イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるサラーキブ市一帯に6回、ハーッス村に6回、
ナビー・アイユーブ丘に2回、カルサア村に2回、カフルナブル市一帯に2回、ハザーリーン村に2回の爆撃を行った。
爆撃は、アレッポ市とラタキア市を結ぶ国際幹線道路(M4)一帯を中心に行われた。
またシリア軍戦闘機が、フバイト村を3回、ナール丘を2回、ジャーヌーディーヤ町を2回、カンスフラ村を2回にわたり爆撃するとともに、同軍ヘリコプターが、イフスィム町に「樽爆弾」7発、ダイル・サンバル村に6発、アブディーター村に4発、スフーフン村に3発、バサーミス村に2発、カルサア村に2発、カフル・ウワイド村一帯に2発、ウンム・スィール村に2発を投下した。
この爆撃により、スフーフン村で女性1人が死亡した。
一方、SANA(5月4日付)によると、シリア軍が、ハマー県北部に対する反体制武装集団の攻撃への対抗措置として、ハーッス村、スフーフン村、イフスィム町、ジャーヌーディーヤ町を砲撃した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にある県北部のアムキーヤ町に3回の爆撃を行った。
またシリア軍戦闘機が、カフルヌブーダ町を7回にわたり爆撃、地上部隊もトゥーバ村各所を砲撃した。
トゥーバ村への砲撃では女性1人が死亡した。
一方、SANA(5月4日付)によると、シリア軍がカフルヌブーダ町一帯、アムキーヤ町にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。
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アレッポ県では、ロシア軍戦闘機が、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるハーン・アサル村、カフルナーハー村にそれぞれ2回の爆撃を行った。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(ラタキア県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(アレッポ県3件、イドリブ県1件、ハマー県2件)確認した。
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なお、シリア人権監視団によると、反体制派支配下のイドリブ県、ハマー県、アレッポ県(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するロシア軍の爆撃は32回に及び、ロシア・シリア両軍の攻撃による4月30日以降の死者数は67人にのぼっているという。
また、ANHA(5月4日付)によると、4日だけで住民12人が死亡したという。
AFP, May 4, 2019、ANHA, May 4, 2019、AP, May 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2019、al-Hayat, May 5, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 4, 2019、Reuters, May 4, 2019、SANA, May 4, 2019、UPI, May 4, 2019などをもとに作成。
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