反体制勢力が「モスクワ1」参加に向け「シリア救済行程表」に合意(2015年1月3日)

『ハヤート』(1月4日付)は、シリアの主要な反体制組織は、1月26~29日にモスクワで予定されている紛争解決に向けたシリア政府との交渉(「モスクワ1」)の基礎となる「シリア救済行程表」に合意したと報じた。

シリアの主要な反体制組織がこうした合意を交わすのはこれが初めて。

同紙が入手した「シリア救済行程表」のコピーによると、同行程表は11ページからなり、①現行憲法における大統領、首相の全権限を享受し、シリア政府と反体制派の双方が参加する移行期政府、移行期政府の監視や立法、さらには「未来のシリアのための国民憲章と暫定憲法制定を行う「国民評議会」、「暫定軍事評議会」、政府、反体制派のいずれにも属さない法律家からなる「移行期最高司法委員会」、大統領の将来の権限を確定するための「大統領委員会」、「移行期諮問委員会」、「国民和解委員会」など移行機関の設置、②治安機関の再編(バアス党と軍・治安機関の分離)、③ダーイシュ(イスラーム国)との戦いに向け、離反将兵のシリア軍への編入統合、④現行憲法の廃止と、クルド人の存在を承認し、分権主義を基調とする新憲法の制定、⑤復興計画の策定、などが提案されており、移行期は新憲法のもとでの国会選挙、地方選挙、大統領選挙の実施をもって完了する、という。

また「モスクワ1」への参加に関しては、①シリア政府、反体制派双方の使節団の結成に際して、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表と協議を行うこと、②国連常任理事国、トルコ、イラン、エジプト、サウジアラビア、イラク、ヨルダン、EUの代表団の参加、③ジュネーブ合意の解釈をめぐる国際的なコンセンサスの確立、④国連憲章第7章に基づく安保理での停戦決議の採択などが提言されているという。

民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム報道官によると、「シリア救済行程表」に参加した反体制組織は以下の通り。

民主的変革諸勢力国民調整委員会(12団体)
自由国民主義者連合(23団体)
シリア民主主義者連合(シリア革命反体制勢力国民連立加盟組織)
シリア革命反体制勢力国民連立
変革解放人民戦線
西クルディスタン移行期民政局(民主統一党など11団体)
コルドバ会議派

ハッダーム報道官によると、上記の反体制組織は、1月21~22日にカイロで予定されている「モスクワ1」準備会合に向けて、二つの準備委員会を発足したという。

またシリア革命反体制勢力国民連立と民主的変革諸勢力国民調整委員会は近くカイロで会合を開き、反体制派の統一ヴィジョン「カイロ宣言」を採択する予定で、採択にあたっては、シリア・ムスリム同胞団とダマスカス民主的変革宣言の排除が条件となっているという。

AFP, January 3, 2015、AP, January 3, 2015、ARA News, January 3, 2015、Champress, January 3, 2015、al-Hayat, January 4, 2015、Iraqi News, January 3, 2015、Kull-na Shuraka’, January 3, 2015、al-Mada Press, January 3, 2015、Naharnet, January 3, 2015、NNA, January 3, 2015、Reuters, January 3, 2015、SANA, January 3, 2015、UPI, January 3, 2015などをもとに作成。

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