ロシア軍は戦略爆撃機でダイル・ザウル県のダーイシュとイドリブ県のシャーム解放機構拠点を爆撃(2017年9月26日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、ロシア空軍の戦略爆撃機Tu-95MS複数機からなる航空部隊が、ダイル・ザウル県およびイドリブ県で活動する「国際テログループ」のダーイシュ(イスラーム国)およびヌスラ戦線(シャーム解放機構)の拠点に対してミサイルで爆撃を行ったと発表し、その写真を公開した。

Tu-95MSの航空部隊はロシア領内の基地から、イラン、イラク領空を経由して、シリア領空に入り爆撃を実施、Su-30とSu-35からなる航空部隊がこれを援護した。

Tu-95MSの航空部隊の飛行距離は7,000キロあまりに及び、途中II-78から空中空輸を受けた。

なお、ダイル・ザウル県でのダーイシュの拠点に対する爆撃は、米主導の有志連合や西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の将兵の安全を確保するため、有志連合、シリア民主軍の拠点を回避するかたちで実施されたという。

ただし、有志連合、シリア民主軍はダイル・ザウル県内のいかなる重要拠点もダーイシュから奪取はしていないという。

Ministry of Defence of Russia, September 26, 2017

Ministry of Defence of Russia, September 26, 2017

Ministry of Defence of Russia, September 26, 2017

Ministry of Defence of Russia, September 26, 2017

Ministry of Defence of Russia, September 26, 2017

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一方、イゴール・コナシェンコフ報道官は、ロシア軍の空爆によるイドリブ県およびハマー県での空爆で民間人50人以上が死亡したとするシリア人権監視団の発表(25日)に関して「ヌスラ戦線(シャーム解放機構)やその配下にあるグループに属する破壊分子の活動をメディアで隠蔽しようとする「目撃者」や「ボランティア」の情報に基づいており…根拠がない」と一蹴した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 26, 2017をもとに作成。

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