トルコ軍と「決戦」作戦司令室はアレッポ県西部でシリア軍を砲撃(2020年7月16日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから133日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ市南東のサルミーン市一帯、ナイラブ村一帯、アーフィス村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室に所属する国民解放戦線は、シリア政府支配下のダーディーフ村を砲撃した。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村を砲撃した。

これに対して「決戦」作戦司令室はマアッラト・ヌウマーン市、ハントゥーティーン村、ハーン・スブル村にあるシリア軍の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍と「決戦」作戦司令室が、アレッポ市西のミーズナーズ村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、バッカール村に設置されている空軍情報部の検問所に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士複数人が死傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, July 16, 2020、ANHA, July 16, 2020、AP, July 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 16, 2020、Reuters, July 16, 2020、SANA, July 16, 2020、SOHR, July 16, 2020、UPI, July 16, 2020などをもとに作成。

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