ラタキア県では、スプートニク・アラビア語版(10月3日付)によると、シリア軍防空部隊がジャブラ市沖上空に飛来した敵の標的複数発を迎撃したが、1発が同市郊外に着弾し、複数回の爆発が起き、貯蔵施設1棟で火災が発生した。
火災は消防隊の消火作業で鎮火した。
治安筋によると、防空部隊は30分以上にわたり迎撃を行い、ジャブラ市近郊の複数ヵ所を狙った無人航空機とみられる複数の標的に対処した。
シリア人権監視団によると、攻撃がイスラエル軍によるもので、シリア軍防空部隊の迎撃が40分以上にわたった。
標的となった施設は、レバノンのヒズブッラーの貯蔵施設で、これにより電力網が遮断され、ラタキア市とタルトゥース市を結ぶ高速道路が不通となった。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団、シャームFM(10月3日付)によると、イスラエル軍の無人航空機複数機がレバノンのベカーア県バアルベック郡ナビー・シート町南の国境地帯に非公式に設置されているジャンター国境通行所への攻撃を試みたが、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、攻撃を阻止した。
サウト・アースィマ(10月3日付)は、バラダー渓谷を首都ダマスカスを結ぶ街道沿線に設置されているリマール検問所が、イスラエル軍無人航空機を迎撃後、科学研究センターに通じる道を封鎖した。
また、防空部隊が、ジュダイダト・シーバーニー村一帯地域でイスラエル軍の無人航空機複数機への迎撃を試みた、と伝えた。
一方、SANA(10月3日付)は、速報でダマスカス郊外県西上空で爆発音が複数回聞こえたと伝えた。
国営テレビ・チャンネルのイフバーリーヤ(10月3日付)も、ダマスカス郊外県の複数地域で敵の無人航空機を迎撃したと伝えた。
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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が占領下のゴラン高原からブライカ村とビイル・アジャム村を結ぶ街道沿線を戦車で砲撃した。
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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、今年に入って96回(うち78回が航空攻撃、18回が地上攻撃)となり、これにより185あまりの標的が破壊され、軍関係者251人が死亡、176人が負傷した。
同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。
イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):25人
ヒズブッラーのメンバー:45人
イラク人:28人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):75人
「イランの民兵」の外国人メンバー:24人
シリア軍将兵:54人
また、民間人も30人(女性8人と子供2人を含む)が死亡、45人あまりが負傷している。
攻撃の県別内訳は以下の通りである。
ダマスカス県、ダマスカス郊外県:41回
ダルアー県:17回
ヒムス県:18回
クナイトラ県:9回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:5回
アレッポ県:2回
ハマー県:2回
スワイダー県:1回
ラタキア県:1回
AFP, October 3, 2024、ANHA, October 3, 2024、‘Inab Baladi, October 3, 2024、Reuters, October 3, 2024、SANA, October 3, 2024、Sawt al-‘Asima, October 3, 2024、Sham FM, October 3, 2024、SOHR, October 3, 2024、Sputnic Arabic, October 3, 2024などをもとに作成。
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