ダマスカス市で数万人の市民が巨大なシリア国旗を掲げ、アサド大統領とシリアを支持するシュプレヒコールを連呼(2011年6月15日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、オマーンのユースフ・ビン・アラウィー外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

大統領府声明によると、会談でアサド大統領は、「武装集団」によるシリア国内の殺戮行為や治安への悪影響を説明する一方、自らが主導する一連の改革によって「シリア国民の危機脱却能力への信頼はより深まっている」と述べた。

ビン・アラウィー外務大臣は、アサド大統領に「イエメン、リビアなど地域情勢の近況に関するカーブース・ビン・サイード国王の書簡」を手渡すとともに、アサド政権による改革への全面支援を表明するとともに、「シリアの安定を標的とし、国民を脅かす試みに反対し、シリアを支持する」と述べた。

会談にはワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣も同席した。

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ハサン・トゥルクマーニー副大統領補は、アブドゥルファッターフ・アムーラ外務在外居住者省次官とともにトルコのアンカラを訪問し、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相と会談した。

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ダマスカス県では、数万人の市民が、マッザ・オートストラード地区からダマスカス中心のウマウィーイーン広場に向かって巨大なシリア国旗を広げた。

SANA(6月15日付)によると、この巨大な旗は、ダマスカス以外の都市でも広げられたのち、最終的にはカシオン山に飾られるという。

旗の全長は2,300メートル、幅は18メートルで、26人の男女からなる若者たちがフェイスブック上に立ち上げた「我々と最大のシリア国旗を掲げよう、手に手をとって、明日は我々のもの」と名づけられたキャンペーンでの提案を受けるかたちで作成された。

キャンペーンを組織した女性の一人マイス・アリーさんは『ハヤート』(6月15日付)に対して、同キャンペーンの目的が「シリアの安定を見出そうとするすべての者たちに対抗し、私たちが外国の介入を断固拒否するという姿勢を明確に表明することにある…。偉大な祖国のための小さな発想です」と述べた。

生地はアレッポ県からダマスカス郊外県ヤブルード市に運ばれ、そこで旗として縫い合わされたという。

またアリーさんは、あらゆるシリア人が「一体となって、私たちの国に対するすべての陰謀に立ち向かう意思を確認するために参加した」と述べた。

巨大国旗掲揚の祝典は、シリア国家斉唱をもって始まり、シリア国旗の色(赤、白、黒、緑)の風船がシリア首都の空に放たれ、参加者はアサド大統領の写真、シリア国旗、シリアの地図、政治的なスローガンがプリントされたシャツを身につけ、小さな国旗を振り、顔に国旗の柄を描いて行進した。

シリア・アラブ・テレビ(6月15日付)は、会場とその上空に複数のカメラを設置し、祝典を報じた。

また地元ラジオ局も生放送で、参加者や他の都市からの来賓へのインタビューを放送した。

インタビューに答えた一人は、アラビア語とロシア語でモスクワに向けて、ダマスカスを支持するロシアの立場への謝辞を述べ、マッザ・オートストラードの通り沿いに集まる人々の喝采を浴びる一方、参加者は、「アッラー、シリア、バッシャールのみ」、「国民はバッシャール・アサドを望む」、「アッラーが軍を祝福せんことを、アッラーが軍を祝福せんことを」、(暴徒の鎮圧は)「終わった、終わった」など、アサド大統領とシリアを支持するシュプレヒコールを連呼した。

SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011
SANA, June 15, 2011

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SANA(6月15日付)と、軍によるジスル・シュグール市完全制圧を受け、市外に避難していた住民が帰宅している、と報じた。

国内の暴力

SANA(6月15日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール市郊外に、「反体制テロ集団」によって殺害さあれた軍・治安部隊兵士の遺体が遺棄された新たな集団墓地が発見されたと報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「シリアをめぐる国連安保理決議の採択をロシアが拒否する立場を決めた」と述べた。

ラブロフ外務大臣は、カザフスタンの首都アスタナで記者団に対して「シリア情勢は一部の人々が考えているように簡単には収まらない。シリアでは多数の武装集団によって複数の町や居住地区が支配され、シリア軍は現在これらの町から武装集団を掃討するための任務についている」と述べた。

そのうえで「シリアで多数の武装破壊分子がおり、シリアの治安武装部隊が平和的デモ参加者と対峙しているというような事態をイメージすべきではない」とし、「こうした武装反乱を黙認する国など世界中どこにもない」と指摘した。

ラブロフ外務大臣はモスクワが「アサド大統領が宣言した改革が実行される機会を与えるべく、あらゆる破壊行為の停止が不可欠だ」との立場を確認し、「反体制勢力や、政府部隊・施設への武力攻撃を行う人々は対話の呼びかけに応えるか、発表された改革についての議論を求めるあらゆる提案を拒否し続けるしかない」と指摘した。

また「武装集団が行う暴力・破壊行為」を非難し、「破壊分子は自らの行動の責任を負うことを悟るべきだ」と付言した。

SANA(6月15日付)が伝えた。

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アフバール・シャルク(6月15日付)は、トルコ赤新月社が、ハタイ県のヤイラダーウ村、アルトゥノズ村で、シリア人避難民のための新たなキャンプの建設を開始したと報じた。

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AFP(6月15日付)は、ヨルダン高官の話として、4月以降閉鎖されていたラムサー国境通行所(ダルアー県)を、シリア当局が部分再開したと報じた。

AFP, June 15, 2011、Akhbar al-Sharq, June 15, 2011、al-Hayat, June 16, 2011、Kull-na Shuraka’, June 15, 2011、Reuters, June 15, 2011、SANA,
June 15, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア北西部の治安対策地域が拡大するなか、アラブ連盟のシリア常駐代表が同連盟事務局長の発言に対して「懸念と驚き」を表明(2011年6月14日)

反体制勢力の動き

イドリブ県ジスル・シュグール市での作戦中(6月9日)に離反したフサイン・ハルムーシュ大佐なる人物は、逃走先のトルコ・ハタイ県ギュヴェッジ村近郊で、AFP(6月14日付)に対し「私は民間人を護ろうとした」と証言した。

ハルムーシュ大佐は「私とともにいたのは数名の脱走兵だ、軽火器と地雷を所有していただけだった…。シリア軍の進軍を遅らせるために罠を仕掛け、民間人がジスル・シュグール市を去り、逃げられるようにした」という。

また離反の理由については「オリーブの小枝しか持っていない無実の民間人を軍が攻撃する命令」を受けたためと説明、「彼ら(軍上層部)は、デモが続いた場合、発砲するよう命令してきた…。私は命令に従うことができなかったが、一部の兵士がやったことを目にした…。戦車が都市に発砲するのを目にした…。シリア軍は民間人を殺し、人々を家から追放した」と述べた。

そのうえで「多くの将兵が脱走したいと考えているが、家族とともに殺されることを恐れ、脱走できないでいる」と付言した。

一方、ハルムーシュ大佐は、「ダマスカス(郊外県)のサクバー市で、人々がデモを行っているとき、建物の上層階にイラン人とヒズブッラーの狙撃手がいて、群衆に発砲したのを今でもよく覚えている」と証言した。

しかし、ハルムーシュ大佐はどのように上層階にいる狙撃手がイラン人、レバノン人であると識別できたのかについては触れなかった。

シリア政府の動き

アラブ連盟のシリア常駐代表を務めるユースフ・アフマド大使は、シリア情勢に関するアムル・ムーサー事務局長の発言に対して「懸念と驚き」を表明した。

SANA(6月14日付)によると、アフマド大使はムーサー事務局長の発言が「バランスを欠いており、シリアが外国の標的に曝されているという真実を無視している。外国勢力はシリア国内の問題に乗じて、治安と安定を揺るがし、シリアの立場を貶め、国民的・民族主義的な自決を奪おうとしてきた」と述べた。

また「ムーサー氏のエジプト大統領選挙をめぐる野望…につき従い、シリアが曝されている現実を前に目を閉じようとしている…。国連決議のもとNATO軍の攻撃に曝されているリビアの血がいまだ乾かずいるこの時期に、である。この国連決議は残念ながら、アラブの要請のもとに採択され、そこではアムル・ムーサー(事務局長)がリビア上空に飛行禁止区域を設定するのに大いに尽力した。そしてこれがきっかけとなり、数千人が犠牲となっている大規模な軍事行動が行われ、リビアは破壊され、領土の統一性が標的にされている」と続けた。

国内の暴力

『ハヤート』(6月15日付)によると、反体制活動家らは未明に、イドリブ県ジスル・シュグール市などでの軍の掃討作戦で犠牲となった市民らとの連帯を訴えるための「ろうそくの行進」を呼びかけた。

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シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が治安対策地域を拡大し、イドリブ県ジスル・シュグール市一帯からマアッラト・ヌウマーン市、さらにはアレッポ市、ハマー市に向かった。

ロイター通信(6月14日付)は、マアッラト・ヌウマーン市の住民が、反体制デモの参加の有無にかかわらず、当局の指名手配者リストに記載されていることを恐れていると伝えた。

なおイドリブ県では、活動家によると、マアッラト・ヌウマーン市近郊の農村で、軍・治安部隊が作戦を継続、アリーハー市では、市民6人が殺害されたという。

またシリア人権監視団は、住民の話として、男性1人とその妻、そして子供2人の4人が未明にジスル・シュグール市に設置された軍の監視地点から100メートル離れた場所で銃殺された、と発表した。

一方、SANA(6月14日付)によると、軍がジスル・シュグール市および同市一帯の「武装テロ集団」を追撃し、武器弾薬、軍服、旅券、トルコの携帯電話カードなどを積んだ自動車を押収した。

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ダイル・ザウル県では、AFP(6月14日付)によると、軍が複数の地域に展開し、対イラク国境のブーカマール市周辺には、戦車10輌、兵員輸送車15~20輌が配備された。

諸外国の動き

AFP(6月14日付)によると、国連人権高等弁務官事務所の専門家多数がシリアの「避難に関する調査」を行うべく、トルコのハタイ県に入った。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、アサド大統領と電話会談し、「暴力の停止と混乱の収束」を求めるとともに、「早急に改革の日程を確定し、ただちに実施するべき」だと強調した。

アナトリア通信(6月14日付)が伝えた。

しかし、シリア公式筋は会談について一切の報道を行っておらず、会談があったことを認めていない。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は声明で「シリアの野蛮な当局の弾圧が行われている…。今日、イランは平和的なデモ参加者に対するアサド政権の野蛮な攻撃や、シリアの都市への軍事攻撃を支援している」と述べた。

クリントン国務長官はまた「シリアの治安部隊によって拷問を受け、傷つけられた13歳のシリア人少年(ハムザ・ハティーブくん)の映像に世界は驚愕した」と述べ、これらの映像が「人々が見るなかで2年前に街頭で殺害されたイラン人少女(ナダー・アーガー・スルターンさん)を思い出させる」と指摘した。

さらに「一方でイランの弾圧によるテロや悲劇を思い出し、他方でアサドと彼の体制への圧力を強めるべく国際社会とともに行動するなか、我々は改めて、自由を求め、世界的な人権を行使しようとするシリアやイランの国民を含む各国国民を支持する」と続けた。

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フランスのアラン・ジュペ外相は、採択に必要な多数票獲得が確実になるまで安保理でシリア非難決議の採決を求めないだろうと述べた。

AFP, June 14, 2011、Akhbar al-Sharq, June 14, 2011、al-Hayat, June 15, 2011、Kull-na Shuraka’, June 15, 2011、Naharnet, June 14, 2011、Reuters,
June 14, 2011、SANA, June 14, 2011などをもとに作成。

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英国とトルコが国連安保理でシリア非難決議の採択をめざすことで合意(2011年6月13日)

シリア政府の動き

暴力調査委員会(5月末にアサド大統領の指示を受け設置)は、ダルアー県でのデモ参加者への対応をめぐって、政治治安部ダルアー支部長のアーティフ・ナジーブ少将とファイサル・クルスーム前県知事に渡航制限を科した。

同委員会の委員長を務めるムハンマド・ディーブ・マクタリン判事は、ダルアー県で100人以上に聴取を行ったと発表し、同委員会支部が現在も活動を続けていると述べた。

またラタキア県の委員会支部は200件以上の事件を、タルトゥース県の支部はバーニヤース市での事件50件以上を、そして委員会本部も約60件の事件を調査していると付言した。

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SANA, June 13, 2011
SANA, June 13, 2011

シリア・アラブ・テレビ(6月13日付)やSANA(6月13日付)は、軍が完全制圧したイドリブ県ジスル・シュグール市で、武装集団によって殺害された軍・治安部隊兵士多数が遺棄されている「集団墓地」が発見されたと報じ、その映像、写真を公開した。

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また、シリア・アラブ・テレビは軍による治安回復を歓迎する市民のインタビュー映像を放映した。

国内の暴力

12日に軍が「完全制圧」したとされるイドリブ県ジスル・シュグール市および同市周辺の状況に関して、『ハヤート』(14日付)は、子供や女性を含む市民が殺害され、多数が逮捕されたとの複数の目撃者の証言を伝えた。

al-Hayat, June 14, 2011
al-Hayat, June 14, 2011

トルコ国境に逃れた避難民たちによると、シリア軍は12日、ジスル・シュグール市東部から掃討を開始し、18歳から40歳の男性数百人を逮捕したという。

またロイター通信(6月13日付)は、避難民からの情報として、軍の戦車が12日の掃討作戦で、ジスル・シュグール市内の二つのモスクを砲撃し、逃げようとした住民3人(男性1人、女性1人、子供1人)が死亡したと伝えた。

レバノンの動き

レバノン国軍のハサン・アイユーブ准将は、シリア・レバノン国境に違法な武装集団が展開しているとの情報を否定した。

『リワー』(6月13日付)が報じた。

諸外国の動き

国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア人避難民10,000人以上がトルコ、レバノンへの避難を余儀なくされていると述べ、警鐘を鳴らした。

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アナトリア通信(6月13日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール市一帯からトルコに逃れた避難民の数が6,817人に増えたと報じた。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、米国がシリアでの新たな暴力行使を「強く非難する」と発表、アサド政権に「政治的対話」を行い、シリア国民にその退陣の是非についての意見を表明させるよう求めた。

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al-Hayat, June 14, 2011
al-Hayat, June 14, 2011

スコットランド在住の米国人学生は、自らがシリア人反体制女性ブロガーでレズヴィアンのアミーナ・アブドゥッラー・アッラーフになりすましていたと発表した。

この「女性ブロガー」については、CNNなどが6月8日にダマスカスで治安当局によって誘拐されたと大々的に報じていた。

この学生は謝意を述べつつ、アミーナ・アブドゥッラー・アッラーフというシリア人女性が実在せず、自らがネット上でねつ造した架空の人物であることを認めた。

ねつ造を認めたのは、エジンバラ大学修士課程に在籍するトム・マクマスターさん(40歳、妻帯)。

マクマスターさんは今月7日(火曜日)、アミーナのいとこを名のる男性だと偽って、インターネット上に、彼女が外出中に3人の武装した男たちに誘拐されたと書き込んでいたという。

これを受け、反体制活動家らは、フェイスブック上に「アミーナ・アブドゥッラーを解放せよ」というグループを立ち上げ、約15,000人が賛同していた。

『ハヤート』(6月14日付)によると、ねつ造の事実を知った反体制活動家や賛同者は怒りを露わにしており、サーミー・ハマウィーを名のる男性は、自らが編集するgaymiddleeast.comで「恥を知れ、マクマスター…。お前がしたことは、多くの人々に迷惑をかけ、我々全員を危険にさらすことになった」と記したという。

またアミーナ釈放を求めるフェイスブック上のグループにコメントした一人は、「激しい怒りを感じる」と書き込んだ。

また別の一人は「シリア情勢は悪化しており、このような遊びの余地はない」と書き込んだ。

さらに別の一人は「シリアで起きている非常に重要な出来事に割くべき時間と努力を無駄にされた」と書き込んだ。

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アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長は記者団に対し、シリア情勢に関して「民間人の犠牲者が増えるなか、すべてのアラブ諸国の懸念と怒り」を高めているとしたうえで「事態がこのまま放置されることは受け入れられない」と述べた。

UPI(6月13日付)が伝えた。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と電話会談し、国連安保理でシリア非難決議の採択をめざすことで合意した。

AFP, June 13, 2011、Akhbar al-Sharq, June 13, 2011、al-Hayat, June 14, 2011、Kull-na Shuraka’, June 13, 2011、al-Liwa’, June 13, 2011、Naharnet, June 13, 2011、Reuters, June 13, 2011、SANA, June
13, 2011、UPI, June 13, 2011などをもとに作成。

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シリア軍がジスル・シュグール市を「完全制圧」、同作戦を受け約10,000人の避難民がトルコ・シリア国境地帯に流入(2011年6月12日)

反体制勢力の動き

一方、シリア人権監視団は、2011年3月半ば以降の死者数が1,626人に達していると発表した。

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同監視団によると、このうち1,289人が民間人で、残りが軍、治安部隊隊員、警官だという。

またイドリブ県ジスル・シュグール市への軍の突入で、123人が死亡したと主張した。

シリア政府の動き

アナトリア通信(6月13日付)によると、ダマスカス県のラウダ地区にあるトルコ大使館前で、アサド政権支持者が、シリア国内の混乱に対するトルコ政府の姿勢に抗議してデモを行った。

一部が壁を乗り越えて大使館敷地内に入ろうとしたが、治安部隊がこれを阻止したという。

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SANA(6月12日付)によると、イドリブ県で11日に殺害された軍・治安部隊の兵士の葬儀が、ヒムス県、アレッポ県、イドリブ県の軍病院で行われた。

国内の暴力

イドリブ県では、SANA(6月12日付)によると、シリア軍がジスル・シュグール市を「完全制圧」した。

同通信社によると、軍は同市の「国立病院を武装組織から奪還し、橋や街道に武装組織が敷設した爆発物やダイナマイトを撤去したのち市内に進入した」としたうえで、市内およびその周辺で「武装集団と激しく交戦し、武装集団メンバー2人を殺害、多数を逮捕し、彼らの武器を押収された」という。

また軍は「周辺の山林で武装テロ集団残党を追跡している」という。

同通信社はさらに「武装集団によって殺害・遺棄されたジスル・シュグール市の治安機関要員の集団墓地が発見された…。集団墓地で回収された遺体から武装集団が残虐行為を行ったことが分かる」ことを明らかにするとともに、「武装テロ集団メンバーの一人は、ジスル・シュグール市で虐殺を行い、警察・治安要員を集団墓地に遺棄したことを証言した」と付言、「集団墓地から10体の遺体が回収されたが、そのほとんどが頭や四肢を刃物で切り落とされ、身体中に弾痕が残っていた」と指摘した。

これに対し、AFP(6月12日付)は、複数の活動家・住民の情報として、軍が「今朝7時前に、戦車と重火器によってジスル・シュグール市への集中砲火を開始し、その後東部および南部からも攻撃を行った」と伝えた。

