イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア・トルコの合意によって設置された非武装地帯内に位置する県南東部ジャルジャナーズ町、タッフ村、スカイク村、タマーニア町をシリア軍が砲撃した。
この砲撃で、ジャルジャナーズ町では住民5人を含む8人が死亡した。
ドゥラル・シャーミーヤ(11月2日付)によると、死亡したこの8人のうち、1人はイラク人難民、4人はハマー県スーラーン町出身者だという。
シリア軍の砲撃は、県東部のサルマーン村にあるトルコ軍監視所から数メートルしか離れていない避難民キャンプにも及んだという。
一方、ドゥラル・シャーミーヤによると、トルコの庇護を受ける国民解放戦線は、この砲撃への報復として、シリア軍が展開するアブー・ダーリー村、ヒヤーラ村、イイジャーズ村を砲撃した。
また、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構もハマー県北部のシリア軍拠点に対して砲撃を行った。
さらに、新興のアル=カーイダ系組織であるフッラース・ディーン機構が主導する「信者を煽れ」作戦司令室も、報復として、ラタキア県北東部、ハマー県北部、イドリブ県東部のシリア軍拠点複数カ所を砲撃し、シリア軍兵士複数人が負傷した。
このほか、トルコ軍憲兵隊も、県西部のダルクーシュ市に近い国境地帯で住民1人を射殺した。
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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月2日付)によると、シリア軍が県北部の村々に対しても砲撃を加えた。
AFP, November 2, 2018、ANHA, November 2, 2018、AP, November 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2018、al-Hayat, November 3, 2018、Reuters, November 2, 2018、SANA, November 2, 2018、UPI, November 2, 2018などをもとに作成。
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