ロシア・トルコの合意による停戦発効後もシリア軍はイドリブ県を砲撃、反体制派もアレッポ市を砲撃し3人死亡(2020年1月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシアとトルコの合意に基づく停戦が1月12日00時00分(1月11日24時00分)に発効したにもかかわらず、シリア軍地上部隊がマアッラト・ヌウマーン市、ムアスラーン村、ダイル・シャルキー村、ダイル・ガルビー村、マアッルシューリーン村、カフル・バースィーン村、タッル・マンス村、ハーミディーヤ村、トゥカーナ村、バアルブー村、ハントゥーティーン村、ラカーヤー村、マアッルシャムシャ村、バービーラー村、ヒーシュ村を砲撃した。

一方、シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー報道官(軍事部門)は、ドゥラル・シャーミーヤ(1月12日付)に対して、ロシア・シリア軍が停戦発効後も攻撃を続けているとし、抵抗継続を選択すると述べた。

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アレッポ県では、SANA(1月12日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が、シリア政府支配下のアレッポ市マサーキン・サール地区、ティシュリーン通り、シャフバー・ジャディーダ地区、ハーリディーヤ地区、ナイル通り地区を砲撃し、住民3人が死亡、子ども2人を含む3人が死亡した。

一方、ANHA(1月12日付)によると、シリア軍がトルコの支援を受ける国民軍とナイラブ航空基地一帯で交戦した。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がジャズラーヤー村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がフワイジャ村、アンカーウィー村、ジュッブ・スライマーン村を砲撃した。

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ダルアー県では、HFL(1月12日付)によると、ナーフタ町の住民が空軍情報部の検問所を襲撃し、シリア軍兵士15人あまりを拘束、武器を没収した。

襲撃は11日にシリア軍がムサイフラ町・東ガーリヤ村間の検問所で同地の住民1人を拘束したことを受けたもの。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を64件(イドリブ県27件、ラタキア県21件、アレッポ県13件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を38件(イドリブ県25件、ラタキア県0件、アレッポ県8件、ハマー県5件)確認した。

AFP, January 12, 2020、ANHA, January 12, 2020、AP, January 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2020、HFL, January 12, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 12, 2020、Reuters, January 12, 2020、SANA, January 12, 2020、SOHR, January 12, 2020、UPI, January 12, 2020などをもとに作成。

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