ダーイシュ(イスラーム国)が6月下旬にハサカ市、タッル・ブラーク市でYPGに毒ガス攻撃か(2015年7月18日)

『ハヤート』(7月19日付)は、シリア人権監視団や西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊からの情報として、ダーイシュ(イスラーム国)が6月にハサカ県で人民防衛隊に対して毒ガスを装填した砲弾を使用して砲撃を行っていたと伝えた。

人民防衛隊によると、攻撃は6月28日に行われ、ハサカ市内の西クルディスタン移行期支配地域のサーリヒーヤ地区とタッル・ブラーク町の拠点複数カ所が標的となったという。

この砲弾は着弾すると、「かびたタマネギのような強い異臭のする黄色い煙が充満」し、人民防衛隊戦闘員は、呼吸困難、目、鼻、神経の痛み、集中力や動きの低下、嘔吐などといった症状に見舞われたという。

死者が発生したかについて、人民防衛隊は明言していないが、負傷者はいまだ治療中で、またこの攻撃を受け、人民防衛隊は数週間前に、防毒マスクを配備したという。

これに関して、シリア人権監視団も、複数の医療筋の話として、タッル・ブラーク町での毒ガス攻撃により、人民防衛隊戦闘員12人が死亡、多数が呼吸困難、嘔吐、目の痛みなどの症状を訴えたと発表した。

人民防衛隊、シリア人権監視団のいずれも、使用された有毒ガスが何だったかは特定していない。

AFP, July 18, 2015、AP, July 18, 2015、ARA News, July 18, 2015、Champress, July 18, 2015、al-Hayat, July 19, 2015、Iraqi News, July 18, 2015、Kull-na Shuraka’, July 18, 2015、al-Mada Press, July 18, 2015、Naharnet, July 18, 2015、NNA, July 18, 2015、Reuters, July 18, 2015、SANA, July 18, 2015、UPI, July 18, 2015などをもとに作成。

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