これらの活動家・住民によると、「爆発音が聞こえ、機関銃を搭載したヘリコプターが同市の上空を旋回」、戦車約200輌が同市一帯に展開していたという。

またロイター通信(6月12日付)などは、ジスル・シュグール市掃討時に、複数の兵士が住民への発砲を拒否して離反し、住民側に立って戦ったと報じた。

これに関して、シリア調整委員会は、士官1人と兵士15人が治安部隊を離反し、住民側についたと発表したが、その真偽は確認できていない。

レバノンの動き

ナハールネット(6月12日付)によると、ベイルート県内のクウェート大使館前でアサド政権を支持するデモが行われ、約30人参加した。

諸外国の動き

『ハヤート』(6月13日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市一帯でのシリア軍の治安維持掃討作戦を受け、トルコ・シリア国境地帯に約10,000人の避難民が流入した。

これに関連して、アナトリア通信(6月12日付)は、トルコ領内に避難したシリア人の数が5,051人に達していると伝えた。

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国連安保理で、シリア非難決議案の審議が予定されていたが、西側外交筋によると、審議の必要がないとする露中がこれをボイコットした。

ロイター通信(6月12日付)が伝えた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、スカイ・ニュース(6月12日付)に対して、安保理がシリア問題をめぐって非難決議を採択することで「明確な姿勢」を示すべきだと述べた。

ヘイグ外務大臣はまた、非難決議がアサド政権に「合法的な(国民の)要求に応え、言論犯を釈放し、インターネットを解禁し、人権高等弁務官に協力する」よう求めるものでなければならないと付言した。

AFP, June 12, 2011、Akhbar al-Sharq, June 12, 2011、al-Hayat, June 13, 2011、Kull-na Shuraka’, June 12, 2011、Naharnet, June 12, 2011、Reuters, June 12, 2011、SANA, June 12, 2011などをもとに作成。

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イドリブ県で衝突が発生、米ホワイトハウスはシリア情勢に関して、「蛮行と暴力の即時停止」を呼びかける(2011年6月11日)

反体制勢力の動き

AFP(6月11日付)は、イドリブ県の部隊を離反しトルコへと脱走した兵士4人が「我々は武装集団がいると言われていたが…、彼らが普通の民間人だということが分かった。彼ら(士官)は彼らに発砲を命じた…。家々に突入し、老人であれ、子供であれ、そこにいた全員に発砲した…。夫や子供の前で女性を強姦する命令さえ出ていた」と証言していると報じた。

シリア政府の動き

シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、国連の潘基文事務総長に充てた書簡で、安保理で審議中のシリア非難決議案が「過激派やテロリスト」の活動を勢いづかせるだけだと警告し、「シリアの内政問題へのあからさまな干渉で、シリアの安定を揺るがし、現時点および将来における決定や国民の運命を支配しようとするもの」と反論した。

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SANA(6月11日付)によると、ダルアー県で武装集団に殺害された治安部隊隊員2人の葬儀がラタキア県で行われた。

国内の暴力

イドリブ県では、SANA(6月11日付)によると、武装集団がマアッラト・ヌウマーン市内の裁判所、燃料貯蔵施設などを襲撃、これに治安部隊が応戦し、複数名を逮捕した。

この戦闘で、警官1人が死亡、1人が負傷した。

諸外国の動き

『ハヤート』(6月12日付)は、金曜日(10日)に開始されたイドリブ県ジスル・シュグール市などに対する軍の掃討作戦を受け、シリア避難民がトルコに脱出を、その数は4,600人を越えたと伝えた。

トルコ当局はシリア国境近くのキャンプに彼らを収容する一方、数千人と新たに面談し、避難民としての受け入れを進めているという。

キャンプはトルコ軍警察によって監視され、負傷者はハタイ県の病院に搬送されているという。

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トルコ外務省のハーリド・シャフィーク次官補は、トルコがさらなる避難民を受け入れる用意があり、彼らのほとんどがヤイラダギにあるキャンプに収容される、と述べた。

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米ホワイトハウスはシリア情勢に関して、「蛮行と暴力の即時停止」を呼びかけるとともに、アサド大統領が「国民を「危険な道」に導いている」と非難した。

そのうえで、シリア国民に対して、「国民統合を維持し、宗派対立を回避するべく行動する」よう呼びかけた。

AFP, June 11, 2011、Akhbar al-Sharq, June 11, 2011、al-Hayat, June 12, 2011、Kull-na Shuraka’, June 11, 2011、Naharnet, June 11, 2011、Reuters, June 11, 2011、SANA, June 11, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県で治安作戦が継続、トルコのエルドアン首相はアサド政権が「虐殺」を行っていると断言(2011年6月10日)

シリア政府の動き

反体制活動家が呼びかけた「部族の金曜日」に対抗して、シリア・アラブ・テレビ(6月10日付)は、ハサカ県のアリー・ジャースィム・アーズィル氏ら主な部族の長や名士のインタビューを放映した。

インタビューのなかで、部族長らは、暴動に意義を唱える一方、アサド政権主導による改革への支持を表明した。

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SANA(6月10日付)は、ジスル・シュグール市を占拠していた武装犯罪集団メンバー多数を軍・治安部隊が逮捕し、同地の治安と安定を回復、住民の歓迎を受けたと報じた。

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シリア・アラブ・テレビ(6月10日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール市などで軍・治安部隊が住民を殺害したとの外国メディアなどの報道がウソだと証言する住民らのインタビュー映像を放映した。

国内の暴力

フェイスブックの「シリア革命2011」などが「部族の金曜日」と銘打って反体制デモを呼びかけるなか、『ハヤート』(6月11日付)などによると、ダマスカス県、アレッポ県、ヒムス県、ハマー県、カーミシュリー市(ハサカ県)、ダルバースィーヤ市(ハサカ県)、ダイル・ザウル市、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)、バーニヤース市(タルトゥース県)、ダルアー県各所で金曜礼拝後にデモが発生した。

『ハヤート』(6月11日付)は、複数の活動家や目撃者の情報として、治安部隊はデモ参加者に対して実弾で発砲し、強制排除を試み、少なくとも市民22人が死亡したとする一方、死者数が28人を越え、そのうちの11人がイドリブ県で殺害されたとする別の活動家の情報もあると報じた。

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しかし、SANA(6月10日付)は、各地での金曜礼拝後の暴動で、多くの警官、治安部隊隊員が武装集団に銃やナイフで殺害されたと報じた。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月11日付)が、人権活動家の情報として、治安部隊がマアッラト・ヌウマーン市での大規模デモに発砲し、少なくとも11人が死亡したと報じた。

同市で殺害されたムハンマド・ダギーム氏(30歳)の父親はAFP(6月10日付)に対して、軍はヘリコプターを投入して弾圧したと証言した。

これに関して、シリア人権監視団は、治安部部隊がマアッラト・ヌウマーン市のデモ参加者を包囲する一方、「群衆によって包囲された警官の応援に駆けつけようとした軍の増援部隊を阻止すべく、デモ参加者は道路を封鎖していた」と発表した。

同監視団はまた「ヘリコプターが町の上空を旋回していた」と指摘した。

別の活動家はAFP(6月10日付)に対して「ヘリコプターが町を空爆した」と述べた。

しかし、SANA(6月10日付)は、マアッラト・ヌウマーン市内の「武装テロ集団」が治安機関本部に集中砲火を浴びせ、警察治安部隊に複数の死傷者が出たと伝えた。

一方、ジスル・シュグール市の情勢に関して、シリア・アラブ・テレビ(6月10日付)は、軍の部隊が「ジスル・シュグール直前」まで到達し、複数の「武装テロ集団」メンバーを逮捕したと報じた。

しかし、目撃者の一人はAFP(6月10日付)に対して、治安部隊がジスル・シュグール市周辺の村々を戦車で砲撃していると証言した。

またジスル・シュグール市の南15キロに位置するズィヤーラ村では、兵士が発砲し、住民を弾圧したという。

al-Hayat, June 11, 2011
al-Hayat, June 11, 2011

さらにトルコ国境を通過した避難民の一人は「ジスル・シュグール市は事実上無人と化した」と述べた。

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ラタキア県では、『ハヤート』(6月11日付)によると、ラタキア市で、治安部隊がデモ参加者に発砲し、6人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスル・ハリール市で、市民2人が軍の発砲で負傷し死亡した。

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ダマスカス県では、人権活動家が撮影・公開したビデオによると、カーブーン区で夜間デモが発生し、市民3人が治安部隊に殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で反体制デモが発生し、数千人が参加した。

レバノンの動き

ヒズブッラーは声明を出し、「一部のアラブ諸国とイスラエルのメディアは、ヒズブッラーがシリア一部地域で発生している武力衝突に関与しているとの噂を吹聴している」としたうえで、こうした喧伝が、「シリアとレジスタンス運動を標的とした同一の陰謀」であり「宗派間の緊張を高める」ものだと非難した。

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ナハールネット(6月10日付)によると、北部県トリポリ市で金曜の集団礼拝後にシリアのアサド政権に抗議するデモが発生し、学生ら数百人が参加した。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相はATV(6月10日付)に対し、アサド政権が「虐殺」を行っていると非難、抗議行動参加者への弾圧を「受け入れられない」と述べた。

エルドアン首相は「残念ながら、彼ら(シリア当局)は人道的に振る舞っていない」と述べた。

エルドアン首相はまた、アサド大統領の弟で共和国護衛隊の実質的司令官であるマーヒル・アサド大佐が人道的に振る舞っていないと批判した。

そのうえでエルドアン首相は、女性や子供を踏みつけるシリア軍兵士の映像を例に出し、「このような映像は解説する余地はなく、耐えられないものだ」と述べた。

一方、エルドアン首相はアサド大統領と電話会談し、トルコに逃れてきたシリア人避難民の状況をありのままに説明したが、大統領はシリア国内の現実とまったく矛盾した話を返してきたことを明らかにし、「アサド大統領と4、5日前に話したが、彼らは問題の深刻さを評価できていない」と付言、「こうした状況では、我々は国際社会においてシリアを擁護できない」と述べ、アンカラが国連安保理でのダマスカス非難決議を支持する可能性を示唆した。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は、トルコの文民・軍指導部が「最悪のシナリオ」に対処する準備をしている、と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、シリア国内での暴力停止を求めるためアサド大統領との電話会談を試みたが、「大統領は不在」との解答を受けたと発表した。

また潘事務総長によると、アサド大統領は事務総長からの再三にわたる電話会談の申し出に不快感を示し、最後には「あなたはなぜ私と連絡をとりたいのか」と述べたのだという。

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ロバート・ゲーツ米国防長官は「アサドの正統性に疑問の余地が生じた」と述べた。

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ジュネーブでは、赤十字国際委員会のヤコブ・ケレンベルガー総裁がシリア政府に対して、暴力が発生している地域への医療チームの「即時派遣」の申し出を行い、個人的にシリアを訪問し、当局と会見する用意があるとの意思を表明した。

AFP, June 10, 2011、Akhbar al-Sharq, June 10, 2011、al-Hayat, June 11, 2011、Kull-na Shuraka’, June 10, 2011、Naharnet, June 10, 2011、Reuters, June 10, 2011、SANA, June 10, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンのワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首がアサド大統領と会談、改革プログラムへの確信を表明する(2011年6月9日)

反体制勢力の動き

フェイスブックの「シリア革命2011」は、金曜日(10日)を「部族たちの金曜日」と名づけ、反体制デモを呼びかけ、「すべての部族は当初から革命家を支持してきた。部族は屈辱、誹謗、攻撃を拒んできた。権利を求め、非難を恐れない」と主唱した。

同ページによると、クナイトラ県、ダルアー県、スワイダー県の部族が「シリア革命」を支持しており、またアレッポ県、ダイル・ザウル県、ラッカ県、ヒムス県の部族に対して「体制打倒」を呼びかけているという。

シリア政府の動き

SANA, June 9, 2011
SANA, June 9, 2011

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首はシリアのダマスカスを訪問し、アサド大統領と会談した。

会談後に進歩社会主義党が出した声明によると、ジュンブラート党首は会談で「大統領が開始した改革プログラムの実施を通じて、歴史的危機状況を克服できるだろうと確信している」と伝える一方、アサド大統領から改革実施を確約したという。

またジュンブラート党首はシリア情勢への外国の干渉に拒否の姿勢を示した。

国内の暴力

イドリブ県では、AFP(6月9日付)によると、民間人数千人がオートバイや貨物車輌でジスル・シュグール市から避難した。

また、複数の目撃者によると、金曜日(10日)の反体制デモに備えて、軍の貨物車輌、兵員輸送車、戦車がジスル・シュグール市からアレッポ県方面に進軍、活動家の一人によると、軍の車列に投石した1人が殺害され、6人が負傷した。

al-Hayat, June 10, 2011
al-Hayat, June 10, 2011

一方、『ハヤート』(6月10日付)によると、シリア軍部隊が、ジスル・シュグール市周辺の幹線道路に展開、封鎖した。

トルコ国境に向かう幹線道路だけは住民を避難させるために封鎖されていないという。

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ヒムス県では、『ハヤート』(6月10日付)によると、金曜日(10日)の反体制デモに備えて、ヒムス市バーブ・アムル地区など市内各所に軍が戦車を展開させた。

諸外国の動き

NTV(6月8日付)によると、トルコのアフメット・ダウトオール外務省は、トルコにシリア人避難民約600人が新たに避難した。避難民の総数は2,500人に達したと発表した。

ダウトオール外務大臣は「シリア情勢に多大な懸念を抱いている。30分前、正確な数字を得た…。2,400人以上が現在トルコに避難民として入国している」と述べた。

そのうえで、シリアが政治改革に関して「重大な決断」を行うべき時が来たと明言した。

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ナバメセム・ピレー国連人権高等弁務官はシリア政府に対して民間人への攻撃を停止するよう呼びかけ、「いかなる政府であれ、国民を沈黙させるため弾圧を行うこと」に遺憾の意を表明した。

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ロシア外務省報道官は、国連安保理に英仏が提出したアサド政権への非難決議案に関して、シリア情勢をさらに悪化させると指摘し、「強く反対する」と発表、シリア政府が国民に約束している改革を実施するための時間を与えるべきとの見解を示した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、アサド政権による民間人虐殺を「受け入れられない」と非難した。

ジュペ外務大臣は「シリアの姿勢は受け入れられない。国民がさらなる自由と民主主義を求めているなか、民間人惨殺が続けられてはならない」と述べた。

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IAEA理事会は、2007年9月にイスラエルが空爆で破壊したダイル・ザウル県キバルの原子炉とされる施設に関して、シリア政府が建設を申告せず、加盟国に対する包括的保障措置協定を遵守しなかったとして、同問題への対応を国連安保理に付託する決議を採択した。

決議案は米国が提出し、賛成17カ国、反対6カ国、棄権11カ国、欠席1カ国で採択した。

ロシアと中国は反対票を投じた。

決議採択を受け、シリアのバッサーム・サッバーグ大使は「遺憾な動き」と非難しつつも、「シリアは常に誓約と義務を守ってきたし、そうあり続けると考える」と述べ、IAEAへのシリアの協力姿勢に影響はないとの姿勢を示した。

米国のグリン・デービーズIAEA大使は理事会の非公式会合で採決に先だって「ウラン製造のための未申告の秘密施設を建設しようとするシリアの試みは何らの平和的な目的を持っておらず、保障措置協定に対するもっとも申告な違反の一つだ」と述べた。

また「ダイル・ザウルでシリアが核開発を行おうとしていることは明らかだ。同地において原子炉が建設され、おそらく核兵器に転用するためのウランを製造するという明確な目的があった」と付言した。

これに対し、複数の外交筋によると、ロシアのグレゴリー・ベルデンニコフ大使はこの動きを「壊滅的攻撃」と非難したという。

これに先だって、ベルデンニコフ大使はIAEAのシリアに対する決議案が「不適切な時期に提起されており、客観的でない」と非難、「それゆえ、もし(決議案の)採決がなされたら、我々は反対する」と述べていた。

また同大使は「シリア側に過ちがあるかもしれないが、(キバルの)施設が破壊されてしまった今となっては、国際安全保障を脅かすものではない」と続けたという。

他方、新華社通信(6月9日付)によると、中国のIAEA代表の王英凡大使も採決に先立って、「現状において、シリアの核(疑惑)問題をめぐって決議を採択する必要はなく、同問題を安保理に提訴する必要もない」と述べ、この問題がIAEAの枠内で解決されるべきとの中国の立場を示した。

AFP, June 9, 2011、Akhbar al-Sharq, June 9, 2011、al-Hayat, June 10, 2011、Kull-na Shuraka’, June 9, 2011、Naharnet, June 9, 2011、Reuters, June 9, 2011、SANA, June 9, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

英仏が露・中をけん制しつつ、アサド政権による反体制運動弾圧を非難する国連安保理決議案(修正決議案)を提出(2011年6月8日)

反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官は『ラアユ』(6月8日付)に、イスラーム運動がシリア社会の一部をなしてているとしたうえで、立憲的、文民的、多元的国家建設をめざしていると述べた。

シリア政府の動き

SANA(6月8日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市で7日に殺害された治安部隊隊員の葬儀がラタキア市の軍事病院で行われた。

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シリア・アラブ・テレビ(6月8日付)は、当局によって傍受されたイドリブ県ジスル・シュグール市での武装集団の電話での通話の内容を公開した。

公開された通話で、武装集団メンバーらは、殺害した警官や治安部隊隊員の遺体を遺棄し、集団墓地に見せかける方法などについて話し合っていた。

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(6月9日付)によると、ジスル・シュグール市の住民数千人が、同市への進入と制圧を準備しているとされる軍(第4機甲師団)の攻撃を恐れ、周辺の村々やトルコに避難した。

また、複数の住民によると、住民は攻撃に備えて、市内各所に障害物を設置したという。

複数の活動家や目撃者がAFP(6月8日付)に述べたところによると、ジスル・シュグール市周辺の村々は、モスク、教会、学校を開放し、避難民を受け入れているという。

人権活動家のムスタファー・ウースー氏が、複数の目撃者の情報として、AFP(6月8日付)に対し、第4師団などからなる軍部隊数千人がイドリブ県に向かっていると述べた。

レバノンの動き

AFP(6月8日付)によると、負傷したシリア人3人が北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方に搬送された。

うち1人は搬送先の病院で死亡したという。

諸外国の動き

英仏は、アサド政権による反体制運動弾圧を非難し、弾圧の責任者への制裁と人道支援を求める国連安保理決議案(修正決議案)を提出した。

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英仏が提出した安保理決議案に関して、デヴィッド・キャメロン英首相は議会で「この決議に反対票を投じたりする国が出た場合、事態はそのまま放置されることになってしまう」と述べ、安保理でアサド政権への非難決議に反対するロシアと中国を暗に牽制した。

キャメロン首相はまた「1000人が死亡し、10,000人以上が逮捕され、平和的なデモ参加者が暴力に曝されていることを示す信頼できる報告がある。こうした状況は決して受け入れられない…。こうした行き過ぎに沈黙していてはならず、沈黙しないだろう」と述べた。

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マーク・トナー米国務省報道官は、米国が英仏による安保理決議案を支持すると宣言し、「我々は安保理の他のメンバーに米国支持の姿勢を説得するよう試みる」と述べた。

