シリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)のアフマド・シャルア司令官(シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者)はアラビーヤ・チャンネル(12月29日付)の単独インタビューに応じた。
インタビューのなかで、シャルア司令官は以下の通り述べた。
私は自分がシリアの解放者だとは考えていない。犠牲を払ったすべての人がこの国を解放したのだ。
我々は全力を尽くして権力移行が円滑に行われるよう努めた…。シリアの解放は、今後50年間にわたって地域と湾岸の安全を保証するものだ。
新憲法の起草には、3年ほどかかるだろう…。また、選挙の実施にも4年は要するだろう…。どのような健全な選挙も、包括的な国勢調査が必要で…、これには時間がかかる。
国民対話大会は、社会を構成するすべての集団を包括し、そこでは、専門委員会が設置され、投票も行われる予定だ。
シリアは、市民が根本的なサービスに変化が生じたことを実感できるまでに1年が必要だろう。
デモは、(国家)機関を損ねることがなければ、すべての市民が意見を表明するための正当な権利だ。
(暫定内閣がシャーム解放機構の幹部やシリア救国内閣の閣僚によって独占されていることについて)現在の任命形態は、現段階の必要性によるもので、誰かを排除するためのものではない…。この時期における配分(権力の分配)を行えば、移行プロセスを破壊することになるだろう。
(前政権の関係者への復讐行為について)危機の大きさに比べれば、思っていたより少ない…。旧体制はシリア社会に大きな分断を残していった…。だが、シリア国内には不安はない。シリア人は共存している。
シャーム解放機構は国民対話大会において、確実に解体されるだろう。
シリアは誰にとっても不快の原因とはならないだろう。
現政権はシリア民主軍とシリア北東部の危機解決のため、そして今後政府軍に統合するための交渉を行っている。
ドナルド・トランプ次期米政権がシリアに対する制裁を解除することを希望している。
(生まれがサウジアラビアであることについて)7歳までサウジアラビアの首都で育った。再び訪れたいと思っている。
イランはこの地域への介入について再評価し、自らの政策を見直す必要がある…。幅広い層が、地域における建設的なイランの役割を期待している…。(シリア軍事作戦総司令部は)傷を負いながらも、イランの拠点に対する義務を果たした…。我々はテヘランから前向きな発言を期待していました。
シリアとの関係に見合わないかたちでロシアが撤退することは望んでいない…。ロシアは世界で2番目に強い国家であり、大きな重要性を持っている…。ダマスカスはモスクワと戦略的な利益を共有している。
AFP, December 29, 2024、Alarabia, December 29, 2024、Aleamaliaat_aleaskaria, December 29, 2024、ANHA, December 29, 2024、‘Inab Baladi, December 29, 2024、Reuters, December 29, 2024、Sham FM, December 29, 2024、SANA, December 29, 2024、SOHR, December 29, 2024、Syriafree25, December 29, 2024、al-Watan, December 29, 2024などを参照。
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