トルコ軍がシリア国境に増派、YPG主体のシリア民主軍、米軍はトルコの侵攻に備える(2019年10月6日)

アナトリア通信(10月6日付)によると、トルコ軍が5日晩、シャンルウルファ県に装甲車、兵員輸送車9輌からなる車列を派遣した。

車列はラッカ県タッル・アブヤド市に面するアクチャカレ郡に配備された。

また、国民解放戦線を統合した国民軍のユースフ・ハンムード報道官(少佐)は、報道向け声明を出し、北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部の国境地帯にトルコ軍が侵攻した場合、14,000人がこれに参加すると述べた。

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ハサカ県では、アナトリア通信(10月6日付)によると、トルコ国境に面する北・東シリア自治局支配下のラアス・アイン市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、検問所を強化、国境近くの塹壕内にコンクリート・ブロックを設置するなどの措置を講じた。

これらの措置は、トルコ軍の侵攻に備えるためのもの。

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ラッカ県では、アナトリア通信(10月6日付)によると、米軍部隊がトルコ国境に面するタッル・アブヤド市の国境地帯で単独でパトロール活動を行った。

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トルコ大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とドナルド・トランプ米大大統領が電話会談を行い、シリア北東部情勢への対応について意見を交わしたと発表した。

電話会談のなかで、エルドアン大統領は、「安全地帯」の設置が予定されている北東部での米国の軍事治安措置が不十分で、両国の合意が実施されていないとして不快感を示したという。

AFP, October 6, 2019、Anadolu Ajansı, October 6, 2019、ANHA, October 6, 2019、AP, October 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2019、Reuters, October 6, 2019、SANA, October 6, 2019、SOHR, October 6, 2019、UPI, October 6, 2019などをもとに作成。

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