ドゥルーズ派の最高府であるムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神的指導部は、同派最高位の宗教指導者であるヒクマト・ヒジュリー師の声明をビデオと文書で発信した。
声明の骨子は以下の通り。
現下の暫定救国内閣との関係は、協力と対話の関係である。我々は常に善を促し、各々が自らの社会や地域で活動を開始するよう呼びかけている。それは、それ以外の人々から遠ざかるためではなく、むしろ団結し、協力するためである。我々が出会いの絆を守り続けていることに安心してもらいたい。
暫定内閣とは常に連絡を取り合い、専門家に信頼を寄せつつ、常に対応してくれることを望んでいる。あらゆる面から信頼が寄せられ、運命を共にする者どうしが、独立性にこだわることなく協力し、どのような答えについても隠蔽がなされないことを望んでいる。なぜなら、明瞭さが正しい到達、そして健全な発展への道だからである。
我々は、現在行われているすべての正しい愛国的な歩みを祝福し、暫定内閣との協力に対して手を差し伸べている。暫定内閣も、国内法、国際法の下でその職務に忠実に従い、権力や決定を独占しないことを約束した。
我々は、国民が忠誠と引き換えに食料を得ることの苦しみの繰り返しを望んでいないと明言する。忠誠はアッラーと祖国に対するものであり、国民と祖国の利益が基礎をなす。裏切りも内乱もなく、言葉の意味が歪められることも責任の押し付けもあってはならない。国民的意志こそが基礎をなす。
国民は、これまでの治安の圧制、権威主義、汚職から解放された後、新たな名称や用語を使った同じような体制に戻ることを決して受け入れない。
我々は、これまで表明してきた基本原則を改めて強調する。それは、シリアの領土と国民の一体性、分離拒否、祖国と国民以外に帰属しないことだ。
我々は、尊敬すべき部族の兄弟たちに呼びかける。我々は一つの歴史のなかで、慈愛と友愛のもとで生きてきた。この祖国が二つの色に分かれることを我々は受け入れない。なぜなら、我々はシリアという一体的な織物の一部だからだ。我々の団結と共存の精神を疑う余地はなく、誰もそれを利用することはできない。
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