シリア人権監視団:「アブー・マリヤム・ウストラーリアー・グループ」と呼ばれる組織が、投資家や不動産を狙った詐欺・恐喝ネットワークを主導(2025年8月18日)

シリア人権監視団は、複数の証言や情報に基づき、「アブー・マリヤム・ウストラーリアー・グループ」と呼ばれる組織が、投資家や不動産を狙った詐欺・恐喝ネットワークを主導していることが明らかになったと発表した。

このネットワークは、A.S.、R.Z.、W.‘A.、A.Q.らによって率いられ、財産の押収や巨額の金銭を得るために恐喝や取引を持ちかけている。

手口は以下の通り。
・情報収集:R.ZとA.Qは、UAEとレバノンに拠点を置き、ダマスカスに不動産を所有する投資家や実業家に関する詳細な情報を収集。
・情報伝達:集められた情報はA.Sに渡され、組織の事務所責任者へと伝えられる。
・恐喝段階:被害者は財産没収の脅しを受け、多額の金銭を支払うことで一部権利の返還を提案される。

主な被害者
ダマスカスで高級ホテルを経営する投資家が強い圧力を受け、16戸のアパートを鍵ごと引き渡すことを余儀なくされた事例が公表された。これは最大級の恐喝事件の一つとされている。

前歴と告発
・R.Zに対しては詐欺・恐喝容疑で国際刑事警察機構(インターポール)による国際手配書が出されている。
・2020年には、A.S、R.Z、A.Qがダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市の鉄屑・金属収集活動に関与したとされる。
・複数の報告によれば、彼らは違法活動や地元資源略奪に関与する犯罪者K.Hと直接関係しており、広域的な犯罪ネットワークを構築している。

投資への脅威
これらのネットワークは組織的に活動し、情報収集・恐喝・不動産押収を組み合わせてシリア国内外の投資に直接的な脅威を及ぼしている。そのため、投資家や不動産所有者に対して、A.SやR.Z、あるいは「アブー・マリヤム・ウストラーリアー・グループ」と称するいかなる人物とも接触しないよう警告が発せられている。

また、ドバイ警察およびレバノン治安総局に対しても、このような違法活動に関与する人物らを追跡・摘発するよう緊急の呼びかけが行われている。これは投資家や社会を詐欺や恐喝の危険から守るためである。

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