2014年1月24日のシリア情勢:シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ジュネーブ2会議出席のため滞在中のスイスのジュネーブで記者団に対し「シリア政府代表団は、政治的意思、愛国的意思、そしてアサド大統領からの明確の指示のもと、政治的トラックの成功に真摯に取り組む」と述べるとともに、「胸襟を開き、自由で愛国的な意思のもと…国益とシリア国民を守るべくジュネーブに来たのであり…、義務を果たすまでとどまり、動揺に屈することも、撤退、譲歩することもない」と強調した。

また「大統領退任を条件とすること、そして移行期統治機関について話すことは幻想だ。外務在外居住者省はすでに、ブラーヒーミー氏と潘国連事務総長に、こうしたことに関するジュネーブ合意の文言に態度を保留すると通達済みだ…。ジュネーブに招待された段階で回答済みだ」としたうえで、「再立候補を許すシリアの憲法に従い、任期を全うするだろう」と述べた。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は「問題を複雑にすべきではない。我々は反体制勢力が信頼の持てる代表であって欲しい。つまり国内のすべての反体制勢力の当事者を代表して欲しい…。今我々が座ろうとしているのはいったい誰なんだ?」と述べた。

この発言に関して『ハヤート』(1月25日付)は、シリア政府代表団が、連立代表団に自由シリア軍参謀委員会(アフマド・ジャクル氏)、シリア革命家戦線、ムジャーヒディーン軍のメンバーの枠が確保されていることに難色を示していると解説した。

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シリア・アラブ・テレビ(1月24日付)は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表に対して、「明日(25日)、真摯なかたちで会合が開かれない場合、先方が真剣さと準備を欠いているとみなし、ジュネーブを去ると通達した」と報じた。

これに関して、AFP(1月24日付)は、シリア政府代表団筋の話として「脅迫ではなく、反体制勢力により真剣になるようブラーヒーミー氏に圧力をかけてもらうことを求める呼びかけ」だと報じた。

AFP, January 24, 2014、AP, January 24, 2014、Champress, January 24, 2014、al-Hayat, January 25, 2014、Iraqinews.com, January 24, 2014、Kull-na Shuraka’, January 24, 2014、Naharnet, January 24, 2014、NNA, January 24, 2014、Reuters, January 24, 2014、Rihab News, January 24, 2014, January 25, 2014、SANA, January 24, 2014、UPI, January 24, 2014などをもとに作成。

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