2014年1月25日のシリア情勢:諸外国の動き

スイスのジュネーブにある国連本部で、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の仲介のもと、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団が1日遅れで直接会談を行った。

会談には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らシリア政府閣僚、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら幹部は出席せず、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使が、連立代表団ハーディー・バフラ氏らが会談に参加した。

『ハヤート』(1月26日付)などによると、会談はジュネーブの国連ビル第16ホールで行われ、シリア国旗、反体制派の旗のいずれも形容されずに議事が進められたという。

午前と午後に分けた行われた直接会談では、交渉の原則、議事についての確認がなされ、『ハヤート』(1月26日付)によると、ブラーヒーミー共同特別代表がジュネーブ合意を交渉の原則とする旨伝えると、両代表団はこれを了承したという。

議題に関しても、ヒムス市などシリア中部での部分停戦と人道支援物資の搬入を第1の議題とすることが確認され、シリア政府はヒムス市郊外への人道支援物資の搬入を、連立はヒムス市への支援を強く求めたという。

ヒムス県での部分停戦と人道支援物資の搬入に次いで、26日には逮捕者・捕虜の交換が協議されるという。

ブラーヒーミー共同特別代表は会談に関して「交渉に関する自分のイメージについてのみ話した…。詳細の議論にはまだ入っていない。何も合意はなされていないが、それは合意を望んでいないからではなく、対話がまだ始まっていないからだと述べた」。

ジャアファリー国連大使は「感情的に話すためにここに来たのではない…。シリアの至上なる国益に沿って、開放的な知性と積極的な精神をもって、国を現状から脱却させるためにここに来たのだ」と述べた。

一方連立のアナス・アブダ氏は「我々が、ダマスカスの殺人者を代表する代表団と席をともにするのは容易ではない。しかし、シリア国民の国益のためにそうした」と述べた。

またヒムス市などでの部分停戦に関するブラーヒーミー共同特別代表の提案に関して「この枠組みのなかで我々には提案があり、ジュネーブ2会議前から検討してきた…。今日中に結果に達することを希望している。つまり、我々は人道支援チームが入るためのヒムス市旧市街での停戦発表の期限を求めることになろう」と述べた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は『ハヤート』(1月25日付)に、シリアの紛争の政治的解決をめざすための移行期統治機関(移行期政府)樹立を「100%支持する」と述べる一方、ジュネーブ2会議に政府、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団が一同に介したことを「互いを承認した」と高く評価した。

AFP, January 25, 2014、AP, January 25, 2014、Champress, January 25, 2014、al-Hayat, January 25, 2014, January 26, 2014、Iraqinews.com, January 25, 2014、Kull-na Shuraka’, January 25, 2014、Naharnet, January 25, 2014、NNA, January 25, 2014、Reuters, January 25, 2014、Rihab News, January 25, 2014、SANA, January 25, 2014、UPI, January 25, 2014などをもとに作成。

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