シリア軍はダルアー県の反体制武装集団支配地域に投降を呼びかけるビラを散布(2018年5月25日)

ダルアー県では、『ハヤート』(5月26日付)によると、シリア軍ヘリコプターが反体制武装集団の支配下にあるハーッラ市、ジャースィム市、ナワー市にビラを散布した。

散布されたビラは、シリア軍武装部隊総司令部の署名入りで「グータの同胞は正しい判断を下した。シリア軍に参加して、町や村から武装集団を排除しよう。日常生活を回復しよう」、「戦闘員よ、あなたの命を賭けるには二つの選択肢しかない。確実に死にいたるか、武器を棄てるかだ。シリア軍の兵士たちがやって来る。時を逸する前に決断せよ」などと書かれていたという。

だが、ダルアー県で活動する武装集団の一つスンナの獅子師団のアブー・ウマル・ザグルール司令官は、ビラが指揮を挫くためものだとして、呼びかけを拒否する姿勢を示している。

また、アル=カーイダ系組織の一つシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)のアブー・サービト・カファリー司令官は、県内(とりわけ県東部)で活動する武装集団に対して、同じくアル=カーイダ系のシャーム解放機構が主導する「堅固な建造物」作戦司令室に参加し、シリア軍に対する徹底抗戦を行うよう呼びかけている。

こうしたなか、サナマイン市では、同地での停戦を仲介しているシリア政府の和解委員会のメンバーが乗った車が爆弾の爆発に巻き込まれ、負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「堅固な建造物」作戦司令室の支配下にあるダルアー市内各所を砲撃した。

AFP, May 25, 2018、ANHA, May 25, 2018、AP, May 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2018、al-Hayat, May 25, 2018、Reuters, May 25, 2018、SANA, May 25, 2018、UPI, May 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.