シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構はロシア・トルコによる非武装地帯設置合意への姿勢を初めて正式表明:「ジハードから逸脱することはない…。意見表明が遅れたのは他の革命勢力と協議していたから」(2018年10月14日)

シャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)は、9月17日のロシア・トルコ両首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置に関する合意に関して初めて声明を出し、「犯罪者体制打倒、捕虜解放、避難民の安全な帰還をはじめとする我らが革命の諸目的を実現するため、ジハードと戦闘という選択肢から逸脱することはない」と表明した。

声明において、シャーム解放機構は「我々の武器はシャームの革命の安全弁にして、スンナの民を防衛するためのトゲであり…、放棄したり、引き渡したりしない…。あらゆる合法的な手段を駆使して住民や民の安全を保障したい」としたうえで「内外で解放区防衛をめざすすべての人々の努力を強化するとともに、革命の戦列を弱体化させようとする…占領国ロシアのごまかしに警鐘を鳴らしたい」と訴えた。

そのうえで「犯罪者体制とその同盟者どもの試みすべては失敗と敗北を喫するだろう…。シリア国民が抱く自由への意志が…彼らを沈め、その傲慢さを打ち砕くだろう」と主張した。

一方、非武装地帯設置合意に対する意見表明が遅れたことについては「北部解放区の他の革命勢力、国内外にいるその幹部らとの協議、連絡」によるものだったと説明した。

al-Durar al-Shamiya, October 14, 2018

al-Durar al-Shamiya, October 14, 2018

AFP, October 14, 2018、ANHA, October 14, 2018、AP, October 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 14, 2018、al-Hayat, October 15, 2018、Reuters, October 14, 2018、SANA, October 14, 2018、UPI, October 14, 2018などをもとに作成。

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