トナー報道官は、こうした決議が「アサド政権にさらなる圧力をかけるものであり、シリア国民への暴力による弾圧を制限する国際社会の試みを促進する」との考えを示した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリア人避難民に対してトルコが門戸を閉ざすことが「想定され得ない」と述べた。

エルドアン首相はまた「我々の懸念は増している…。シリア政府が改革に向けて早急にステップを踏み、市民を安堵させるよう願いたい」と述べた。

一方、アフメット・ダウトオール外務大臣はシリア政府に対して「国民が妥当だと考えられるような期限を設け、広範な政治改革に向かって」進むよう呼びかけた。

ダウトオール外務大臣はまた「シリア人は危機収束を望んでいる…。ダマスカスは(人々を満足させるような)行動計画を発表せねばならない」と強調した。

AFP, June 8, 2011、Akhbar al-Sharq, June 8, 2011、al-Hayat, June 9, 2011、Kull-na Shuraka’, June 8, 2011、Naharnet, June 8, 2011、al-Ra’y,
June 8, 2011、Reuters, June 8, 2011、SANA, June 8, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クルド調整委員会を名乗る3党が予定されていたアサド大統領との会談を辞退、駐フランス・シリア大使が辞意を表明したとの報道も(2011年6月7日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(6月8日付)は、6日から開催されているアサド大統領とクルド民族主義政党12組織の代表との会談に関して、クルド調整委員会を名乗るシリア・クルド・アーザーディー党、シリア・クルド・イェキーティー党、シリア・クルド・ムスタクバル潮流の3党が声明を出し、アサド大統領との会談を辞退した、と報じた。

各地で軍・治安部隊の弾圧が続くなかで、政権と対話できないというのが理由。

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シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官はイドリブ県ジスル・シュグール市での戦闘に関して声明を出し、アサド政権に対する抗議運動が「平和的」だと主張する一方、被害の原因を「武装集団」の暴力に帰せようとするアサド政権の姿勢を「さらなる暴力・殺戮行為を正当化する」口実だと非難した。

声明で同胞団は「我々は…シリア革命が平和的で、国民主義的であることを強調する。ジスル・シュグール地域で市民を脅迫する武装集団が存在するというシリア内務大臣の声明の言説のなかに、罪のない市民へのさらなる弾圧・殺戮行為を正当化する口実があると見ている」と主張している。

また「我らが祖国の民に内務大臣の声明に煽られず…いかなる状況下でも自らの革命を平和的かつ国民主義的に保つよう」呼びかけ、「愛国的な血は汚れなきものであり…、シリア国内における唯一の殺戮者が、分裂と内紛に喘ぐ治安機関の悪党であることを強調する…。我々は国民の平和がレッドラインで、いかなる状況であれ、それに抵触することは誰にも許されないと考える。いかなる勢力、いかなる名目であれ、祖国を内戦に引き込もうとする無責任なすべての呼びかけを非難する」と強調した。

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Facebook
Facebook

フェイスブックのグループ「シリア革命2011」は、6月7日を「ナフダの火曜日」と銘打って、反体制抗議行動を呼びかけた。

シリア政府の動き

西側諸国メディアは、ラーミヤー・シャックール駐フランス・シリア大使が、フランス24に宛てた声明のなかで、シリア国内での「一連の暴力」に抗議して辞意を表明し、「民主主義と自由をめざす国民の要求の正当性」を承認すると発表したと一斉に報じた

シャックール大使は声明のなかで、「政府の反応は適切ではない。一連の暴力を支持できない…。デモ参加者の殺害が無視されており、多くの家族が痛みに耐えて暮らしている…。アサド大統領の私設秘書に辞意を伝え、さらなる民主主義と自由に向けた国民の要求の正当性を認め…、私の辞意は直ちに受理されるだろう」と述べた。

SANA, June 7, 2011
SANA, June 7, 2011

しかしBBC(6月7日付)は、シャックール大使が辞意表明に関する報道を否定したと報じた。

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SANA(6月7日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市で7日に殺害された警官の葬儀がダマスカス県の警察病院で行われた。

国内の暴力

AFP(6月7日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール市での6日の戦闘で治安要員・警官120人が殺害されたとするSANAなどの報道に関して、目撃者らの情報として、「戦闘は軍の部隊と脱走兵との間で発生」し、住民や活動家らが「市内での治安機関本部での反乱」で殺害されたと報じた。

同通信社によると、戦闘の発端となった兵士らの離反は、「自由の子供たちの金曜日」(5月31日)で犠牲者の葬儀に対するさらなる弾圧(30人が死亡)が行われた6月1日に表面化したという。

しかし、ロイター通信(6月7日付)は複数の消息筋の話として「治安部隊脱走の話は真実ではない。警察官や治安要員は破壊行為が行われている最中に武装集団の手によって殺害され、銃弾に曝された。地域住民のなかに武装している者がいる…。同地域で起きているのは武装反乱だ」と伝えた。

またSANA(6月7日付)は、「ジスル・シュグール周辺の村々の住民は武装集団から逃れるため村を離れた。彼が話す残虐行為、犯罪行為は筆舌に尽くしがたく、住民は軍・治安部隊による断固たる介入とこれらの組織への厳罰を求めている」と伝えた。

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アフバール・シャルク(6月7日付)は、ダマスカス県ヤルムーク区で親シリアのパレスチナ組織に殺害されたと見られるパレスチナ人の遺体11体が発見されたと報じた。

SANA, June 7, 2011
SANA, June 7, 2011

諸外国の動き

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アサド大統領が「正統性を失い、改革するか退任せねばならない」と述べた。

ヘイグ外務大臣はまた、アサド政権による弾圧が続いた場合を想定して、英国がEUの加盟国とともにさらなる制裁を科す可能性を検討していると述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣はニューヨークの国連本部で、イドリブ県ジスル・シュグール市での激しい戦闘を非難し、「弾圧の停止」を呼びかる一方、「アサド大統領が統治の正統性を失った」と断じた。

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アムネスティ・インターナショナルは国連安保理に対して、シリアを国際刑事裁判所に提訴するよう改めて求めた。

AFP, June 7, 2011、Akhbar al-Sharq, June 7, 2011、al-Hayat, June 8, 2011、Kull-na Shuraka’, June 7, 2011、June 8, 2011、Naharnet, June
7, 2011、Reuters, June 7, 2011、SANA, June 7, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県ジスル・シュグール市およびその周辺一帯での反体制勢力による要撃・襲撃により、治安要員と警官約120人が殺害される(2011年6月6日)

al-Hayat, June 7, 2011
al-Hayat, June 7, 2011

シリア人、パレスチナ人のイスラエルへの越境デモ

クナイトラ県、ダマスカス県などで、ナクサ記念日に有刺鉄線を越え、占領下ゴラン高原に入ろうとしてイスラエル軍に射殺された若者23人の葬儀が行われた。

SNS(6月6日付)によると、このうち、ダマスカス県ヤルムーク区で行われた犠牲者8人の葬儀では、パレスチナ諸派の無策に抗議する会葬者が、参列したパレスチナ諸勢力の指導者らを排除しようとして衝突に発展し、PFLP-GCの民兵が会葬者に発砲した。

SANA, June 7, 2011
SANA, June 7, 2011

クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、これによりパレスチナ人約20人が死亡したという。

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米国務省は、ナクサ記念日(5日)にシリア人パレスチナ人の若者が占領下ゴラン高原に入ろうとしてイスラエル軍に射殺された事件に関して、「シリアがこの手の攻撃を煽動していることは明白だ…。国内の問題から目をそらそうとしている」と批判した。

また「イスラエルは、他のあらゆる主権国家と同様、自衛権がある」と付け加えた。

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フランス外務省は、ナクサ記念日(5日)にシリア人パレスチナ人の若者が占領下ゴラン高原に入ろうとしてイスラエル軍に射殺された事件に関して、シリア当局にイスラエルとの緩衝地帯を尊重するよう求めたと発表、「同地帯への侵害」とイスラエル側の「過度の力の行使による応戦」への「強い遺憾の意」を示した。

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ロシア外務省は、ナクサ記念日(5日)にシリア人パレスチナ人の若者が占領下ゴラン高原に入ろうとしてイスラエル軍に射殺された事件に関して、「新たな緊張につながりかねない事態への強い懸念」を表明するとともに、懸念が「この抗議行動で多くの平和的なデモ参加者が死傷したこと」で高まっていると強調した。

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国連の潘基文事務総長は、ナクサ記念日(5日)にシリア人パレスチナ人の若者が占領下ゴラン高原に入ろうとしてイスラエル軍に射殺された事件に関して、「イスラエルによる実弾発砲が負傷者をもたらした」としたうえで、国連監視団が「事実の確認を行っている」と述べた。

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イスラエルのエフード・バラク国防大臣とマタン・ヴィルナイ国防副大臣は、ナクサ記念日(5日)にシリア人パレスチナ人の若者が占領下ゴラン高原に入ろうとしてイスラエル軍に射殺された事件に関して、「アサド大統領とシリアの政権が背後にいる」と指摘、シリア国内での抗議行動弾圧から目を反らそうとしていると批判した。

シリア政府の動き

Damas Post(6月6日付)は、ハサカ県でクルド人への国籍付与申請を違法に仲介していた業者が摘発されたと報じた。

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『ハヤート』(6月7日付)は、アサド大統領とクルド民族主義政党代表との会談が6日に行われたと報じた。

会談は当初6月4日に予定されていた。

これに関して、クッルナー・シュラカー(6月6日付)は、大統領に招待された政党12組織を明らかにした。

同報道によると、招待されたのは、1. シリア・クルド左派党、2. シリア・クルド民主党アル・パールティ・アブドゥルハキーム・バッシャール派、3. 同ナスルッディーン・イブラーヒーム派、4. シリア・クルド・イェキーティー党、5. 民主統一党、6. シリア・クルド・アーザーディー党、7. シリア・クルド国民民主党、8. シリア・クルド平等民主党、9. シリア・クルド民主統一党イェキーティー、10. クルド・シリア民主党、11. シリア・クルド進歩民主党、12. シリア・クルド・ムスタクバル潮流。

シリア・クルド人国民イニシアチブのウマル・ウースー代表は『ハヤート』(6月7日付)に対し、イラクのジャラール・ターラバーニー大統領(クルディスタン愛国同盟書記長)、イラク・クルディスタン知事政府のマスウード・バールザーニー大統領(イラク・クルディスタン民主党党首)が、クルド人の状況改善のためシリア政府との対話に望むことを後押ししていたと述べた。

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SANA(6月6日付)によると、進歩国民戦線中央指導部が会合を開き、国民対話プロセスなどについて協議した。

議長は、スライマーン・カッダーフ副書記長が務めた。

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(6月7日付)によると、ジスル・シュグール市およびその周辺一帯での反体制勢力による要撃、襲撃などにより、治安要員と警官約120人が殺害された。

SANA(6月6日付)によると「複数の攻撃で治安要員・警官40人が殺害され、うち20人が要撃により殺害された。またジスル・シュグール市内の郵便局が爆破され、施設の守衛8人が殉職した」。

また「第一報によると、治安部隊と警察は、市民の救援要請に応えるべく、ジスル・シュグール市向かって街道を進んでいた。市民は恐怖にさらされ、家を離れ、警察や治安機関の本部に向かって避難する途中だった」が、武装集団が郵便局のガス管に放火し、同施設を爆破した。

さらに「治安部隊と警察が要撃を受けたジスル・シュグール市の現場に向かっていた増援部隊は、途中で民間人を保護して現場に向かい…、20人がすでに戦死していた」という。

治安部隊と警察は一方、「武装集団が立て籠もる複数の家を包囲」したが、「複数の情報によると、武装集団は戦闘訓練を受けており、中火器や手榴弾で武装し、住民を脅迫し、彼らを人間の盾としていた…。警察・治安部隊はジスル・シュグール市で数百人の武装集団と対峙し、彼らが占拠していた市内の一地区の道路封鎖を解除した」という。

しかし、ジスル・シュグール市にある複数の治安機関拠点への「武装集団」の攻撃によって、別の治安部隊の要員37人が殺害された。

この攻撃でも「武装組織」は中火器、機関銃、手榴弾、RPGなどを使用し、家屋の屋上から民間人、警察・治安要員を狙撃したという。

さらに「武装組織メンバー数百人がジスル・シュグール内の複数の政府施設を攻撃し、守衛3人を殺害した。また同組織はこれらの施設に放火、破壊した…。武装集団は治安・警察要員の遺体を傷つけ、その一部をアースィー川(オロンテス川)の土手に遺棄した。また市内の住民を脅迫し、道路を封鎖し、市民の家を攻撃し、公共施設、民間施設、商店などを襲撃した…裁判所は、武装組織によって二度、破壊・放火にあった。また武装集団は、ワーディー・アブヤド・ダムの施設を攻撃したのち、同施設に保管されていたダイナマイト5トンを盗んだ」という。

なおジスル・シュグール市での戦闘に関して、シリアのムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣は「断固として法に従って行動し、国家の治安を標的としたいかなる武力攻撃にも沈黙しない」と述べた。

これに対し、反体制活動家はAFP(6月5日付)に「(ジスル・シュグールの)軍事情報局本部で爆発音が聞こえたのは発砲の後だった。破壊工作が終わったあとに爆発が起きたようだ」と述べた。

同活動家はまた「事件は日曜日、治安部隊の狙撃手が市内のデモ参加者に発砲したことをきっかけに始まった。この発砲ではデモ参加者10人が死亡したが、その直後に、デモ参加者が軍事情報局前に集まった」と主張した。

また別の活動家は、軍事情報局前で発砲音を聞いたとしたうえで、「彼らはデモ参加者への発砲を拒否した警察官を処刑したのだと思う…。殺戮は治安部隊内で発生した」と主張した。

他方、シリア人権監視団などによると、ジスル・シュグール市で治安維持・軍事作戦による市民や命令拒否を理由に殺害された治安要員の死者数が37人に達しているという。

同監視団によると、ジスル・シュグール市は軍・治安部隊の包囲を受けており、「軍突入の恐怖に曝されている」という

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同じくイドリブ県では、『ハヤート』(6月7日付)によると、イドリブ市で6日晩に反体制デモが発生し、1,500人が参加したが、治安部隊によって強制排除された。

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ラタキア県では、『ハヤート』(6月7日付)によると、ジャブラ市で、市民2人が治安部隊に撃たれて死亡した。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(6月7日付)によると、ダイル・ザウル市内のバアス党本部前で反体制デモが発生し、治安部隊が参加者に向けて発砲、シリア人権監視団によると3人が死亡した。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(6月6日付)によると、人民議会議事堂前で座り込みを行った女性11人が治安当局によって逮捕された。

諸外国の動き

IAEAの天野之弥事務局長は、2007年にイスラエルが破壊した原子炉とされるダイル・ザウル県キバルの施設をめぐって、シリア政府に対して、約束に従い「具体的な成果」を示すよう求めた。

天野事務局長はウィーンでのIAEA理事会開会で、同機構が入手した情報に基づき、シリアのダイル・ザウル県キバルの施設が同機構に「申告すべき原子炉だった」と述べた。

天野事務局長はまた「IAEAはシリア政府に、ダイル・ザウル(の施設)をめぐって完全な協力を行う猶予を与えたが、シリアはそれに応えなかった」と付け加えた。

天野事務局長はさらに「我々は結果を出すに充分な情報を得た。我々が現段階で達した結論を加盟国に申告するのが適切だと考える。このような状況が無期限に続くのを許すことは、いかなる当時者にとっても利益にならない…。未解決の問題を解決するためシリアとともにさらなる行動をとっていきたい」と述べた。

シリアは先月、天野事務局長に書簡を送り、IAEAに「完全なる協力」の意思を示していた。

しかし、天野事務局長はIAEAがこの書簡を受け取る前にシリア高官と会談したが、何らの結論にも至らなかったと指摘、「意思表明だけでは不十分だ。我々は具体的な結果を見たい」と述べた。

一方、天野事務局長は「イスラエルによるとされる空爆で施設が破壊され、IAEAが調査する機会を与えられなかったことに深い遺憾の意」を示し、「力を行使するのではなく、IAEAに問題を提訴せねばならなかった」と述べた。

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ヨルダン・ムスリム同胞団は、シリア情勢に関して、「眉をひそめたくなるような恐るべき犯罪」と評し、「無防備の国民に発砲を命じ、表現の権利を奪い、鉄拳により行動を抑える指導者は、その存在と支配の正統性を失っている」とアサド政権を非難した。

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世界イスラーム教徒ウラマー連盟(ユースフ・カラダーウィー代表)は声明を出し、アサド政権に対して「殺戮の停止、都市・村に対する包囲解除、軍および戦車の都市・村からの撤退」を求めた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、ワシントンDCで、アサド大統領が「シリアを統治する正統性を失った」と述べた。

ジュペ外務大臣はまた、フランスがシリアでの暴力行使を非難する安保理決議の即時採択をめざしていることを明らかにするとともに、予想されるロシアの「拒否権」発動に関して、「我々は、ロシアがシリアに関するあらゆる決議に拒否権を発動するだろうということを知っている…。彼らが拒否権発動を選択した場合、彼らが責任を負わねばならない。決議に安保理の11カ国が賛成していることを彼らが目の当たりにしたら、見解を変えるだろう。リスクはあるが、我々にはそれに対する備えがある」と述べた。

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『デイリー・テレグラフ』(6月6日付)は、英国外務省の複数消息筋の話として、シリアのデモ弾圧にイランが協力していることを示す信頼できる情報がある、と報じた。

同報道によると、イランは弾圧に使用する装備のほか、イラン・イスラーム革命防衛隊関係者が技術支援を行っているという。

しかし、イランがアサド政権を支援するために技術者などを実際に派遣しているかどうかは定かではなく、ヒズブッラーはアサド政権を支援するために弾圧に参加することを躊躇しているという。

AFP, June 6, 2011、Akhbar al-Sharq, June 6, 2011、The Daily Telegraph, June 6, 2011、Damas Post, June 6, 2011、al-Hayat, June 7, 2011, June 8, 2011、Kull-na Shuraka’, June 6, 2011、June 7, 2011、Naharnet,
June 6, 2011、Reuters, June 6, 2011、SANA, June 6, 2011、SNS, June 6, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルへの越境デモを行ったシリア人、パレスチナ人数十名がイスラエル軍の発砲により死亡(2011年6月5日)

シリア人、パレスチナ人のイスラエルへの越境デモ

SANA(6月5日付)などによると、ナクサ(1967年6月5日)記念日に合わせて、シリア人およびパレスチナ人市民数百人が、クナイトラ県マジュダル・シャムス村からイスラエル占領下のゴラン高原への徒歩での越境を試み、イスラエル軍の発砲を受け、少なくともパレスチナ人とシリア人20人が死亡、325人が負傷した。

al-Hayat, June 6, 2011
al-Hayat, June 6, 2011

SANAによると、犠牲となったシリア人、パレスチナ人は「占領下のゴラン高原に迫り、有刺鉄線を切断し、イスラエル占領軍が敷設した地雷原を越えようとした際、イスラエル軍の発砲を受けた」という。

