ロイター通信は、シリアが36年ぶりの最悪の干ばつによって小麦生産が約40%減少する一方で、アフマド・シャルア移行期政権が大規模な購入を確保できない資金難に陥っており、食料危機に直面していると伝えた。
また、国連世界食糧計画(WFP)はロイター通信の取材に対して、書面での回答で、約300万人のシリア人が深刻な飢餓に直面する可能性があると述べたが、具体的な時期は明らかにしなかった。
また、シリアの人口約2560万人のうち半数以上が現在、食料不安に直面しているとも付け加えた。
国連食糧農業機関(FAO)は6月の報告書で、シリアは今年273万トンの小麦不足に直面していると推計した。これは約1600万人を1年間養うのに必要なな量である。
シリアの匿名高官によると、シャルア移行期政権は今季、地元農家からわずか37万3500トンの小麦しか購入できておらず、これは昨年の約半分の量だという。
政府は今年255万トンの輸入が必要だとされている。
シリアは年間約400万トンの小麦を消費しているが、FAOによると今年の国内生産は約120万トンに落ち込み、昨年比40%減となる見込み。
FAOによれば、今季耕作された農地はわずか40%で、その多くはすでに壊滅状態にあり、特に食料生産の要であるハサカ県、アレッポ県、ヒムス県が深刻だという。
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