勢力の統合に資する」と支持を表明した。

**

フランスのフランソワ・フィヨン前首相(国民運動連合)は、シリアの反体制武装勢力に対する武器供与(武器禁輸措置解除)に関して、「洗練された武器の供与することで…際限のない内戦になる…。危険だと思う」と述べた。

その理由としてフィヨン前首相は「問題は誰に武器が供与され、彼らが明日どうなるかだ」としたうえで、「アサド政権の戦闘機の空爆を阻止したいのなら、リビアでやったこと、すなわち飛行禁止空域を設定し、戦闘機を撃墜しなければならない」と主張した。

そのうえで「アサド政権を支援しないようロシア人に説得する試みはまだ終わっていない」と述べ、ロシアを説得し、飛行禁止空域設定のための国連安保理決議の採択をめざすべきだとの見解を示した。

AFP, March 19, 2013、Akhbar al-Sharq, March 19, 2013、al-Hayat, March 19, 2013, March 20, 2013, March 21, 2013、Kull-na Shuraka’, March
19, 2013、al-Kurdiya News, March 19, 2013、Naharnet, March 19, 2013、Reuters,
March 19, 2013、SANA, March 19, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立が移行期政府首班選出のための総会を開催する一方、シリア軍がレバノン・ベカーア県の複数村を空爆し米当局による非難を呼ぶ(2013年3月18日)

国内の動き(シリア政府の動き)

SANA(3月18日付)によると、アレッポ県アレッポ市ジャービリーヤ地区で、若者らがシリア軍支持、テロリスト退去を求めるデモ行進を行った。

国内の暴力

ダマスカス県では、反体制武装集団(特殊部隊)が、カフルスーサ区の治安機関施設が建ち並ぶ街区、ティシュリーン宮殿(マッザ区・ムハージリーン区間)、ダマスカス国際空港を120ミリ迫撃砲で攻撃し、「直接の被害を与えた」とダマスカス軍事評議会が発表した。

これに対して、SANA(3月19日付)は、ダマスカス県内ティシュリーン公園、ムワーサー病院付近に迫撃砲5発が着弾したが、被害はなかったと報じた。

一方、反体制筋によると、軍がマッザ区にあるダマスカス大学の学生寮に突入し、多数の学生を逮捕した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(3月18日付)は、ダマスカス大学の学生が、都市工学部、建築工学部、理学部などで、シリア学生総連合のアンマール・サーアーティー総裁を犯罪者と非難し、体制打倒を実現するまで「革命」を続けると意志が書かれたビラを配布したと報じた。

また、スバイナ・パレスチナ人難民キャンプを軍が砲撃し、パレスチナ人12人が死亡、25人が負傷したという。

他方、SANA(3月18日付)によると、ジャウバル区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(3月19日付)などによると、ダーライヤー市が砲撃を受け、またサイイダ・ザイナブ町近郊で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(3月18日付)によると、アドラー市およびその周辺、カーラ市、ドゥーマー市、ハラスター市、ムライハ市、ウタイバ村、イバーダ市、アフマディーヤ市、ヤブルード市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団、ドゥーマー・シャリーア評議会メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またナジュハー市でスワイダー市発ダマスカス県行きの旅客バスが、反体制武装集団の襲撃を受け、乗客多数が死傷した。

**

アレッポ県では、SANA(3月18日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、ライラムーン地方で、軍が反体制武装集団と交戦し、ハック旅団のメンバー20人を殲滅した。

またアレッポ市シャイフ・サイード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、アレッポ市サーフール地区で、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員と別の反体制武装集団が略奪品の分配をめぐって衝突、双方が迫撃砲を使用するなどして、40人以上の戦闘員が死亡した。

またアフラール大隊、シャームの鷹旅団、シャームの民のヌスラ戦線が主導権争いを理由に衝突し、複数の戦闘員が死亡した。

他方、カラースィー村、ラーシディーン市、ハーン・アサル市、マンナグ村、アルカミーヤ村、ハイヤーン町、アナダーン市、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(3月18日付)によると、タッルカラフ市郊外で、レバノンから密入国しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

またクサイル市、アバル市、サッルーミーヤ市、シューマリーヤ市、ハミーディーヤ市、東ブワイダ市、サーリヒーヤ市、ダブア市、ニザーリーヤ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(3月18日付)によると、サルジャ村、バービラー市、ハーン・スブル村、タイイバート村、ナイラブ村、タフタナーズ市、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、マアッラト・ヌウマーン市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、アブー・ズフール市郊外などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(3月18日付)によると、ヒルバト・ガザーラ市および同市周辺、マハッジャ市、シューマラ市、ラジャート市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立が、トルコのイスタンブールで移行期政府首班選出のための総会を開催した。

『ハヤート』(3月19日付)によると、イスタンブールでの総会に対して、「ダマスカス宣言」運動と無所属民主主義者ブロック(ブルハーン・ガルユーン代表)は、移行期政府発足を延期し、執行委員会を設置するにとどめるよう求めた。

これに対して、シリア国民評議会を構成するそれ以外のほとんどのブロックは、移行期政府発足を支持している。

しかし、シリア・ムスリム同胞団は移行期政府樹立や執行委員会設置への態度が曖昧なままだという。

また『ハヤート』(3月19日付)は、信頼できる反体制筋の話として、「米国が総会開始直前まで、移行期政府の樹立を延期するよう圧力をかけたのに対し、湾岸諸国は移行期政府樹立をめざす反体制勢力の動きを支持した」という。

また同消息筋によると、トルコとエジプトも、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、移行期政府を樹立するのではなく、執行委員会を設置するだけにとどめるよう求めたという。