ゴラン高原への越境行進は、SNSなどを通じて活動家が呼びかけていたが、『ハヤート』(6月6日付)によると、シリア当局はこれを阻止しようとしなかったという。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団は、5月31日の恩赦を受けるかたちで、イスラーム主義者、クルド人など450人以上の政治犯が釈放されたと発表した。

これらの政治犯は、シリア最大の刑務所の一つであるサイドナーヤー刑務所に収監されており、なかには25年以上収監されていた者もいるという。

また同監視団は、ダマスカス民主変革宣言運動幹部のアリー・アブドゥッラー氏が5月31日の恩赦に基づいて釈放されたと発表した。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣はUAEアブダビ首長国のシャイフ・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子とダマスカスで会談した。

『ハヤート』(6月5日付)によると、ムハンマド皇太子は改革とともに安定が不可欠と述べたという。

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SANA(6月5日付)によると、アーディル・サファル首相は、政党法案準備委員会を設置することを正式に決定した。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団などによると、ジスル・シュグール市およびその周辺一帯での治安部隊による「治安維持・軍事作戦」により28人が死亡した。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、過去2日間での同地域での死者数は、治安要員6人を含め38人に達しており、「治安維持・軍事作戦」は継続中だという

一方、SANA(6月5日付)は、「武装テロ集団」がジスル・シュグール市内の多数の政府施設、警察署を攻撃し、「市民、公共財産、私有財産を守る任務についていた警察官、治安要員4人が死亡、20人以上が負傷し、そのなかには同地域を管轄する局長、士官、さらに市民多数が含まれている」と報じた。

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ハマー県では、AFP(6月5日付)によると、金曜日のハマー市でのデモでの犠牲者を追悼するためのストライキが行われた。

同市の住民によると、「我々は土曜日、殉教者を追悼するため3日間の予定でストを始め…、商店(スーパーマーケット)などすべてがしまっており、治安部隊は市の郊外に撤退した」という。

シリアの複数の高官筋は『ハヤート』(6月6日付)に対し、ハマー市東部入口に軍戦車が展開し、同市を包囲しているとの複数の情報を「根拠がない」と否定した。

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ダイル・ザウル県では、ロイター通信(6月5日付)などによると、ダイル・ザウル市内で夜間に抗議デモが行われ、約7,000人が参加し、故ハーフィズ・アサド前大統領の銅像を倒そうとした。

これに対して治安部隊が発砲し、数十人が負傷した。

同市の住民によると、デモ参加者は、金曜日のデモで死亡したムアーッズ・ラカードくん(14歳)の家の周辺で集会を行っていたという。

諸外国の動き

ブリュッセルで反体制活動家らが開催していた「シリア革命支援国民連立大会」が閉幕した。

大会には200人以上の活動家が出席し、閉幕声明でアサド政権に「さらなる圧力をかける必要がある」と強調、同政権を「外交的に孤立させ、国際社会のメンバーたることを認めないのが肝要」との立場を示した。

またシリア政権による「国民対話委員会」の設置と会合を「茶番」と一蹴し、政権による弾圧が続いているなか「国民対話について云々することはできない」と非難した。

そのうえでアサド政権の「人権侵害を評価するための法的委員会」の設置を宣言し、「責任者の告訴」、「国際司法裁判所へのシリアの問題の付託」を主唱した。

AFP, June 5, 2011、Akhbar al-Sharq, June 5, 2011、al-Hayat, June 6, 2011、Kull-na Shuraka’, June 5, 2011、Naharnet, June 5, 2011、Reuters, June 5, 2011、SANA, June 5, 2011などをもとに作成。

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反体制活動家約200人がブリュッセルで「シリア革命支援国民連立大会」を開催、アサド大統領はクルド民族主義諸政党の幹部らと面会(2011年6月4日)

反体制勢力の動き

ベルギーをはじめとする欧州諸国から集まった反体制活動家約200人がブリュッセル市内のホテルで「シリア革命」を支持する大会(シリア革命支援国民連立大会)を開催し、アサド大統領に退任要求を行うデモへの血塗られた弾圧を停止するよう求めた。

アフバール・シャルク(6月4日付)によると、シリア・ムスリム同胞団前最高監督者のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー氏、ラドワーン・ズィヤード氏、中道党、シリア自由団結運動、シリア革命青年らが大会に参加した。

大会は2日間の予定で、主催者の一人で活動家のバースィム・ハターヒト氏はAFP(6月4日付)に対して「我々の目的は、アサドにメッセージを送ることであり、その内容とは「彼が本当の首領なら、自らの犯罪を止めねばならない。彼の軍隊がデモ参加者を捕らえ、拷問し続けるのなら、体制転換が不可避である」というものだ」と述べた。

また「国内のシリアの青年たちによる革命を支持すべく、反体制活動家たちは日曜日にトルコのアンタルヤ市で大会を開き、今日はブリュッセルで会合を開いている。そして明日は別の場所で革命を支持すべく集まる」と付言した。

シリア政府の動き

DP-News(6月4日付)は、複数の消息筋の話として、アサド大統領がクルド民族主義諸政党12団体の幹部と4日に会談し、国内情勢について協議することを決断したと報じた。

これに関して、シリア・クルド・イェキーティー党のフアード・アリークー氏はUPI(6月3日付)に、ハサカ県知事から、アサド大統領がクルド民族主義団体の代表らと4日に会談すると知らされたことを明らかにしていた。

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SANA(6月4日付)によると、内務省は声明を出し、4日に各地で行われた反体制デモで、市民と治安要員合わせて20人が武装集団の射殺されたと発表した。

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SANA(6月4日付)によると、「国民対話委員会」が、シャルア副大統領を議長として会合を開き、「(委員会の)門戸は国内外のあらゆる個人、国民諸組織に対して開かれている」、そして国内外のいかなる個人に対しても、対話への参加に「拒否権」は発動されないこと確認した。

委員会会合ではまた対話のしくみを活性化する方途、現下の課題への政治的解決策案出などが健闘されたという。

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SANA(6月4日付)によると、3日にダマスカス県バルザ区の自宅に帰宅する途中に武装集団に殺害された治安部隊隊員の葬儀が、ティシュリーン軍事病院で行われた。

国内の暴力

ハマー県では、『ハヤート』(6月5日付)によると、ハマー市での前日のデモで死亡した市民の合同葬儀が行われ、約10万人(シリア人権監視団発表、別の市民によると参列者は15万人)が参列した。

al-Hayat, June 6, 2011
al-Hayat, June 6, 2011

住民らによると、「治安部隊は市内にはおらず」、「交通警官もどこかに撤退してしまった」という。

また住民の1人はインターネット・サービスが再びハマー市で不通となっていると指摘した。

シリア人権監視団によると、3日の反体制デモによる犠牲者73人で、うちハマー市では48人が死亡したという。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月5日付)によると、軍ヘリコプターがジスル・シュグール市で反体制活動家らに攻撃を加え、10人を殺害した。

これに関して、SANA(6月4日付)は内務省の話として、未明から早朝にかけて「武装集団がジスル・シュグール市一帯の警察署を攻撃し、兵士1人が殉職、警察官1人が負傷、また武装犯罪集団の1人も死亡した」と伝えた。

また「複数の武装犯罪集団が、ジスル・シュグール市のズアイニーヤ公道管理センターを襲撃し、職員と交戦し、警察官のユースフ・カッスーム氏が撃たれて負傷した」という。

さらに別の集団がビダーマー町とユースフィーヤ村の警察署を襲撃し、ユースフィーヤ村では警官1人とその家族が監禁され、武器を奪われ、また別の集団がフサイニーヤ村の軍の拠点を襲撃、兵士1人と武装集団戦闘員1人が死亡したという。

レバノンの動き

ナハールネット(6月4日付)によると、ベイルート県南部郊外(ダーヒヤ)のサッルーム地区で、アサド政権支持者がデモを行い、約700人のシリア人、レバノン人が参加した。

AFP, June 4, 2011、Akhbar al-Sharq, June 4, 2011、DP-News, June 4, 2011、al-Hayat, June 5, 2011、Kull-na Shuraka’, June 4, 2011、Naharnet, June 4, 2011、Reuters,
June 4, 2011、SANA, June 4, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー市、ダルアー市を含む多くの都市で「数万人」規模の反体制デモが発生、「アノニマス」は在外のシリア大使館に対するサイバー攻撃を予告(2011年6月3日)

国内の暴力

『ハヤート』(6月4日付)によると、ハマー市、ダルアー市、ダイル・ザウル市、イドリブ市、カーミシュリー市(ハサカ県)、アームーダー市(ハサカ県)、ヒムス市、ダマスカス県・ダマスカス郊外県、バーニヤース市(タルトゥース市)などで、金曜礼拝後に反体制デモが発生し、「数万人」が参加した。

al-Hayat, June 4, 2011
al-Hayat, June 4, 2011

『ハヤート』(6月5日付)によると、複数の活動家がインターネットを通じて、デモの様子を撮影したビデオ映像を公開した。

映像のなかには、参加者がヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の写真を掲げて、アサド大統領と同盟関係にある同書記長に厳しい言葉を浴びせるものなどもあったという。

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反体制デモに対して、治安部隊が催涙弾だけでなく、実弾で強制排除を試み、民間人数十人が死亡、数百人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団やロイター通信(6月3日付)などによると、ハマー市での大規模デモに対する治安部隊の弾圧で、少なくとも34人が死亡、数百人が負傷した。死者はさらに増える見込みだという。

また活動家らによると、市内の複数の病院で負傷者に輸血するための血液提供を呼びかけているという。

ハマー市の住民らによると、治安部隊と狙撃手は旧市街およびその近くのアースィー広場でデモ参加者数千人に自動小銃で発砲し、これを受けてデモ参加者数は「5万人」に再び膨れあがったという。

複数の市民はまた、狙撃手を含む治安部隊が、で数千人のデモ参加者に発砲したと述べた。活動家の一人は「彼らはデモ参加者に直接発砲した。催涙弾ではデモ参加者を排除できなかった。最初に催涙弾を使用し、その後発砲してきた」と述べた。この活動家はまたデモ参加者が「平和的に」自由を求めるシュプレヒコールを連呼し、体制打倒を求めていたことを明らかにした。別の活動家は、死者数が「50人以上になるだろう」と述べた。

一方、シリア・アラブ・テレビ(6月3日付)はデモ参加者が「約10,000人」に上ったとしたうえで、「暴徒がハマー市の政府施設を襲撃・放火し、警察部隊に反抗した破壊分子3人を殺害した」と報じた。

また、SANA(6月3日付)によると、ハマー市で数百人が反対デモを行った。

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イドリブ県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市で反体制デモが行われ、周辺地域から数千人が集まった。

一方、SANA(6月3日付)によると、県内複数でデモ集会が行われた。

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ハサカ県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、カーミシュリー市、ラアス・アイン市、アームーダー市で反体制デモが発生し、5,000人以上が参加した。

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タルトゥース県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、バーニヤース市で反体制デモが発生し、5,000人以上が参加した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(6月4日付)によると、ジャースィム市で、治安部隊がデモを排除するため空砲を発射した。

レバノンの動き

NNA(6月3日付)によると、ベイルート県ダウンタウンのウマリー・モスク内でアサド政権に反対するデモが行われ、イスラーム解放党支持者ら約200人が参加する一方、モスクの外ではアサド政権を支持する活動家ら約200人が集まり、デモを行った。

諸外国の動き

フランス外務省は声明を出し、「シリアの複数の都市の住民、とりわけラスタン市、タルビーサ市、ダルアー市の住民が、現在、非人道的な状況に直面している。彼らは水、生活物資、電気、医療サービスを奪われ、殺戮行為と無差別逮捕に曝され、それは病院内でも行われている」と非難、アサド政権に「野蛮な暴力行為の停止」を求めた。

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ニューヨークでは、国連報道官によると、潘国連事務総長がシリア当局によるデモ参加者への暴力行為激化に「深い懸念」を表明した。

国連報道官は「事務総長は、先週だけで70人以上が死亡したとされるシリアでの暴力の激化を深く懸念しており、犠牲者総数は…1,000人以上に達し、負傷者はさらに多数にのぼり、数千人が逮捕されている」と述べた。

国連がデモの死者数を発表するのはこれが初めて。

また潘事務総長は「拷問、実弾、砲撃による児童の殺害なども報告されている深刻な人権侵害状況に対して懸念」を表明し、「すべての殺戮行為に対する完全で独立した透明性のある調査の実施が行われなければならない」と述べたという。

また治安部隊と軍が行っている弾圧を即時停止する必要を強調、それによって、「すべての人々を包摂する真の対話を実現し、シリア国民が求める包括的な改革と変革を行うべき」との考えを示した。

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ハッカー集団「アノニマス」はPastebin.com(6月3日付)に書き込みを行い、在外のシリア大使館のウェブサイトに対してサイバー攻撃を行うと宣言した。

「暴君にして人権侵害者のバッシャール・アサドが…シリア国内のインターネットを遮断した」ことが攻撃の理由だという。

AFP, June 3, 2011、Akhbar al-Sharq, June 3, 2011、al-Hayat, June 4, 2011, June 5, 2011、Kull-na Shuraka’, June 3, 2011、Naharnet, June
3, 2011、NNA, June 3, 2011、Pastebin.com, June 3, 2011、Reuters, June 3, 2011、SANA,
June 3, 2011などをもとに作成。

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トルコで「シリア変革大会」が閉幕、米国務長官によるとアサド大統領の正統性は「消滅してはいないが、ほぼ失われた」(2011年6月2日)

反体制勢力の動き

トルコのアンタルヤ市で開催されていたシリア反体制勢力の大会(シリア変革大会)が声明(閉幕声明)を発表し、閉幕した。

閉幕声明では、アサド大統領の「即時退任」と「副大統領への権限移譲」を求め、体制打倒への決意が改めて表明された。

しかし、『ハヤート』(6月3日付)によると、大会閉幕声明発表直前まで、出席者は激しい議論を交わし、日程が遅れ、執行委員会、監視委員会の選挙が先送りになるかに思われた。

この対立は閉幕声明に盛り込む政治的課題をめぐるもので、一部の出席者は抗議行動のみに重点を置こうとしたのに対し、他の出席者は、体制打倒に向けた「移行期」の準備を進めることを主張したという。

さらにこれ以外にも、「過渡期」だけでなく「新国家の形態」についてのヴィジョンを示すべきだと主張する出席者もいたという。

また、大会出席者は、政教分離の是非をめぐっても対立したという。

最終的に、閉幕声明では「憲法作成のための暫定会議の選出したうえで、国会、大統領選挙を大統領辞任から1年以来に実施する」と呼びかけることを確認、「目的実現まで我らが国民の革命を支援し続け、領土の統一性の維持、外国の介入拒否という国民的な基軸を誇示し、革命が特定の集団に利用されるものではないことを強調する」との姿勢を打ち出した。

また「シリア国民はアラブ人、クルド人、アッシリア人、チェルケス人、アルメニア人などさまざまな民族からなっており、シリアの新憲法ではこれらの集団すべての法的且つ対等な権利を保障することを確認する」と明言し、「多元的議会制に基づく文民国家」を呼びかけただ、政教分離問題に関しての言及は避けられた。

なお閉幕声明発表直後、出席者は31人からなる「国民委員会」を選出した。

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AFP(6月2日付)によると、トルコのアンタルヤ市での「シリア変革大会」に参加していた一部反体制活動からが、新たな反体制組織「世俗主義勢力連立」を結成した。

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シリアで抗議行動を行う活動家らは、「自由な子供たちの金曜日」と名づけた新たなデモを6月3日に実施するよう呼びかけ、ハムザ・ハティーブくん(13歳)など抗議行動で犠牲となった子供たちを抗議行動の象徴に掲げた。

ハムザくんは反体制勢力によると「拷問で死亡した」とされ、UNICEFによると、抗議行動開始以来治安部隊の手によって30人の子供が殺害されたという。

抗議行動を呼びかけるフェイスブック上の最大ページ「バッシャール・アサドに対するシリア革命2011」には「貴方たちの罪のない血と澄んだ魂のため、我々の革命は、体制を打倒するまで続く、“自由な子供たちの金曜日”も」と記された。

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シリア人権監視団は、シリア当局が5月31日の大統領恩赦に従い、政治犯数百人を釈放したと発表した。

釈放された政治犯のうち約50人がタルトゥース県バーニヤース市出身者で、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ラタキア県、ダルアー県の政治犯も釈放されたという。

また釈放された政治犯のなかには、シリア・クルド・ムスタクバル潮流のミシュアル・タンムー氏、のマフナド・フスニー弁護士、詩人のアリー・バルバーク氏(76歳)が含まれているという。

シリア政府の動き

信頼できる複数の消息筋が『ハヤート』(6月3日付)に述べたところによると、アサド大統領が設置した「国民対話委員会」が第1回会合を開き、対話の仕組みや形式に関して議論した。

議長はファールーク・シャルア副大統領が務めた。

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シリア・アラブ・テレビ(6月2日付)は、ヒムス市で破壊活動を行ったとする犯罪集団メンバーの証言映像を放映した。

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SANA(6月2日付)によると、トルコのアンタルア市で、反体制活動家による「シリア変革大会」の会場前で、ラタキア県殉教者バースィル・アサド国際空港から現地入りした若者約250人が抗議の座り込みを行った。

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SANA(6月2日付)によると、6月1日にヒムス県ラスタン市で武装テロ集団に殺害された兵士4人の葬儀が、ヒムス軍事病院で行われた。

国内の暴力

ヒムス県では、『ハヤート』(6月3日付)によると、ラスタン市で市民15人以上が殺害された。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官はチェコのカレル・シュワルツェンベルグ外相との会談後の記者会見で、「アサド政権の変革を期待するあらゆる人にとって、正統性は重要で不可欠な問題」としたうえで、この正統性が「消滅してはいないが、ほぼ失われた」と述べた。

クリントン国務長官はまた「アサドが改革を指導しない場合、去らねばならない」と明言し、「どこに?それは彼の問題だ」と付言した。

一方、シリア問題に関する決議案をめぐって国連安保理内で対立があると指摘し、「国際世論は現在一つではない…。我々は安保理の一部のメンバーと合意に達していない」と述べ、ロシアと中国との意見の不一致を示唆した。

そのうえで「我々の考え方に彼らを近づけようとしており、彼らが自分で決めねばならない…。我々は歴史の正しい側に身を置くべきだと考えている」と付け加えた。

さらに「もっとも強い調子で、(シリアの当局に対して)明確な行動をとるよう呼びかけ続ける。それは恩赦の宣言に限定されるものではなく、政治犯の釈放、恣意的逮捕の停止、人権監視団の(シリアへの)入国である」と国際社会に訴えた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、国際社会において「シリア体制転換を促そうとする試み」があると非難した。

インテルファクス通信(6月2日付)によると、ラブロフ外相は「国際社会は状況全体に目を向けねばならず、シリアの体制転換を求める動きを許すべきでない…。このような試みは現に存在し、我々はそれが停止されねばならないと考えている」と述べた。

