シリア人権監視団によると、スワイダー県から首都ダマスカスに向かっていた国連とシリア・アラブ赤新月社の車輛からなる車列に乗った国連職員らが、ダルアー県を通過中に複数回にわたって脅迫行為や襲撃に遭い、1人の女性が首に重傷を負った。
この車列は、スワイダー市クスール地区にある国連事務所を出発したが、スワイダー県とダルアー県の県境で、国連職員らは民間旅客バスへの乗り換えを求められ、その後、ダルアー県内に入ると、国営メディアのクルーとともに待機していたアフマド・シャルア移行期政権の関係者と同政権に近い聖職者が、彼らをキリスト教徒だと勘違いし、「スワイダー県の住民が治安部隊の展開を望んでいる」と発言するよう強要したという。
その後、ダルアー県内を移動中、部族系武装勢力や内務省総合治安局に所属すると見られる車両が国連職員らを乗せた車を取り囲んだほか、ダーイシュ(イスラーム国)のロゴを掲げた黒塗りの車輛までもが出現、度重なる挑発・威嚇行為が行われた。
イズラー市近郊では、武装グループがバスを停車させ、乗り込み、罵倒と脅迫を浴びせたという。
さらに、ダルアー市のロータリー付近で、武装グループがバスを銃撃、若い女性が首に重傷を負った。
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SANAによると、4回目となる緊急人道支援の車列が首都ダマスカスからスワイダー県に向かった。

車列は22台の貨物車輛からなり、燃料27,000リットル、食料バスケット2,000個、衛生用品バスケット2,000個、飲料水10,000本、小麦粉40トン、医療用品一式を輸送している。
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