アサド大統領はアラブ・イスラーム緊急首脳会談に出席するため、サウジアラビアの首都リヤドを訪問した。
リヤドに到着したアサド大統領は、首脳会談への出席に先だって、イラクのムハンマド・シヤーア首相と会談し、二国間関係や首脳会談の議事などについて意見を交わした。
首脳会談に出席したアサド大統領は、以下の通り演説を行った。
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子閣下、並びに元首、陛下、殿下の諸氏、私はパレスチナ人の確固たる歴史的権利、それを保持することの必然性、レバノン、パレスチナ両人民の抵抗、両人民への迅速かつ緊急な支援に対する我々の義務について話すことはしない。両国における抵抗運動の正当性、そこに体現されてきた名誉、尊厳、高潔さ、栄誉ある指導者や勇敢な戦士たちが示してきた象徴についても話すことはしない。占領者シオニストのナチズム、犯罪、人工的な政体についても、西側が成立以来、この政体の支援者、直接且つ公然たる協力者へ変貌したことについても話すことはしない。なぜなら、これらは既に大多数アラブ人、イスラーム教徒、そして世界の多くの人々が知るものであり、今更付け加えるべきことはないからだ。
我々の首脳会談について、我々は昨年集い、意見を表明し、非難し、糾弾した。1年が経過したが、犯罪は続いている。我々は、過ぎ去った過去やそこでの出来事を繰り返すために集まっているのか、それとも来る未来の方向と展望について意見を交わすために集まっているのか。我々は昨年、攻撃の停止とパレスチナ人の保護を強く求めたが、この1年の結果は、パレスチナとレバノンでの数万人の死と数百万の避難民の発生だった。
アラブ諸国は2002年に和平案を提示したが、その応えはパレスチナ人に対する虐殺の増大だった。1991年には、米国の善意のもと、和平プロセスに参加することをアラブ人として決断し、マドリードでの和平交渉に臨んだが、我々の和平は、入植地拡大を目的とする彼らの戦争に正当性を与えてしまった。このことは、我々の方針が誤っていたというより、ツールの準備が不十分だったことを示している。我々のツールとは言葉である一方、彼らのツールは殺戮だった。我々が語れば、彼らは行動する。我々が和平を提示すれば、我々は血を流してきた。
結果が変わらないのなら、使われるツールもそのままでよいだろう。しかし、我々皆が求めるように結果に変えるのであれば、紆余曲折を経てでも、これまで試みてきた現行の手段や方法を転換することが求められる。我々が提示されている原則に合意しているのであれば、それをどのように現実へと移行させるのか。目標と目指す結果を明確にし、これを実現するために利用可能な手段を決定し、実現に向けた方向を決定、意思を行動に、計画を成果に、声明を現実に変えるためにだ。パレスチナ人民の奪われた権利について語るとき、目標は誰にとっても自明に思えるかもしれない。しかし、パレスチナ人がその基盤である生きる権利を持たないとき、これらの権利にはいかなる価値があるのか。世界のどこであれ、どのような分野であれ、死に与えられる権利に何の意味があるというのか。
このことが意味しているのは、すべての正当な権利を取り戻すための行動が重要であることにもかかわらず、現時点での最優先事項は虐殺の停止、そしてジェノサイドや民族浄化の阻止である。我々はアラブ人、イスラーム教徒として、政府、国民としてツールを持っていると考えている。必要なのは、イスラエルが声明に記され、合意されていることに応じることを拒むなかで、これらのツールを用いる決断、そしてその際に自らの選択肢を明確にすることである。このことこそが期待されている。我々は再び怒りを示すべきか、非難すべきか、国際社会に訴えるべきか、ボイコットすべきか。それは薄弱な信仰心、あるいは何かに訴えることなのか。我々の実行計画とはどのようなものなのか。
これらを示すことがなければ、我々は虐殺の継続を助長し、間接的にその共犯者となってしまう。我々が対峙しているのは、法的な意味での国家ではなく、法を逸脱した植民地的な政体だ。文明的な意味での国民ではなく、人間性からは程遠い、野蛮に近い入植者の群れだ。
問題は過激で理性を欠いた現政権、昨年10月7日の出来事に怯える国民のなかにあるとするのは正しくない。彼ら全員が一つのイデオロギー思考をもって行動している。流血によって病んだ思考、優越の幻想によって病んだ思考、表向きはナチズムを嫌悪しながらも、実際にはその一員として愛しているという二重人格に苛まれた思考である。奴らこそが本日の会合が対象としているものであり、問題そのものである。そして問題が手段を決定し、手段が成功の基礎となる。ここに、今日の会合の核心が潜んでおり、私はこの会合が成功し、正しい決断が下されることを願っている。盗人と法の言葉で話し、犯罪者と道徳の言葉で話し、殺人者と人道の言葉で話すことが内容にするためだ。善意が再び、パレスチナ、レバノン領人民にさらなる死をもたらす契機や口実とならないようにするためだ。両人民は、何十年にもわたり、善意を欠く手段の代償を払ってきたからだ。あなた方に平和あれ。
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首脳会談は、イスラエルによるガザ地区、レバノン、シリアへの攻撃を非難、ガザ地区での停戦を実現するための国連安保理による強制的な決議の採択、人道支援の即時搬入、イスラエルの国連総会への参加資格凍結などを求める声明を採択し、閉幕した。
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首脳会談閉幕後、アサド大統領は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と会談した。
会談では、首脳会議での決議を実行することの重要性、二国間関係の強化の方途などが話し合われ、アサド大統領は、パレスチナの大義の重要性、イスラエルの攻撃の域内での拡大の脅威を強調した。
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SANA(11月11日付)が伝えた。
AFP, November 11, 2024、ANHA, November 11, 2024、‘Inab Baladi, November 11, 2024、Reuters, November 11, 2024、SANA, November 11, 2024、SOHR, November 11, 2024などをもとに作成。
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