シリア人権監視団は「アラブの春」波及以降の死者総数が27万人を越えたと発表(2016年2月23日)

シリア人権監視団は「アラブの春」波及により、ダルアー県で最初の死者が出た2011年3月18日から2016年2月22日までの間の死者総数が27万人を越えたと発表した。

同監視団によると、2月22日時点の死者総数は27万1,138人で、その内訳は以下の通り:

1. 民間人:12万2,997人
18歳未満の子供1万3,597人
18歳以上の女性8,760人
戦闘部隊およびイスラーム主義部隊の戦闘員:4万3,891人

2. 離反兵:2,561人

3. シリア政府軍:5万5,042人

4. 国防隊、バアス大隊、人民諸委員会、シリア民族社会党、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線、シャッビーハ、パレスチナ解放軍、体制への内通者:3万7,966人

5. レバノンのヒズブッラー:1,025人

6. イラン、アフガニスタン、その他のアジア諸国、アラブ諸国籍のシーア派の親体制民兵、パレスチナ人の句ドゥ旅団、アラブ人諸国籍の親体制民兵:3,809人

7. ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム、ジュンド・アクサー機構、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、トルキスターン・イスラーム党、チェチェン・ジュヌード・シャームなどのイスラーム主義運動に参加していたアラブ湾岸諸国、北アフリカ、エジプト、イエメン、イラク、レバノン、パレスチナ、ヨルダン、スーダン、そのほかのアラブ諸国、欧州諸国、ロシア、中国、インド、アフガニスタン、チェチェン、米国、オーストラリア国籍の戦闘員:4万4,254人

8. 身元不明:3,484人

このほかにも、シリア軍・治安機関に拘置されている行方不明者が2万人以上、ダーイシュ、戦闘部隊、イスラーム主義部隊に拘置されている民間人・戦闘員が1,500人以上、政府軍側の行方不明者6,000人以上、ダーイシュ、ヌスラ戦線を含む反体制武装集団側の行方不明者約2,000人、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に参加したクルド人戦闘員(数不明)がいるという。

なお、シリア人権監視団による死者総数発表の読み解き方については、青山弘之・浜中新吾「シリア人権監視団発表の死者数統計に潜む政治的偏向」(2015年、7月17日、http://synodos.jp/international/14640)を参照されたい。


AFP, February 23, 2016、AP, February 23, 2016、ARA News, February 23, 2016、Champress, February 23, 2016、al-Hayat, February 24, 2016、Iraqi News, February 23, 2016、Kull-na Shuraka’, February 23, 2016、al-Mada Press, February 23, 2016、Naharnet, February 23, 2016、NNA, February 23, 2016、Reuters, February 23, 2016、SANA, February 23, 2016、UPI, February 23, 2016などをもとに作成。

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