英日刊紙『インディペンデント』(4月17日付)は、7日にダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生した塩素ガス使用疑惑事件に関して、ドゥーマー市住民の多くが、シリア軍の攻撃によるという話を「決して信じておらず」、イスラーム主義者たちの仕業だと見ている、とするロバート・フィスク記者のレポートを掲載した。
フィスク氏は、西側の記者として初めて現地に入り、住民らに対するインタビュー取材を行っていた。
記事によると、同氏が取材した一人、アースィム・ラフバーニー医師は以下のように証言している。
「事件があった夜、ここ(事件現場)から300メートルほど離れた自宅の地下に家族といました。すべての医師が何が起きたかを知っています。(政府軍による)砲撃が続き、航空機が夜中中ドゥーマー市上空にいました。でも、あの夜は、風が強くて、人々が隠れていた地下室に大量の煙が入ってきました。人々は低酸素症にならないようここに来たのです。すると誰か、つまりホワイト・ヘルメットの一人がドアのところで「ガスだ!」と叫んだ。パニックが起きた。人々は互いに水を掛け合った。そうです、ビデオはこれを記録したもので、それは本物です。でも、映っているのは低酸素症で、ガスによる中毒症状ではなありません」。
AFP, April 17, 2018、ANHA, April 17, 2018、AP, April 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2018、al-Hayat, April 18, 2018、The Independent, April 17, 2018、Reuters, April 17, 2018、SANA, April 17, 2018、UPI, April 17, 2018などをもとに作成。
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