トルコのエルドアン大統領:「我々はシリア側との関係を正常化させるために手を差し伸べてきた…。私はアサド氏に希望を託している」(2024年11月13日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、国連の気候変動への対策を議論する国際会議COP-29に出席するために訪問していたアゼルバイジャンの首都バクーからの帰国に際して、メディアの取材に応じ、「シリアの領土保全を脅かしているのは我々ではない」と述べた。

エルドアン大統領は記者らに対して、次のように述べた。

我々はシリア側との関係を正常化させるために手を差し伸べてきた。我々はこうすることでシリアでの和平と平和への扉が開かれると信じている。
私はアサド氏に希望を託している。我々がともに歩み寄り、シリアとトルコの関係を正常化させることを望んでいる。なぜなら、シリアとトルコの間に存在するテロ組織を壊滅させる必要があるからだ。シリアには、公正で持続的な平和を築くための基盤が存在している。そのために取るべき措置も明らかだ。
シリアの領土保全を脅かしているのは我々ではない。シリアの領土保全を脅かしているのはテロリスト、とりわけクルディスタン労働者党(PKK)だ。多くの国に離散しているシリア人たちもシリアの領土保全を脅かしてはいない。アサド大統領はこの現実を認識し、国内に新しい空気を醸成し、自国を守るための措置を講じるべきだ。

その一方で、シリア北部への軍事作戦の可能性についても示唆した。

国の安全と国民の安心を確保するため、越境作戦は常に議題に上がっている。我々が脅威を感じた場合、いつでも越境作戦を開始する準備が整っている。我々がシリアの領土保全を尊重していることに、疑いを持つべきではない。だが、シリア北部では不安定状態が続いている。
すべての作戦の目的は、自国の安全を確保することにある。今後の行動も、この目的に焦点があてられることになる。国境沿いには依然としてテロリストが支配する地域があり、それが安全保障上のリスクをもたらしています。これらの地域を一掃し、テロの脅威を排除しなければ、国境を完全に安全にすることは不可能だ。

アナトリア通信(11月13日付)などが伝えた。

AFP, November 13, 2024、Anadolu Ajansı, November 13, 2024、ANHA, November 13, 2024、‘Inab Baladi, November 13, 2024、Reuters, November 13, 2024、SANA, November 13, 2024、SOHR, November 13, 2024などをもとに作成。

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