シリア人権監視団、スワイダー24によると、スワイダー県内の各所で一斉にデモが行われ、アフマド・シャルア移行期政権を拒否し、同政権の全ての部隊の県からの撤退を要求した。
デモが行われたのは、スワイダー市のカラーマ広場、シャフバー町、サリーム村など。
スワイダー24によると、デモはまた、サルハド市、カナワート市、マフアラ村、アブー・ズライク村など複数の村々でも行われ、市民数百人が参加した。
参加者たちは、スワイダー県の生活インフラが麻痺し、人道状況が悪化している現状を踏まえて、同県に対するアフマド・シャルア移行期政権による封鎖を解除すること、ヨルダンとの間に人道回廊を開設して民間人の生活必需品を確保し、自由な移動を保証することなどを訴えた。
また、同県での一連の事件を調査するために7月31日に司法省が設置した委員会が独立性と信頼性に欠けると批判、中立的な国際調査を開始するよう求めた。
デモでは、「お前らを信用しない」、「独立国際委員会を求める」、「シリア国営メディアは嘘つきだ」といったシュプレヒコールが連呼され、同様のスローガンが書かれた横断幕が掲げられ、シャルア移行期政権への不信感が表明された。
スワイダー24によると、スワイダー市のカラーマ広場でのデモには、数百人が参加した。
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一方、SANAによると、ダマスカス県のウマウィーイーン広場で、シリアの内政への外国、とりわけイスラエルからの干渉に反対し、国家によるシリア全土の治安強化の取り組みを支持するデモが行われ、市民らが参加した。
デモ参加者は、シリア国旗や、国民の団結を堅持し、一つの国民としての平和を守り、あらゆる扇動的な言動を拒否することを訴える横断幕を掲げた。
参加者たちはSANAの取材に対し、敵が押し付けようとする分裂の企図を拒み、違法な武装勢力との戦いにおいて軍と治安部隊を支持すると強調した。
また、参加者たちは、宗派主義的・分裂主義的な全ての声に対抗する愛国的な言説の必要性を訴え、シリアは国民の結束と自由な主権国家への強い願いによって、いかなる分断の試みをこれからも阻み続けると強調した。


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シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権支配下のダルアー県のサナマイン市とダマスカス郊外県のハラスター市でも同様のデモが行われた。
また、シリア人権監視団によると、同様の抗議デモは、アレッポ市のサアドゥッラー・ジャービリー広場、ラタキア市中心部の広場などでも行われた。
これらの集会は厳戒態勢のもと、国営メディアが大きく取り上げる中で行われ、活動家の一部は「当局による組織的な政治プロパガンダの演出」に近いものと評しているという。
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