イスラエル軍がヒムス県、ハマー県各所の貯蔵施設を狙って攻撃を繰り返す(2024年10月6日)

国防省はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて声明を出し、イスラエル軍が午後8時5分頃、レバノン北部方面からシリア中部の軍事拠点複数ヵ所を航空攻撃し、物的損害が生じたと発表した。

SANA(10月6日付)が伝えた。

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これに関して、スプートニク・アラビア語(10月6日付)は、車の部品を輸送していた大型貨物車輛1輌が被弾し、炎上したと伝えた。
Sputnik Arabic, October 6, 2024

また『ワタン』(10月6日付)は、攻撃された現場の写真を紅海した。

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一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍は、ハスヤー町の工業地区にあるイラン製自動車(シャーム)工場を狙ったもので、レバノンからの避難民を支援するため、イランから食料や医療物資を輸送していた貨物車輛3輌が損害を受け、救援チームのメンバー3人が負傷した。

シリア人権監視団が複数筋から得た情報によると、10月4日と5日、貨物車輛約150輌がダイル・ザウル県ブーカマール市の国境通行所(イラク側はカーイム国境通行所)を通過して、イラクからシリアに入国していた。

イスラエル軍はまた、ハマー県東部にあるシリア軍のミサイル貯蔵施設複ヵ所とヒムス県ヒムス市内にあるシリア軍の貯蔵施設1ヵ所を攻撃した。

イスラエル軍はさらに、ヒムス県南部のシンシャール村近郊の武器庫1ヵ所、シュターイ村の弾薬庫1ヵ所、ハマー県サラミーヤ市西のミサイル貯蔵施設1ヵ所を攻撃した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、今年に入って106回(うち87回が航空攻撃、19回が地上攻撃)となり、これにより191あまりの標的が破壊され、軍関係者253人が死亡、179人が負傷した。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):25人
ヒズブッラーのメンバー:45人
イラク人:28人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):76人
「イランの民兵」の外国人メンバー:24人
シリア軍将兵:55人

また、民間人も30人(女性8人と子供2人を含む)が死亡、48人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:43回
ダルアー県:17回
ヒムス県:24回
クナイトラ県:9回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:5回
アレッポ県:2回
ハマー県:1回
スワイダー県:1回
ラタキア県:1回

AFP, October 6, 2024、ANHA, October 6, 2024、‘Inab Baladi, October 6, 2024、Reuters, October 6, 2024、SANA, October 6, 2024、SOHR, October 6, 2024などをもとに作成。

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