シリア軍はダマスカス県東部のアッバースィーイーン・バス・ターミナル、ジャウバル区北部工業地区からシャーム解放機構などからなる反体制武装集団を放逐(2017年3月20日)

ダマスカス県では、SANA(3月20日付)によると、シリア軍が県東部のアッバースィーイーン・バス・ターミナル、ジャウバル区北部工業地区から反体制武装集団を排除、同地を奪還した。

シリア人権監視団によると、戦闘はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が拠点とするカーブーン区、バルザ区一帯、イスラーム軍が拠点とするダマスカス郊外県東グータ地方一帯で激しく行われた。

またシリア軍戦闘機がジャウバル区、カーブーン区一帯を100回以上にわたり重点的に空爆した。

県東部のアッバースィーイーン・バス・ターミナル、工業地区一帯は、19日にシャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、ラフマーン軍、第1旅団が侵攻し、クッルナー・シュラカー(3月20日付)によると、2日間の戦闘で、シリア軍は士官19人を失った。

SANA, March 20, 2017
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SANA, March 20, 2017
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SANA, March 20, 2017
SANA, March 20, 2017
SANA, March 20, 2017

一方、SANA(3月20日付)によると、マズラア地区にあるロシア大使館の施設に対して反体制武装集団が砲撃を行い、施設のガラスが割れるなどの被害を受けた。

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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アサド大統領はロシアと欧州諸国の合同議員使節団と会談(2017年3月20日)

アサド大統領は、シリアを訪問したロシアと欧州諸国の合同議員使節団(ロシア連邦議会下院のヴラジミール・ワスィーリエフ副議長が団長)と首都ダマスカスで会談した。

会談では、シリア情勢の進捗について意見を交わし、アサド大統領は、現下の紛争に関して、国際法を遵守するロシア、中国などと、テロ組織支援と内政干渉を通じて国際法に違反する諸外国の紛争だとしたうえで、「テロとの戦い」と政治的対話を通じて事態収拾をめざすとの意思を示した。

また、ロシアと欧州諸国の合同議員使節団のシリア訪問が、欧州諸国の対シリア政策の見直しの機会になることに期待を寄せた。

使節団はまた、ハディヤ・アッバース人民議会議長とも個別に会談した。

SANA(3月20日付)が伝えた。

SANA, March 20, 2017

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アサド大統領は、ロシア・欧州諸国議員合同使節団との会談後、同行した記者団のインタビューに応じた。

インタビューは英語で行われ、その映像は大統領府がSANA(3月20日付)を通じて配信した(https://www.youtube.com/watch?v=ed5xaOePux0&feature=youtu.be)。

またインタビューの英語全文(http://sana.sy/en/?p=102574)はSANAが配信した。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

SANA, March 20, 2017

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「国連シリア代表のジャアファリー氏が発表した通り、我々はロシアの(新憲法起草に向けた)イニシアチブを支持するし、それ以外のイニシアチブも支持しており、現在ロシア側と詳細について議論している。問題は…武装集団の代表団がその会合(アスタナ3会議)に出席しなかったことだ。我々みなが、トルコの消極的な影響力行使があったと信じている。相手がいないでどのように具体的なことを始めることができるというのか?」

「シリア国内でシリア政府の同意を得ていないいかなる軍事作戦も…侵略だ。ラッカを解放するためのものであれ、他の場所を解放するためのものであってもだ。また、我々はみな(米主導の)有志連合がダーイシュやテロリストと真剣に戦ってこなかったことを知っている。だから、ラッカ解放の計画があるという場合において、我々はその意図を考えなければならない。誰から解放して…誰にそれを与えるか、ということをだ。それはシリア政府を助けるためでもなければ、シリアの統一、主権をめざすものでもなく、何か別の要因に基づいているはずだ」。

「テロリストを打ち負かすために、ロシア・シリア両国の高官・軍幹部がさらなる支援を必要としていると感じているはずだ」。

「我々は(再解放された)パルミラ遺跡群の破壊状況を再評価し、何ができるかを把握しなければならない。しかし、私は、それはシリアとロシアだけでなく、UNESCOなどの機関、国々の問題でもあると思う」。

(イスラエル軍による度重なる越境空爆に関して)「国境防衛は我々の権利であり、義務だ。それができるのにしなければ、我々はシリア国民によって非難されるべきだ…。私はこの点に関してロシアが重要な役割を果たすことができると考えている。ロシアの政策は国際法、国連憲章、安保理決議に基づいている。それゆえにロシアはイスラエル側とこの基準に基づいて協議でき、イスラエルが今後再びシリアを攻撃しないようにするために役割を果たすことができると考えている」。

「米国の政策はさまざまな基準に基づいていて、ダウル・スタンダードどころではない。米国の政策は価値観や国際法ではなく…、自分たちの見解、利害、そして米国内のさまざまなロビーや勢力のバランスに基づいている…。ホワイト・ヘルメットはアル=カーイダだ」。

