2014年3月24日のシリア情勢:諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官はG7出席のために訪れたオランダのハーグで記者団に対して、クリミア情勢が、シリアでの化学兵器廃棄に向けたロシアとの協力関係に悪影響を及ぼすことを望んでいない、と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、国連安保理決議第2139号(2月22日)の実施状況に関する第1回報告書を安保理に提出した。

報告書において潘事務総長は、シリア政府が「樽爆弾」や迫撃砲で民間人への攻撃を続け、17万5,000人を複数地域で包囲、人道支援の配給を大きく妨げている、と指摘した。

そのうえでシリア政府に対して、包囲と戦闘の停止と、人道支援物資の搬入を円滑に行うための安全確保や検問所整備を早急に行うよう求めた。

またシリアの反体制勢力に関しても、ヌッブル市、ザフラー町で約4万5,000人を包囲しているとするとともに、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の戦闘により人道支援到着が遅れていると指摘した。

そのうえで、ダーイシュとシャームの民のヌスラ戦線といった過激な集団が、原理主義思想を押しつけようとし、テロ活動を行っていると非難、外国人戦闘員・グループが戦闘に参加していることに懸念を表明した。

AFP, March 24, 2014、AP, March 24, 2014、ARA News, March 24, 2014、Champress, March 24, 2014、al-Hayat, March 25, 2014、Iraqinews.com, March 24, 2014、Kull-na Shuraka’, March 24, 2014、Naharnet, March 24, 2014、NNA, March 24, 2014、Reuters, March 24, 2014、SANA, March 24, 2014、UPI, March 24, 2014などをもとに作成。

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