イドリブ県とハマー県で活動する「穏健な反体制武装集団」とシャームの民のヌスラ戦線が共同声明を出し、アレッポ市北部でのシリア軍の攻勢に対応するため、600人の戦闘員からなる新部隊を編成し、同地に派遣したと発表した。
声明によると、新部隊は「シリア政府とダーイシュ(イスラーム国)の攻撃からアレッポ各戦線を救済する」ことを目的としている。
新部隊の編成に参加した武装集団は以下の通り:
1. シャーム軍団
2. シャームの鷹
3. ハズム運動
4. サラーキブ革命家戦線
5. シリア革命家戦線
6. 真実の騎士旅団
7. 第13師団
8. 第101師団
9. シャームの民のヌスラ戦線
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シャームの民のヌスラ戦線シャリーア諸委員会のムハンマド・アブドゥッラフマーン・アブー・ジャービル代表は声明を出し、ヌスラ戦線がアレッポ市および同市郊外のシャリーア委員会を脱会したと発表した。
脱会は、アレッポ市および同市郊外のシャリーア委員会の参加団体の一部が、当初の合意に反して、シリア革命反体制勢力国民連立の傘下にあるアレッポ県評議会の活動に寄与していることが理由だという。
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7月6日からトルコのイスタンブールで開催されている新議長選出のためのシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会会合に関して、ダマスカス宣言事務局長のサミール・ナッシャール氏は、AFP(7月8日付)に「アラブ諸国、諸外国の外圧」のもと各派の「コンセンサス」に基づく議長選出が推し進められていると述べた。
ナッジャール氏によると、「米国のあからさまな圧力を示す政治的兆候がある」としたうえで、ジュネーブ2会議で連立代表団を率いたハーディー・バフラ氏を議長に、ハーリド・ハウジャ氏を事務局長に選出するかたちでの「取引」がなされているという。
バフラ氏は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長などが属す民主ブロック(ただしミシェル・キールー氏は排除)が支援、これに対してハウジャ氏は地元評議会ブロック代表を務めるムスタファー・サッバーグ氏らが支援している。
両陣営の「取引」は、シリア・ムスリム同胞団の排除を前提としているという。
AFP, July 8, 2014、AP, July 8, 2014、ARA News, July 8, 2014、Champress, July 8, 2014、al-Hayat, July 9, 2014、Kull-na Shuraka’, July 8, 2014、al-Mada Press, July 8, 2014、Naharnet, July 8, 2014、NNA, July 8, 2014、Reuters, July 8, 2014、SANA, July 8, 2014、UPI, July 8, 2014などをもとに作成。
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