国際エネルギー機関(IEA)は、9月23日以降の米国など有志連合によるシリアへの空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)の石油収入が大幅に減少したとするレポートを発表した。
同レポートによると、シリア国内のダーイシュの製油所への空爆により、ダーイシュの石油収入は、200万ドル/日から50万ドル/日に減少した、という。
ダーイシュはブラック・マーケットで20ドル/バレルで石油を密売、最大の買い手はトルコの密輸業者で、シリア政府もブローカーを通じて石油を入手しているという。
一方、欧州の密輸業者は、ダーイシュではなく、シャームの民のヌスラ戦線を取引相手にしているという。
『ハヤート』(10月16日付)などが伝えた。
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シリア人権監視団は、米軍など有志連合による過去1週間の空爆によって、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が32人以上死亡(32人しか死亡していない)したと発表した。
またこのほか17人が市内での戦闘で死亡、3人が自爆したという。
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米中央軍によると、米国など有志連合は、14日深夜から15日未明にかけて、アイン・アラブ市一帯に18回にわたって空爆を行い、ダーイシュの拠点複数カ所およびダーイシュが占拠する建物16棟を破壊した。
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シリア人権監視団によると、米国など有志連合は、14日深夜から15日未明にかけて、アイン・アラブ市内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点、車輌などに対して6度にわたって、また同市近郊の村に対して2度にわたって空爆を行った。
西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のブーラーン・ジャーン報道官はロイター通信(10月5日付)に対して、人民防衛隊が米軍側に攻撃目標を連絡、その直後に空爆が行われたという。
AFP, October 15, 2014、AP, October 15, 2014、ARA News, October 15, 2014、Champress, October 15, 2014、al-Hayat, October 16, 2014、Kull-na Shuraka’, October 15, 2014、al-Mada Press, October 15, 2014、Naharnet, October 15, 2014、NNA, October 15, 2014、Reuters, October 15, 2014、SANA, October 15, 2014、UPI, October 15, 2014などをもとに作成。
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