ラタキア県ブルジャーン村、ダマスカス郊外県ディーマース町、ヒムス県ハサン・ビン・ハイサム研修キャンプでアラウィー派が相次いで襲撃・拉致・殺害され、ラタキア県で抗議デモ発生(2025年7月4日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装グループが、ブルジャーン村周辺の農地で作業をしていたアラウィー派の若い男性2人に対して、至近距離から銃撃を加えた。

この襲撃により、2人のうち1人はその場で死亡、もう1人は近くの病院に搬送された。

シリア人権監視団によると、この襲撃事件を受けて、住民が平和的な抗議行動を行い、襲撃者の身元を明らかにし、責任を追及するよう要求する一方、こうした事件が相次いでいるにもかかわらず、関係当局からの明確な対応がないことに不満を表明した。

これに対して、シリア人権監視団によると、地元当局と有力者らが、国防省の憲兵隊とともに、ブルジャーン村の検問所に配置されていた要員らを逮捕、内務省総合治安局の要員がこれに代わって検問所に配置された。

一方、この事件を受けるかたちで、シリア人権監視団によると、バイト・ヤーシュート村では住民らが地域の治安維持を求める平和的な抗議集会を行った。

参加者らは、「我々は皆、法の下にある」「アッラーの名のもとに我々を殺すな、恥を知れ」、「我々の女性たちはレッドラインだ」などと書かれたプラカードが掲げ、公共の安全と生命の保護のために、治安強化と関係当局の継続的な治安維持の必要性を訴えるとともに、犯人の追跡と逮捕、そして正義の実現を求め、処罰の回避があってはならないと強調した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のジュバイラ地区で2日前に正体不明の武装グループによって銃撃され、重傷を負っていた若者が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ディーマース町の集合住宅地で、治安当局の制服を着た武装グループにより2日に拉致されていた1人と1日に何者かによって拉致されていた1人が殺害され、遺体で発見された。

殺害された2人はいずれもアラウィー派。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ザイズーン・ダム西で、身元不明の遺体が発見された。

また、シリア人権監視団によると、イスリヤー村に至る街道沿線で、ダイル・ザウル県方面に向かっていた国防省の部隊が正体不明の武装グループの襲撃を受け、兵士1人が殺害され、また第86旅団(旧スルターン・スライマーン・シャー旅団(アムシャード旅団)の兵士1人が行方不明となった。

シリア人権監視団によると、死亡したのは2名で、行方不明となっていた1人はその後無事発見された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハサン・ビン・ハイサム研修キャンプ(大学の施設)で、2日に治安当局によって拘束されたアラウィー派の夫婦の遺体が発見された。
遺体には即決処刑されたと見られる銃撃の痕跡があった。

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