また「シリアの体制だけでなく、反体制勢力にも自制を求めねばならない。なぜなら反体制勢力の武装集団も激しい暴力に訴えているからだ…。シリアは地域の軸となる国家で、その安定を揺るがそうとする試みは、悲惨な結果をもたらすだろう」と続けた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、アサド大統領による恩赦(5月31日)に歓迎の意を示しつつ、「包括的改革」を行うよう呼びかけた。

AFP, June 2, 2011、Akhbar al-Sharq, June 2, 2011、al-Hayat, June 3, 2011、Kull-na Shuraka’, June 2, 2011、Naharnet, June 2, 2011、Reuters,
June 2, 2011、SANA, June 2, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ムスリム同胞団を含む反体制勢力はアンタルヤ市で開催中の「シリア変革大会」で改めて「体制打倒」を呼びかける(2011年6月1日)

反体制勢力の動き

シリアの反体制勢力はトルコのアンタルヤ市で今日閉幕予定の「シリア変革大会」で、アサド大統領による恩赦など、政権が発表した諸措置を黙殺し、「体制打倒」を呼びかけた。

al-Hayat, June 2, 2011
al-Hayat, June 2, 2011

シリア・ムスリム同胞団指導部メンバーのムルヒム・ダルービー氏は演説で、「疑いの目をもって…政令第61号(大統領恩赦)を見たが…、それは遅きに失しており、しかも不十分である。実際に恩赦を必要としているのは、自由を求めるシリア国民なのか、国民を殺害したものなのか、と問いたい」と述べるとともに、「(恩赦の)目的はアンタルヤ大会を妨害することにある。アサドはこの決定が同胞団などへの賄賂になると考えていたのだろう」と疑義を呈した。

そのうえでダルービー氏は、「シリア解放の行程表作成」と自由、民主主義のための革命支援を主唱した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、国民対話の基礎を作るための委員会の設置し、委員会メンバーとの会談で、シリアの政治、経済、社会生活の将来に関して「すべての国民諸勢力が自らの考えを表現する」にふさわしい雰囲気を提供するための一般的基礎を確立し、「参加拡大に寄与するような広範な変革を実現する」ことが同委員会の役割となると明言した。

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アサド大統領は決定第19号を発し、ムハンマド・ナージー・アトリー前首相に代えて、アーディル・サファル首相を進歩国民戦線中央指導部メンバーに任命した。

『イクティサーディー』(6月1日付)が伝えた。

国内の暴力

ダルアー県では、『ハヤート』(6月2日付)によると、フラーク市を軍の装甲車・戦車が砲撃し、11歳の児童マリク・ムニール・カッダーフくんを含む市民8人が死亡し、数十人が逮捕された。

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ヒムス県では、AFP(6月1日付)によると、5月31日にラスタン市で銃殺された市民の遺体数十体がヒムス市の病院に搬送された。

ラスタン市、タルビーサ市、ティールマアッラ村での4日間での死者数は36人に達するという。

一方、SANA(6月1日付)は、軍高官筋の話として、ラスタン市で、軍・治安部隊が武装テロ集団メンバー多数を摘発したと報じた。

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アレッポ県では、シリア言論犯容疑機構によると、アレッポ中央刑務所の収監者約7,000人が、「シリア国民と団結すべく反乱を起こし、監房を破壊し、複数の看守を人質にとった」が、治安部隊と兵士によって弾圧された。

同機構によると、「兵士・治安部隊千人が刑務所を包囲し、殴打や催涙ガスを使用し、総長に刑務所を制圧した」という。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説を行い、シリア情勢に関して「シリアで起きているのは分割だ。米国の陰謀が…成功してしまえば、この動きはサウジアラビアにさえも及ぶだろう…。しかし、シリア政府とシリア国民の意志ゆえに、この試練は乗り越えられるだろう」と述べた。

諸外国の動き

『ハヤート』(6月2日付)によると、UNICEFはシリアでの当局によるデモ弾圧で少なくとも30人が殺害されたと発表し、負傷、拘束、避難を余儀なくされているだけでなく殺害された児童たちの報告が増えていると警鐘をならした。

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『ハヤート』(6月2日付)によると、ヒューマン・ライツ・ウォッチはダルアー県でのデモ弾圧時にシリア当局が「人道に対する犯罪」を犯したと非難した。

同組織は「これほどの残虐行為をかつて見たことがない」と題した57ページからなる報告書で、治安部隊が殺害目的で発砲し、ダルアー市だけで少なくとも418人が殺害されたことを明らかにした。

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ハマースの政治局(ハーリド・ミシュアル政治局長)が5月31日、6月1日の2日間にわたり会合を開き、組織内部の対立への対応、シリア情勢などへの対応を協議した。

『ハヤート』(6月3日付)が、パレスチナの複数の消息筋から得た情報によると、会合には、ミシュアル政治局長のほか、マフムード・ズッハール氏を除く政治局メンバー(ガザ地区、西岸地区などの代表)が出席した。

シリア情勢をめぐっては、ダマスカスからの本部の移転を行わない旨、確認したという。

AFP, June 1, 2011、Akhbar al-Sharq, June 2, 2011、al-Hayat, June 2, 2011、June 3, 2011、al-Iqtisadi, June 1, 2011、Kull-na Shuraka’,
June 1, 2011、al-Manar, June 1, 2011、Naharnet, June 1, 2011、NNA, June 1,
2011、Reuters, June 1, 2011、SANA, June 1, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領が2011年5月31日以前のすべての犯罪に対する恩赦を発令するなか、ムアッリム外務大臣がバグダードを臨時訪問(2011年5月31日)

反体制勢力の動き

トルコ南部のアンタリア市での「シリア変革大会」に関して、出席した2人の活動家は、この決定が「不十分」で「遅きに失する」と述べた。

ダマスカス宣言国民会議議長で亡命中のアブドゥッラッザーク・イード氏は「決定は遅きに失する。我々は長らく要求してきたにもかかわらず、である…。恩赦が数十年前に有罪判決を受けた人々だけでなく、最近逮捕された人々も含むのかどうかを明らかにしてもらう必要がある」と述べた。

大会に参加したシリア・ムスリム同胞団の使節団長のムルヒム・ダルービー氏は「この措置は前向きではあるが、不十分である。同胞団は自由を求め、政権打倒を欲する国民の要求の実現を求める」と述べた。

シリア政府の動き

アサド大統領は2011年5月31日以前のすべての犯罪に対する恩赦(2011年政令第61号)を発令した。

恩赦に関して、高官筋は『ハヤート』(6月1日付)に、シリア・ムスリム同胞団など複数の組織に属する逮捕者全員を対象としていると述べた。

また「個別に控訴を行わないという条件で」刑期が半分に減刑されると付言した。

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ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣は「殉教者ハムザ・ハティーブ事件状況調査委員会」の設置を宣言した。

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バアス党シリア地域指導部のムハンマド・サイード・バヒーターン副書記長は、ダマスカス大学の研究・教育者、党、事務方の幹部による協議会において「48時間以内に国民対話委員会を設置する」と発表した。

シリアの『ワタン』(6月1日付)が報じた。

バヒーターン副書記長は「対話委員会は最高レベルで設置され、対話には、すべての政治、社会、経済団体などが参加し、「祖国の屋根」のもとで行われる。国民対話の企画や仕組みについては48時間以内に発表される」と述べたという。

しかし、バヒーターン副書記長は、バアス党を「国家と社会を指導する政党」と定めている憲法第8条を廃止しないとの見解を示した。

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『ハヤート』(6月1日付)が得た情報によると、アサド大統領は、ハムザ・ハティーブ君の家族らと面会した。

面会にはハムザ君の父親、いとこ、ダルアー市の有力者たちが出席した。

出席者の一人アイマン・ズウビー氏は『ハヤート』(6月1日付)に対して、6人が出席した面会は2時間続き、その雰囲気や「最高に好意的で暖かなものだった」と述べた。

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SANA, May 31, 2011
SANA, May 31, 2011

シリア・アラブ・テレビ(5月31日付、衛星放送)は、5月25日に治安当局によって逮捕された後に拷問殺害されたとされるハムザ・ハティーブ君(13歳)の死の真相に関する特集番組を放映した。

番組には、シリア検死官連盟のアクラム・シャッアール会長、事件を担当しているサーミル・アッバース弁護士らが出演し、治安当局による拷問、殺害の事実はないとする一方、ハムザ君とともに4月29日にジーザ町で金曜礼拝後のデモに参加したとするサイダー町の青年(アブドゥルアズィーズ・ハティーブ氏)が、礼拝後に別の村の住民から発砲を受け、ハムザ君が倒れたと証言した。

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シリアのワリード・ムアッリム外務大臣兼在外居住者担当大臣はバグダードを臨時訪問した。

『ハヤート』(6月1日付)が報じた。

バグダードの消息筋によると、訪問はイラン産の石油をイラクのパイプライン網を通じてシリアに輸送することを確保することが目的だという。

同消息筋は、ムアッリム外務大臣が、かつてはシリア経由でイラクに潜入していた武装勢力が、「逆潜入」としてシリア領に侵入するのを防ぐため、イラク側に協力を求めたと付け加えた。

これについて、イラクのヌーリー・マーリキー首相は、ムアッリム外務大臣との会談の中で、シリアのおける「諸改革の実現」が同国の「安全と安定」をもたらすのに役立つだろうと強調した。

アリー・ダッバーグ報道官は『ハヤート』(6月1日付)に対し、ムアッリム外務大臣が首相ラトの会談で「イラクとシリアとの間の戦略的石油パイプラインの稼働について協議し…、イラクの市場の志向に沿う形で両国の通商協力を活性化することで合意した」と述べた。

また、シリアにいるイラク人難民の状況について、「今後はシリア在住イラク人の大集団が帰還することであろう。大規模な帰還の理由は、イラク情勢が安定しているからである」と述べた。

国内の暴力

複数の活動家は、少なくとも1人がヒムス市近郊のラスタン市での集中砲火で死亡したと述べた。

この攻撃は、3日前に同地域で開始された治安回復作戦の一環をなしている。これにより、ラスタン市、タルビーサ市、ヒムス市の死者数は、16人以上に及んだ。

治安部隊がタルビーサ市を制圧したとシリア当局が述べる一方、活動家の一人は治安部隊が昨日の夜から早朝にかけてダルアー市近郊のハイラク地区に突入し、大規模な掃討作戦を実施した。シリア人権監視団によると、ダルアー市で少なくとも13人が逮捕された。

一方、SANA(5月31日付)は、軍高官筋の話として、ヒムス県ラスタン市で、軍・治安部隊が武装テロ集団を逮捕、武器弾薬を押収したと伝えた。

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SANA(5月31日付)は、警察が5月6日にハマー市県庁ビルなどを襲撃した暴徒12人を逮捕したと報じた。

諸外国の動き

ニューヨークでは、シリアに対するロシアの態度が、欧州が提出した決議案をめぐる国連安保理内での動きがもたらしている緊張の行方を左右している。この決議案は、デモ参加者への弾圧継続を非難し、独立調査を要求することを骨子としており、複数の外交官筋によると、安保理は今日(水曜)、「専門家レベル」の非公式会合を開催し、シリア情勢をめぐるこの決議案を審議する。

欧州の複数の外交官によると、シリア大統領による改革実行と法改正の約束は「審議中の決議案に関する安保理の動きを決定する基準とはならない」。同外交官はまた「シリア当局による弾圧の継続と、民間人への暴力行使、都市包囲、国民に対する戦車の投入は止められねばならない」と付け加えた。

安保理筋によると、西欧諸国は「(具体的)措置」そして「(その実施の)時期」が意図しているものを解釈させるために、ロシアに猶予を与える意思があるという。そのうえで同消息筋は「しかし、待つということは、時間的な期限を設定しないということではない」と付言した。

また同消息筋はこのようにも指摘した――シリアへの対応をめぐってロシアの戦略の一部をなしていると思われる「建設的曖昧さ」に基づく政策は、今週中に決議案を採決にかける動きを遅らせることになる。しかし現地での動きは、長期間の猶予を西欧諸国に許さない状況にあるなか、ロシアもデモ参加者抑圧の停止を求め、暴力を非難する決議を支持するか、拒否権を発動するかという選択肢を強いられようとしている。外交官の一人は、決議案を支持する国は安保理において「少なくとも」9カ国にのぼると明らかにしている。

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中国外交部報道官は定例記者会見でシリア情勢について言及し、「シリアの安定は地域全体の安定に影響を及ぼす。中国政府は主権、安定を護ろうとするシリアの努力を支持する。我々は、早急にシリアが安定と秩序を回復することを望む」と述べ、国連安保理でのシリア非難決議案に反対の意を示した。

AFP, May 31, 2011、AP, May 31, 2011、Akhbar al-Sharq, May 31, 2011、al-Hayat, June 1, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 31, 2011、Reuters, May 31, 2011、SANA, May 31, 2011、al-Watan, June 1, 2011などをもとに作成。

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サファル内閣が総選挙法最終草案を発表する一方、国連人権高等弁務官はシリア政府部隊によるデモ参加者弾圧を「残虐」と非難(2011年5月30日)

反体制勢力の動き

フェイスブックのグループ「シリア革命2011」などは、30日を「写真焼却の月曜日」と名付け、アサド大統領の写真やポスターを焼却するよう呼びかけた。

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アフバール・シャルク(5月30日付)によると、イスラエルで捕捉・拘留(1998年)中のシリア人、ウィアーム・アンマーシュ受刑者が、アサド政権によるデモ弾圧に抗議してハンストを行っていると報じた。

シリア政府の動き

アーディル・サファル内閣は総選挙法最終草案を発表した。

SANA(5月30日付)などによると、同法案はシリア国民の間で一般に議論され、コメントや提言を受けて、さらなる改訂がなされる予定だという。

また最終草案における修正カ所のなかには、最高司法委員会設置、選挙監視小委員会の設置などが盛り込まれているという。

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クッルナー・シュラカー(5月30日付)は、複数の消息筋の話として、労働総連合のジャマール・カーディリー総裁が、各支部代表者との会合で、デモへの参加を行わないよう「脅迫」したと報じた。

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DP-News(5月30日付)は、シリア学生連合がダマスカス大学学長に、構内でデモを行うなどして学則に違反した学生を処罰(退学)することを文書で要請したと報じた。

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『アフバール』(5月30日付)は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が、2011年3月以降、シリア国内での改革について協議するため、アサド大統領と複数回にわたって会談していると報じた。

国内の暴力

AFP(5月30日付)は、シリアの活動家の話として、ヒムス県タルビーサ市とラスタン市での軍・治安部隊で激化する武力弾圧に対抗し、デモ参加者が武装を余儀なくされ、機関銃やロケット弾を使用、これにより多数の治安要員が死亡したと報じた。

ヒムスの住民の一人は、軍が住民の「武装抵抗」に直面し、タルビーサ市とラスタン市に突入できないと証言、「軍は依然として市外にいる…。私が聞いたところでは、複数の軍の車輌や兵士を搬送する車輌が放火された」ことを明らかにした。

また別の活動家は、軍が二つの市の住民の「激しい抵抗に直面している」と述べたうえで、多くの住民が「イラクやレバノンからの武器密輸が盛んになった数年前から武装していた」ことを明らかにした。

人権活動家のムスタファー・ウースー氏によると、28日以降、数百人が逮捕され、地元の調整委員会によると、28日以降の両市での死者数は14人にのぼっているという。

これに対して、シリア当局は、タルビーサ市で「武装テロ集団」の手によって、兵士4人が殺害、14人が負傷させられたと発表する一方、「テロ集団側にも、追跡作戦によって多数の死傷者が出て、多数が逮捕、大量の武器・弾薬が押収された」と付け加えた。

SANA(5月30日付)などが報じた。

一方、SANA(5月30日付)によると、ヒムス県タルビーサ市で29日に武装テロ集団によって殺害された軍・治安部隊隊員の葬儀がヒムス軍事病院で行われた。

諸外国の動き

ジュネーブでは、ナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官が、シリア政府部隊によるデモ参加者弾圧を「残虐」と非難、これらの行為が「衝突をもたらし」、人権状況を悪化させると指弾した。

ピレイ高等弁務官は、国連人権理事会に参加する47カ国の前で「平和的デモ参加者への過剰な力の行使は生存権を含む基本的人権を侵害するだけでなく、緊張を高め、暴力の文化を拡げる恐れがある」と述べた。

そのうえでシリア政府に対して、人権侵害状況を調査するための国際的派遣団の受入を改めて呼びかけた。

AFP, May 30, 2011、al-Akhbar, May 30, 2011、Akhbar al-Sharq, May 30, 2011、DP-News, May 30, 2011、al-Hayat, May 31, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 30, 2011、Naharnet, May 30, 2011、Reuters, May 30, 2011、SANA, May 30, 2011などをもとに作成。

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シリア軍がヒムス県内で続いている反体制デモに集中砲火を浴びせ、これを強制排除(2011年5月29日)

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(5月29日付)に対して、ダルアー県ジャースィム市の病院に勤務するムハンマド・アワド・アンマール医師が「国家の威信に抵触し、虚偽の情報を発信した」容疑で裁判にかけられていると述べ、非難した。シリア司法でかけられていると述べた。

アンマール医師は軍高官と面談し、シリア国内の危機解消の仲介を求めていたが、4月29日に逮捕されたという。

シリア政府の動き

シリア検死官連盟のアクラム・シャッアール会長は記者会見を開き、治安当局による拷問で死亡したと反体制勢力が主張するハムザ・ハティーブ君(13歳)の死に関して、4月29日にダルアー県からダマスカス県に搬送された時には、銃で撃たれて既に死亡していたと述べた。

シャッアール会長はまた、「遺体に残された腫瘍は、死亡から1ヶ月以上経った凝固によって生じたもので、拷問によるものではない」と述べた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月29日付)は、ヒムス県で破壊活動を行っていたとする2人の証言映像を放映した。

国内の暴力

複数の目撃者、人権活動家によると、シリア軍はヒムス県のラスタン市、タルビーサ市、ティールマアッラ村で続いている反体制デモを強制排除するため、戦車数十輌などからなる増援部隊を早朝に派遣、デモ参加者に集中砲火を浴びせ、少なくとも5人(ラスタン市で2人、タルビーサ市で3人)を殺害、数百人を負傷させ、多数の住民を逮捕した。

複数の目撃者によると、これらの都市・村では、治安部隊によって封鎖され、住宅一件一件に突入、家屋、モスクの屋上には狙撃手が展開し、住民の外出を禁じているという。

また、インターネット、水道、電気、地上電話回線、そして携帯電話のほとんどが不通となり、外界から遮断されているという。

一方、SANA(5月29日付)は、軍高官筋の話として、タルビーサ市で武装テロ集団中の軍・治安部隊兵士4人(士官1人を含む)が死亡、14人が負傷したと報じた。

諸外国の動き

パリのトロカデロ広場で昨日、約200人が集まり、「民主的シリア」への支持と、シリアの体制への「国際社会の制裁」を求めた。

デモ参加者は「国民は政権打倒を望む」、「シリアでの虐殺を止めよ」と連呼した。

『ハヤート』(5月30日付)が報じた。

AFP, May 29, 2011, May 30, 2011、Akhbar al-Sharq, May 30, 2011、al-Hayat, May 30, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 29, 2011、Naharnet, May 29, 2011、Reuters, May 29, 2011、SANA, May 29, 2011などをもとに作成。