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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ロジャヴァ・アフリーン地区にトルコ軍とYPGの衝突とYPG教練を任務とするロシア軍部隊が進駐(2017年3月20日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のライドゥール・ハリール報道官が声明を出し、ロシア軍と人民防衛隊の合意に基づき、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区のジンディールス町近郊にロシア軍が進駐したと発表した。

進駐は人民防衛隊の教練を目的とするものだという。

シリア人権監視団によると、アフリーン市郊外のカフル・ジャンナ村に、シリア駐留ロシア軍の車輌、装甲車約100輌が進駐、ARA News(3月20日付)によると、ロシア軍は同地にシリア駐留ロシア軍当事者和解調整センター分所を設置したという。

シリア人権監視団によると、駐留部隊の任務は、①アフリーン市一帯地域での西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とトルコ軍の衝突回避と②人民防衛隊の教練の二つだという。

これに関して、ロシア国防省はシリア領内に新たな駐留基地を建設する計画はないと発表した。

一方、トルコのニマン・クルトゥルムシュ副首相(内閣報道官)は、シリア北部に「テロ地域」が設けられることを受け入れることはできないと述べた。

Kull-na Shuraka’, March 20, 2017
Kull-na Shuraka’, March 20, 2017

 

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ県南東部のダーイシュの拠点都市ダイル・ハーフィル市への包囲を強化(2017年3月20日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(3月20日付)によると、シリア軍、ヒズブッラー精鋭部隊、ロシア軍機甲大隊が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市ダイル・ハーフィル市近郊のシャリーマ村、クサイル村を制圧した。

Kull-na Shuraka’, March 20, 2017

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月20日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市北部墓地地区、工業地区、ハミーディーヤ地区、ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、ティーム砂漠、ワーディー・ザルダ、ブガイリーヤ村、シューラー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジッリーン村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が、反体制武装集団と交戦した。

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市郊外一帯に対して60回以上の爆撃を実施(2017年3月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市西部郊外、北西部郊外、南部郊外、北部郊外一帯の反体制武装集団支配地域を空爆した。

空爆は、ダーラト・イッザ市、ウワイジル村、カフル・カルミーン村、マアーッラト・アターリブ村、ICARDA、ハーン・アサル村、アウラム・クブラー町、アウラム・スグラー村、カフルハムラー村、アナダーン市、英国人墓地地区、タッル・ハディーヤ村、ハーン・トゥーマーン村、カラースィー村、ハルサ村、フール村、ジャファル・マンスール村、アレッポ市ラーシディーン地区郊外に対して60回以上にわたり行われ、女性1人、子供1人を含む多数が死傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、ヒズブッラーがマダーヤー町を砲撃し、4人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市を3回にわたり空爆し、女性2人が死亡、8人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市郊外のガラズ刑務所近くの街道で、ホワイト・メルメットの幹部が乗っていた車を攻撃、殺害した。

殺害されたのはアブドゥッラー・スィルハーン氏(アブー・ヤースィーン)で、クッルナー・シュラカー(3月20日付)によると、空爆を行ったのはロシア軍だという。

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ハマー県では、SANA(3月20日付)によると、シリア軍が県北部のタイバト・イマーム市、カフルズィーター市、ラターミナ町、ラハーヤー村、カルアト・マディーク町などでシャーム解放機構の拠点を空爆した。

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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ヒムス市ワアル地区で反体制武装集団戦闘員200人以上が投降し恩赦を受ける(2017年3月20日)

ヒムス県では、SANA(3月20日付)によると、反体制武装集団とその家族約2,000人が退去したヒムス市ワアル地区で戦闘員200人以上が地元和解プロセスの一環で武器を棄てて当局に投降し、2016年政令第15号に従い恩赦を受け、放免となった。

SANA, March 20, 2017

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市南東部のダーイシュ拠点複数カ所を制圧(2017年3月20日)

ラッカ県では、ARA News(3月20日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ラッカ市南東部の鉄道駅、揚水施設などを制圧した。

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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EUは化学兵器使用に関与したとしてシリア軍の高官4人を制裁対象に(2017年3月20日)

欧州連合は声明を出し、シリア国内での化学兵器使用に関与したとしてシリア軍の高官4人に対して渡航禁止、資産凍結などの制裁を科したと発表した。

制裁対処となった4人の氏名については公表されなかった。

これにより、欧州連合による対シリア制裁の対象者数は239人、67法人となった。

ロイター通信(3月20日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は3月17~19日の3日間で、ダーイシュの中心都市ラッカ県を重点的に爆撃(2017年3月20日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月17~19日の3日間のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

3月17日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して15回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ラッカ市近郊(5回)、タドムル市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

3月18日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、シャダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(11回)、ダイル・ザウル市近郊(3回)、タドムル市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

3月19日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して25回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は19回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(18回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。

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