Contents
1.米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効
■米・ロシア外相は、シリアでの戦闘停止態勢の基準に関して「暫定的に原則合意」(2016年2月21日)
■アンサール・シャリー大隊とムンタスィル・ビッラー大隊がアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線に合流(2016年2月22日)
■リヤド最高交渉委員会はサウジアラビアで緊急会合を開き、米・ロシアによる「戦闘行為の停止」をめぐる合意への対応を協議(2016年2月22日)
■オバマ米大統領とプーチン露大統領はシリア全土での「敵対行為の停止」に関する条件について合意(2016年2月22日)
■サウジアラビアが後援するイスラーム過激派のイスラーム軍幹部のアッルーシュ氏「米・ロシアによる敵対行為の停止をめぐる合意への対応について最終的な決定を下そうとしている」(2016年2月23日)
■ロシア国防省は米国との「敵対行為の停止」合意に沿って、戦闘停止と人道支援物資配給を監視するための調整センターを設置(2016年2月23日)
■リヤド最高交渉委員会は米・ロシアによる「敵対行為の停止」合意に消極的、「自由シリア軍」は合意を拒否(2016年2月23日)
■シリア外務省高官はダーイシュ、ヌスラ戦線、アル=カーイダ系組織とのテロとの戦い継続を条件に米・ロシアによる「敵対行為の停止」合意を受諾すると発言(2016年2月23日)
■アレッポ県で活動するシャーム戦線などの「穏健な反体制派」が「解放軍」を結成し完全統合(2016年2月24日)
■ロシア、シリア政府は「交渉プロセスが成功しなかった場合の代替案について様々な議論を行っている」とのケリー米国務長官の発言に反発(2016年2月24日)
■ラトニー米国務省シリア問題担当特使はリヤド最高交渉委員会に米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止に関する合意を受諾・遵守するよう要請(2016年2月24日)
■クナイトラ県で活動する武装集団5組織が「タウヒード軍」として完全統合(2016年2月25日)
■YPGおよびシリア民主軍はそれぞれ声明を出し、米露によるシリアでの敵対行為の停止に関する合意を遵守すると発表(2016年2月25日)
■リヤド最高交渉委員会は2週間の期限付きで米露による敵対行為停止合意を受諾すると支援国に通達(2016年2月25日)
■アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は米露による敵対行為停止合意発効を見据えてイドリブ県の拠点の一部を撤収するとともに、連携する諸勢力に停戦に応じた者を「裏切り者」とみなすと脅迫(2016年2月25日)
■ファトフ旅団は米露による敵対行為停止合意発効後のロシア軍、シリア軍の空爆を逃れるべく、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動から離反(2016年2月25日)
■「シリアの友連絡グループ」の軍事作戦司令室はシリア北部、南部の武装集団約50組織に米露による敵対行為停止合意の遵守を求める(2016年2月25日)
■国連安保理決議2268号が全会一致で採択され、米露によるシリアでの敵対行為停止合意を承認、全当事者に遵守を呼びかけるとともに、加盟国に和平プロセスへの協力を求める(2016年2月26日)
■ヌスラ戦線最高指導者のジャウラーニー氏は音声声明で、米露による敵対行為停止合意を拒否するよう呼びかける(2016年2月26日)
■リヤド最高交渉委員会傘下の97武装組織が2週間の敵対行為停止に応じる(2016年2月26日)
■デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「停戦が保たれれば、ジュネーブ3会議を3月7日に再開」(2016年2月27日)
■スンナ軍とイーマーン旅団がイーマーン軍として統合し、停戦を受諾したアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の指揮下に(2016年2月27日)
■米・ロシアによるシリア領内での敵対行為停止合意が発効し、「グリーン・ゾーン」でシリア軍、反体制派114組織が戦闘を停止、ロシア軍も空爆を全面停止(2016年2月27日)
■『ハヤート』:シリアでの敵対行為停止合意を定めた国連安保理決議第2268号の採択直前に米露はサウジアラビアが後援するリヤド最高交渉委員会に関する文言を削除(2016年2月27日)
■イスラエルのネタニヤフ首相は米・ロシアによる敵対行為停止合意の発効を支持しつつ、イランとヒズブッラーによるイスラエルへの敵対行為を受け入れないと強調(2016年2月28日)
■サウジアラビアのジュバイル外務大臣はロシア軍とシリア軍の停戦違反を非難(2016年2月28日)
■ロシア軍の当事者和解調整センターが米国側から受け取った反体制派リストには69組織が記載(2016年2月28日)
■リヤド最高交渉委員会はシリア軍による停戦違反が15件、ロシア軍による違反が26件にのぼったと主張(2016年2月28日)
■ロシア国防省は7件の停戦違反が発生したと発表する一方、シリア人権ネットワークは29件と主張(2016年2月29日)
■デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「停戦に乗じる可能性があるのはシリア政府も反体制派も同じ」(2016年2月29日)
■ロシアのリャブコフ外務副大臣は、トルコによる越境攻撃継続の意思を非難する一方、シリアでの連邦制の導入に前向きな姿勢を示し、クルド人に配慮(2016年2月29日)
■フランスのエロー外相「「穏健な反体制派」支配地域での停戦違反の調査が必要」(2016年2月29日)
2.敵対行為停止合意発効後も、ダマスカス郊外県東グータ地方、イドリブ県、アレッポ県などで散発的な停戦違反が続く
■アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線をはじめとする反体制派は西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県アフリーン市一帯、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃(2016年2月22日)
■アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線などがアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃し、民間人3人が死亡(2016年2月23日)
■シリア軍はラタキア県北部でヌスラ戦線などとの戦闘を継続し、支配地域を拡大(2016年2月23日)
■シリア軍がアレッポ市、イドリブ県アリーハー市、ダマスカス郊外県ダーライヤー市での攻勢を強める(2016年2月24日)
■アレッポ市内でヌスラ戦線とYPGが交戦を続けるなか、「穏健な反体制派」とシャーム自由人イスラーム運動はアレッポ県北西部からのYPGと革命家軍の撤退を求める(2016年2月24日)
■アレッポ県で活動するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動はラタキア県でロシア軍士官の拠点に対して爆弾攻撃を敢行したと発表(2016年2月24日)
■ロシア軍、シリア軍はダマスカス郊外県東グータ地方などに大規模空爆を実施(2016年2月26日)
■首都ダマスカスに反体制派支配地域から迫撃砲弾が飛来する一方、ヒムス県北部でシリア軍がアバービール大隊の拠点を攻撃(2016年2月27日)
■停戦を受諾したシャーム自由人イスラーム運動、スルターン・ムラード師団がヌスラ戦線とともにアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃し、YPGと交戦(2016年2月27日)
■アレッポ県、ハマー県、イドリブ県、ヒムス県、ラタキア県で散発的な停戦違反発生(2016年2月28日)
■ロシア当事者和解調整センターは、トルコ領内からの戦闘員100人の侵入や越境砲撃があったと米国側から報告を受けたと発表(2016年2月28日)
■シリア軍がイスラーム軍などに攻勢をかけ、ダマスカス郊外県マルジュ・スルターン村一帯で支配地域を拡大(2016年2月29日)
■ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市に人道支援物資搬入(2016年2月29日)
3.トルコのエルドアン大統領はシリアでの敵対行為停止合意を「義務でない」と拒否、合意を受諾したYPGへの戦いを継続する意思を表明
■米トナー国務省報道官はトルコにシリアへの越境空爆停止を、YPGにアレッポ市進軍停止を求める(2016年2月23日)
■ハモンド英外相はYPGとシリア軍、ロシア軍の連携に不快感を表明(2016年2月23日)
■トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市(アレッポ県)郊外の村々への越境砲撃を続ける(2016年2月24日)
■トルコのエルドアン大統領は「ダーイシュ、ヌスラ戦線と同様、PYD、YPGを停戦から排除すべき」と述べ、米国、ロシア、EU、イランを非難(2016年2月24日)
■トルコのダウトオール首相は米露によるシリアでの敵対行為の停止に関する合意を「義務でない」と拒否、米露が支援するYPG主体のシリア民主軍への越境砲撃継続の意思を表明(2016年2月25日)
■トルコのエルドアン大統領は米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意を「テロ組織(YPG、PYD)のための回廊」を作る計画と非難(2016年2月28日)
■トルコ軍は有志連合と連携して、アレッポ県北西部のダーイシュ拠点を越境砲撃(2016年2月29日)
4.敵対行為停止合意が発効するなか、ダーイシュは反体制派と連携して、シリア軍、シリア軍、「穏健な反体制派」への反転攻勢を激化
■米軍主導の有志連合はシリア領内で14回の空爆を実施(2016年2月21日)
■ダーイシュ(イスラーム国)はハサカ県南部でYPG主体のシリア民主軍に反撃し、47ヵ村を奪還(2016年2月21日)
■シリア軍がアレッポ県東部サフィール市郊外の25カ村をダーイシュ(イスラーム国)から奪還(2016年2月21日)
■ダーイシュ(イスラーム国)がダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町、ヒムス市ザフラー地区で連続自爆テロを敢行し、約130人が死亡、約300人が負傷(2016年2月21日)
