自由シリア軍参謀委員会報道官のカースィム・サアドッディーン大佐は、サリーム・イドリース参謀長解任に関して、アラビーア・チャンネル(2月16日付)に、2013年12月の対トルコ国境地域の武器庫に対するイスラーム戦線の襲撃を防げなかったことに対する引責辞任であったことを明らかにした。
サアドッディーン大佐によると、参謀委員会(最高軍事評議会)の総意によるこの解任は、武器庫襲撃後、イドリース少将が自由シリア軍の再編と武器奪還に失敗したことによるものだと述べた。
またサアドッディーン大佐は、イドリース少将を解任しないように求める「米国の圧力」があったとしつつ、イドリース少将が解任された場合、武器供与を停止すると脅迫する一部勢力もあったと暴露した。
**
自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官は、サリーム・イドリース参謀長の解任を受けてフェイスブック(2月17日付)で、「参謀委員会との関係は終わった」と綴った。
**
シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハラフ氏はサウジアラビアの『ワタン』(2月17日付)に、ジュネーブ2会議の決裂を受け、反体制勢力の間で、シリアを三つの国に分割する案が支配的になり、安保理に対応を求めようとしていると述べた。
**
リハーブ・ニュース(2月17日付)は、アレッポ市フライターン市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が数日前に、「自由シリア軍の化学兵器部門の専門家」と目されるジャマール・カッドゥール氏を殺害したと報じた。
同報道によると、殺害に先立って軍の無人偵察機が諜報活動しており、ダーイシュはアサド政権の命令に従ってカッドゥール氏を暗殺したのだという。
**
民主的変革諸勢力国民調整委員会執行部は声明を出し、ジュネーブ2会議の事実上の決裂に関して、反体制勢力の代表団が国内外の各勢力だけでなく、シリア革命反体制勢力国民連立すらも代表していなかったためだと批判した。
そのうえでジュネーブ2会議を「シリア危機解決の最後の機会」だと評価、反体制勢力の対話会合を開催し、政治的解決に向けた共同の行程表の作成、反体制勢力の統一代表団の結成に向けた協議を呼びかけた。
AFP, February 17, 2014、AP, February 17, 2014、Champress, February 17, 2014、al-Hayat, February 18, 2014、Iraqinews.com, February 17, 2014、Kull-na Shuraka’, February 17, 2014、Naharnet, February 17, 2014、NNA, February 17, 2014、Reuters, February 17, 2014、Rihab News, February 17, 2014、SANA, February 17, 2014、UPI, February 17, 2014、al-Watan (Riyadh), February 17, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.