**

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、シリア革命反体制勢力国民連立総会への出席のために訪れたイスタンブールで、「(移行期)政府に関する合意がなされ、発足が宣言されれば、それはシリア・アラブ共和国全土における合法的政府となり、バッシャール・アサド政権は正統性のない占両政府になる」と述べ、移行期政府の樹立を支持した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、国際社会に対して、シリア危機を解決するための政治プロセス開始に向けて早急にコンセンサスに達するよう求めた。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長とシリア国家建設潮流のリーム・トゥルクマーニーが米国で、米国務省のシリア問題担当者と会談し、シリア情勢について協議した。

米国務省筋によると、マンナーアとトゥルクマーニーは個別に訪米し、近く国務省高官と会談する予定だという。

**

シリア人権監視団は声明を出し、2011年3月18日から2013年3月17日にかけて、59,584人が死亡したことが確認されたと発表した。

死者の内訳は、民間人40,390人、うち4,264人が18歳以下、2,579人が18歳以上の女性、10,623人が「戦闘大隊」戦闘員。

シリア人権監視団によると、「戦闘大隊」戦闘員は民間人とみなされるという。

一方、離反兵の死亡数は1,783人、正規軍兵士の死者数は14,752人だという。

身元不明者数は1,973人で、うち1,086人が戦闘員。

この数値は国連や西側諸国の試算(8万人~9万人)に比べて2万人以上少ない。

**

クルディーヤ・ニュース(3月19日付)は、自由シリア軍が民主統一党人民防衛隊のメンバー2人を釈放したと報じた。

この2人はシリア・クルド・アーザーディー党の民兵がアレッポ県アフリーン市郊外のバースータ村、ブルジュ・アブダールー村で拘束し、自由シリア軍バーブ・ハワー(イドリブ県)地域の部隊に引き渡し、トルコ領内で取り調べを受けたという。

レバノンの動き

NNA(3月18日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方のヒルバト・ユーニン村、ワーディー・ハイル村の郊外をシリア軍が空爆した、と報じた。

これに関して、マナール・チャンネル(3月18日付)は、シリアの反体制武装集団が使用していたワーディー・ハイル村内の「納屋」をシリア軍が空爆したと報じた。

AFP(3月18日付)によると、死傷者はなかったという。

**

レバノンで活動する自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー中央広報担当官は『ジュムフーリーヤ』(3月18日付)に対して、シリア国内での最近の戦闘でヒズブッラーの戦闘員38人が死亡し、レバノン国内で埋葬されている、と述べた。

諸外国の動き

オーストラリアのボブ・カール外務大臣は声明を出し、オーストラリア政府がシャームの民のヌスラ戦線を「資金提供、支援を禁じるテロ組織」に追加指定したと発表した。

SANA(3月18日付)が報じた。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、連盟が「今のところ自らの責任を果たしておらず、全体未聞の停滞状態にある」と述べ、シリア情勢に対する対応の失敗を認めた。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、ブリュッセルのNATO本部で記者会見を開き、「英仏が提案したシリアへの武器緊急措置解除の問題はEUの問題だが、NATOの名において、私はEUでのこの議論に介入する意思はない」と述べた。

**

ヴィクトリア・ヌーランド米ホワイトハウス報道官は、シリア軍によるレバノン領内への砲撃・空爆に関して「主権侵害であり、決して受け入れられない」と厳しく非難した。

**

マーティン・デンプシー米陸軍参謀長は、ワシントンDCでのCSISでの講演で、「6ヶ月前から、反体制勢力のイメージは我々の目には非常に混乱したものに見えている。これまで以上に混乱したものとなっていると言えよう」と述べ、米国は反体制勢力、武装集団の実態を把握していないことを明らかにした。

デンプシー参謀長は「6ヶ月前は、(反体制勢力の)状況は若干明らかだった。組織の数もだ。しかし現在、明確ではなくなっている」と付言した。

AFP, March 18, 2013、Akhbar al-Sharq, March 18, 2013、al-Hayat, March 18, 2013, March 19, 2013, March 20, 2013、Kull-na Shuraka’, March
18, 2013, March 19, 2013、al-Kurdiya News, March 18, 2013、al-Jumhuriya, March 18, 2013、al-Manar, March 18, 2013、Naharnet, March 18, 2013、NNA,
March 18, 2013、Reuters, March 18, 2013、SANA, March 18, 2013、UPI, March
18, 2013などをもとに作成。

新体制紙が「テロの炎」がヨルダンとレバノンに波及する可能性について警鐘を鳴らす(2013年3月17日)

シリア政府の動き

『サウラ』(3月17日付)は、社説で「テロの炎で焼かれるシリア情勢は、ヨルダンとレバノンからの手が、故意にあるにせよ、そうでないにせよ、忍びよるのであれば、それだけで炎に包まれることはないだろう」と述べ、シリア国内でのサラフィー主義者のテロ活動が両国にも波及する危険があると警鐘をならし、両国政府に暗に対応を迫った。

国内の暴力

ラッカ県では、複数の反体制消息筋によると、ヒッティーン農場地区で第17師団本部を包囲する反体制武装集団に対して、軍が空爆を行った。

シリア・イスラーム戦線によると、反体制武装集団は同師団本部内の複数の拠点をすでに制圧しているのだという。

**

アレッポ県では、反体制活動家らの複数のサイトによると、サラフィー主義反体制武装集団が運営するシャリーア委員会の部隊がバーブ市郊外の軍の基地に突入し、行方不明者10人の遺体、略奪品、密輸された武器などを押収した。

また、シリア・イスラーム戦線によると、反対武装集団は、このほかにも第93旅団本部、タブカ航空基地を包囲し、制圧を試みているのだという。

一方、SANA(3月17日付)によると、アターリブ市、ア