■シリア外務省はダーイシュ(イスラーム国)による連続自爆テロを非難し、トルコ、サウジアラビアによるテロ支援を停止するための行動を国連安保理に要請(2016年2月21日)
■ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県北西部の「安全地帯」で「穏健な反体制派」から2カ村を奪取(2016年2月21日)
■米国主導の有志連合はシリア領内で11回の空爆を実施(2016年2月22日)
■ダーイシュ(イスラーム国)はアレッポ県北西部の「穏健な反体制派」の拠点マーリア市を空爆(2016年2月22日)
■YPG主体のシリア民主軍はハサカ県南部のシャッダーディー市一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2016年2月22日)
■ダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構、トルキスターン・イスラーム党、チェチェン人大隊が連携し、アレッポ県南東部のシリア軍唯一の兵站路を遮断(2016年2月22日)
■米国主導の有志連合はシリア領内で14回の空爆を実施(2016年2月23日)
■ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県とハマー県を結ぶ要衝のハナースィル市を制圧(2016年2月23日)
■国連安保理は21日のダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町とヒムス市でのダーイシュによるテロを非難(2016年2月23日)
■米国主導の有志連合はシリア領内で7回の空爆を実施(2016年2月24日)
■ダーイシュ(イスラーム国)はアレッポ県東部、南部でシリア軍に対する反転攻勢を続ける(2016年2月24日)
■イラクの人民動員隊副司令官「作戦がシリア国境に達すれば、我々はシリア軍と共同行動を行う用意がある」(2016年2月24日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で14回の空爆を実施(2016年2月25日)
■シリア軍がアレッポ県・ハマー県を結ぶ要衝のハナースィル市をダーイシュ(イスラーム国)から奪還、兵站路は依然としてダーイシュが掌握(2016年2月25日)
■ラタキア県、ハマー県、ヒムス県、アレッポ県でシリア軍、ロシア軍の空爆、攻撃が続く(2016年2月25日)
■国連はダーイシュ(イスラーム国)包囲下のダイル・ザウル市に人道支援物資21トンを投下、シリア軍が物資を受け取る(2016年2月25日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で8回の空爆を実施(2016年2月26日)
■フランス軍戦闘機がラッカ市を空爆し、ダーイシュの武器庫を破壊(2016年2月26日)
■ハナースィル市・イスリヤー村街道をめぐるシリア軍とダーイシュの攻防戦続く(2016年2月26日)
■革命家軍広報局はシリア軍との戦闘の末にアレッポ県北西部のイフラス村をシリア民主軍が制圧したと発表(2016年2月26日)
■サウジアラビア空軍のF-16戦闘機4機がトルコのインジルリク空軍基地に配備(2016年2月26日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で12回の空爆を実施(2016年2月27日)
■ダーイシュはアレッポ県北西部の「穏健な反体制派」支配地域を攻撃、1カ村を制圧(2016年2月27日)
■シリア軍はハマー県、ダイル・ザウル県でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2016年2月27日)
■ダーイシュ(イスラーム国)はラッカ県のトルコ国境地帯のYPG支配地域に侵攻し、複数の村を制圧(2016年2月27日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で12回の空爆を実施(2016年2月28日)
■YPG主体のシリア民主軍は有志連合の支援を受け、タッル・アブヤド市一帯に侵入したダーイシュの撃退に成功(2016年2月28日)
■ダーイシュ(イスラーム国)はYPG主体のシリア民主軍と交戦し、タッル・アブヤド市・ラアス・アイン市街道を寸断(2016年2月29日)
■米軍主導の有志連合はシリア領内で7回の空爆を実施(2016年2月29日)
5.紛争での死者総数が27万人を越えるも、停戦発効後の1日平均の死者数は半減
■シリア人権監視団は「アラブの春」波及以降の死者総数が27万人を越えたと発表(2016年2月23日)
■シリア人権監視団「停戦発効後の死数は144人に抑えられている」(2016年2月29日)
6.国連安保理決議第2254号が定める移行プロセスを事実上無視するかたちでシリア政府は第2期人民議会選挙を始動
■アサド大統領は4月13日に第2期人民議会選挙の投票を実施することを決定し、移行プロセスを事実上無視(2016年2月22日)
■第2期人民議会選挙:バアス党支部、人民諸組織が準備態勢を協議(2016年2月25日)
■第2期人民議会選挙:27日時点での立候補者数は967人(2016年2月27日)
■第2期人民議会選挙:28日時点での立候補者数は2,745人(2016年2月28日)
■第2期人民議会選挙:29日時点での立候補者数は5,578人(2016年2月29日)