シリア民主軍のアブディー総司令官と北・東シリア地域民主自治局がバアス体制崩壊から1年を記念して声明を発表(2025年12月7日)

シリア民主軍は、フェイスブックを通じて、アサド政権(バアス党政権)崩壊から1年に合わせたマズルーム・アブディー総司令官の以下のメッセージを発表した。

ちょうど1年前、バアス体制の崩壊によってシリアは新たな段階に入り、独裁と分断の数十年を終わらせた歴史的な転換点を迎えた。
我々は、正義・安定・パートナーシップ・そしてすべての構成体の権利の保護にもとづく未来を築こうとするシリア国民の意思を象徴する、この記念日にあたり、全シリア国民に祝意を表する。
現在の段階は、すべての者が国家的責任を共有し、シリア人の利益を最優先に据えた包括的対話が求められている。
我々は、3月10日合意を「民主的で、地方分権的で、国民の意思にもとづくシリアを構築するための基礎」として揺るぎなく支持し続ける。
それは自由・正義・平等の価値によって守られるべきものである。

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北・東シリア地域民主自治局は、公式サイトを通じて、アサド政権(バアス党政権)崩壊から1年に合わせて声明を発表した。

声明のなかで、北・東シリア地域民主自治局は、政権崩壊を「国民の希望の一部を実現する重要な一歩」と位置づけたうえで、「より重要で長い道のり、民主的・自由・地方分権・権利が守られ、差異が尊重され、専制と不正義と排除がないシリアの構築が、今まさに我々全員に求められている」と強調した。

そのうえで、アフマド・シャルア移行期政権が、全国を代表する包括的対話が行われなかったこと、移行期内閣の発足、人民議会選挙、沿岸部やスワイダー県での虐殺事件がシリア国民の要求・現実・未来への希望を反映しておらず、むしろ国家的結束を破壊し、社会分断を深刻化させ、憎悪と過激主義を助長したと批判、これらの措置は、「バアス体制の排除・不透明性・独断・国民意思の無視」と変わらないと断じた。

そのうえで、包括的で参加型の国家政策を採用すること、全シリア国民にふさわしい新しい祖国を建設すること、全国規模の誠実な対話の開始、国内避難民・難民の安全な帰還の保証、すべての分野において国民の目標を迅速に実行する仕組みの構築を求めた。

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