国連安保理(議長国米国)は、シリア情勢の変化を受け、対応を協議するための会合を開き、シリア人主導による包括的な政治プロセスを求める声明(SC/15943)を発表した。
声明の内容は以下の通り:
国連安保理メンバーは、国連が促進する安保理決議第2254号(2015年)が規定する主たる原則に従い、包括的で、シリア人主導の、シリア人による政治プロセスの実施を求める。この点において、シリア人主導の、シリア人所有のプロセスを推進しようとするゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表の取り組みを支持する。この政治プロセスは、すべてのシリア国民の正当な願いを満たし、彼らを守り、自らの未来を平和的、独自に、そして民主的に決定できるものでなければならない。
安保理メンバーはまた、シリアの主権、独立、統一、領土保全への強いコミットメントを再確認し、すべての国家にこれらの原則を尊重することを求める。さらに、シリアとその近隣諸国が互いの安全を損なう可能性のある行動や干渉を控える必要性を強調する。
安保理メンバーは、シリアにおける「テロとの戦い」の重要性を強調し、テロ対策に関連する安保理決議第1267号(1999年)、第1989号(2011年)、および第2253号(2015年)、ならびにシリア情勢に関連する決議に基づく全当事者の義務を再確認する。とりわけ、ダーイシュ(イスラーム国)およびその他のテロ組織が能力を再構築し、安全な温床を得ることを防ぐ重要性を強調する。また、シリアが化学兵器に関する理事会のすべての関連決議を遵守する必要があることを強調し、国際的な取り組みに協力するよう求める。
さらに、人権の尊重、特に正義を求める権利、および国際人道法をあらゆる状況下で尊重する義務を再確認し、人道的アクセスを許可・促進することを求める。そして、国連および人道支援団体による、シリア全土の要支援者への人道支援を強化する取り組みに対する追加の国際支援を促す。安保理メンバーは、被害者、家族、行方不明者、そしてシリア国民との連帯を表明する。
国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)とその任務の実施への支持を再確認し、平和維持要員やそのインフラの安全を危険にさらす可能性のあるいかなる活動も控えるよう当事者に求める。1974年の兵力引き離し協定、特に分離地域に関する原則の尊重を求め、その条件を完全に遵守し、冷静さを保ち緊張を緩和する義務を強調する。
最後に、外交および領事施設とその職員の不可侵性は、すべての場合において国際法に従って尊重されなければならないと再確認する。
AFP, December 18, 2024、ANHA, December 18, 2024、‘Inab Baladi, December 18, 2024、Reuters, December 18, 2024、SANA, December 18, 2024、Sham FM, December 18, 2024、SOHR, December 18, 2024、al-Watan, December 18, 2024などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.