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反体制デモに参加し逮捕された少年の遺体画像がSNSやメディアを通じて拡散される、反体制活動家らはさらなるデモを呼びかけ(2011年5月28日)

反体制勢力の動き

ダルアー市に対する軍・治安部隊の包囲解除を求めて4月29日に各地で行われた「怒りの金曜日」と銘打たれた反体制デモに参加して逮捕された少年ハムザ・ハティーブ君(13歳、ダルアー県ジーザ町出身)の遺体を写した動画がフェイスブック、メディアなどで公開され、反体制活動家らが、逮捕後の拷問で殺害されたと非難、抗議のデモを呼びかけた。

シリア当局は、ハムザ君とともにデモ参加者複数名を逮捕していた。

『ハヤート』(5月29日付)によると、ハムザ君の家族は5月25日に当局から遺体を引き取ったが、拷問によると見られる傷が残っていたという。

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シリア人権機構のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(5月28日付)に対して「ダルアーなどでの拷問に沈黙することはできない」と述べ、当局に「ハムザ君らに拷問を行った犯罪者の裁判」を要求した。また拷問に関する厳正な調査の開始と、犯罪者の即時起訴を求めた。

al-Hayat, May 29, 2011
al-Hayat, May 29, 2011
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さらに、「政治犯が拷問を受けて死亡したのはこれが初めてではない」と強調し、「ダルアー国立病院では、拷問によって死亡した犠牲者の遺体が7体安置されている」と述べた。

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シリア言論犯・政治犯擁護センター所長のハリール・マアトゥーク所長は、5月11日に逮捕された反体制指導者のマーズィン・ウダイ氏が、「秘密結社への加入」「国家の威信に対する中傷」といった容疑をかけられ、起訴されたと発表した。

『ハヤート』(5月29日付)が報じた。

シリア政府の動き

SANA(5月28日付)によると、27日のダマスカス郊外県ザバダーニー市での暴動で武装テロ集団によって射殺された警官2人の葬儀が、ラタキア県で行われた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月28日付)は、ダルアー県ヤードゥーダ村の住民クサイ・ヤフヤー・シャルア氏を名乗る男性が、「軍が住民に発砲が発砲した」とするアラビーヤ・チャンネルの報道はウソだと証言する映像を放映した。

国内の暴力

『ハヤート』(5月29日付)は、反体制活動家の話として、ハムザ・ハティーブ君の父親が治安当局によって逮捕されたと報じた。

アフバール・シャルク(5月30日付)によると、この逮捕は「父親にウソの証言を強要するため」のものだという。

レバノンの動き

北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区のモスク前で約500人がデモを行い、レバノン軍がシリアでの弾圧を逃れてレバノンに避難してきたにもかかわらず拘束したシリア人を釈放するよう内閣に求めた。

デモ参加者は「あなたに血と魂を捧げる、ダルアーよ」、「あなたに血と魂を捧げる、バーニヤースよ」、「シリアの体制を転覆しよう」と連呼した。

デモにはレバノンに逃れてきたシリア人避難民数十人も参加していたという。

デモ主催者の一人であるシャイフ・マーズィン・ムハンマド氏はモスク前で『ハヤート』(5月29日付)に「我々はバッシャール・アサドの体制に反対し、シリアの反体制活動家と与する…。金曜日までに逮捕したシリア人全員を釈放せよ。さもなければより大規模なデモを行う」と述べた。

諸外国の動き

『ハヤート』(5月29日付)は、複数の外交筋の話として、イスラーム諸国会議機構が国連安保理に提出されたシリア非難決議に批判的で、決議に関与したくないと考えていると報じた。

AFP, May 28, 2011、Akhbar al-Sharq, May 28, 2011、May 30, 2011、al-Hayat, May 29, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 28, 2011、Naharnet, May 28, 2011、Reuters, May 28, 2011、SANA, May 28, 2011などをもとに作成。

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アサド大統領が25人の青年からなる使節団と会談、ヒムス県では治安要員複数名が殉職(2011年5月26日)

シリア政府の動き

アサド大統領が25人の青年からなる使節団と会談し、開発、対話などにおける青年の役割などについて4時間にわたって意見を交換した。

『ハヤート』(5月27日付)が伝えた。

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SANA(5月26日付)によると、バアス党タルトゥース支部のハサン・シャアバーン書記長と、アーティフ・ナッダーフ同県知事が、バーニヤース市の宗教・社会・人民諸集団と会談し、「挙国一致強化を通じた市民の要求、同市の生活の正常化」について協議した。

会談では「漁の認可、失業者への就労機会の保障、市民と関係機関の協力を通じた様々なかたちの汚職の撲滅など、福祉、社会に関する一連の問題」が取り上げられたという。

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AKI(5月26日付)は複数の反体制筋の情報として、アサド大統領が2週間前に発足した対話委員会が解体されたと伝えた。

委員会は、ファールーク・シャルア副大統領、ナジャーフ・アッタール副大統領、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官、ムハンマド・ナースィーフ副大統領補からなっていたという。

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クッルナー・シュラカー(5月26日付)は、政令第49号(2011年4月7日公布)に従って国籍取得申請したハサカ県の外国人(クルド人)の数が32,000人にしかおらず、うち実際に国籍を取得できたのも1,007人に過ぎないと批判的に報じた。

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『ハヤート』(5月27日付)によると、アラブ青年連合事務局は、ダマスカス県アブー・ルンマーナ地区のEU代表部前で抗議デモを行い、対シリア制裁を拒否し、欧米諸国による内政干渉を非難した。

またマッザ区の独立広場前には数十人が集まり「シリア内政への欧米の干渉とシリアを貶めるような情報のねつ造」に抗議した。

国内の暴力

シリア軍消息筋は「治安部隊の偵察隊が朝、ヒムス市にあるガジャル村分岐近くで武装テロ集団による要撃に遭い、3人の偵察要員が殉職した」と発表した。

同消息筋は「警察・治安部隊は、市民の生活と安全、祖国の治安と安定を標的とするこのテロ集団を追跡中であり、彼らを逮捕し、法廷に立たせる」と述べた。

SANA(5月26日付)が報じた。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア情勢に関して、9週間続く政治的危機を終わらせたいのなら、アサド政権は「ショック療法」として改革を実施しなければならないと述べた。

AFP, May 26, 2011、Akhbar al-Sharq, May 26, 2011、al-Hayat, May 27, 2011、Kull-na Shuraka’, May 26, 2011、Naharnet, May 26, 2011、Reuters, May 26, 2011、SANA, May 26, 2011などをもとに作成。

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キールー氏含む有識者らが共同声明を発表、「自由、諸権利、平和的な民主化」要求の弾圧を停止するよう求める(2011年5月24日)

反体制勢力の動き

ミシェル・キールー氏ら著名な有識者が共同声明を出し、軍・治安部隊による市民、有識者、政治家らの逮捕停止、釈放、「自由、諸権利、平和的な民主化」要求弾圧を停止するよう求めた。

共同声明には、キールー氏の他、アリー・ファルザート氏、ハイダル・ハイダル氏、ユースフ・アブダルキー氏、ナビール・スライマーン氏、ハーリド・ハリーファ氏、ウサーマ・ムハンマド、サーイル・ディーブ氏、ムハンマド・マラス氏らが署名している。

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シリア人権機構(SWASIAH)は治安部隊が2011年3月のデモ開始以降、少なくとも1,100人を殺害したと発表した。

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シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表は、AFP(5月24日付)に対して、3月半ばのデモ開始以降、1,062人が殺害され、約1万人が逮捕されたとしたうえで、犠牲者の氏名と殺害場所のリストを持っていると述べた。

シリア政府の動き

アサド大統領はロシアのメドヴェージェフ・ロシア大統領と電話会談し、シリア情勢について協議した。

会談でアサド大統領は、可能な限り表現の自由を保障することを確約する一方、過激派には寛容な姿勢で臨むことはないと強調したという。

『サフィール』(5月25日付)が伝えた。

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大統領府声明によると、アサド大統領はダルアー県のイマーム、説教師たちと会談し、「県内に積極的な雰囲気を確立するため、現段階で宗教関係者が果たすべき役割」について検討した。

会談で「イマームと説教師たちは、ダルアーの現状への安堵感を表明した」という。

SANA(5月24日付)が報じた。

ダルアー県のムアンマル・シハーダ宗教関係局長は『ハヤート』(5月25日付)に対して、宗教関係者14人との会談が2時間以上に及んだとしたうえで次のように述べた。

「(会談では)国の治安、安定、国民統合の維持において宗教関係者が果たす役割について、積極的かつ実質的、さらに透明なかたちで取り上げられた。そして自らの積極的な役割を果たすことで、モスクの役割が慈愛と平和を広めることにあることを認識に至った。モスクをデモに利用する者は、真のイスラームのイメージを歪めようとする者である…。出席者たちは治安、安定維持における軍の役割、アサド大統領の民族主義的、愛国的な立場を強調した」。

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アーディル・サファル内閣は閣議で、新情報法案作成メディア改革委員会、経済改革開発委員会の二つの委員会を設置することを決定した。

『ハヤート』(5月26日付)が伝えた。

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SANA(5月24日付)によると、内務省のハサン・ジャラール次官は、関係当局に投降した暴動参加者の数が32,000人に達したと述べた。

諸外国の動き

EUの官報で、外相理事会が5月10日に、欧州内の資産凍結、EU加盟国への渡航禁止からなる制裁対象とした13人に加えて、新たに制裁対象となる政権高官10人を発表した。

制裁リストに追加された10名は以下の通り:

1. バッシャール・アサド大統領

2. ファールーク・シャルア副大統領

3. ダーウド・ラージハ参謀長

4. アースィフ・シャウカト副参謀長

5. ムハンマド・ナースィーフ・ハイル・ベク副大統領補、退役少将

6. バッサーム・ハサン大統領顧問

7. ムハンマド・ハムシュー(ビジネスマン)

8. イヤード・マフルーフ民族治安局長

9. イーハーブ・マフルーフ(シリアテル社副社長)

10. ヒシャーム・ビフティヤール国民安全保障会議メンバー

なおすでに制裁対象となっている13人は以下の通り:

11. マーヒル・アサド

12. アリー・マムルーク

13. ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール

14. アーティフ・ナジーブ

15. ハーフィズ・マフルーフ

16. ムハンマド・ディーブ・ザイトゥーン

17. アムジャド・アッバース

18. ラーミー・マフルーフ

19. アブドゥルファッターフ・クドスィーヤ

20. ジャミール・ハサン

21. ルストゥム・ガザーラ

22. ファウワーズ・アサド

23. ムンズィル・アサド

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スイス政府は、国内の銀行に対して、アサド大統領のすべての預金を開示するよう要請するとともに、大統領を含む高官23人の入国を禁止した。

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カナダのジョン・ベアード外務大臣は記者団に対し、抗議デモ参加者に「激しい弾圧」を加える「現シリア政府のメンバーにただちに経済制裁を発動する」と述べた。

外務省が回付した資料によると、制裁対象になるのはアサド大統領、ファールーク・シャルア副大統領、ダーウド・ラージフ国防大臣ら「カナダにとって望ましくない」25人。

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IAEAは、2007年9月にイスラエルが空爆で破壊したダイル・ザウル県キバルの施設に関して、原子炉である「可能性が大きい」とする報告書をまとめた。

同報告書によると、「IAEAが得た情報とその技術的評価に基づき、IAEAはダイル・ザウルの破壊された施設が深刻が必要とされる原子炉である可能性が大きいと見ている」と結論づけられている。

AFP(5月24日付)が伝えた。

AFP, May 24, 2011、Akhbar al-Sharq, May 24, 2011、al-Hayat, May 25, 2011, May 26, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 24, 2011、May 25, 2011, May 26, 2011、Naharnet, May 24, 2011、Reuters, May 24, 2011、al-Safir, May 25, 2011、SANA, May 24, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

EU外相理事会がアサド大統領を含む10人の高官に制裁を拡大することを決定・発表、政府はただちにこれを非難(2011年5月23日)

シリア政府の動き

SANA(5月23日付)は、EUによる追加制裁の決定に関して、公式筋が「シリア・アラブ共和国の名のもとに」、「目に余る内政干渉…、その治安を乱し、現在および未来における人民の決定に覇権を及ぼそうとしている」と非難した。

al-Hayat, May 24, 2011
al-Hayat, May 24, 2011

またこの決定がサイクス・ピコ合意後にイスラエル国家を建設した「古びた植民地主義」が果たした約束を想起させるとしたうえで、シリアに対する「計略」、「イスラエルのユダヤ性を強化する前提」と断じた。

そのうえで「改革プログラムの貫徹の意思」と「国民的決定の独自性、完全なる主権、国民の治安および人民の未来への熱意を確固として」守る姿勢を強調、制裁への対抗措置が「犠牲のいかんにかかわらず、シリアを国民的・民族的方法から逸脱するものではない」と主張した。

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ワリード・ムアッリム外務大臣兼在外居住者担当大臣は、シリア・アラブ・テレビ(5月23日付)とのインタビューで、「EUによる追加制裁の決定が、シリアの国益を損ねるだけでなく、欧州の国益を損ねるだろう」と述べた。

また「今日シリアが(欧州を)必要としているのと同様、欧州がシリアを必要としている」と付言、欧州が「経済制裁を通じて、自らをシリア国民と対立させている」と非難した。

さらに「煽動を目的としているような制裁発動は間違っている」と指弾し、EUの決定が「古びた植民地主義国であるフランスと英国の積極的努力の末になされ、バルフォア宣言以来これらの国が果たしてきた植民地主義的役割を思い起こさせる」と述べた。

そのうえで「現在起きていることで得をするのはイスラエルではないのか?」と問いかけ、「イスラエルが和平実現を求める気運から身を引き、入植政策を継続し、パレスチナの土地を侵略しているのに、世界では誰もイスラエルを非難していない」と主張した。

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クッルナー・シュラカー(5月23日付)は、23日に予定されていた「シリア殉教者追悼支持」組織委員会による追悼デモは、内務省の開催許可を得たが、安全上の理由で中止を通達されたと報じた。

レバノンの動き

アフバール・シャルク(5月23日付)によると、ベイルート県ハムラー地区で「シリア革命殉教者追悼支持」を求めるレバノン人とシリア人のデモ行進に、アサド大統領を支持するシリア人、レバノン人が対抗、小競り合いとなった。

いずれのグループも数十人の若者からなっていた。

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ワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首は、党機関紙『アンバー』(5月23日付)で、「シリアは自国だけでなく、レバノンや地域全体に影響をもたらすような歴史的段階に来ている」と述べ、アサド大統領に改革実施を呼びかけた。

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北部県トリポリ市のサラフィー主義シャイフ、イスラーム・シャッハール氏がシリア国民との連帯を宣言した。

アフバール・シャルク(5月23日付)が伝えた。

諸外国の動き

EU外相理事会はブリュッセルの会合で、アサド大統領を含む10人の高官に制裁(資産の凍結、入国査証取得の禁止)を拡大することを決定・発表、またEU投資銀行に対して「現段階でシリアへの投資事業に合意しないよう」求めた。

声明で外相理事会は「最上層部における高官(アサド大統領)をさらなる対象とすることで、この制裁措置を強化する決定を下した」と述べた。

そのうえで「EUは、シリアの指導部が現状路線の転換を選択しない現下において、さらなる措置を延滞なく実施することを決定した」と続けた。

制裁対象となるアサド大統領とシリアの高官9人の24日にEUの官報で発表される。

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EU外相理事会はまた別に声明で、アサド政権に、国連の人権調査団や人権団体の入国許可、政治犯の即時釈放、すべての分野を包摂する国民対話の実施、真の政治改革の実施を「具体的な行程に基づき延滞なく」行うよう呼びかけた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アサド大統領らへの制裁拡大が「正しい判断」だと述べ、「シリアでの弾圧は続いており、重要なのは平和的に行動する権利、政治犯釈放、弾圧によらない改革路線が見られるようになることだ」との見解を示した。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、国外相との共同記者会見で約千人がシリアで殺害されたと主張、「この蛮行は停止されねばならず、シリア国民の合法的な希望は尊重されねばならない」と述べた。

また「ヘイグ外務大臣と私は、アサド政権に宛てた書簡に関して、完全に意見の一致を見ている…。殺戮、拷問、逮捕を止め、すべての政治犯と抗議行動参加者を釈放せよ。包括的で信頼できる民主的変革プロセスのため、対応すべき要求に応えることから始めよ」と付け加えた。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表は、外相理事会に先立って、シリアの体制が「真の包括的政治改革」を実施する望みがあるとの見方を示し、「(シリア)政府は今行動せねばならない」と述べた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は「改革の道を進めば」、アサド大統領がこの制裁を回避できると述べた。

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オランダのウリ・ローゼンタール外務大臣は、シリアで「抜本的変革」が行われるため、圧力を継続することが重要と述べた。

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ヨルダン国王のアブドゥッラー2世は、NBC(5月23日付)のインタビューに応じ、そのなかでアサド大統領に国民との対話を行うよう呼びかけた。

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ヨルダンの首都アンマンにあるシリア大使館前で、ヨルダン人青年組織のメンバーら数十人がデモを行い、抗議デモに対するシリア政府の対応を非難した。

『ハヤート』(5月23日付)によると、デモはヨルダン人のみによって行われたという。

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ヨルダン・イスラーム行動戦線は声明を出し、シリアでのアサド政権によるデモ弾圧を「犯罪」と非難した。

AFP, May 23, 2011、Akhbar, al-Sharq, May 23, 2011、May 25, 2011、al-Hayat, May 24, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 23, 2011、Naharnet, May 23, 2011、Reuters, May 23, 2011、SANA, May 23, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県で弾圧による犠牲者の葬儀に数万人が参列、アラブ連盟本部では議長国クウェートとシリアの間で激しい論戦がぼっ発(2011年5月22日)

反体制勢力の動き

ロンドンを拠点とするシリア人権監視団は2011年3月以降の死者数が1,003人に上り、うち863人が民間人、140人が治安要員・軍人だと発表した。

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クッルナー・シュラカー(5月22日付)は、5月17日に総合情報部内部治安課に身柄拘束された反体制活動家のアンワル・ブンニー弁護士が釈放されたと報じた。

シリア政府の動き

『イェディオト・アハロノト』(5月22日付)は、複数の米国筋の話として、アサド大統領が先週、米政権に複数の書簡を送ったと報じた。

同報道によると、書簡には、アサド大統領がイスラエルとの和平交渉開始の準備を行っていること、意見の相違が見られていた問題の98%が合意されたことが記されており、「シリア情勢の安定後」にイスラエルとの和平交渉再開を行うことが提案されている、という。

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アドナーン・マフムード情報大臣は、ズィヤード・グスン氏を『ティシュリーン』紙の編集長に任命した。

