ハサカ県北部へのトルコ軍の砲撃が続くなか、国民軍の送電線略奪により電力供給が途絶えたアルーク村の揚水所が稼働不能に(2020年12月6日)

ハサカ県では、ANHA(12月6日付)、SANA(12月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、トルコ占領下のラアス・アイン市の東に位置し、シリア政府と北・東シリア自治局支配地の共同支配下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のウンム・ハルマラ村、ブービー村、ダーダー・アブダール村、ヌワイハート・ダーダー村、アブダーン村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍の砲撃で、住民多数が避難した。

また、トルコ軍と国民軍の支配下にあるアルーク村の揚水場への電力供給が停止し、稼働不能となった。

シリア政府が所轄するハサカ県水道局のマフムード・アクラ局長によると、電力供給が停止したのは、「傭兵」(国民軍)が、ダルバースィーヤ市から施設に電力を供給している送電線への略奪行為(電線や設備の盗奪)を続けているため。

復旧チームが修理作業を行っているが、「傭兵」による略奪が繰り返されているため、稼働再開には至っていないという。

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ラッカ県では、ANHA(12月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線一帯を砲撃した。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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