トルコはアレッポ県北西のアフリーン市を孤立させるため周辺地域で隔離壁建設進める:反体制派はこの壁が「トルコ軍の基地を防御するためのもの」と説明(2019年4月23日)

SANA(4月23日付)は、トルコ軍が数週間前から、アレッポ県北西部のアフリーン市を取り囲むかたちでセメントの隔離壁を建設し、同地を周辺地域から孤立させようとしていると伝えた。

複数の住民筋そして複数のメディアによると、隔離壁は総延長が約70キロメートルで、アフリーン市北に位置するマリーミーン村、南のキーマール村、南西のジャリール村を通るかたちで建設されており、ジャリール村では住民が強制退去させられ、住宅などが破壊されたという。

トルコ軍は隔離壁と併せて、監視塔も建設しているという。

なお、トルコ軍は既にアフリーン郡の国境地帯に総延長564キロの分離壁を建設している。

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これに関して、トルコの支援を受け、アレッポ県北部で活動する国民軍のユースフ・ハンムード報道官(少佐)は、ドゥラル・シャーミーヤ(4月23日付)に対して、そのような隔離壁は存在しないと否定した。

ハンムード報道官は「セメントのブロックが一部の人が目撃され、隔離壁建設建設用だとの噂が広まったが、ブロックはアフリーン郡のジャリール村一帯にあるトルコ軍の基地を防御するためのものに過ぎない」と述べた。

AFP, April 23, 2019、ANHA, April 23, 2019、AP, April 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 23, 2019、al-Hayat, April 24, 2019、Reuters, April 23, 2019、SANA, April 23, 2019、UPI, April 23, 2019などをもとに作成。

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