クッルナー・シュラカー(5月22日付)が伝えた。

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SANA(5月22日付)は「内務治安部隊の殉職者は事件発生以来32人に上り、また負傷者は547人となった」と報じた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月22日付)は、ダルアー市などで破壊活動を行ったとする武装テロ集団メンバー2人の証言映像を放映した。

このうちバーニヤース市出身でアブドゥルカーディル・ザイル(33歳)を名乗る男性は「我々が配った武器はレバノンから来たもので、(バーニヤース市の)ラフマーン・モスクに保管していた…。軍がバーニヤース市に進軍するだろうと聞いたとき、我々はアナス・アルヌート氏を指導者とするイスラーム国家を建設するために活動することを決定した。この国では、アナス・シャグリー氏が内務大臣を、アブー・アリー・ビヤースィー氏が国防大臣を務めることになっていた」と証言した。

また「シャイフ・アルヌートの自宅に爆弾を仕掛けようとした者もいたし、石油ガス・パイプライン…を破壊しようとした者もいた」と付言した。

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SANA(5月22日付)によると、21日にダマスカス郊外県で反体制武装集団に殺害された警察官の遺体が故郷(タルトゥース県)に搬送され、葬儀が行われた。

国内の暴力

ヒムス県では、AFP(5月22日付)によると、ヒムス市で、20日の反体制デモに対する弾圧で殺害された13人の葬儀(21日)参列中に殺害された5人の葬儀が行われ、数万人が参列した。

シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表によると、会葬者らが行進した市内のタッル・ナスル墓地一帯からアッバースィーヤ広場に至る地区は、軍・治安部隊によって包囲され、厳戒態勢が敷かれたという。

カルビー代表はまたヒムス市のバーブ・アムル地区、バーブ・スィバーア地区などで活動家の逮捕が行われていると述べた。

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イドリブ県では、シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表によると、アリーハー市、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市、カフルナブル市などで治安部隊が活動家らを逮捕した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、朝、外出禁止令が出ていたヒルバト・ガザーラ町で数十人が逮捕された。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(5月23日付)によると、サクバー市での20日の反体制デモで死亡した犠牲者1人の葬儀に参列した会葬者1万人以上が「政権打倒」を求めるシュプレヒコールを叫んだが、治安部隊が介入、発砲した。

これに関連して、SANA(5月22日付)は、内務省筋の話として、警官1人が21日夜「サクバーで武装テロ集団」の発砲によって殺害された、と報じた。

諸外国の動き

アラブ人権機構とヨルダン・ムスリム同胞団の政治部門であるイスラーム行動戦線は共同声明を出し、デモ参加者に暴力を行使し続けるシリアの体制を非難した。

同声明は、「包囲、殺戮、逮捕」に曝されているシリア国民との連帯を改めて呼びかけ、抗議行動に対して体制が行う行為は「人道に対する罪」のレベルに達していると評した。

また「国民と戦い、民間人数百人を殺害するいかなる政体も…集団処罰がなされなければ、正統性を失う」と述べた。

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イスラーム諸国会議機構は声明を発表し、「(シリアの)治安当局に自制と罪のない民間人への攻撃を停止する」よう呼びかけた。

また「国家によってより重要な国益を優先し、対話とシリア指導部が治安と安定のために約束した改革を通じて安定を実現し、民主主義と正しい支配を求めるシリア国民の希望に応える必要」を強調した。

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アラブ連盟本部(カイロ)で昨日開催されたアラブ議会第2回会合では、議長国のアリー・ディクヤースィー(クウェート)議長とシリアのアブドゥルアズィーズ・ハサン使節代表とが激しいやりとりを行った。

この対立はディクヤースィー議長がシリア政府を激しく批判し、閉幕声明にシリアでの暴力行為を非難する項目を加えるよう求めたことを受けたもので、シリアの使節団はこの動きを「買弁」と非難した。

長時間にわたる議論の末、シリアを支持する国々が議長とその支持国の行動を抑え、シリア非難を含まない声明を採択した。

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ヨルダン国王のアブドゥッラー2世はABC(5月22日)とのインタビューで「ヨルダンがシリアの安定回復と平穏化を支援できるかどうかを判断するため、アサド大統領とたびたび話した」ことを明らかにした。

「政権を指導するとともに、国民の方を向き、対話をせねばならない」とアサド大統領に求めた。

AFP, May 22, 2011、Akhbar al-Sharq, May 22, 2011、al-Hayat, May 23, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 22, 2011、Naharnet, May 22, 2011、Reuters, May 22, 2011、SANA, May 22, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのダウトオール外務大臣は「時間がない」としつつ、シリア政府に対し「具体的な改革」を早急に実施するよう求める(2011年5月21日)

反体制勢力の動き

シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表はAFP(5月21日付)に、20日金曜日の抗議行動での犠牲者の数は44人にのぼったと述べた。

シリア政府の動き

アサド大統領は、アラブ諸国のビジネスマンからなる使節団と会談し「投資を約束された将来」があると述べた。

大統領府声明によると、アサド大統領は会談で、使節団と「シリアにおけるアラブ諸国からの投資の現状とその将来を、シリアで行われている包括的改革を踏まえて検討した」という。

SANA(5月21日付)が報じた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月21日付)は「テロ細胞」のメンバーが「生活施設や政府機関を狙う準備をしていた」と証言する映像を放映した。

また同テレビは、拷問で死亡が伝えられていたアフマド・ビヤースィー氏のインタビューを放映した。

インタビューのなかで、ビヤースィー氏は、至って普通の生活を送ってきたと証言、自身が死亡したと報じたアラビーヤ・チャンネルや、彼の身の安全を懸念するとの声明を出したアムネスティ・インターナショナルの姿勢を批判した。

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SANA(5月21日付)によると、20日の暴動鎮圧中に武装テロ集団に殺害された軍・治安部隊兵士2人の遺体がそれぞれの故郷(ヒムス県、イドリブ県)に搬送され、両名の葬儀には数千人の住民が参列した。

国内の暴力

人権活動家の一人は、「自由の金曜日」の抗議デモで殺害された13人の埋葬に参加した会葬者への治安部隊の発砲によって、ヒムス(シリア中部)で5人が死亡、数十人が負傷したと発砲した。シリアの複数の人権活動家筋によると、これにより(金曜日以降の)犠牲者の数は44人に上った。

ダマスカス郊外県では、複数の目撃者によると、サクバー市で軍・治安部隊が体制打倒を求めるデモ参加者に実弾を発射し、多数の負傷者が出た。

活動家によると「治安部隊が同市に到着し、アサド大統領を支持するシュプレヒコールを繰り返して、大統領退任を連呼するデモ参加者に対抗した…。彼らは治安部隊に投石した」と述べ、その後、軍・治安部隊が実弾を発砲したという。

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ヒムス県では、匿名の人権活動家によると、ヒムス市で、軍・治安部隊が会葬者に発砲し、5人が死亡、数十人が負傷した。

彼らはヒムス市での金曜日の反体制デモでの弾圧で殺害された13人の葬儀に参列していたという。

葬儀には数千人が参加し、ヒムス市内の大モスクを出て、タッル・ナスル墓地に向かって行進、墓地から出てきたところを撃たれたという。

諸外国の動き

トルコのアフメット・ダウトオール外務大臣は、NTB(5月21日付)とのインタビューで「国民が望んでいる程度と規模で、深淵で広範な改革が行われれば、シリアで平和的・安定的移行プロセスが実現する機会はまだある」と述べた。

しかしダウトオール外務大臣は同時に「時間がない」とも強調、「もし具体的な改革を行うことなく、治安部隊に抗議行動を弾圧させ続けるのなら、きわめて否定的な結果がもたらされ、我々すべてを悲しませることになろう」と続けた。

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PMC(5月21日付)によると、パレスチナ帰還行進準備委員会が、5月15日に引き続き、6月5日に越境デモ行進を行うよう呼びかけた。

AFP, May 21, 2011、Akhbar al-Sharq, May 21, 2011、al-Hayat, May 22, 2011 、May 23, 2011、Kull-na Shuraka’, May 21, 2011、Naharnet, May 21, 2011、PMC, May 21, 2011、Reuters, May 21, 2011、SANA, May 21, 2011などをもとに作成。

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厳戒態勢のなか、ヒムス市、イドリブ市、バーニヤース市、ダルアー市、カーミシュリー市などで再び「数千人」規模のデモが発生(2011年5月20日)

反体制勢力の動き

シリア・ニュース(5月20日付)によると「ビラード・シャームの読誦者」のシャイフ、カリーム・ラージフ師(ダマスカス県マイダーン地区のハサン・モスクの説教師)が、治安部隊によるモスク内での礼拝者の取り締まりに抗議して、読誦者たちとともに辞職すると発表した。

 

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、アサド大統領は、ダルアー市バハール地区の「集団墓地」でアブドゥッラッザーク・アバーズィード氏と4人の息子が遺体で発見されたこと(15日)を受け、アバーズィード氏の未亡人に電話で弔意を示した。

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内務省高官は「ジスル・シュグール市・ラタキア市街道で水曜日(18日)晩、警察官のガーズィー・アフマド・ハッラーク氏が武装犯罪集団に打たれ、殉職した」と発表した。

SANA(5月20日付)が伝えた。

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『ナハール』(5月20日付)は、西側の複数の消息筋の話として、アサド政権がフランスと米国の駐シリア大使に、複数候補者による大統領選挙の実施などを骨子とする改革プログラム案を文書で回付した、と報じた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月20日付)、ドゥマイル市で摘発された武装テロ集団メンバーが破壊活動を行ったことを自供する証言映像を放映した。

国内の暴力

フェイスブックなどでの「アーザーディーの金曜日」の呼びかけに呼応するかたちで、複数の都市で反体制デモが発生し、民主的改革に加えて、クルド人の政治的権利拡大やクルド語を母語として使用する権利保障などが要求された。

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『ハヤート』(5月21日付)によると、治安部隊が厳戒態勢を敷き、活動家の逮捕摘発活動を続けるなかで、デモには「数千人」が参加した。

複数の活動家や目撃者によると、大規模なデモが発生したのは、ヒムス市、イドリブ市、バーニヤース市、ダルアー市、カーミシュリー市など。

治安部隊の発砲により、少なくとも34人が死亡、数十人が負傷した。

活動家らによると、犠牲者の内訳は、ヒムス市が子供1人、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)が10人、ダルアー県(サナマイン市、ハーッラ市)が2人、ダーライヤー市(ダマスカス郊外県)が1人、ラタキア市が1人、ダイル・ザウル市が2人などだという。

しかし、SANA(5月20日付)は、内務省高官筋の話として昨日伝えたところによると、「民間人、警察官、治安要員合わせて17人が武装集団の銃弾によって殺害され…、公共機関が放火・破壊された」と報じた。

Kull-na Shuraka’, May 20, 2011
Kull-na Shuraka’, May 20, 2011
SANA, May 20, 2011
SANA, May 20, 2011

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シリア人権監視団によると「数千人のデモ参加者がバーニヤース市で街頭に出た。そのなかには、子供や女性も含まれていた」という。

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シリア・クルド人権委員会(ラースィド)のラディーフ・ムスタファー代表は「数百人がアイン・アラブ市(アレッポ県)で街頭に出た。同市の住民のほとんどがクルド人で「アーザーディー、アーザーディー」(自由、自由)と連呼した」と述べた。

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シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)のザルダシュト・ムハンマド報道官は「治安当局のパトロール隊がカーミシュリー市(ハサカ県)のアッシリア民主機構の事務所に突入し、12人を逮捕した。治安部隊はPC、文書、テープなど事務所のすべての備品を押収した」と述べた。

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『ハヤート』(5月21日付)によると、ハサカ県のダルバースィーヤ市でもデモが発生し3,500人が参加、またアームーダー市でもデモが発生し、いずれも参加者のほとんどがクルド人で、「自分の母語で話すことを望む」と書かれた旗を掲げていたと報じた。

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これに対して、シリア・アラブ・テレビ(5月20日付)は速報で「武装集団がイドリブ市郊外、ヒムス市内各所での市民の集会を利用し、民間人と警察部隊に発砲し、多くの死傷者が出た」と伝えた。

またアレッポ市、ハマー市、マヤーディーン市(ダイル・ザウル県)、ヒムス市、アームーダー市(ハサカ県)などでのデモが発生したと認めつつ、「参加者は限られていた」と報じた。

さらに、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)の特派員は「数十人からなるブーカマールの破壊分子の一団が車4台に放火し、警察署を攻撃・破壊した…。破壊分子は刑務所を開放し、60人の収監者が逃走した」と報じた。

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SANA(5月20日付)も、複数の都市でデモが発生したとしつつ、参加者の数が「減少した」と報じた。

またSANAは、シリア軍消息筋の話として、軍・治安部隊がダマスカス郊外県のドゥマイル市で「テロ細胞」を摘発したと報じた。

同報道によると、軍…治安部隊は「合わせて大量の武器、弾薬、爆発物を応酬した。テロ細胞のメンバーが自供したところによると、これらは生活関連施設、政府・公的機関を標的とするために用意された」という。

レバノンの動き

ワリード・ジュンブラート進歩社会主義党党首は、『サフィール』(5月20日付)に先週のパリ訪問時のアラン・ジュペ外務大臣らとの会談内容について語った。

ガーズィー・アリーディー公共労働大臣とともにパリを訪れたジュンブラート党首は、フランス高官との会談で、「我々にとって重要なのは、強く安定したシリアがあることで、改革は安定に伴われる」と説明したという。

なおアリーディー公共労働大臣は、近くシリアを訪問し、ムハンマド・ナースィーフ副大統領補と会談する予定だという。

諸外国の動き

『ハヤート』(5月20日付)によると、ヨルダンのアンマンなど各地で、金曜礼拝後に、シリア国民との連帯を求めるデモが発生した。

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クッルナー・シュラカー(5月21日付)によると、カイロの弁護士組合がアサド政権を非難する会合を開催、在エジプト・シリア人らが参加した。

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『ハヤート』(5月21日付)によると、国連難民高等弁務官事務所報道官はジュネーブで記者団に対して、シリア国内での暴力激化から逃れるかたちで、約4,000人がトルコやレバノンなど周辺諸国に避難したとしたうえで、レバノンに逃れてきたシリア人避難民の数が1,400人に達していると述べた。

しかしヒューマン・ライツ・ウォッチによると、レバノンのシリア人避難民の数は5,000人に達するという。

またUNHCR報道官はシリアからの避難民のなかには、イラク人数百人も含まれており、その多くは「より安全」なイラクへと避難したという。

AFP, May 20, 2011、Akhbar al-Sharq, May 20, 2011、al-Hayat, May 21, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 20, 2011、May 21, 2011、al-Nahar, May 20, 2011、Naharnet, May 20, 2011、Reuters, May 20, 2011、al-Safir, May 20, 2011、SANA, May 20, 2011、Syria News, May 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市でクルド系青年団体主導によるデモが発生、ヒズブッラーは米国による対シリア追加制裁を非難(2011年5月19日)

反体制勢力の動き

反体制活動家はフェイスブックなどを通じて、明日20日に「アーザーディーの金曜日」(クルド語で「自由の金曜日」を意味)と銘打った反体制デモを行うと発表、参加を呼びかけた。

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シリア・クルド・イェキーティー党のアブドゥルバーキー・ユースフ書記長は『シャクル・アウサト』(5月19日付)に、「体制が、シリア国民の要請に応えるのではなく、暴力と殺戮を駆使したことで、シリア世論は体制打倒を求めるようになった」と非難した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカスを訪問中のクウェート投資家からなる使節団と会談した。

SANA(5月20日付)によると、会談でアサド大統領は、経済面などでの改革を実行することを強調し、クウェートなどからの新規投資を呼び込みたいとの意思を示した。

SANA, May 19, 2011
SANA, May 19, 2011

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『ハヤート』(5月20日付)は、米国による追加制裁に関して、シリア公式筋が「シリアの将来に関する決定や国民的決定を支配しようとする米国の試みに抵抗する姿勢、そして包括的改革の実施に対して、制裁は何らの影響ももたらさなかったし、今後ももたらさない」と述べたと報じた。

また同公式筋は「シリアに対する米国の措置には、一つの解釈がなりたつ。それはシリア国内の危機を継続させようと煽動しているという解釈で、それは何よりもまずイスラエルの国益に奉仕している」と付言した。

国内の暴力

ヒムス県では、軍・治安部隊が、タッルカラフ市に対して激しい砲撃を続けた。

複数の人権活動家と目撃者によると、市内では軍・治安部隊と住民との間で激しい銃撃戦いが繰り広げられ、AP(7月19日付)によると、民間人多数と治安部隊兵士19人が死亡した。

一方、SANA(5月19日付)は、軍高官筋の話として、タッルカラフ市に展開していた軍部隊が撤退を開始したと報じた。

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イドリブ県では、SANA(5月19日付)が内務省高官筋の話として、武装犯罪集団が、ジスル・シュグール市・ラタキア市街道で、警官を射殺した。

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クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市で4つのクルド青年団体が反体制デモを呼びかけ、1,500人が参加、抗議行動に対する弾圧の停止、市街地からの軍・治安部隊の撤退、憲法改正を通じたクルド人の民族としての存在の承認を要求した。

デモを呼びかけたのは、サワー青年連合、インティファーダ青年、青年運動連立、ジャズィーラ青年連合。

デモに対して、治安当局は強制排除を行わなかった。

レバノンの動き

ヒズブッラーが声明を出し、「シリアに対する米国の制裁、そしてアサド大統領個人を貶めようとする試みはきわめて政治的な決定であり、米政権とイスラエルの政体が常にめざしている、とオバマ政権が豪語する人権擁護を強化するものではない。それはシリアと指導部と人民とのやりとりを亡きものにしようとして下された決定である。なぜならシリアは常にイスラエルの占領や米国の覇権に抵抗する路線を選び、パレスチナ人民を常に支持し、米・イスラエルの指図に従うことを拒否してきたからである」と米国の追加制裁を非難した。

諸外国の動き

『ハヤート』(5月20日付)は、国連安保理で西側諸国が中心となって進めている対シリア制裁決議採択に向けた動きに関して、アフリカ外交筋の話として、ナイジェリア、南アフリカ、ガボンといった国々は決議案提出を支持するかを「躊躇している」段階にあると報じた。

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ドイツのウェスターウェレ外務大臣は、来週初めに予定されているEU外相理事会でアサド大統領に対して、資産凍結、渡航禁止といった制裁を科すべきだと提案した。

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フランス外務省報道官は、シリアにおいて「弾圧は激化している」と非難、「軍は兵舎に戻るべきだ」、と述べた。

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シリア国内で失踪後にイランでされたジャズィーラの女性記者ドゥールースィー・バールファーズ氏は、ジャズィーラ(5月19日付)で、身柄拘束中にシリアの当局の暴行を受けたと証言した。

AP, May 19, 2011、AFP, May 19, 2011、Akhbar al-Sharq, May 19, 2011、al-Hayat, May 20, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 19, 2011、Naharnet, May 19, 2011、Reuters, May 19, 2011、SANA, May 19, 2011, May 20, 2011、al-Sharq al-Awsat, May 19, 2011などをもとに作成。

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オバマ米大統領がアサド大統領を含むシリアとイランの高官複数名に対して制裁を科す大統領令を発布(2011年5月18日)

