2014年1月23日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア人権監視団は、1月3日に激化したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の武装集団との戦闘で、23日までにアレッポ県、ラッカ県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ハマー県、ヒムス県で1,395人が死亡したと発表した。

このうち、426人がダーイシュの戦闘員、760人が対抗するサラフィー主義武装集団などの戦闘員、190人が民間人だという。

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アル=カーイダ指導者のアイマン・ザワーヒリー氏が音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=VzApm1PQHxA)を出し、シリアで活動する「ジハードとイスラームの兄弟たちの戦闘停止」を呼びかけた。

ザワーヒリー氏は「すべてのジハード主義集団、シャームにおけるすべての自由人は、アサド体制の打倒をめざしている…。ジハードとイスラームの兄弟たちの戦闘の即時停止をめざすよう呼びかける」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(1月23日付)によると、ラッカ市国境なき記者ネットワークのワルド・フラーティー氏が声明を出し、市内を制圧したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)による嫌がらせを理由に、活動を停止すると発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はジュネーブで記者会見を開き、ジュネーブ2会議初日の会合に関して「世界は疑いの余地なく、アサドが残ってはならず、残らないだろうと確信したと思っている」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は声明を出し、ジュネーブ2会議の議事に関して「明確な行程と期限」を設けることを強く求めていると述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ラマダーン氏はサウジ日刊紙『ワタン』(1月23日付)に、「今日明日というわけではないが」ジュネーブ2会議に出席しているシリア政府代表団の一部が離反する可能性があると主張した。

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国内で活動する複数のイスラーム主義団体が共同声明を出し、条件つきでジュネーブ2会議を支持すると発表した。

共同声明を出したのは、イスラーム・シャーム委員会、イスラーム・シリア会合、アレッポ県シャリーア委員会、シリア・クルド・ウラマー委員会、シャーム説教師連盟。

声明では、体制の完全な打倒、政権幹部の処罰、国家分断と外国の干渉の阻止などが条件として出されている。

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Kull-na Shuraka', January 23, 2013

Kull-na Shuraka’, January 23, 2013

ダーライヤー地元評議会は声明を出し、ジュネーブ2会議に関して、革命の基本原則に違反し、それを無視するような解決策に至らないよう警鐘をならした。

声明では、こうした行為を「政治的自殺」を非難、アサド大統領と政権幹部の退任、全権を有する移行期政府の発足、軍が包囲する地区の包囲解除、すべての逮捕者の釈放、拘留者に対する拷問の真相究明を求めた。

AFP, January 23, 2014、AP, January 23, 2014、Champress, January 23, 2014、al-Hayat, January 24, 2014、Iraqinews.com, January 23, 2014、Kull-na Shuraka’, January 23, 2014、Naharnet, January 23, 2014、NNA, January 23, 2014、Reuters, January 23, 2014、Rihab News, January 23, 2014、SANA, January 23, 2014、UPI, January 23, 2014などをもとに作成。

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