『ハヤート』(2月13日付)は、「自由シリア軍」司令官の話として、アスタナ会議の保障国であるロシア、トルコ、イランが、14日にロシアのソチで予定されている三カ国首脳会談に先だって、イドリブ県南部、西部、ラタキア県北東部の非武装地帯でのシリア軍による限定的な軍事作戦を認めることで合意したと伝えた。
シリア軍による限定的な軍事作戦は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構、中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党に対するもの。
イドリブ県およびその周辺地域の反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)は、1月にシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握、また最近になってシャーム解放機構とフッラース・ディーン機構はシリア軍との戦闘で協力することに合意している。
なお、この作戦と合わせて、三カ国は、アレッポ市とハマー市、アレッポ市とラタキア市を結ぶ高速道路(M5、M4)をシリア政府とロシアの管理下で再開すること、トルコがシリアの領土統一とシリア政府による全土支配を保証すること、シリア国内でのPKK(クルディスタン労働者党)の活動抑止と排除を定めた1998年のアダナ合意をシリア政府が実施すること、この合意の適用範囲(地域)を拡大し、トルコが人民防衛隊(YPG)に対する作戦を実施できるようにことについても話し合われたという。
AFP, February 12, 2019、ANHA, February 12, 2019、AP, February 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2019、al-Hayat, February 13, 2019、Reuters, February 12, 2019、SANA, February 12, 2019、UPI, February 12, 2019などをもとに作成。
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