ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がロシアを訪問し、モスクワでセルゲイ・ナリシュキン下院議長と会談し、シリア国内での「テロとの戦い」や紛争解決に向けた政治プロセスへの対応などについて意見を交わした。
SANA(11月25日付)によると、ムアッリム外務在外居住者大臣は会談で、ロシア軍とシリア軍の連携のもと、これまでに6,000回以上の空爆を実施し、各地でダーイシュ(イスラーム国)をはじめとするテロ組織が石油密輸に使用していたタンクローリー1,000台以上や、武器弾薬庫、司令拠点多数を破壊したと述べたうえで、ロシア軍による「テロとの戦い」への協力と連携に謝意を示した。
また24日のトルコ軍戦闘機によるロシア軍戦闘機撃墜事件似関しては、「シリア主権へのあからさまな敵対行為」だと非難したうえで、「タクフィール主義者のムスリム同胞団の思想に根ざしたイデオロギー的動機に基づいて、5年にわたりシリアへの陰謀を働いているエルドアン政権によるこうした行為は珍しいものではない」と評した。
これに対して、ナリシュキン議長は、シリア支持を改めて表明するととに、トルコ軍によるロシア軍戦闘機撃墜事件を「テロリストの犯罪を奨励するものとみなす」と非難した。
なお、ムアッリム外務在外居住者大臣のロシア訪問には、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、リヤード・ハッダード駐ロシア大使、アイマン・スーサーン外務在外居住者省時間、アフマド・アルヌース外務在外居住者省顧問が同行した。
AFP, November 25, 2015、AP, November 25, 2015、ARA News, November 25, 2015、Champress, November 25, 2015、al-Hayat, November 26, 2015、Iraqi News, November 25, 2015、Kull-na Shuraka’, November 25, 2015、al-Mada Press, November 25, 2015、Naharnet, November 25, 2015、NNA, November 25, 2015、Reuters, November 25, 2015、SANA, November 25, 2015、UPI, November 25, 2015などをもとに作成。
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