2014年4月29日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ政治委員会書記長は声明を出し、イラク軍ヘリコプターによるシリア領内でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の車列への空爆に関して、「アサドはシリアを「国境を奪われた国」にしてしまった。この手の攻撃は主権侵害に他ならず、アサド政権がシリア国境の管理を保障できないことは明らかだ」と批判した。

バフラ書記長はまた、ダーイシュのシリア国内での活動について言及することなく、イラク軍の越境攻撃を「シリア国民への敵対行為」としたうえで、「マーリキー政権とアサド政権が、シリア人殺戮に関して当初から強調してきたことを我々はみな知っている。シリアでのテロのほとんどは、アサド政権との調整のもとマーリキー政権が輸出したものだ」と非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース書記長はマサール・プレス(4月29日付)に、アフマド・トゥウマ暫定内閣をトルコのガズィアンテップ市からシリア国内に移転しようとしているとしたうえで、この移転には6~8ヶ月を要し、5,000万ドルの費用がかかるだろうと述べた。

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リーマー・フライハーン女史は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立からの脱会を発表した。

連立の意思決定に対する外国勢力の介入を、幹部が排除できないというのが脱会の理由だという。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Masar Press Agency, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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