シリア軍がアル=カーイダ系のヌスラ戦線などからなるファトフ戦線支配下のイドリブ県一帯を激しく爆撃し、女性子供ら50人以上が死亡(2015年6月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市郊外のジャーヌーディーヤ町を空爆し、子供6人、女性4人を含む49人が死亡、また多数の住民がジスル・シュグール市に避難した。

シリア軍はまた、フライカ村近郊で、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍と交戦したほか、サラーキブ市、サルキーン市、タフタナーズ市を「樽爆弾」で空爆し、少なくとも10人が死亡した。

一方、SANA(6月8日付)によると、マルジュ村、バシュラムーン村、アリーハー市、ラッジュ村、バシーリーヤ村、マアッラータ村、バズィート村、ウンム・ジャッリーン村、マジャース村、ブワイティー村、タラブ村、トゥルア村、ナビー・アイユーブ高地山頂、アウラム・ジャウズ村、カフルズィーター市、クファイル村、アイン・バーリダ村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市タッル・ザラーズィール地区をシリア軍が空爆し、子供1人、女性2人を含む4人が死亡した。

また、アレッポ市カルム・タッラーブ地区、バーシュカウィー村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、シリア軍は、タッル・リフアト市、さらにはヌスラ戦線などジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦するマーリア市、ハルバル村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月8日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、シャッアール地区、サラーフッディーン地区、ワディーヒー地区、バーブ・ハディード地区、カーディー・アスカル地区、ブスターン・バーシャー地区、フルワーニーヤ地区、カブターン・ジャバル村、アターリブ市、ダーラト・イッザ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダーイシュとヌスラ戦線などの交戦が続くアアザーズ市、マーリア市、アンダーン一帯に対しても、シリア軍が空爆を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市東部のユフーン・フサイン村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月8日付)によると、カフルラーハー市、サアン村、ザアフラーナ村、ダイル・フール村、ラスタン市、ワーディー・カフフで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(6月8日付)によると、アンタル丘、ナーフタ町、東ムライハ町、フラーク市、東ガーリヤ村・東カラク村間街道、アトマーン村、サイダー町、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月8日付)によると、マスハラ丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、フルカーン旅団、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(6月8日付)によると、ズィービーン町、スマード村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月8日付)によると、トゥウーマ村、ブーズ・ヒルバ村、アックー村をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(6月8日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)の支援を受け、ジャラージール無人地帯のクルナト・シュウバト・シャラフ、ワーディー・ハシーア一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、同地を制圧した。

シリア軍はまた、アイン・ブスターン村、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、マガッル・ミール市、バイト・ジン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、マナール・チャンネル(6月8日付)は、ヒズブッラー戦闘員がカラムーン地方のフライタ村無人地帯とベカーア県バアルベック郡アルサール地方を結ぶ丘陵地帯(トゥルクマーン高地、クサイル高地、アクバト・クサイラ高地、スィーリー高地、ハリーカ高地、タニーン高地)で、シャームの民のヌスラ戦線を掃討、同地を制圧したと伝えた。

一方、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市各所をシリア軍が空爆する一方、カラムーン地方の対レバノン国境地帯でヒズブッラー戦闘員とシリア軍による反体制武装集団の掃討が続けられた。

またドゥーマー市近郊のワーフィディーン難民キャンプで女性1人が狙撃され、死亡した。

さらに、クッルナー・シュラカー(6月8日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動するアサーワ・ワ・タンミヤ戦線の幹部3人が、脱会を宣言し、事実上崩壊したと伝えた。

「すべての権限が1人によって独占され…、大衆基盤が失われた」ことが脱会の理由だという。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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