アル=カーイダ総司令部が、「アル=カーイダとイラク・シャーム・イスラーム国との関係」と題した声明を発表し、アブー・バクル・バグダーディーがアイマン・ザワーヒリー氏の命令を幾度となく拒否したと批判し、ダーイシュと断交すると宣言した。
声明でアル=カーイダ総司令部は「ダーイシュとはもはや無関係」で、ダーイシュがアル=カーイダ総司令部から派生した組織ではなく、また結成にあたって何らの指示を求められていなかったと断じ、「アル=カーイダはダーイシュが行う行為に責任を負っていない」と主張した。
同声明は、1月22日付(ヒジュラ暦1435年ラビーア・アウワル月21日付)とされている。
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サウジアラビアの説教師アブドゥッラー・ムハイスニー氏が音声声明を出し、自身が立ち上げた「ウンマ・イニシアチブ」(停戦案)をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が拒否したことを明らかにしたうえで、「事態は一部の人々が想像していたのとは異なり、イスラームのための戦争でも、イスラーム国家をめざす戦争でもなかった。かりにそうだったとしても、どうしてあのような事件が起きたのか? なぜシャームの民のヌスラ戦線に対して戦端を開いたのか?… 我々の青年らの魂はこれほどまでに安っぽいものなのか? 彼らは子供…を殺害するために爆殺させられている」と批判した。
そのうえで「アブー・バクル・バグダーディー氏は、アッラーの命に従うことをシャームのイスラーム法廷で…誓約し…、シャームでの殺戮を止め…、自らの組織をイラクにとどめるべきだ」と呼びかけた。
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『ハヤート』(2月4日付)は、複数の外交筋の話として、ナースィル・カッドゥーラ国連・アラブ連盟共同特別副代表が「解任された」と報じた。
カッドゥーラ副代表は、PA元外務大臣で、2012年3月に同職に就任し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表を補佐してきた。
複数の外交筋によると、「ブラーヒーミー共同特別代表が独断的に決定を下すことに長らく異論を唱え、仕事を押しつけることに不満を抱き、アラブ連盟の役割を評価しなかったこと」が主因だという。
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『ワシントン・ポスト』(2月3日付)は、ジョン・ケリー米国務長官が、ドイツのミュンヘン滞在中の2月2日に米議員15人と会し、バラク・オバマ政権の現在の対シリア政策が「奏功していない」としたうえで「穏健な反体制勢力に武器供与するときが来た」と述べたと報じた。
ケリー米国務長官はまた「ロシアはシリアの内政を終わらせるために手助けはしてくれず、アサド政権は化学兵器廃棄の行程を守らない」と述べたという。
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ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣はロイター通信(2月3日付)に、化学兵器廃棄プロセスの遅れに関して「シリア政府は化学兵器廃棄の誓約を遵守する。ロシアは6月30日の最終期限までに遵守される可能性を信じている」と述べた。
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バレリー・アモス人道問題担当事務次長は、訪問先のイタリアの首都ローマでの記者会見で、ジュネーブ2会議に関して「私たちは皆、失望感を表明しました。政治的亀裂に議論が集中した先週のジュネーブでは、人道的亀裂に関して何の進展も見られなかった…。しかし、人道的亀裂のなかに両当事者の信頼醸成の可能性も見出している。政治的対話は周知の通り、長く複雑ですが、人道的問題と切り離して行われるべきです」と述べた。
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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ジュネーブ2会議第1ラウンドに関して記者会見で「現地で何も具体的なことは起きていない」と遺憾の意を示した。
しかし、アラビー事務総長は、アサド政権から「席をともにできないテロリスト」と目されてきたシリア革命反体制勢力国民連立が、会議で政権側と直接交渉を行ったことを大きな成果だと評価した。
AFP, February 3, 2014、AP, February 3, 2014、Champress, February 3, 2014、al-Hayat, February 4, 2014、Iraqinews.com, February 3, 2014、Kull-na Shuraka’, February 3, 2014、Naharnet, February 3, 2014、NNA, February 3, 2014、Reuters, February 3, 2014、Rihab News, February 3, 2014、SANA, February 3, 2014、UPI, February 3, 2014、The Washington Post, February 3, 2014などをもとに作成。
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