反体制勢力の動き

フェイスブックのグループ「シリア革命2011」などが、アサド政権による抗議デモ弾圧に抗議するためのゼネストを呼びかけた。

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だが『ハヤート』(5月19日付)によると、商店主の多くは当局による逮捕などを恐れてゼネストの呼びかけに応じず、デモは部分的なものにとどまった。

同報道によると、イドリブ県のフルーマ村、ハーッス村、カフルナブル市などではゼネストが行われたもの、ダマスカス県、アレッポ市、ラタキア市、ハマー市、カーミシュリー市では、デモの影響はほとんど見られなかったという。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカス県マイダーン地区の代表者12人と会談した。

出席者の一人によると、会談では、汚職、司法、経済、通商、教育などさまざまな問題について意見が交換され、アサド大統領は現状を精査したうえで、国民の要求を実現するために専心することを明言したという。

またアサド大統領は、治安当局の対応に一部過失があったことを認め、「行き過ぎ」を防止すべく訓練を徹底する意思を示したという。

DamasPost(5月18日付)が報じた。

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SANA(5月18日付)によると、タルトゥース県、イドリブ県、ハマー県、ヒムス県、アレッポ県各所で、武装テロ集団掃討中に戦死した軍・治安部隊の将兵7人の葬儀が行われた。

国内の暴力

ヒムス県では、軍がタッルカラフ市包囲を続け、逮捕摘発活動、弾圧を行い、8人を殺害した。

『ハヤート』(5月19日付)によると、同市での死者はこの3日で35人にのぼった。

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シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)のアレッポ機構は声明を出し、アレッポ大学の学生寮で、16日晩と17日晩に学生が行った反体制デモに対して、「シャッビーハ」が介入・弾圧したと発表、非難した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は、バッシャール・アサド大統領ら7人の政権高官とイランの高官2人に対して「人権侵害において役割を果たした」との理由で、資産凍結、米国の機関との直接・間接の接触の禁止といった制裁を科す大統領令を発した。

制裁対象となる9人は以下の通り:

1. バッシャール・アサド(シリア・アラブ共和国大統領、1965年9月生まれ)

2. ファールーク・シャルア(副大統領、1938年生まれ)

3. アーディル・サファル(首相、1953年生まれ)

4. ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール(内務大臣、1950年生まれ)

5. アリー・ハビーブ(国防大臣、1939年生まれ)

6. アブドゥルファッターフ・クドスィーヤ(シリアの諜報機関長官の一人、1950年生まれ)

7. ムハンマド・ディーブ・ザイトゥーン(政治治安部長、1952年生まれ)

8. カースィム・スライマーニー(イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団司令官)

9. ムフスィン・シーラーズィー(イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団副司令官)

『ハヤート』(5月19日付)によると、米高官は「アサド大統領は、シリア国民に対する弾圧行為を監視している」ことが制裁の理由だとしたうえで、「政策転換が始まったが、この転換はシリア国民のため、民主主義と世界的水準の人権尊重をもたらさねばならない」との考えを示した。

そのうえで「シリアの未来は、すべてのシリア人の国民的意思を反映した政府のみが保障せねばならない」と指摘、アサド大統領に「デモ参加者への攻撃、逮捕、シリア国民への嫌がらせをやめ、民主的変革のイニシアチブをとる」よう呼びかけた。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領は、800人という多数の記者が参加した記者会見で、「シリアをめぐる(米国の)決定(追加制裁)に関して、私は支持しない…。たとえ親友たちがそうすることを求めてもだ」と述べた。

「アサド大統領は改革を行うと宣言した。この改革を実際に行うことに寄与するようなことをせねばならない。何か決定を下すことで圧力をかけてなはならない。なぜなら、そうしたことは、概して結果をもたらさないからだ」と明言した。

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イスラエル警察報道官は、15日の越境デモでイスラエル領内に侵入し、その後逮捕されたパレスチナ人4人のうち2人を釈放し、シリアに追放したと発表した。

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ジャズィーラ・チャンネル(5月18日付)は、シリア国内で失踪したとされるジャズィーラの女性記者ドゥールースィー・バールファーズ氏がイランで釈放され、カタールの首都ドーハに帰国したことを確認したと報じた。

AFP, May 18, 2011、Akhbar al-Sharq, May 18, 2011、DamasPost, May 18, 2011、al-Hayat, May 19, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 18, 2011、May 19, 2011、Naharnet, May
19, 2011、Reuters, May 18, 2011、SANA, May 18, 2011などをもとに作成。

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当局はダルアー県の集団墓地に関する報道を「捏造である」として否定、米国務長官はシリアへの追加制裁実施の可能性を示唆(2011年5月17日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、マンスール・アッザーム大統領府担当大臣をナクバの日の犠牲者追悼担当に任命した。

SANA(5月17日付)が伝えた。

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SANA(5月16日付)は、内務省筋の話として、各地で投降した暴動参加者の数が8,881人に達したと報じた。

彼らは恩赦に基づき、投降後ただちに釈放されたという。

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SANA(5月16日付)によると、ヒムス市で、16日にダイル・バアルバ街道で武装テロ集団に射殺された警官2人の葬儀が行わた。

国内の暴力

シリア・アラブ・テレビ(5月17日付)は、シリア内務省高官の話として、16日に一部メディアが伝えたダルアー県での集団墓地に関する報道について、「煽動ねつ造キャンペーンの一環」だと否定した。

また、SANA(5月17日付)は、15日にダルアー市バハール地区で何者かに殺害された遺体5体(アバーズィード家の子息)が発見されていたと伝えた。

これに関して、シリア人権監視機構のアンマール・カルビー代表は、ダルアー市で発見された遺体が16日に発見された集団墓地とは無関係だとしたうえで、集団墓地が2カ所に及び、遺体24体が遺棄されていたと主張した。

また、アバーズィード家の子息5人の遺体に関しては、農夫が別の場所で発見した遺体7体のうちの身元が判明した5体であると付言した。

しかし、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、アバーズィード家の子息5人が遺棄されていた集団墓地以外に発見された集団墓地はないとカルビー代表の主張を否定した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(5月18日付)によると、ハウラーン地方に軍の戦車が進軍した。

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タルトゥース県では、『ハヤート』(5月18日付)によると、治安当局がバーニヤース市の反体制デモの主導者たち逮捕に向けて追跡活動を続けた。

またシリア人権監視団は声明を出し、バーニヤース市で抗議行動を指導してきたアナス・シャグリー氏が当局によって12日に逮捕されたことを確認したと発表した。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(5月18日付)によると、サクバー市で未明に夜間デモが行われ、数千人が参加、体制打倒を訴えた。

デモは4月にデモ参加中に死亡したアフマド・アティーヤ氏(26歳)の葬儀がエスカレートして発生したという。

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ヒムス県では、住民らによると、タッルカラフ市で軍が包囲を続け、活動家の逮捕摘発活動・弾圧を大なった。

一方、SANA(5月17日付)は、内務省高官筋によると、タッルカラフ市で治安部隊のパトロール隊が武装テロ集団の襲撃を受け、士官1人と兵士4人が死亡したと報じた。

また、タッルカラフ市、ダルアー県郊外での武装テロ集団の追撃で、軍・治安部隊の兵士8人が死亡したという。

レバノンの動き

『ナハール』(5月17日付)は、レバノン当局が、ヒムス県タッルカラフ市からレバノン領内に逃走したシリア軍兵士3人の身柄をシリア当局に引き渡した。

うち1人は、負傷し、既に死亡しているという。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、ワシントンでキャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表と会談した。

会談後、クリントン国務長官は「シリアでの抗議行動弾圧に対して近く追加措置がとられるだろう」と述べた。

またシリアが「同盟国であるイランのもっとも悪しき戦術を採用している」と非難、アサド大統領が「改革について言及したもの、野蛮な弾圧は彼の真意を示している」と述べた。

一方、ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は「シリア政府にとって、路線を変え、弾圧を停止し、シリア国民の要求を採用するための余地は限られている」と述べ、「追加措置」を科すことを示唆した。

他方、アシュトン上級代表は、国際社会が「あらゆる選択肢を検討している」としたうえで、「シリア政府の行動は急務である」と弾圧停止を求めた。「近々に追加措置をとる」と述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、安保理においてシリア非難を支持する多数派が「形成されている」が、ロシアと中国の拒否権発動の恐れが依然としてある、と批判した。

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外交筋によると、EU加盟17カ国の大使がブリュッセルで会合を開き、アサド大統領本人などへの制裁の可能性などを検討した。

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イスラエル警察は声明を出し、15日の越境デモで領内(占領地内)に侵入していたパレスチナ人4人を逮捕したと発表した。

AFP, May 17, 2011、Akhbar al-Sharq, May 17, 2011、al-Hayat, May 18, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 17, 2011、Naharnet, May 17, 2011、Reuters, May 17, 2011、SANA, May 17, 2011などをもとに作成。

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ダルアー県内で「虐殺」による犠牲者の集団墓地が発見される、ヒムス県の大規模治安作戦は継続(2011年5月16日)

反体制勢力の動き

シリアのクルド民族主義諸政党は声明を発表し、危機解決に向けてイニシアチブを発揮すると宣言、「包括的かつ真剣な国民対話」を国内のすべての勢力に呼びかけた。

同声明は「平和的な民衆の発展」が「専制の終了、一党支配の終了、権力独占の終了、権利と義務をめぐる公正と平等を保障する近代文民国家の建設、すべての国民の国家運営への真の参加実現」をめざすものであると位置づけた。

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シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サリーム報道官は声明を出し、アサド政権による国民対話の呼びかけを「情報操作の一種」と批判した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダルアー市民の使節団と会見、大統領府声明によると「同市で発生した事件、住民と軍の協力の結果もたらされた現下の前向きな雰囲気、国内で実施されている改革措置とその展望」について意見が交わされた、という。

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SANA, May 16, 2011
SANA, May 16, 2011

SANA(5月16日付)によると、15日の越境デモに参加してイスラエルに射殺されたシリア人のうち3人の葬儀がクナイトラ県アイン・ティーナ村、マジュダル・シャムス村で行われ、数千人が参列した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権国民機構のアンマール・カルビー代表がAFP(5月16日付)に明らかにしたところによると、「ダルアー住民が月曜日(16日)に市内で集団墓地を発見した」。

al-Hayat, May 17, 2011
al-Hayat, May 17, 2011

カルビー代表によると、これを受けシリア当局が「ただちに同地を包囲し、遺体回収を禁じ、後日遺体を引き渡すことを約束した」という。

また、シリア人権国民機構は声明を出し、ダルアー市に隣接するインヒル市ジャースィム市の一部の住民の話として「シリアの当局は同地の住民に対して恐るべき虐殺を実行した」と発表した。

同声明によると、ジャースィム市で13人が、またインヒル市で21人が「過去5日間で」殺害されたという。

さらに「これ以外にも数十人が殺害されており、その遺体は弾圧現場や森林に放置されたままである。同地域は治安部隊が包囲し、狙撃兵が展開しているため、住民は今もなお、そこに近づけない」という。

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ヒムス県では、AFP(5月16日付)によると、タッルカラフ市で緊張が続き、戦車が市内各所に展開し、砲撃を続け、軍・治安部隊が逮捕摘発活動を行い、住民数百人がレバノン領内に避難した。

目撃者によると「誰も外出できず、負傷者を治療することもできない」という。

また「3日前から病院内の遺体安置所には遺体が保管されたままで、住民は埋葬することもできずにいる」という。

さらに「軍はタッルカラフ市を包囲し、突入をかけて逮捕を行っている」という。

ある匿名の人権活動家によると、日曜日(15日)以降のタッルカラフ市の死者数は10人にのぼるという。

一方、SANA(5月16日付)によると、軍がタッルカラフ市を襲撃した武装犯罪集団の追撃を続け、彼らが保持していた武器、弾薬を押収した。

レバノンの動き

レバノンの声(5月16日付)によると、シリア国内での暴力を逃れ、シリア人約300人が北部県アッカール郡に不法入国、避難した。

諸外国の動き

イスラエル外務省報道官は、15日に発生したシリア、レバノンからの越境デモに関して、国連事務総長と安保理議長宛に抗議文を提出したと発表した。

またUPI(5月16日付)によると、イスラエルは15日のゴラン高原マジュダル・シャムス村での越境デモで殺害した10人の遺体をシリア側に返還した。

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米ホワイトハウスは、レバノン、シリアでのデモ参加者がナクバに合わせて、イスラエルへの越境を試みたことに関して「イスラエルは領内への違法な進入を禁じる権利がある」と表明、また「隣国がこうした活動を禁じる責任を果たさねばならない」としたうえで、「ゴラン高原でのデモ煽動を通じたシリア政府の介入を強く非難し…、事態は国民への激しい弾圧から目をそらそうとするシリア政府の試みに関係していることは我々にとっては自明である」と主張した。

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フランス外務省は声明を出し、15日に発生した越境デモに関して「深い懸念」を表明し、自制を呼びかけた。

AFP, May 16, 2011、Akhbar al-Sharq, May 16, 2011、al-Hayat, May 17, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 16, 2011、Naharnet, May 16, 2011、Reuters, May 16, 2011、Naharnet, May 16, 2011、SANA, May 16, 2011、UPI, May 16, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ナクバ63周年に際して各地で越境デモが実施され、イスラエル軍の発砲による死傷者が発生(2011年5月15日)

SANA, May 15, 2011
SANA, May 15, 2011

ナクバ63周年の越境デモ

ナクバ63周年に合わせるかたちで、西岸、ガザ地区各所でイスラエルの占領に反対するデモ行進が行われるなか、ゴラン高原のマジュダル・シャムス村でのデモ参加者数百人が国境のフェンスを越え、イスラエル領内に入ろうとした。これに対して、イスラエル軍が発砲し、2人が死亡、170人が負傷した。

またレバノン南部のマールーン・ラース村でも、数百人のデモ参加者がレバノン・イスラエル間の有刺鉄線に近づき、越境を試みたが、イスラエル兵の発砲によって10人が殺害され、122人が負傷した。

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外務在外居住者省は声明を出し、イスラエルへの越境を試みたデモ参加者へのイスラエル軍の発砲に関して「多くの殉教者と負傷者をもたらしたゴラン高原、パレスチナ、レバノン南部の我らが人民に対するイスラエルの犯罪行為」と非難した。

al-Hayat, May 16, 2011
al-Hayat, May 16, 2011

そのうえで国際社会に対して、イスラエルの行為の責任を追及するよう求めた。

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イスラエル軍報道官は、ゴラン高原での事件が「非常に危険な暴力行為であり、イスラエル住民の治安を脅かし、その領土を侵害している」と述べた。

そのうえで「イスラエル軍が事態を収拾、各地区からのイスラエルへの侵入を阻止するために行動する」と付言、「事件の責任はシリア、レバノン両政府にある」と非難した。

Naharnet, May 15, 2011
Naharnet, May 15, 2011

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国連のマーティン・ニルスキー報道官は、シリアとレバノンでの越境デモに関して、潘基文事務総長が、多数の死傷者が出たことに深い遺憾の意を示していると発表した。

シリア政府の動き

治安当局は、リヤード・サイフ元人民議会議員、弁護士のカーティリーン・タッリー女史、マリク・シャナワーニー女史ら複数の反体制活動家・指導者を釈放した。

なお、『ハヤート』(5月16日付)によると、これに先立ち、作家のアンマール・ドゥユーブ氏、医師のジャラール・ヌーファル氏、活動家のアンマール・アイルート氏が保釈されていたという。

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内務省は声明を出し、各県で「暴動」に参加したとして投降した市民の数が6,163人に達したと発表、こうした行為を繰り返さないと誓約し、全員がただちに釈放されたと発表した。

また内務省は、2011年政令第54号(平和的デモ調整法、2011年4月22日)の実施細則を発効した。

さらに内務省は、暴動参加者らに対する出頭・恩赦の猶予期間を5月22日までに延期することを決定した。

同省によると、これまで各地で出頭したデモ参加者の数は6,710人にのぼるという。

SANA(5月16日付)が伝えた。

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シリア・アラブ・テレビ(5月14日付)は、ダマスカス郊外県各所での暴動に参加したという男性(ラーミー・ムワッファク・ラドワーン氏)が、破壊行為を行ったと自供する証言映像を放映した。

ラドワーン氏はその後、治安機関に投降し、ほかの投降者と同様、恩赦により釈放されたという。

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SANA(5月15日付)によると、ダマスカス県アブー・ルンマーナ地区にあるEU代表部前で、EUの内政干渉に反対するデモが行われ、市民数百人が参加した。

国内の暴力

ヒムス県では、複数の目撃者や人権感動家によると、対レバノン国境に面するタッルカラフ市で軍・治安部隊が大規模な逮捕摘発活動を行い、ブルジュ地区、ガルユーン地区、市場、駅周辺で戦車などが発砲、女性2人を含む市民7人が殺害された。

犠牲者のうち3人は、市民数十人が抗議活動を行っていたウスマーン・ブン・アッファーン・モスクから出てきたところを射殺されたという。

また軍・治安部隊はタッルカラフ市から多くのシリア人が避難しているレバノンの北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方に向かって発砲し、シリア人女性1人が死亡し、レバノン人とレバノン人4人(うちレバノン軍兵士1人)が負傷した。

これに関して、レバノン軍司令部は声明を出し、タッルカラフ地方から機関銃に「無差別発砲」により兵士1人が負傷したと発表した。

一方、SANA(5月15日付)によると、タッルカラフ市で、武装犯罪集団が住民や国境警備隊を襲撃、軍・治安部隊兵士11人が死傷した。

軍・治安部隊はタッルカラフ市を襲撃した武装集団を撃退・追撃し、多数の犯罪者を殺傷、逮捕したという。

また複数のレバノン治安消息筋は『ハヤート』(5月16日付)に対して、ワーディー・ハーリド地方からシリア領に向けて発砲があったとの一部情報を否定し、シリア側からの発砲が一方的だったと述べた。

なお同治安消息筋によると、シリアからの避難者のなかには、負傷した国境警備隊兵士2人がおり、もおり、うち1人はレバノンに入国後まもなく死亡し、もう1人は搬送先の病院で死亡した。

AFP(5月15日付)が報じた。

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『ハヤート』(5月16日付)によると、ダマスカス郊外県、ヒムス県ヒムス市、タルトゥース県バーニヤース市、ダルアー県各所では、軍・治安部隊が厳戒態勢を敷くなか、デモは発生せず、平静を保った。

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SANA(5月14日付)によると、ダルアー県での暴動弾圧で殺害された兵士の遺体がハサカ県に搬送され、地元で葬儀が行われた。

レバノンの動き

AFP(5月15日付)によると、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方で、シリア人避難民を追撃するシリア軍が、レバノン領内に向けて発砲し、レバノン兵士1人が負傷した。

AFP, May 15, 2011、Akhbar al-Sharq, May 15, 2011、al-Hayat, May 16, 2011 、Reuters, May 15, 2011、Naharnet, May 16, 2011、Kull-na Shuraka’, May 15, 2011、SANA, May 15, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.