シリア軍事作戦総司令部のシャルア総司令官(アブー・ムハンマド・ジャウラーニー)がトルコのフィダン外務大臣、レバノンの進歩社会主義党のジュンブラート氏、サウジアラビアの使節団と相次いで会談(2024年12月22日)

シリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)がシリア情勢の進捗についての情報を発信するために開設した専門のプラットフォーム「自由シリア」(https://t.me/syriafree25/)は、以下の通り発表した。

午後12時3分、和解センターへの前政権関係者の一時保護カード申請者総数(34,048人)と県別の申請者数を発表。

午後12時4分、為替レート表を発表。

午後3時30分、米国と英国のシリア関連組織による「シリアの未来を支援」するための記者会見が開催されたと発表。

午後7時23分、軍事作戦局がアサド政権崩壊後に首都ダマスカスで発見したカプタゴン製造工場の映像を公開。

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一方、国営のシリア・アラブ通信(SANA)はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/syrianarabnews/)で、以下の通り伝えた。

中央銀行が電子決済取引に関する商用口座の1日の引き出し上限額を解除したと伝える。

ダルアー県警察本部で、同県警本部長がリヤード・アスアド大佐を出迎えたと伝える。

ダマスカス県のサブア・バフラート広場でアサド政権崩壊を祝うデモが行われたと伝える。

トルコの経済使節団(シリアのための事業主協会(BSA))がシリアを初めて訪問し、アレッポ商業会議所の代表らと会談。

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さらに、『ワタン』はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/AlWatanNewspaper.sy/)で以下の通り伝えた。

サウジアラビアの使節団がシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)のアフマド・シャルア総司令官(シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者)と会談するためにシリアを訪問した。

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ムハンマド・アブドゥッラフマーン・ムスリム暫定地方行政環境大臣が、ラタキア県庁の職員の復職に向けた委員会を設置、職員らに復職を呼び掛けた。

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トルコのハカン・フィダン外務大臣がシリアを訪問し、シャルア総司令官らシリア軍事作戦総司令部、ムハンマド・バシール暫定内閣幹部らが出迎えた。

イナブ・バラディー(12月22日付)などによると、シャルア総司令官とフィダン外務大臣の会談には、トルコ側からヌフ・ユルマズ外務副大臣、ブルハン・コロール駐シリア・トルコ大使、シリア側からアスハド・ハサン・シャイバーニー暫定外務大臣が同席した。

会談後にフィダン外務大臣との共同記者会見に臨んだシャルア総司令官は、次のように述べた。

加害者は去り、被害者がシリアに残った。これらの法が被害者を対象とすべきではない。原因が消えれば、これらの制裁もシリアから解除されるべきだ。迅速なメカニズムを構築して、これらの制裁を撤廃する必要がある。

シャルア総司令官はまた、数日中に国防省から発表が行われ、軍指導者らによる新たな委員会が設立され、軍の新たな構造が策定される予定だと述べた。

また、段階的に武装組織諸派は解散し、軍に統合されるプロセスが開始されるとし、国家以外の武装勢力の存在は許されないと強調した。

さらに、ほとんどの武装組織諸派との間に統合指導部の設置についての合意がなされており、軍事作戦の終了後に国防省を新設する計画もあると付言した。

一方、フィダン外務大臣は、シャルア総司令官との会談で、治安と安定の実現、経済強化、復興、移行期、法治国家の実現などについて重点的に議論を交わしたことを明らかにした。

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シャルア総司令官がシリアを訪れたワリード・ジュンブラート氏らレバノンの進歩社会主義党の使節団と会談した。

ナハールネット(12月22日付)などによると、シャルア総司令官と面談したのは、ジュンブラート氏、ドゥルーズ派の宗教指導者(シャイフ・アクル)のサーミー・アブー・ムナー師ら。

シリア側からはムハンマド・バシール暫定首相らが同席した。

会談で、ジュンブラート氏は、アサド政権の崩壊、抑圧と独裁の終焉に祝意を示すとともに、シリア国民に対する犯罪の追及と処罰、シリア・レバノン関係の正常化を希望すると述べた。

一方、シャルア総司令官は、以下の通り述べた。

シリアは(レバノンにとって)かつて懸念と迷惑の源であり、レバノン問題への介入は否定的なものだった。旧体制と「イランの民兵」は、シリア人の結束を分断する行為を行ってきた。
我々の闘いは、この地域を大規模な戦争、ひいては世界大戦から救った。シリアは今後、レバノンに対して否定的な介入を行うことは決してなく、むしろ支えとなるだろう。シリアはすべての人々に対して公平な立場を維持し、レバノンの主権と安全の安定を尊重する。シリアへの過去の記憶がレバノン人の心から消されられることを願っている。

このほか、AFP, December 22, 2024、ANHA, December 22, 2024、‘Inab Baladi, December 22, 2024、Reuters, December 22, 2024、Sham FM, December 22, 2024、SOHR, December 22, 2024などを参照。

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