諸外国の動き:ダーイシュのアイン・アラブ一帯での攻勢への対応(2014年9月19日)

CNN Turk(9月19日付)などによると、ハサカ県アイン・アラブ市郊外一帯へのダーイシュ(イスラーム国)の拡大を受け、シリア人(クルド人)住民数百人(トルコ各紙によると3,000人)がトルコ領内に避難した。

クルド人住民の避難に際して、トルコ領内では避難民受け入れに抗議する100人規模のデモが発生したが、トルコ治安部隊が催涙弾などを使用して、強制排除し、避難民を受け入れたという。

アフメト・ダウトオール首相は、訪問先のアゼルバイジャンで「我々は国境を開放し、これらの人々に確実に支援を行う」と述べた。

またヌマン・クルトゥルムシュ副首相は、「ダーイシュ(イスラーム国)が対トルコ国境7~8キロまで迫っており、地元住民約4,000人に脅威を与えようとしている」としたうえで、アイン・アラブ市がダーイシュの手に落ちた場合、約10万人が避難民となるだろうと述べた。

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イラク・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領は、ダーイシュ(イスラーム国)のアイン・アラブ市(アレッポ県)一帯への侵攻に関して、国際社会に対して「シリアのクルド人民をテロから防衛」するよう呼びかけた。

バールザーニー大統領はまた、「クルディスタン防衛は民族的義務である」としたうえで、すべてのクルド人組織に対して「対立を止め、コバネ(アイン・アラブ市)の尊厳、土地、市民生活を防衛するため一致団結」するよう訴えた。

AFP, September 19, 2014、AP, September 19, 2014、ARA News, September 19, 2014、Champress, September 19, 2014、CNN Turk, September 19, 2014、al-Hayat, September 20, 2014、Kull-na Shuraka’, September 19, 2014、al-Mada Press, September 19, 2014、Naharnet, September 19, 2014、NNA, September 19, 2014、Reuters, September 19, 2014、SANA, September 19, 2014、September 20, 2014、UPI, September 19, 2014などをもとに作成。

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